
はじめに
様々な施工会社、請負会社、また個人からDIYに至るまで、さまざまな方法それぞれのメリット、デメリット、コストなどの特徴をまとめたいと思います。
各サービスごとに簡単にまとめていますが、サービスの種類が多いため解説総量は非常にボリュームがあります。
気になるところだけかいつまんで参考にしていただければ幸いです。
先に結論を言ってしまうと
長い内容を読んでいくのは大変なので最初に結論を書きます。
アンテナ工事は専門性が高い工事ながらエアコン工事などとは異なり特別な機械(真空ポンプなど)が必要ないため、DIYでも見よう見真似で形としては出来上がります。昔は一家のご主人が屋根に上ってアンテナを調整するなんて光景もよくあり、風が強い日はテレビの映りが乱れるなんて良くある笑い話でした。
最近では個人の活躍なども後押しして、専門的な学びもないままさまざまなレベルの工事業者があふれています。
お住まいの地域や状況によって若干変わってくるかもしれませんが、上記の内容から考えると、必然的に一番のおすすめは専門工事会社となります。
ただしホームページなどではアンテナ工事専門会社のように見えていても、実際は実力の伴わない便利屋サービスであったり、悪徳業者であるかもしれません。
このページではそんな専門業者の見分け方や、他の工事委託先それぞれのメリットデメリット、またアンテナ工事料金の相場を解説します。
クラウンクラウンは「正直者やいい人が馬鹿を見ることの無い世界づくり」を目指しています。
面倒だなと思ったら
いろいろ読むのは面倒くさいという方は、まずはお気軽にお問い合わせください。弊社の長年の実績と他社工事の手直し実績などをもとにアドバイスをさせていただきます。クラウンクラウンでは各お客様ごとに丁寧なカウンセリングを行うことが得意です。相見積もりもお勧めです。
工事金額の相場
- しっかりとした電波調査を行わない
- そのまま工事を行うことが前提(調査のみの場合は有料)
- 地デジアンテナ+地デジブースター工事 60000円~120000円
- 地デジアンテナ+BSアンテナ+地デジ/BSブースター工事 100000円~160000円
見積もり無料の実際
「見積もり無料」とはよく見かけますが、あくまで概算見積もりで現場調査は有料になることがほとんどです。現場調査は技術と手間がかかります。それを無料で行っているとしたら以下の理由です。アンテナ工事標準料金
いい業者選びの簡単なチェックポイント
POINT
- 法人もしくは個人事業主である(開業届を出していないフリーランスを除く)
- 電気工事業許可を得ている(電気工事を業として行う場合に必ず必要・個人事業主でも必須)
- 一つの現場に対して2人以上で工事を行っている
- 料金の掲示があいまいではない(最安値を大きく謳っている場合やブースター込みの合計金額を掲示していない場合、料金表の項目が少なすぎる場合は要注意)
- 命綱やフルハーネスを使用している(法律で利用が定められているため、未使用は違法工事)
- 工事の内容・アンテナの種類などが選べる
- 保証の有無や内容をしっかりと説明してくれる、または掲示している
- 施工事例が豊富
- 実績が多数(営業年数が長い)
こちらの記事も参考にしてください。
資格について
アンテナ工事自体に必ず必要な資格はありません。しいて言うならCATV技術者という資格があります。CATV(ケーブルテレビ)はアンテナ工事と逆に思えますが、勉強する知識にはアンテナ設置にも深く言及し、アンテナメーカーでは役職付きの人が必ず持っている資格です。最近できた国家資格としては電気通信工事施工管理技士がありますが、これは大規模な現場で必要な資格なので個人宅の工事に関しては特に気にすることはありません。
それよりも大切なのは、もし電気工事もできる(行う)業者の場合、法人、個人事業主問わず「電気工事業」の登録が電気工事業法で義務付けられています。
一般的にはあまり知られていませんが、すなわちプロと素人の違いを確認する一つの指標として使えるでしょう。※独学などで業界の法規の知識が足りないと、この登録を行っていない、または電気工事業の登録自体を理解していない場合があります。
アンテナ工事を頼めるのは12種類

アンテナ工事専門会社にアンテナ工事を依頼する場合
メリット
- 専門会社なので、知識や経験が豊富
- さまざまな方法から最適な工事方法を選べる
- 技術力がある
デメリット
- アンテナ以外の工事を頼むことができない
- 他業種からの参入や個人事業主の場合、法令が遵守できていない場合がある(電気工事業法・フルハーネス型安全帯(墜落制止用器具)特別教育など)
特徴・注意まとめ
アンテナ工事専門会社は非常に珍しい業種となります。今はウェブ上で検索することで見つけやすくなったものの、旧来から営業している会社よりもいわゆるネット系の会社ばかりが見つかるかと思います。アンテナ工事専門と謳っている会社も、実際はエアコン工事などが専門の会社も多く、中にはウェブサイトが専門で実際の工事は全国から募集した工事会社という場合もあります。特に会社名をあまり表に出していないサービスは一度会社概要を調べる癖をつけましょう。
アナログ放送の時代から専業で経営している会社はほとんどないと思います。多くは地デジ化以降に新規参入した会社などではないでしょうか。以前は地デジ化バブルに現れた新参者という立場でしたが、地デジ化されたのもずいぶん前になりますので、そういった会社でも今では十分ベテランになっていることも考えられます。
ただし、そういった若い会社はアナログ放送時に建てた家など、築年数の経った建物の工事経験が乏しく、最良の結果が得られないこともあるかもしれません。そのため[新築専門]などとターゲットを絞っている会社もあります。また異業種から参入してきた場合に、法令遵守ができていない(そもそも関連法の知識がない)場合も時々見かけます。
専業で行う会社も方向性がいくつかあり、材料や施工方法を絞って工事費用を安く抑えている会社や、専業としてどんな工事でも対応できるように材料をそろえ、様々な現場に対応している会社などの違いもあります。
BSアンテナ工事を行う場合、今でも2Kが標準で4Kが追加工事になる場合や、4K工事の際には必ず分配器やテレビ端子を取り換えなくてはいけないと言われて工事料金が思っていた以上に膨れ上がる場合があります。
アンテナ専門と謳っていても、実際にその内容は千差万別です。 メーカーの研修実績やCATV技術者の資格を持っているなどの場合や、独学で始め知識や技術が伴っていない場合もあります。
アンテナは八木式だけではなく、デザインアンテナの設置や屋根裏への設置なども得意な会社があります。またアンテナの色やブースターもいくつかの候補から選べる場合もあります。
対応エリアが広いため現地調査が有料となることが多いのですが、電話やメールなどで細かい見積もりを出してもらえることが多いです。
法令遵守でいうと電気に関係する作業を行う場合は電気工事業の登録(建設業の場合は届け出)が必要になります(電気工事業の業務の適正化に関する法律)。
Googleやまとめサイトの口コミも業者選びの際には参考になるかもしれません。※ユーザーが投稿できないタイプの口コミまとめサイトは恣意的にランキングされている場合があり、信ぴょう性があまりありませんので無視していいでしょう。※弊社では口コミ操作、外部委託などは一切行っていません。
おおよその価格
専門業者は主にネットで探すことができますが、ネット上では主に最低価格のみを大きく掲示している会社が多く、合計金額が非常にわかりづらくなっています。
なお、多くの場合はブースターが必要になると考える方がよく、ブースターも含めた工事金額で予算を組みましょう。
最近は減りましたが、通常のプランではありえない最低価格を大きく掲示している会社もあります。
多くの場合工事料金の相場は以下のような価格帯になりそうです。
- 地デジ+ブースター工事
- 30000円~60000円
- 地デジデザインアンテナ+ブースター工事
- 30000円~70000円
- 地デジ+BSアンテナ+ブースター
- 45000円~80000円
- 地デジ+新4K8K衛星放送アンテナ+ブースター
- 65000円~100000円
弊社の場合

ハウスメーカーにアンテナ工事を依頼する場合
メリット
- 注文住宅の場合、建築の段階で気軽にアンテナの設置場所や種類を相談できる
- 特殊な工事でも対応してもらえる場合がある
- アンテナ設置場所に下地を入れてもらえる場合がある
- 窓口が増えずに済む
- 支払いが住宅ローンに組み込める場合がある
デメリット
- 工事料金が高くなりがち
- 専門知識に乏しい電気工事の担当者が工事を行う場合がある
- 現金払い、もしくは工事後の振り込み払いにしか対応していない場合がある
- 全く保証が付かない場合がある
- 特殊な工事に対応してもらえない場合がある
特徴・注意まとめ
ハウスメーカーに工事を頼むかどうかは、監督との相性次第とも言えます。
細かいこだわりを伝えてもピンと来ていなかったり、こちらの意見を否定しがちな監督では、結果は期待することができませんね。ただし、アンテナにこだわりもなく、ハウスメーカーが「サービスでつけておきますよ」なんて言う場合にはそのままお願いしてしまった方がいいかもしれません。
また、アンテナ工事を建築と同時に行うことで、支払いを住宅ローンに組み込んだり、住宅の保証と同様にアフターメンテナンスの面倒を見てもらえることもあるかもしれません。ただし、ハウスメーカーによっては完全にアンテナ工事は別と切り離していて、別途工事業者を紹介するだけの場合もあり、紹介料を上乗せする分割高になることもあります。
弊社もいくつかのハウスメーカーから紹介をいただいておりますが、手数料を支払うのではなく、光栄なことに担当者が施主様にご満足いただけるサービスの一環として弊社を紹介していただいております。そのためお客様にも料金が上乗せされずに請求させていただいております。もしよろしければ一度ハウスメーカーの担当者様に弊社の紹介がないかお伺いしてみてください。
まれではありますが、電気工事屋さんが施工したアンテナ配線の不具合が見つかる場合があります。そういう電気工事屋さんがつけたアンテナだと不安もあります。
八木式以外にデザインアンテナの取扱いができるかを確認しましょう。
工事後の保証の有無を確認しましょう。
おおよその価格
中にはアンテナ工事がサービス(建物の金額に含まれている)の場合もありますが、有料で手配した場合、アンテナ工事料金の相場は以下のような金額ではないでしょうか。
- 地デジ+ブースター工事
- 50000円~100000円
- 地デジデザインアンテナ+ブースター工事
- 50000円~100000円
- 地デジ+BSアンテナ+ブースター
- 70000円~120000円
- 地デジ+新4K8K衛星放送アンテナ+ブースター
- 70000円~150000円

リフォーム会社にアンテナ工事を依頼する場合
メリット
リフォームと同時に行うことで、様々なメリットが考えられます。
- 危険な屋根などでも足場を組んで工事ができる
- 壁の中の配線を入れ替えることができる
- 外壁に引き回した配線を壁と一緒に塗装して目立たなくすることができる
- 室内のテレビ端子を同時に増やすことができる
- 新4K8K衛星放送対応の設備に総入れ替えすることができる
- 支払いをローンで組める
デメリット
- 専門知識に乏しい電気工事の担当者が工事を行う場合がある
- アンテナ工事部分のみ丸投げし、そこに手数料を上乗せされる場合がある
- 全く保証が付かない場合がある
特徴・注意まとめ
そのうえで改めて、他に手配するかどうかを決めるといいと思います。ただし、決断を早めに行わないとアンテナ工事とリフォーム工事のタイミングが合わず、最高の状態で仕上がらない可能性があります。
弊社にも時々リフォーム会社や、リフォーム中の施主様からのご依頼をいただくことがありますが、前者の場合は弊社の名前を伏せて工事を行う場合(一般的に工事料金は上乗せされて請求されます)もあれば、普通に紹介されて手数料も取らずに工事を行う場合もあります(リフォーム会社が、工事を行う上で連携しやすい、細かい調整ができるなどの理由でお選びいただくことがあります)。
また、リフォーム会社が別途アンテナ工事を外注する場合は、品質で選ぶ場合と金額で選ぶ場合とあるかと思いますので、その場合はリフォーム会社のポリシー次第といったところでしょう。
おおよその価格
おおよそ、ハウスメーカー経由の工事と同じだと思いますが、ハウスメーカー経由はご新築時、リフォーム会社はリフォーム時、ということになるでしょう。
工事料金の相場は以下の通りです。
- 地デジ+ブースター工事
- 50000円~100000円
- 地デジデザインアンテナ+ブースター工事
- 50000円~100000円
- 地デジ+BSアンテナ+ブースター
- 70000円~120000円
- 地デジ+新4K8K衛星放送アンテナ+ブースター
- 70000円~150000円

家電量販店にアンテナ工事を依頼する場合
メリット
- 家電を購入したついでに依頼ができる
- たまったポイントが使用できる場合がある
- 様々な支払い方法に対応している場合がある
- 窓口が大会社なので安心感がある
- 対面して受付ができる
デメリット
- 夏場は受付に消極的な場合がある
- 夏場はエアコン工事で人手不足になりがち
- 工事担当者の品質にむらがある
- 工事の保証が付かない場合がある
- 工事のバリエーションに乏しい
- 工事料金はやや高め
- 受付の担当者が知識がなく、工事担当者に正確に情報が伝わらないことがある
特徴・注意まとめ
アンテナ工事などは現場によって料金が異なるため、工事料金をポイントやクレジットカードなど現金以外の方法で支払う場合は、一般的には事前見積りをお願いし、その後店頭に赴いて支払いを済ませる必要があります。
※量販店の工事業者は現場での現金以外の決済に対応していないため。
家電量販店の工事料金は細かく分けられていることが多いです。その反面、料金表に公式に定められていない内容については現場判断になることが多く、担当者次第で金額が変わることがあります。
平成26年豪雪の際、家電量販店でも多くのアンテナ補修工事が発生しましたが、当時は一般的な基本料金とは異なる高額での補修工事が多く行われていました。
地デジ工事は一般的に材料代を含んだ料金で提示されていますが、BSアンテナは商品として販売しているため工事料金とは別に購入する必要があります。量販店によってはデザインアンテナも同様に商品代が別になっている場合があります。
アンテナの入れ替えで撤去が必要だった場合、撤去したアンテナの処分を行ってくれない場合があります(ケーズデンキオンラインショップでは「アンテナの廃棄処分は、お客様ご自身でお住まいの自治体にご相談ください」の一文があります)。また、料金表の表示に「~」がついていることが多く、ちょっとした理由をつけて金額を吊り上げる担当者に当たってしまうこともありますので注意が必要です。
大手家電量販店は地域ごとに店舗を構えているため、担当者が受け持つエリアが狭いことが多いです。
そのため、地域情報に精通している場合もあります。
また出張見積りが無料で行えることもありますが、現地見積もりが電波調査なしで判断される場合もあります。
おおよその価格
- 地デジ+ブースター工事
- 35000円~70000円
- 地デジデザインアンテナ+ブースター工事
- 50000円~100000円
- 地デジ+BSアンテナ+ブースター
- 70000円~120000円
- 地デジ+新4K8K衛星放送アンテナ+ブースター
- 70000円~150000円

街の電器屋さんにアンテナ工事を依頼する場合
メリット
- 日々の細かい電気関係のメンテナンスなどと絡めて点検などを頼みやすい
- アフターフォローが頼みやすい
- 様々な工事や、商品の販売まで幅広くサポートしてもらえる
デメリット
- 時期によっては対応してもらえないことがある
- アフターサポート費用が高め
- アンテナ工事の経験があまりない場合がある
- 最新の計測器などを持っていない場合がある
- 工事のバリエーションに乏しい
- 工事料金はやや高め
- 後継者不足による将来のアフターサポートの不安
特徴・注意まとめ
街の電器屋さんは、どのように日々の収益をあげているのでしょうか?
中には家電製品の売り上げで十分利益を出している電器屋さんもありますが、一般的にイメージされるのは家電メーカーの看板が大きくて実際の店舗名が小さく書いてある、小さいお店ではないでしょうか。
これらは、やはり家電製品の販売だけで成り立っていることは少なく、店舗での営業以外にいわゆる出稼ぎに出ているケースも多いです。
この出稼ぎ(というか副業)は、工事に関係するものであることがほとんどですが、まれに全く異業種で収入を得ていることもあります。
副業として工事をしている事例では、家電量販店の工事を請け負っている事例や、現場仕事としてハウスメーカーの電気工事を行ったり、ビルやマンションの電気工事や空調工事を行っている場合など様々です。これらの仕事もそれぞれ繁忙期があったりしますので、その時期は工事を受け付けてもらえなかったり、アフターサポートも対応してもらえない場合があります。
アフターサポートは高額になるケースもあり、弊社に相談があった事例ではアンテナを立ててから毎年のように不具合が起き、そのたびに調整料金を数万円取られていたというものも数件ありました。特に料金表などを作って掲示していないケースも多く、ご高齢の方や人の好い方などには高額請求を突きつけるという場合もあるようです。
中には、普段下請けとしていただいている料金そのままで直接のお客様に請求するという、格安工事のところもあります。
一見良心的ですがアフターフォローや顧客管理ができているのか心配になります。その場その場のやっつけ仕事でやっていると書類やデータではなく店主の記憶だけでアフターフォローされる場合もあるかもしれません。しっかりとした顧客番号や伝票番号などで管理されていると安心できますね。
おおよその価格
街の電器屋さんの場合、アンテナ工事料金の相場は以下の通りです。
- 地デジ+ブースター工事
- 30000円~100000円
- 地デジデザインアンテナ+ブースター工事
- 30000円~100000円
- 地デジ+BSアンテナ+ブースター
- 50000円~120000円
- 地デジ+新4K8K衛星放送アンテナ+ブースター
- 50000円~150000円

ホームセンターにアンテナ工事を依頼する場合
メリット
- 取り付ける材料を自分で選べる
- 様々な工事に対応してもらえる
デメリット
- 工事の受注数が少なく対応が慣れていない場合がある
- 選べる材料が少ない
- 電波が悪かった際に購入したアンテナが無駄になることがある
特徴・注意まとめ
おおよその価格
- 地デジ+ブースター工事
- 30000円~100000円
- 地デジデザインアンテナ+ブースター工事
- 30000円~100000円
- 地デジ+BSアンテナ+ブースター
- 40000円~150000円
- 地デジ+新4K8K衛星放送アンテナ+ブースター
- 65000円~200000円

工事ができる知人にアンテナ工事を依頼する場合
メリット
- もともと知っている人に任せられる安心感
- 工賃が安く済む
- アフターフォローを相談しやすい
- お互いのペースで工事ができる
- 自宅に招待するきっかけにできる
デメリット
- プライスレスの借りができる
- アフターフォローが相談しにくい
- おもてなしなどでかえって高くつく
- 工事の前後も含めて時間を多くとられる
- 知人に家の構造など他の知人には見せないような部分を見せる必要がある
- 内容によっては法律違反になる
特徴・注意まとめ
知人に工事ができる方がいるのは頼もしいですね。(と僕の知人に思われたい)
知人に工事をお願いする場合、同じような内容がメリットにもデメリットにもなります。これは相手の人柄と関係性次第と言えるでしょう。
ですが、知人に工事をお願いするのはあまりお勧めしません。多くの場合デメリットの方が目立ってしまうように思います。後に紹介するDIY感覚で、知人に手伝ってもらって一緒に作り上げる、という感覚ならいいと思います。
知人にお任せする場合、知人がプロであれば安心してお任せできる一方、公私混同のバランスをうまく取れないとその後の関係性にも支障が出る場合がありますし、知人がセミプロ程度の場合は品質に不安が残ります。また万が一の場合のアフターフォローを頼みやすいかどうかは重要な判断基準のように思います。
個人的な話ですが、自分自身家を建てた時に一部を身内の知り合いに頼みましたが、仕上がりに不備があるにもかかわらず手直しをお願いできずにいたことや、電気工事担当の技術と知識が足りなかったためにこちらの要望を間違って仕上げられてしまった後悔があり、他の人には同じ思いをしてほしくありません。
自分自身は友人の新居祝いなどで工事を行ったりしていますが、お祝いの意味もある一方、技術、知識、提案力に自信があるのでよかったら是非!というスタンスです。また、場合によってはこちらとしても知人だからこそ頼める実験的な取り付けや、アフターフォローを兼ねてその後のデータを取らせていただくなどのwin-winの関係で行っています。
お互いの関係性がより深くなることもあれば、仕事をプライベートな時間に頼むことによってこじれてしまうということもあるかもしれません。
知人への工事依頼は慎重に考えた方がいいでしょう。
個人的なお願いであれば別ですが、知人が業として請け負った場合、電気工事業法などに抵触してしまう場合があります。
工事料金に相場はありませんが、一般的なお礼としては材料費+10000円ぐらいとなるのではないでしょうか。

工事ができる個人(マッチングサイト)にアンテナ工事を依頼する場合
メリット
- 格安で工事ができる
- 時間や料金、様々なことに融通が利く相手を選べる
- インターネット上で簡単に比較できる
デメリット
- 品質が不安
- 料金がわかりにくい
- アフターフォローが期待できない
- 支払い方法が限られる
- よくわからない人を家に上げるリスクがある
- 支払い方法が現金のみなど
- 責任の所在があやふやなことがある
- 登録者(工事業者)が素人の場合がある
- 法令遵守できていない場合がある
特徴・注意まとめ
今は職人さん個人や、個人事業主などが気軽にウェブサイトで集客できますが、実際には個人のウェブサイトで集客することは困難です。そこで集客に利用されるのがマッチングサイトや紹介サイトになります。
例えば〇〇市のアンテナ取付業者を料金と口コミで比較、などと謳っているウェブサイトもありますし、登録者数は非常に多くなっています。
会社よりも個人が登録していることが多く、その分工事料金も安くできる場合があります。
ただし、こういった紹介サイトでは常にあることですが、登録者は料金の値下げ競争になりつつも、紹介手数料の負担に苦しめられてしまいます。そのため、予約メニューは安く表示しており、実際には現場で追加料金が当たり前のように発生します。特に高額になるということではなく、予約メニューではとても安そうに見えることがあるため、そのギャップに驚かれないように気を付けましょう。
簡単に比較できる一括見積もりサービスなどは非常にいいサービスだと思いますが、現在のサービスのほとんどは工事よりもITよりの土台に作られたものが多く、現場とのギャップがあるように感じます。
工事後の保証やサポートがなかったり、損害補償が全業者合計で年間累計〇円まで(年度末は保証が受けられないリスクがある)など、長文で書かれた規約を細部まで読むと消費者に不利な内容が多いように感じます。
こういった問題が解消したサービスを構築したいものです。
さいたま市で人気の業者さんの工事メニューを見てみると以下のようになっています。
おおよその価格
- 地デジ工事
- 25000円
- 地デジ+ブースター工事
- 37000円
- 地デジデザインアンテナ+ブースター工事
- 37000円
- 地デジ+BSアンテナ+ブースター
- 67000円
- 地デジ+新4K8K衛星放送アンテナ+ブースター
- 109000円
弊社ではこういった誤解を招くコンテンツの作り方に問題意識を持っています。
マッチングサービス自体はいいものだと思いますが、IT企業が利益重視で作ったシステムでは何かと問題があるように思います。社会貢献目的で作られたマッチングサービスができればぜひ応援したいところです。

便利屋サービスにアンテナ工事を依頼する場合
メリット
- 工事だけではなくちょっとしたことでも同時に頼める
- 交渉次第でサービス内容や工事金額に融通が利く場合がある
デメリット
- 金額には幅があり、料金が不透明なことがある
- 専門的知識と技術に差がある
- 法令遵守できていない場合がある
特徴・注意まとめ
アンテナの設置から引っ越しで出たごみの回収など多岐にわたって同時に頼めたり、複数の依頼をすることや直接交渉による割引も期待できます。 半面顧客管理が甘くアフターフォローは期待できないとも言えます。
何でもできるということは、反面なにもかも中途半端、という可能性もあります。多くのことを完ぺきにこなせるようになるには、多くの経験や知識、センスが必要になります。
工事料金の相場はありません。 料金表もないことが多く、その場の雰囲気や、客ごと料金(お金を払ってくれそうな人には多く請求する)という場合もありますので注意しましょう。

DIYでアンテナ工事を行う場合
メリット
- DIY好きには面白い
- 自分でこだわった工事が可能
- 時間に関係なくいつでもできる
- 材料費だけなら安上がり
デメリット
- 手間がかかる
- 工具や機材をそろえるのが大変
- 万が一の際に保証がない
- けがや事故のリスクがある
特徴・注意まとめ
アンテナ工事やDIYに疎い人が、経費削減のためにDIYで済ませようとするのはお勧めしません。
あくまで、自分でも設置できる人であったり、自分なりにこだわりたい人などで、工具などをある程度持っている人ならやれないこともないという程度です。
DIYでやる場合の参考となるように、弊社が用意している工具や機器、材料などを紹介します。
アンテナ工事に必要な工具や機器
※弊社工事車両に積載しているもの
同業者の方の工具チェックにもお使いください
- アンテナレベルチェッカー
- 3.2GHz電波発生器
- ドライバー(手回し・+-、蝶ナット用)
- ドライバー(充電式)
- ドリル(本体)
- ニッパー
- ペンチ
- ラジオペンチ
- カッターナイフ
- メジャー
- レーザーメジャー
- パイプカッター(40mm程度対応)
- リーマー(40mm程度対応)
- スパナレンチ(10mm、11mm x2、12mm x2、13mm、17mm)
- モンキースパナ・自在スパナ
- 水平器(水準器)
- 梯子(8m程度)
- 固定用バンド
- 雨どい除け補助具
- 脚立(1尺、4尺、5~6尺可変)
- 簡易踏み台
- 同軸ケーブルストリッパー
- 圧着端子用圧着器
- ドリルビット(3mm~12.5mm)
- ドリルビット(穴拡張用)
- 通線用ガイドワイヤー(細、中、平型)
- LED照明(3個)
- 懐中電灯
- コルゲートチューブ通線冶具
- 安全帯
- ロープ
- ヘルメット
- 防塵マスク
- 防護眼鏡
- 養生マット(複数)
- 養生毛布
- 掃除機・箒・ちり取り・雑巾など掃除用具
- コーキングガン
- 作業用手袋
- 屋根用足袋靴
- 長靴
- 雨具
- 支線アンカー打ち込み補助工具
- ハンマー(中・小)
- 検電器
- マルチテスター(電流・電圧計)
- VVFケーブルストリッパー
- 圧着ペンチ
アンテナ工事に必要な材料
- 地デジアンテナ本体
- BSアンテナ本体
- ブースター(U・U/BS各種用途により屋外設置対応型など)
- 混合器(U/U・U/BS各種用途により屋外設置対応型など)
- ビス(2.8mm~16mm、ステンレスなど錆びにくいものが望ましい)
- 防水シール材(変性シリコーンコーキング・各色)
- アンテナケーブル(同軸ケーブルS-5CFBTなど)
- F型接栓(F型コネクタ)
- 防水テープ(自己融着テープやブチルゴムテープなど)
- ビニルテープ
- 養生テープ
- 結束バンドや固定用ワイヤー
- アンテナ本体各種
- サイドベース(突き出し金具・数種)
- ステンレスバンド
- 屋根馬(メッキ以上の性能が好ましい)
- ステンレスワイヤー
- 支線アンカー
- 支線リング
- マスト
- マストキャップ
- ケーブル固定用サドル
- 分配器(屋内・屋外、2分配~6分配程度)
- 分岐器(1分岐、2分岐)
- アンテナ端子
- コンセント
- 埋め込みボックス
- コンセントカバー
- コルゲートチューブ
- 防雨入線カバー
- 防錆スプレー
- 潤滑剤
その場合はガイドワイヤーが必要ですが、屋根裏に通線する場合は平らなタイプが好ましく、配管の中を通す場合は丸いタイプでないと使用できませんので、両方持っていることがベストです。ビスは基本中の基本ですが、50mm以上の全ネジタイプ~90mm程度の半ネジタイプがあるといいでしょう。念のため25mmや150mm程度のものまでそろえると安心です。屋外で使うことを想定してステンレスもしくは防錆効果の高いものを選びましょう。
弊社スタッフの場合、装備している道具(材料など消耗品を除く)はプロ用卸価格で総額20~25万円程度でそろえることができます。
場合によっては、ドライバーとニッパー、モンキースパナだけあれば何とかやれないことはない、とも言えますが、慣れていない人が不十分な装備で工事を行うことは品質、事故、その他様々な面でリスクが高くなりますのでお勧めできません。

CATVでテレビの視聴契約を行う場合
メリット
- 天気や周辺環境の変化に関係なく、安定した電波を受信できる
- 建物の外観をおおむね損なわない(壁面の配線や引き込み線が目立つことはあるかもしれません)
- 電話やインターネットなどのセットプランがある
- 多チャンネル放送が見られる
- 初期費用を安く抑えることができる(場合がある)
デメリット
- 月額固定費がかかる
- 対応していないエリアがある
- 多チャンネルプランしか選べないことがあり、無駄な出費となってしまう
- 大災害などで断線すると復旧までに時間がかかることがある
- 好きなタイミングで解約しづらい
- 契約の種類によっては、1契約で1台のテレビしか契約できないことがある
- 別途STB(セットトップボックス)を設置しなくてはいけない場合がある
特徴・注意まとめ
一般的に契約期間中は不具合に対しても迅速に対応していただけます。ただし、屋内配線(テレビ裏など)に関しては原則ユーザー責任となるため、有料作業になることもあります。
インターネットや電話などの同時契約で得になるパック料金もありますが、基本的なチャンネルのみ見られればいいという場合には、オーバースペックとなり無駄な出費となるかもしれません。
契約が1年~2年などの長期契約となることが多く、更新月以外での解約は別途違約金などがかかってしまう場合があります。
キャンペーンなどで初期費用が安くなったり無料になる場合があります。
繁忙期は開通までに数か月待たなくてはいけない場合もあります。
CATVで地デジ、自前のBSアンテナでBS放送を見るという方法も可能で、すべての部屋でBSを見る(室内のテレビ端子からBSを見られるようにする)場合は、CATVに対応ブースターに変更してもらうなどの手間がありますが、無料で交換してもらえることもあります。
築年数の経った家屋で、壁の中の配線が古くて電波のロスが大きい場合など、CATVが屋外に新たにアンテナ配線を引き回してくれる場合があります。通常別途工事料金がかかりますが、一般的な工事料金よりも格安で配線してもらえることが多いようです。このあたりは担当する営業の方次第というところもありますので、交渉力次第とも言えます。
大災害には強いとは言えず、つい最近の事例だと「平成30年7月豪雨」の際に、一部のエリアでは放送網が分断され復旧までに長い時間(一ケ月以上)を要しました。
他に、同年1月には長野県のケーブルテレビ会社(佐久高原ケーブルテレビジョン)の事業廃止による突然の放送停止などもありました。

光回線でテレビの視聴契約を行う場合
メリット
- 天気や周辺環境の変化に関係なく、安定した電波を受信できる
- 建物の外観をおおむね損なわない(壁面の配線や引き込み線が目立つことはあるかもしれません)
- 多チャンネル放送が見られる
- 初期費用を安く抑えることができる
- 新4K8K衛星放送の左旋偏波放送(WOWOW 4Kなど)を視聴するために屋内配線改修工事を行う必要がない※
- アンテナ端子(テレビ端子)がない場所でも無線で視聴できるサービスがある※
デメリット
- 月額固定費がかかる
- ISP(インターネットサービスプロバイダー)によっては使用できない
- ISP変更時に契約を変更する必要がある
- 対応していないエリアがある
- 大災害などで断線すると復旧までに時間がかかることがある
- 好きなタイミングで解約しづらい
- 別途STB(セットトップボックス)を設置しなくてはいけない場合がある
- 複数カ所で視聴する場合は初期費用が高くなる場合がある
特徴・注意まとめ
インターネット事業者の月額料金にも差があるため、他に安い事業者があればその差額も含めた追加負担額が大きくなるため、実質的な月額負担が数千円になる場合があります。なお、初期工事費用はテレビ1台しか見ない場合は10,000円~20,000円程度、複数台で視聴できるようにするには20,000円~50,000円程度となります。また、サービスがインターネットとむずびついているため、事業者乗り換え時に結局アンテナ工事が必要になるということもあり、「それなら最初からアンテナをつけておけばよかった」ということもありえます。
有名なものにはフレッツ・テレビやひかりTVがありますが、これらは似ているようで全く別のものとなりますのでご注意ください。
一部無線STBを採用しているサービスがあり、アンテナの配線を気にせずテレビのレイアウトを考えられるという画期的なメリットがあります。
原則として、契約期間中は不具合に対しても迅速に対応していただけます。ただし、屋内配線(テレビ裏など)に関しては原則ユーザー責任となるため、有料作業になることもあります。
2018年7月12日に新4K8K衛星放送の左旋偏波部分にも将来的に対応すると発表がありましたので、光回線ですべての放送が視聴できることが決まりました。ただし、左旋偏波部分の番組については、周波数変換を行う関係上、テレビごとに再度周波数を戻す機械を設置する必要があります。複数台のテレビで視聴するにはその分費用がかかりますが、屋内配線が古い場合でも対応しやすくなりました。
※ニュースでは新4K8K衛星放送を視聴するには、屋内配線や分配器、テレビ端子などを交換する必要があると報道しているメディアがありましたが、新4K8K衛星放送のBS右旋偏波での放送については現在BSと110度CSが問題なく視聴できている建物では原則改修工事はしなくても視聴できます。
※無線で視聴できるのはひかりTVサービスで、別途月額費用が必要になります。
工事までの間、テレビを見たり情報を収集するには
CATVや光回線の場合などは時期によっては申し込みから1か月以上回線開通まで待たされてしまう場合があります。その間ドラマを見逃したくない、テレビが見れないと寂しい、などといった場合に以下のような方法もあります。ネットサービスはもちろんインターネットを使用しますので、光回線でテレビを見る予定の場合は、開通前にスマートフォンなどでサービスを利用される場合はパケット代などに充分ご注意ください。
携帯電話などのワンセグ機能を使用する
普段使わない方はすっかり忘れている場合もありますが、日本の携帯電話(ガラケーもスマホも)の多くはワンセグチューナーを内蔵しています。家族で見るには心もとないですが、ワンセグ放送は特にパケット代もかからず無料で見ることができるので、いざというときはとても心強いですね。
TVerなどの民放アプリを使う
その他の民放アプリ
NHK ニュース・防災アプリを使う
有料アプリ
投稿者プロフィール
- 松本 昭彦代表取締役
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幼少期より父の仕事の手伝いとして家電配送や家電工事の手伝いしていたことから、設備工事業界に興味を持つ。
学生時代は週末や長期休暇中によくアルバイトとして現場の手伝いを行い経験を積む。
20代前半からリーダーとして現場をこなしつつ、社内システムの構築など会社のIT化を行う。
20代後半から30代前半まで、父の会社のクレーム処理責任者として数多くのクレーム処理や工事の手直しを行う。自社下請け業者のみならず、競合会社のクレーム処理も多く手掛けることにより、設備工事業界改善のヒントを得る。数多くの種類の工事を監督することなどから同時に多くの資格を取得する。
2011年 36歳で株式会社クラウンクラウンを立ち上げ、丁寧な工事で顧客満足度の高いサービスに挑戦する。
39歳の時に社会人大学院にて新規事業について学ぶ。
2022年 設備工事業界とそれに関連する技術者、顧客をより幸せにするためのプロジェクト「おうちのこうじ.com」開始予定。
東京電機大学理工学部情報科学科(中退)
事業構想大学院大学 事業構想士修士課程
主な資格
【国家資格】
1級電気工事施工管理技士
2級管工事施工管理技士
2級電気通信工事施工管理技士補
第一種電気工事士
工事担任者(2級デジタル)
給水装置工事主任技術者
運行管理者
【その他】
第2級CATV技術者
1級あと施工アンカー施工士
インテリアコーディネーター
キッチンスペシャリスト
一級リビングスタイリスト
二級福祉住環境コーディネーター
排水設備工事責任技術者
照明士
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