「スターリンク」という名前を聞いたことがあるでしょうか?最近話題になっている、宇宙船メーカーSpaceXが提供する衛星通信サービスです。スターリンクは、世界中のどこでも高速なインターネット接続を提供することを目的に開発されました。従来の地上ネットワークではアクセスしづらい場所でも、衛星通信を使うことで快適なネット環境を実現することができます。本記事では、スターリンクの仕組みやメリット・デメリット、料金や契約方法などを詳しく解説します。
「スターリンク」とは、SpaceXが提供する衛星通信サービスです。スターリンクは、低軌道衛星を利用することで、高速で安定したインターネット接続を世界中どこでも提供することができます。利用には専用のアンテナとルーターの設置が必要ですが、農村部や開発途上国、災害時など、インターネットが不足している地域でのインフラ整備や、リモート診療やオンライン学習の進展などに期待が寄せられています。
日本では2022年10月からサービスが開始されました。
スターリンクのシステムは、地上の受信機から送信された信号を低軌道にある衛星群が受信し、中継して目的地の受信機に送信します。衛星は高速で移動するため、地球上のどこからでも衛星が見えるようにするために、数百もの衛星を打ち上げています。
衛星は、1つの衛星が提供する地域をセルとして分割されており、その範囲内にある受信機はその衛星に接続されます。このようにして、世界中のどこでも高速かつ低遅延のインターネット接続が可能となります。
スターリンクは短い間隔で費用が変わることがあります。2022年10月に日本でサービス提供が開始されてから、2023年の1月までの3か月の間に2度の値下げがありました。また4月からは海外の一部の地域において「混雑している場所は10ドル値上げ、すいている場所は20ドル値下げ」と言ったメールも送られているようです。
2023年6月12日現在の料金は以下のようになっています。
レジデンシャルプランとモバイルプランは初期費用(アンテナキット)が55000円73000円(現在はキャンペーンにより36500円)、ビジネスプランは365,000円がかかります。以前はキット代に送料も含まれていましたが、現在ではキット代以外に別途送料がかかります。
モバイルプランとは車などにアンテナを設置して、文字通り移動しながら使えるプランです。初期費用(アンテナキット)が2,500ドル(約35万円)と案内が出ていますが、現時点で日本から注文することはできません。
法人で利用する場合でも、ビジネスプランを契約する必要はありません。現在はレジデンシャルプランやRoamプランの法人利用にも特に制限はありません。また大手通信会社(KDDIやソフトバンク)が代理店としてスターリンクのビジネスプランを独自展開していますが、スペースXに直接注文してビジネスプランを契約することもできます。
Starlinkの公式サイト(https://www.starlink.com/)にアクセスして申し込みます。
利用場所の住所を入力し、利用可能かどうかを確認して手続きに進みます。
後日アンテナキットが届きます。
スターリンクを使う手順は以下の通りです。
自宅でスターリンクを使用する場合は、アンテナが強風で動かないように、また充分北の空が開けている場所に固定するのがおすすめです。
ただしスターリンクケーブルは36V以上の電気が流れる(第一世代で56V、第二世代で48V)ため、ケーブルを建物などに固定する場合は電気工事士の資格が必要です。その他の施工も軽微な電気工事(電気工事士の資格は不要)にあたるため、電気工事業の会社以外は請け負うことができません。※DIYなど業として行うものでなければ電気工事業の登録は不要。
壁や軒天などに穴をあけて室内に配線を取り込むことになると思いますが、難易度が高くさまざまな道具も必要なので、プロに任せるのが一番効率がいいでしょう。
※実際の固定工事の際には設置手順が異なる場合があります。
広告で宣伝されているスターリンクの通信速度は最大で200Mbpsですが、多くの事例ではそれ以上の速度が出ています。
下りの速度は比較的高速ですが、上りに関しては10Mbpsから20Mbps程度が多く、高画質のライブ配信などには向いていない可能性があります。ビデオ会議等では十分実用的な速度です。
下りの速度は十分速いため、複数人が同時に動画視聴などを行っても快適に使用できるでしょう。
スターリンクは1台につき最大128の端末が同時に接続することができます。
※Zoomの公式サポートによると推奨値は以下の通りです。
当社では全国でもトップクラスのスターリンク設置実績を誇っています。現在までに50例近くのさまざまな設置を行っています。
現在、スターリンクは先進国における地方部や農村部のインターネット接続に利用されており、限定的な展開に留まっています。しかし、スターリンクの将来的な目標は、全世界に高速インターネット接続を提供することです。そのために、スペースX社はスターリンクの衛星を数千機打ち上げる計画を進めており、今後の展望は非常に大きいと言えます。
一方で、スターリンクはまだ発展途上の技術であり、いくつかの課題も抱えています。例えば、天候によって通信速度が低下することがあることや、建物や木々などの障害物が衛星通信を妨げることがあることなどです。また、スターリンクの衛星は低軌道に配置されており、それに伴い衛星数も多いため、衛星による光害が問題視されています。
既にスターリンク事業は単体で黒字化されており、今後の新たなるサービスに向けてV2衛星の発射も行っています。また2023年2月にはフィリピンでもサービスが開始され、ますますアジア地域にも広がっていくことでしょう。
クラウンクラウンのスターリンク工事料金表は以下から。できるだけ誤解の無いように追加料金等も公開しています。※スターリンクの設置配線工事は電気工事士の資格と電気工事業の登録が必要ですのでご注意ください。
Starlinkのアンテナの種類(旧型・新型・高性能型)などもお知らせください。