クラウンクラウンで工事にお伺いしたのはご連絡から6年前でした。
当時八木アンテナ株式会社から販売されていた小型八木式アンテナ「強弓(U-LD3)」と、地デジブースター「BU35M」を設置したのですが、突然全くテレビが映らなくなってしまったという連絡を受け、当日はやめに工事が終わる便があったため、工事終わりにそのまま駆け付けました。
結果としてはブースターの故障による電圧異常だったのですが、故障の原因は台風や強風だった可能性もあり、同業他社の方や今後アンテナ工事を行う方にも見ていただきたい事例です。
アンテナ工事概要
点検の結果ブースター不良が確認できたためブースターの交換を行いました。
アンテナ工事の手順
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過去の施工内容を確認
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現状の確認
- すべてのテレビが影響を受けているか → すべてのテレビ
- 全く映らない(E201,E202,E203などのエラー)かノイズが入るのか → E202
- すべてのチャンネルが同様の症状か → すべてのチャンネル
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原因だったブースターの交換
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屋内で電波確認
屋内で電波が問題ないことを確認します。
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片付け・ご精算
施工場所の後片付けとご精算を行い終了です。
6年前とは言え弊社で工事を行ったお客様でしたので、工事内容や施工写真を確認し、現地で当時から変化がないかを確認しました。
現場から直行したため、当時の伝票に書かれた詳細やメモなどは確認できなかったのですが、施工写真の多くはサーバー上にあるものをオンラインで確認することができたためその情報をもとに対応しました。
現在電話の初期応対はテレワークで行っており、伝票などの一部のデータはまだアナログ管理しているものもあることから、お問い合わせをいただいてすぐに確認できない場合があります。ですが、工事内容などのデータもすべて保管しており、将来的にはクラウドサーバー上で管理される予定です。
これは多くの工事会社が必要としている設備・機能であることと思いますが、今後弊社で展開する業者と地域をまたいだ工事管理サービスで提供していく予定です。
確認したポイントは主に以下の点です。
この時点でおよそ原因はブースターにあると考えられます。
その多くはブースター電源~ブースター本体につながる線の断線やショートです。
今回はアンテナ本体もブースター本体も3階のバルコニー内に設置されていることがわかっていましたので、バルコニーでブースター本体を確認しました。
強弓(U-LD3)はコンパクトな八木式アンテナで、3素子のアンテナですが非常に性能が良く、軽量で梱包もコンパクトなど使い勝手のいいアンテナでした。
仕入れ価格は安くありませんでしたが、取付場所によっては非常におすすめできるアンテナであったため無くなってしまったのは残念です。
ブースターに電気が流れていなかった
ブースター本体には電気が流れていることを表すパイロットランプがついていることがあります。
このブースターも同様にパイロットランプがありましたが、初期点検時点では消灯していました。
そのため線の断線かショートが疑われます。
同じくバルコニー内に設置された古い2分配器を疑う
断線ということであれば、古く(おそらく20年ほど前)から設置されている屋外用2分配器を疑いました。
ですが、こちらは特に問題がないように見えました。
念のためここでブースター電源から電気が送られているか確認すると、なんと30V前後の電気が流れてきていました。
明らかに電圧が高すぎます。
アンテナ線の抜き差しで一時的に復旧
これらの点検作業の際にブースターや分配器のアンテナ線を何度か抜き差ししているのですが、それがきっかけで一時的にテレビが映ったようです。
ですが電圧異常があったため、またすぐに映らなくなってしまうと考えられます。
ブースター電源を確認しなくてはいけません。
ブースター電源ユニットから大きすぎる電圧を確認
現在のブースターはほとんど本体を動作させるのはDC15Vで統一されていますが、このブースターは当時強めの動作利得(性能が他社製品や従来品より高かった)だったためか、動作電圧は20Vと変わったものでした。
良く調べずに他のブースターと共用してブースターを壊す業者の手直しをいくつか行ったことがあります。
ともかく、通常より高い電圧のブースターとはいえこの電圧は高すぎます。
また以上電圧は将来的に発火などの危険性も考えられますし、いつまた映らなくなるかもわかりませんので今回交換となりました。
クラウンクラウンでは使用する材料を不定期に変更しています。
古くからあるものは安く手に入りやすいのですが、それよりも高性能・高品質なものなどを第一の選択基準としています。
現在(この手直しに伺った時点)はマスプロ電工のブースターを第一の選択肢としており、特別ご希望があった場合やお客様の手持ち材料を使うとき以外はブースターはマスプロ電工製になります。
他社のブースターがコンパクトでスマートな外見になっていく中、マスプロ電工のブースターはずっと大きなネジが正面についたままでした。
ある時メーカーに訊いてみたところ「これは強風でふたが空いてしまう事故対策です」との回答をもらいました。
そして現在の最新ブースターは形に少しの不満(モニター端子が外側にある・本体サイズが他社より少し大きい)があるものの、その性能とポリシーから一番お勧めのブースターです。もちろんその分仕入れ価格は高くなってしまうのですが。
※工事の手順、内容は現場ごとに異なります。
今回の工事料金
合計料金
今回の合計料金は15000円となりました。
内訳
- ブースター交換
- 15000円
※消費税別料金です。エリア別出張費・有料駐車場料金・任意保険料金・キャンペーン割引などがあった場合は省略しています。
※その他調整費用や決済手数料など根拠のない料金はかかっておりません。
今回利用した部材
- 地デジブースター
- UB45SS(マスプロ電工)
弊社で取り付けた機器の説明書は工事明細、保証書、保証規定とともにお渡ししております。
施工時間
現地調査・カウンセリング:20分
工事:15分
後片付け・精算:20分
今回の工事のポイント
弊社工事のアフターフォローであったため、事前に配線状況などが解っていたため事前調査時間が短く済んでいます。
他社様工事の場合や原因究明に多くの作業が必要だった場合は、別途調査料金がかかります。
ですが調査の結果簡単な手直しで済む場合などは調査料金のみで終わる場合があります。
※目安1時間以内の調査+作業でブースターなど新たな機器を必要としない作業(配線先端の加工やり直しなど)。
ブースターのふたは到着時にはきちんとしまっていましたが中には水が入った形跡がありました。
記事中何度か触れましたが、マスプロ電工以外のブースターはネジ締め式ではなく、強風などでふたが空いてしまったり最悪飛んで行ってしまうことがあります。
今回は台風などでふたが開き、中に水が入り電源側の線(出力配線)が腐食していました。
そこで接触不良を繰り返すうちに電源ユニットが壊れてしまったのではないかと思います。
はっきりと原因を特定はできませんが、屋外にあったブースター本体のふたが開き浸水による故障は明らかと言えるので、火災保険が適用になる可能性もあります。
これはほけんの窓口の対応次第でしょうが、必要に応じて弊社では率直な見解や作業時の写真、物証を提示することが可能です。
率直な見解は今回書いているようなことで、断定することができる場合とそうでない場合があります。
保険の対象になるかどうかまでは弊社で判断することはできませんし、保険適用外のものをあたかも適用するように書類を作ることなどはできませんが、通常請求できそうな案件などは積極的にアドバイスさせていただいております。
※保険適用案件で工事料金をつり上げるようなことも行っておりません。
お問い合わせ・共有
工事のご依頼やお問い合わせはお気軽にお問い合わせフォームからご連絡ください。
- 松本 昭彦
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経歴と専門分野:
幼少期から家電設備の工事に親しみ、クラウンクラウンの設立の前に15年以上にわたりさまざまな設備工事の現場で経験を積みました。100名を超える下請け工事業者の取りまとめとクレーム処理責任者としての役割を経て、2011年に独立。品質重視と明朗会計をモットーに掲げ、業界改革を目指して高品質工事専門の「クラウンクラウン」を設立しました。
学歴:
東京電機大学理工学部情報科学科(中退)
事業構想大学院大学 事業構想士修士課程
主な資格:
国家資格:
1級電気工事施工管理技士
2級管工事施工管理技士
2級電気通信工事施工管理技士補
第一種電気工事士
工事担任者(2級デジタル)
給水装置工事主任技術者
一般建築物石綿含有建材調査者
石綿作業主任者
運行管理者
その他資格:
第2級CATV技術者
1級あと施工アンカー施工士
インテリアコーディネーター
キッチンスペシャリスト
一級リビングスタイリスト
二級福祉住環境コーディネーター
排水設備工事責任技術者
照明士
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