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テレビアンテナとFMアンテナの同時設置方法

FMアンテナを自宅に設置したい場合

FMアンテナを設置するならテレビアンテナと同時に

FMアンテナとテレビアンテナの同時設置のメリット

FMアンテナを設置している家庭は少ないものの、ここ数年でテレワークも増えてきた背景からか、自宅でもFMラジオをしっかり聞きたいというニーズが若干増えてきているようです。
FMアンテナはほとんどの家庭であまり設置されてこなかったことから、専用の機器などもあまり流通しておらず、一般的なテレビアンテナとは異なる工事になります。そのため後から追加しようとすると設備の入れ替えや配線のやり直しなどが必要になる場合もあります。
このコラムでは、FMアンテナの設置を検討している人にとって、役立つ情報を整理してお届けできれば幸いです。

目次

きれいな設置のためのポイント

専門的な知識の必要性

FMアンテナはテレビアンテナに比べるとその出荷台数は非常に少なく、アンテナ工事を専門的に行っている業者でも施工実績のある人はごくわずかです。またアンテナ工事はノウハウを体系的に学べる機会がなく、多くの業者が自己流で工事を行っています。
FM電波はアナログテレビよりも低い周波数なので、アナログ放送が終了して久しい現在では、接続用の機器も限られるようになりました。それらの事情も踏まえて、配線の設計を行うには専門的な知識が必要になります。

アンテナのサイズと設置場所の選定

FMアンテナの設置において、一番気を付けることはそのアンテナの大きさです。地デジ放送になってからアンテナは大分小さくなり、今では壁についているものや、当社でも扱っている両手の平に乗る程度の小さいものも目にするようになりました。しかしFMアンテナはアナログテレビ時代のVHFアンテナよりもさらに素子(棒状の部品)が長いものがほとんどです。ラジオの背中についている伸縮式のポールアンテナや、車のガラスに貼り付けるシール状のアンテナなどとは比べ物になりません。

FM8A
マスプロ電工の家庭用FMアンテナはこの写真の8素子タイプ以外に5素子、2素子とありますが、それぞれ全長は1.82m、0.672mですが、全幅は3機種とも同一の1.92mです。
地デジアンテナで標準的な20素子のアンテナを比べると、その全長が1.48mなのでFMアンテナの幅の方が長いことになります。つまりこのアンテナを横に何本か並べたよりもさらに大きいということになります。

FMアンテナの特殊性:一般的な機器との互換性

特殊な機器の使用

配線方法にもよりますが、多くの場合建築時に指定していなければFMアンテナ用のアンテナ線は用意されていません。そのためFM専用に後からアンテナ線を引き回すか、FM対応の混合器を設置します。ブースターについては一般的なものを使えず、必ずFMアンテナ対応のものを使用します。

一般的な家庭用ブースターや混合器の制限

FM放送(超短波放送)は、76.1~94.9MHzの周波数を使用しています。
以前アナログテレビ放送では90~108MHzのローバンドと、170~222MHzのハイバンドの周波数帯を使っていました。
そして現在使われている地デジ放送では470~710MHzの周波数を使用しています。
このようにFMの電波は地デジの周波数から遠いため、多くの機器ではその周波数に対応していません。
FMに対応した混合器や分波器、ブースターもありますが、それらの多くは屋内用で、屋外用のものは家庭用ではなく高額なものがほとんどです。同時または将来的にBSアンテナを設置するかどうかにもよって混合の順番や使用する機器が変わってきます。

FMアンテナ設置について考える

配線の選択:単独配線と混合配線の比較

それぞれのメリットとデメリット

FMアンテナ単独配線のメリット
  1. 配線がシンプルで機器の選定が不要
  2. 他のアンテナとの位置関係を考える必要がない
  3. FMアンテナのつなぎ先の自由度が上がる
  4. 工事費(材料費)が安くなる
  5. テレビの電波と干渉しない
FMアンテナ単独配線のデメリット
  1. 先行配線の場合は一本余分に配線しておく必要があり、追加配線の場合は見た目が悪くなりがち
  2. 分配に向かない
  3. テレビ端子と混同してしまう、またはテレビ端子がある場所でもFM用の端子(または裸配線)を設置する必要がある
FMアンテナ混合配線のメリット
  1. 配線がすっきりする
  2. 家中のアンテナ端子でFMが受信できる
FMアンテナ混合配線のデメリット
  1. 工事費(材料費)が高くなる
  2. FMを考慮した材料の選定が必要
  3. 混合器など設置する機器が増える場合がある
  4. 複数の機器をつなげることでテレビの電波が弱くなる場合がある

書き出してみると単独配線が良さそうにも思いますが、これはケースバイケースです。またFM電波を混合することによるテレビ電波への影響の一番は、使用するブースターが限られてくるために弱電地域では工夫が必要と言うことです。混合器や分波器を余分に通ることによる電波の減衰もありますが、ギリギリのレベルでなければブースターを通ることで問題ないでしょう。場合によっては前置ブースター(プリアンプ)の併用も考えましょう。

実際の設置事例:FMアンテナの設置と配線のガイド

単独配線の事例

一つは1素子タイプのFMアンテナを壁面に設置した事例です。。FMアンテナは単独配線で、引込用の空配管(通常光回線などで使うもの)を使って通線し、室内の出口はアンテナ端子にしました。
もう一つは建築時からFMアンテナの場所を決めて単独配線をしていた事例です。中庭のように周りを囲まれたバルコニーに設置され、周りから湧見えない位置になっていますが、あとから方向を調整しやすくしています。状況をみながらご自身で方向調整をしたいというリクエストで設置したアンテナです。

混合配線の事例

事前に入念な打ち合わせをしており、屋根裏に4素子のFMアンテナを設置し、FM対応ブースターを使って設置しました。

FMアンテナの混合配線事例

アンテナ引き込み線が1本の場合

1本配線時のFMアンテナ接続事例配線図

アンテナ引き込み線が2本の場合

解説

上図ではマスプロ電工のFM/UHF/BS/CSブースターを使っていますが、DXアンテナの同等品でも入力は変わりません。すべての電波を一つにまとめるか、FM + UHFとBS/CSの二つに分けるかです。BSに対応していないFM+地デジブースターの場合は、FMと地デジを分けて入力することもできます。

意外と大変なのが混合器の選定です。DXアンテナからは家庭用製品でFMアンテナを屋外で混合できる製品はないため、マスプロ電工のMXUHDなどをお勧めします。これはUHF(地デジ)同士の混合器ですが、実はFMまでカバーしているのでFM+地デジの混合器として使うことができます。
基本的に屋外で混合することを想定していますが、3本引き込み線がある場合や、屋根裏にアンテナを設置した場合などは屋内用のFM+地デジ混合器(例えばサン電子のMA-UV-E7)などを使ってもいいでしょう。なお、引き込み線が1本の場合は地デジやFMの屋根裏設置は注意が必要です。
例えば屋外にはFMアンテナとBSアンテナを設置し、屋根裏に地デジアンテナを設置する場合は先にFMとBSを混合する必要がありますが、ブースターの前で地デジを混合するか、FMをBSから切り離す(分波する)必要があります。
その場合はFMに対応したBS混合器MBUC2S(DXアンテナ)などで混合し、屋内ではMBUMS(DXアンテナ)などで分岐したのちに、再度FMの電波と地デジの電波をMA-UV-E7(サン電子)などを使って混合する必要があります。

メーカー解説ページ

結論:テレビアンテナとFMアンテナの同時設置の効果と注意点

FMアンテナの設置と配線については専門的な知識が必要だということをお分かりいただけましたか。注文住宅など配線についても自由がきく場合は、できるだけ早い段階から専門業者へ相談することが望ましいです。ただし、アンテナ工事専門会社と謳っていても、アンテナ設置設計が得意でない場合や、そもそもFMアンテナを設置したことのない場合もあります。業者の意見をうのみにせず、ご自身でも考えてみて、不明点や意見があれば業者へ伝えるべきです。例えば業者の指示する設置場所が、生活において邪魔になってしまいそうな場合や、設置後の見た目に不満が出そうな場合もあるでしょう。外壁の仕上げ方法によっては事前に下地を入れておくこともあるでしょうし、ハウスメーカーともうまく連携する必要があります。柔軟に作業できる業者を探しましょう。

テレビアンテナとFMアンテナの同時設置方法