ナビゲーション  ホーム » 施工事例一覧 » その他・不明・非公開 » 他社のアンテナ工事の手直し及び特徴の違い

クラウンクラウンの松本です。
今回は別の会社でアンテナ工事を行ったところ、最初から映りが悪かったため同社での手直しではなく、弊社でのセカンドオピニオンをお求めになったという事例です。
最初電話での入念なカウンセリングののち、救済サービスを利用して無料訪問、調査の結果手直しで改善が見込めたため、そのまま弊社による改修工事となりました。

概要

もともと設置されていたアンテナがスカイツリーに向いておらず、各チャンネルのバランスも非常に悪いものでした。またフラットタイプのアンテナを別の金具で延長設置していたため、別の方法で改善できないか確認しました。また、こげ茶の屋根の上に白系のケーブルを這わせていたため、こちらは黒色に取り換えています。
※フラットアンテナのサイドベースによる上方延長設置は、しっかりとした強度で行うことは公式にも認められてはいますが、アンテナが重く風の抵抗も大きいため、原則として弊社では非推奨工事としています。


今回は小型のアンテナを既存のアンテナより少し高く、スカイツリーに向けて設置することで改善が見込めたのですが、ユニコーン(※今回設置したマスプロ電工のU2CNの製品名)の方が受信状況も良かったため、少しでも結果がいいものにしたいとのご要望からユニコーンを設置しています。
また、使用していた材料を弊社材料と比べた結果も最後にまとめたいと思います。

既存アンテナの受信状況


まず、空いているテレビ端子での電波測定を行った後、お客様にも確認していただきやすいように、すでに設置されているテレビ画面でも受信状況を確認していただきました。この写真では受信環境はギリギリ基準を上回っていますが、数値は非常に不安定で、30近くまで突然数値が下がるといったこともありました。

初期状態の受信レベル


こちらの会社は、お客様控えに受信状況を書き込んでいるのですが、各チャンネルごとの数値ではなく、何の数値かよくわかりません。平均なのか、中央値、最高値、最低値、そのいずれかの表記がないことと、MAR、BAR、DBという表記も気になります。
※MARはおそらくMER(Moduration Error Ratio:変調誤差)のこと(業界的に「マー」と発音することがある)、BARはBER(Bit Error Rate:ビット誤り)のこと(業界的に「バー」と発音することがある)、DBは受信レベルのdBμVのことを指しているのだと思われます。
アンテナ専門業者としてはいささか残念な表記です。

アンテナの配線について

屋根の上を横切るところがほとんどですので、白系のケーブルよりは黒いケーブルの方が適していると思います。
白系は紫外線に弱いといわれますが、これはちゃんとしたケーブルであればそれほど気にすることではないと思います。ただし、どちらでもいいという場合は、黒いケーブルを推奨しています。

上図の白いケーブルを下図の黒いケーブルに入れ替えました。

ただ気になったのはケーブルそのものの質です。後程ケーブルに対して行った検証結果をまとめます。

測定結果

手直し工事前の受信状況

手直し工事後の受信状況


テレビの受信確認画面ではこのぐらいのレベルです。

※瞬間最大値が大分大きくなっていますが、強すぎたためこの後ブースターの調整を行っています。

電波測定結果所見

もともとは日本テレビ(25ch)が映らなくなるというご相談でしたが、実際にはテレビ朝日(24ch)の方がさらに受信環境が悪い状態でした。おそらくあまりご覧にならなかったので気づかなかったのだろうと思います。記録上はちょっと悪いぐらいの数値ですが、実際には非常に不安定で、その内容は以下の情報からもよくわかります。



スペクトラムを見ると非常に状況が悪く、突然「受信できません」とまで電波が乱れることもありました。遅延プロファイルを見るとそれほどひどい状況ではないので、周辺からの反射波などの影響があるわけではなさそうです。
ちなみに改善後はこのようになります。


当初の電波レベルは、瞬間測定値ではギリギリ大丈夫かと思えるのですが、ゆっくり一つ一つのチャンネルを確認すると、すぐに受信が危ういということがわかります。また、バランスも良くない状態なので、なぜこれ以上調整を行わなかったのか疑問です。

今回の工事料金

今回の工事料金は以下のようになっています。


近隣エリアのため出張料金はいただいておりません。
また、細かい作業については一部救済サービスとして無料で行っているものがあります。

工事のポイント


もともとのアンテナはスカイツリーではなく浦和局(テレ玉のみ送信)に向けられていました。近所で目立つアンテナが同じように浦和局に向いていたのですが、もしかしたらこれを参考にしたのかもしれないですね。
受信方向が設置面と被っているため、本来はもう少し高く上げる必要があったと思います。ですが、もしかすると用意していたマスト(縦の棒)が長さが決まっていて、これ以上高く上げられなかったのかもしれません。
弊社では壁面の金具の付け直しよりも、壁に負担の少ない再利用で電波が向上できないか考えました。高く上げるのならば、まずは小型アンテナでの受信を確認し、その後ユニコーンでも確認しました。
テレ玉が非常に強く入ってきていたのですが、小型アンテナのSDA-5-1よりも指向性の強めなユニコーン(U2CN)をスカイツリーに向けることで、全体的なバランスがよりよくなったと思います。他にもテレ玉を抑えるためのフィルター代わりとして、専用の混合器を使ったり、パラスタックの八木式を使用するなどで、より改善できる余地はありますが、金額と結果のバランスと仕上がりをかんがえると、今回は小型アンテナかユニコーンの二択ではないかと思います。
関連記事:杉並区のアンテナ施工で検討時に記録した各種アンテナの受信データ

設置アンテナ

設置アンテナはマスプロ電工のU2CN、ブースターはDXアンテナのBU433D1が設置されていたので少しの調整を行いそのまま使用しています。
弊社で取り付けたU2CNの説明書は工事明細、保証書、保証規定とともにお渡ししておりますが、他社設置のアンテナやブースターの説明書は受け取っていなかったのかもしれません。説明書は各メーカーのウェブサイトからダウンロードできることが多いです。

施工時間

電波調査~カウンセリング:80分
施工時間:40分
となっています。

今回気になった他社施工と弊社施工の違い

使用していたケーブルについて

使用していたケーブルは、色を変えるために入れ替えましたが、その時に気になったのでケーブルを調べてみました。
すると、ケーブルの減衰値(性能)に違いがみられました。

こちらは屋外のジョイント部分から防水テープをはがしたところですが、防水用コネクタを使用していません。このコネクタでも防水がしっかりしていればいいのですが、できれば防水コネクタを使用したいところですね。

コネクタの先端は、かしめ方が悪く、回転するはずの部分がほとんど動かなくなっていました。

弊社は3重シールドタイプを使用していますが、他社では2重シールドタイプでした。ただ、シールド部分のアルミテープが非常に薄く、コスト重視のケーブルのように感じます。
弊社では会社に持ち帰ったのち、弊社仕様のケーブルと他社仕様のケーブルでテストを行いました。
電波発生器を使用して、約150cmに切りそろえた2本のケーブルそれぞれで損失を測りました。
ケーブルの先端は他社施工に合わせて簡易型F型コネクタを使用しています。





ゆるくケーブルを1周させて、ケーブルにすこしストレスをかけた状態で再度テストしました。
弊社仕様ケーブルでは変化がなかったのですが、他社仕様のケーブルではゆるく曲げた時に比べてさらに電波が減衰する症状がみられました。また、どちらの状態でも他社仕様のケーブルの方が減衰量が大きい結果となりました。

マストの違いと防水キャップ

弊社ではマストは現在32mm径のものを使用していますが、他社では25mm径のものを使用していました。
少し延ばすためだけのものなのかもしれませんが、あまり長くして使用すると、マスト自体が折れてしまうこともあります。ただし、径が細い分軽いという利点もあります。

なお、マストのトップには特に何もしていなかったのですが、風切り音の防止や、内側の錆防止のために、マストのトップには防水キャップなどの処置を推奨しています。
※ステンレス以外のマストは、一般的には内側には防錆処理がなされていません。

領収書について

領収書は工事伝票と一体型になっていましたが、印紙が貼られていませんでした。

税別価格が50000円未満の場合は印紙が不要ですが、総額表記のみの場合はその金額で判断するため、この表記の仕方では収入印紙が必要になるはずです。「内消費税〇〇円」とか「税別〇〇円」などの表記があれば印紙が不要となります。

今回の工事について

工事金額は弊社で行った場合よりも安くなっていました。(※領収金額の中には機器延長保証料金の5000円が含まれています。)ですが、使用する材料や調整の細やかさに関してはそれなりの結果になっているようです。
かなりの数の施工があるようなので、弊社で遭遇する手直し案件はごくわずかな割合なのだと思いますが、数をこなしているならそれなりの品質で施工できるようになってしかるべきなのではないでしょうか。他社を貶めるような発言は極力控えたいと思っていますが、業界をリードするレベルの施工件数を誇っている会社なので、もう少し改善していってほしいと願うばかりです。

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