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スターリンク衛星はたくさんあるのでぶつかってしまうのではないか

スターリンク衛星はたくさんあるのでぶつかってしまうのではないか

最近、スターリンク衛星に関するニュースが世間を賑わせています。特に、一度に100基ものスターリンク衛星が廃棄されたという報道は、多くの人々に衝撃を与えました。「これらの衛星が地球に落下してくるのではないか?」「その結果、私たちに危険が及ぶのではないか?」という疑問や懸念が、SNSやニュースサイト上で頻繁に見られます。さらに、現在も5000基以上のスターリンク衛星が低軌道を飛行しており、これらが互いに衝突する可能性についても、多くの憶測が飛び交っています。

そこで本コラムでは、これらの衛星が実際にどれほどの密度で低軌道に存在しているのか、そして衛星同士が衝突するリスクは本当に高いのかについて、具体的な計算を通じて考察します。

スターリンク衛星と飛行機の密度比較

この疑問に答える前に、まずはスターリンク衛星とは異なる、私たちがより馴染み深い飛行機について考えてみましょう。SkyartJapanによると、ピーク時には約16000機の飛行機が同時に空を飛んでいるとのことです。(※2021年のブログより)これらの飛行機は、スターリンク衛星と異なり、一部の空域で集中して飛行しており、有人で操縦されています(一部は自動)。

しかし、飛行機が飛んでいる高度と、衛星が飛んでいる低軌道の高度は異なります。そのため、衛星軌道の方が表面積が広く、同じ数の機体が存在しても密度は低くなります。

スターリンク衛星の密度と衛星間の距離の計算

スターリンク衛星の密度と衛星間の距離を求めるためには、まず衛星が存在する空間の体積を計算し、その中での衛星の配置を考える必要があります。衛星が低軌道に存在すると仮定し、その軌道の高度を特定の値(例えば550km)で固定して計算します。ただし、実際のスターリンク計画では、衛星は複数の軌道高度に配置されているため、この計算はあくまで一例です。またスターリンク以外の低軌道衛星もありますので、今回は衛星の数を6000として計算しました。

スターリンク衛星の密度の計算

  1. 軌道の半径の計算:
    地球の半径 R = 6371 km
    衛星の軌道高度 h = 550 km
    軌道の半径 r = R + h = 6371 + 550 = 6921 km
  2. 軌道の表面積の計算:
    表面積 A = 4πr2
    A = 4 × 3.14 × (6921)2 km2
    A ≈ 601,144,000 km2
  3. 衛星の密度の計算:
    スターリンク衛星+低軌道衛星の数 N = 6000
    密度 D = N/A
    D = 6000/601,144,000 衛星/km2
    D ≈ 0.00000998 衛星/km2

衛星間の平均距離の計算

密度から衛星間の平均距離を求めるには、密度の逆数の平方根を取ります。これは、各衛星が均等に分布していると仮定した場合の近似計算です。

  1. 衛星間の平均距離:
    距離 = √(1/D)
    距離 = √(1/0.00000998) km
    距離 ≈ √100200 km
    距離 ≈ 316.54 km

計算結果の説明

私たちが行った計算によると、低軌道衛星が6000基存在する場合、それらは約601,144,000平方キロメートルの広大な低軌道空間に分布しています。この計算から、スターリンク衛星の密度は約0.00000998衛星/平方キロメートルと非常に低いことがわかります。さらに、これらの衛星が均等に分布していると仮定した場合、衛星間の平均距離は約316.54キロメートルにもなります。

この結果は、スターリンク衛星同士が互いに非常に遠い距離にあることを示しており、衝突のリスクが極めて低いことを意味します。もちろん、実際には衛星の軌道や位置は常に変動しており、完全に均一な分布ではありませんが、スターリンクの衛星は高度な衝突回避システムを備えているため、実際の衝突リスクは計算上のものよりもさらに低いと考えられます。

まとめ

現在、スターリンクはさらに多くの衛星を打ち上げる計画を進めており、将来的には現在の数の8倍にあたる4万基以上の衛星が低軌道に存在することになるかもしれません。このような大規模な衛星ネットワークが構築されると、衝突リスクに対する懸念が高まるのは自然なことです。

しかし、今回の計算結果とスターリンク衛星が備える先進的な衝突回避技術を考慮すると、衛星同士が衝突する可能性は非常に低いことが理解できます。スターリンクのシステムは、日々の運用中に宇宙デブリや他の衛星との衝突を避けるために軌道を微調整しています。このため、衛星の数が多いからといって必ずしも衝突が起こるわけではなく、技術的な対策によって安全が確保されているのです。

結論として、スターリンク衛星プロジェクトは、その規模と技術により、宇宙空間の利用方法を再定義しています。衛星の増加がもたらす潜在的なリスクに対しても、継続的な技術革新により対応していくことで、これらの新しい挑戦を乗り越えていくことが期待されます。

著者プロフィール
| スターリンク衛星はたくさんあるのでぶつかってしまうのではないか | 高品質アンテナ工事専門会社のクラウンクラウン
松本 昭彦代表取締役
経歴と専門分野:
幼少期から家電設備の工事に親しみ、クラウンクラウンの設立の前に15年以上にわたりさまざまな設備工事の現場で経験を積みました。100名を超える下請け工事業者の取りまとめとクレーム処理責任者としての役割を経て、2011年に独立。品質重視と明朗会計をモットーに掲げ、業界改革を目指して高品質工事専門の「クラウンクラウン」を設立しました。

学歴:
東京電機大学理工学部情報科学科(中退)
事業構想大学院大学 事業構想士修士課程

主な資格:
国家資格:
1級電気工事施工管理技士
2級管工事施工管理技士
2級電気通信工事施工管理技士補
第一種電気工事士
工事担任者(2級デジタル)
給水装置工事主任技術者
一般建築物石綿含有建材調査者
石綿作業主任者
運行管理者

その他資格:
第2級CATV技術者
1級あと施工アンカー施工士
インテリアコーディネーター
キッチンスペシャリスト
一級リビングスタイリスト
二級福祉住環境コーディネーター
排水設備工事責任技術者
照明士