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クラウンクラウンの松本です。
少し前の事例ですが、他社様工事の手直しでお伺いしたときのことです。あまり他社様批判はしたくないのですが、注意喚起も込めて事例公開します。

ハウスメーカー様等の敬称は記事中で省略させていただいております。

概要

以前他社様でアンテナの補修工事を頼み、その後半年ちょっとで不具合が出たため手直しをお願いしたそうです。1年もたっていないのに特に保証もなく、有料作業でありながら、1週間程度でまた不具合が起きたため、信用できないと思い弊社への救済措置相談となりました。

点検の手順

伝票等もお持ちであったので、初回現場点検までは無料のプランとしてお伺いしております。

既存工事内容の確認

Incomprehensible_construction_item

7か月前にアンテナとブースターを設置し、その後点検作業と書いてあります。


2017年12月にアンテナの取り換え工事をお願いし、アンテナとブースターを取り換える工事となったようです。
しかし、2018年7月にテレビが映らなくなってしまったため点検を頼むと、特に保証もなく有料で手直しをされた、手直し後1週間程度で再度同じ症状が出てしまったようです。再度相談したところ、今度はブースターの交換が必要だとかなんだとかで前回よりも高額の工事が必要になると言われたそうです。そこで不安になり、弊社にご相談をいただいたとのことです。
書類もそろっていましたので、救済処置として無料での現場確認後、内容を確認してそのまま手直しとなりました。

症状の確認

全くテレビが映らないということでしたので、ブースターに何か不具合が起きている可能性が高いと判断しました。

initial_state

まずテレビ裏で現時点の電波測定を行いましたが、全く電波が来ていませんでした。


テレビ裏の配線で電波確認を行うと電波が全く測定できていない状態でしたので、まずブースター電源を確認しました。
ブースター電源はお客様がご自身で購入されたものがテレビ裏で接続されていました。
電源が悪そうだったので、ご自身で購入して取り換えてみたそうですが、このブースター電源のインジケーターを用いて簡易的に症状を確認しました。
error_indication

ブースター電源の簡易チェック機能では「断線」のエラーが出ていました。


マスプロ電工製ブースター電源のインジケーターでは「断線」の表示が出ていました。

屋根上の確認

ブースターまでの間で断線と表示されていましたので、実際のブースターを確認し、配線を屋根からたどってみることにしました。
多くはブースターに刺さっている配線が抜けてしまっていることなどが考えられます。とはいえ、下から見上げた感じでは抜けてなさそうだったのですが。

実際のアンテナを見て驚きました

before

7か月前に工事を行っているはずのアンテナですが、コメントしづらいような状態です。


屋根の上に立っているアンテナを見てみると、アンテナを支えているワイヤーがかなりたるんでいました。また、アンテナケーブルが引っ張られて、固定していた屋根馬から浮いてしまっています(写真下部中央から右に向かって)。つい数日前に手直しをされているはずですが、全くそんな感じがしません。
何より驚いたのはブースターです。

明細上は7か月前、実際のブースターは13年前のもの

hb-36uf2

2004年に発売されたブースターです。だいぶ前に製造終了し今では入手することが難しいものです。


Previous_standard_booster

なかなかこれが7か月前に設置されたものとは考えられません


確か明細上では7か月前にブースター本体と取り付け料金を合わせて31000円(税別)も支払われているはずですが、どうみても7か月前に取り付けたものとは思えません。使用されているケーブルもとても古いものに見えます。
とにかく、断線の箇所と原因を探っていきます。
すると、更に驚くことになりました。

おそろしくずさんなアンテナ補修

おそらく、前回(数日前)の補修を行った箇所なのでしょうが、アンテナ配線のジョイント部分に問題がありました。

Outdoor_joint_before_reworking

室内用のアンテナコネクタを使用してアンテナ配線がジョイントされています!!


This_is_not_a_waterproof_cover

一見防水カバーでもしているのかと思いますが、半透明のプラスチックは屋内用ジョイントボックス「ナイスハットH」というものです。


何重にも衝撃があり、その一つ一つのインパクトも大きすぎたため、しばらく言葉を失いました。
まず、屋外で使用することが考えられない屋内用(というより室内用)のアンテナコネクタを使用していること。これはもちろん防水性能などあるわけもなく、ねじ込み式でもないので簡単にジョイント部分から外れます。また防水テープも巻かれておらず、知識も道具も持ち合わせていない人が何とか頑張ってやってみたということなのでしょうか。
防水用にかぶさっているのは「ナイスハットH」というもので、屋根裏などで電気配線を圧着した際などに防護カバーとして屋内で使用するものです。屋外用には「ナイスハットM」というものがあるので、少なくともそれであればまだましだったかもしれません。※今回の不具合はまた別の箇所が原因だったわけですが。
実際に中はどうなっていたかというと、こうなっていました。
Initial_state_of_antenna_wire_joint

下にあるケーブルがブースターまでつながっているもので、考えとしては7か月前もしくは数日前に施工されたもののはずですが・・・。


おそらくは、7か月前に「既存のアンテナの不具合で交換工事」を行った際、ブースターも交換することなくアンテナ本体のみの交換とちょっとした作業を何か行ったのではないでしょうか。そのため、ジョイント部分から先のケーブルも昔のものがそのまま残っていたのだと思います。
Rust_of_antenna_connector

実際のコネクタですが、中身はだいぶ錆びて断線していました。


屋根の上でコネクタの中身が錆びていることを確認し、有料にて手直しを行うことを確認したのちにあとから撮り直した写真ですが、見事に中に水が入って錆びたのち断線していました。
次は水がどこから入ったのか原因を探すことになります。

アンテナ配線に水が浸入した原因

意外かもしれませんが、水が浸入した直接の原因は屋外のナイスハットの防水部分ではないようです。
何年も持つやり方ではありませんが、一時しのぎとしては雨はしのげていたのかもしれません。しかし、前回補修に来た人は根本的な部分の解決はできていなかったようです。

Repair_of_cable_scratches-(bad_case)

アンテナの足元の配線を見ると、ビニルテープの切れ端がいくつかくっついていました。


False_protection_measures

よく見ると、ケーブルに切れ目が入っており、その切れ目をビニルテープで補修していたようです。


アンテナ工事に詳しくなければこのような小さい傷が致命傷になることがあるということに気づかないのでしょう。
せめて防水テープで補修していればアンテナ配線に水が浸入することはなかったと思いますが、本来ならばジョイント部分から先は新しいケーブルで引き直すべきです。また今回お伺いした際にケーブルが引っ張られて浮いていたのは、先端を切り直して短くなったケーブルを無理やりつなげたからだと思います。
電気工事で使う保護ケースで無理やり防水したり、ジョイント部分にねじ込み式のものを使っていないことを考えると、アンテナの材料を持っていない(アンテナの知識がない)工事の人が考えてなんとか現状を回復させようとした結果なのかもしれません。

実際のアンテナ工事は

slightly_sutupid_finish

アンテナ本体はおそらく7か月前に新しくされたのでしょうが、ビニルテープの仕上げや、以前のテープをそのままにしているなど、気になる点が多い工事です。


屋根の上だと、下から見上げた時に遠目で気づかれにくいとでも思うのでしょうか。それとも工事をする人自身が気にならないのでしょうか。
元のアンテナ線を留めていたと思われるビニルテープなどもそのまま残っています。
昔のテープはそのまま残り、新しく巻いたと思われるテープがはがれかかっているのは、テープの品質の差です。とにかく安いビニルテープを使おう、となるとすぐはがれてしまったり、硬くなってボロボロと崩れてしまうのですが、アフターフォローなどをしたことがないと気付かないのかもしれません。
ともかく、ここから先が補修工事となります。

アンテナ配線補修工事

今回は7か月前の工事と数日前の補修で既に10万円近くの出費をしてしまっています。
弊社としても何とかしてあげたいという気持ちはあるものの、メニューとして打ち出している無料点検以上のサービスを行うことは公平なサービスとはならないので、なんとかお客様のご負担を最低限に抑えつつ、問題を解決する必要がありました。
本来はアンテナも立て直し、ケーブルも引き直してすっきりさせたいところですが、近いうちにご新築される予定もあるとのことで、あと数年もてば大丈夫とのことでプランを組み立てました。
またテストで使用したブースターはご主人がご自身でご用意されたものであったため、そのまま利用させていただくことにしました。

既存アンテナ配線の確認

コネクタの内部を確認したときに、ブースター側だけ浸水の跡があったので、おそらく家屋側は問題ないとは思いましたがまずは点検します。

Measurement_of_voltage

家屋からの配線の先端を加工し直し、問題なく電気が流れてきていることを確認します。


Connector_used_for_3c2v_cable_this_time

既存の配線は細く加工しづらいものでした。3C2Vというケーブルで圧着端子では取り付けられないため、標準的なコネクタを使用します。


ケーブルを加工し直し、問題なく電流が流れていることを確認し、配線入れ替え作業に移ります。
本来屋外のケーブルコネクタには圧着タイプの方が好ましいです。さらにジョイント部分に使用する際は、圧着タイプの方がすっきりするため防水テープをしっかり巻き付けやすくなります。しかしながら家屋側のケーブルは3C2Vという細いケーブルが使用されていたためかしめタイプのコネクタを使用し、しっかりと防水テープを巻き上げて処置をしています。

アンテナ配線の入れ替えと防水処置

Cable_replacement

右側が家屋側の3C2Vケーブルで左側が弊社標準の3重シールドタイプS5CFBTとなります。


Waterproof_tape_finish_on_joints

ジョイント部分には隙間ができないように丁寧に防水テープを巻き上げます。


Waterproof_tape_and_vinyl_tape

防水テープは一見黒いビニルテープと見分けがつきにくいのですが、全く別物です。


防水テープで処理をした後、念のため巻き上げ方向が上になるように固定します。
Fix_the_wiring_after_waterproofing

このように固定することで、更に防水効果が高まります。

アンテナ本体

アンテナ本体はマストに対して低めに取り付けてありましたが、おそらく7か月前に工事に来た方が手の届く範囲で無理なく取り付け作業を行ったのだと思います。電波の測定値も良好だったので、今回はそのままにしておきました。

ブースターの取り付け

家屋内では年数の経った細いケーブルが使われているため、電波の減衰(電波が弱くなること)が著しい環境でした。ブースターなしでもギリギリ大丈夫かもしれない程度だったのですが、ブースターをご購入されていたこともあり、そのブースターを設置しました。

Adjust_the_output_of_the_booster

ブースターはただつければいいものではありません。きちんとした調整が必要です。


ブースターのモニター端子を使用して電波の強さをちょうどよくなるように調整します。
ブースターは適当につけても効果を発揮することもありますが、本来はブースターから先でどの程度電波が減衰するのか、ブースターに入ってくる電波の強さはどの程度なのか、将来季節や天候の変化で変動しうる数値もある程度考えたうえで調整する必要があります。
ちなみに、電波は1年を通して6dBμV程度変動すると言われていますが、目の前に大きな落葉樹がある場合などはもっと大きな変動も考えられます。
Outdoor_antenna_connector

アンテナから伸びたケーブル、ジョイント部分から新たに伸ばしたケーブルともに圧着式コネクタで加工します。

おまけ

手直しをしていて気になった部分があったのでついでに行った部分があります。
正式な工事ではないので料金はいただいておりません。

Simple_repair_of_roof_tiles

アンテナ付近の瓦にひびが入っていました。コーキングで簡易補修を行いました。


弊社で使用しているシリコンコーキングは変成シリコンタイプで屋根の補修などにも使われるものです。比較的新しいひび割れでしたが、お客様に報告し簡易補修を行いました。
Eliminate_the_slack_of_stainless_steel_wire

ステンレスワイヤーの簡易的なたるみの取り方です。


アンテナを支えるステンレスワイヤーは十分な硬さがあるため、このようにねじってたるみをとっても、ねじった部分が戻ってたるむことがあまりありません。長期的に見るとたるむ可能性はありますが、リスクは低いと言えるでしょう。ただやみくもにねじるとねじ切れてしまうことがるので力を調整する必要はあります。リスクは低いのですが弊社では公式にサポートしている方法ではありませんので、お客様に説明したうえでサービスで行わせていただきました。

今回の工事料金

今回の工事料金は以下のようになっています。

工事内容アンテナ配線防水改修工事

アンテナ配線防水手直し工事
手持ち地デジブースター設置工事 10000
梯子作業 2000
12000

千葉県流山市のため出張費はいただいておりません。
救済措置のため初期点検料金等はいただいておりません。

手直しのポイント

テレビが全く映らなくなったということでブースター、もしくはブースターにつながる配線に問題があると考えました。
実際その通りだったのですが、以前頼んだ工事会社のアフターサービスに不信感があり、ご自身でブースターをご用意されて試してみた(電源部分のみ)とのことでした。アンテナの配線の傷はそれ自体は大した影響はないのですが、場合によってはケーブルの外装(被覆)の内側に雨水が浸入し、ジョイント部分を腐らせてしまうことがあります。ジョイント部分の方が高い位置にある場合はほとんど影響を受けることはないのですが。今回はジョイント部分の方が下がっておりましたのでこのような結果となりました。
ただし、工事自体が非常にずさんなもので、インターネットでも大きく宣伝されている会社の施工だったことが同業として大変ショックを受けました。
また請求内容もでたらめのように思いましたがお客様では気づかなかった部分です。ブースターの電源は屋内にありましたが、屋根の上にあるものを取り換えたと言われればそう信じてしまってもおかしくありません。誠実で明朗会計な会社が増えていくことを願っていますが、願うだけではなくそうできるように弊社としても尽力しなくてはいけないと思わされました。

施工時間

原因調査~交換工事:60分
となっています。