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川崎市多摩区でアンテナ配線屋根裏通過の4K8K黒色フルセット工事

CASE
屋根裏から新規配線
2021年7月18日

やや特殊な工事の事例です。一般的なアンテナ工事会社では対応してもらえないかもしれませんが、クラウンクラウンではこういった配線のリフォーム工事も請け負っています。
また今回はサン電子から新しく発売された黒色サイドベースも使っています。
綺麗に配線を仕上げたい、長持ちする配線にしたい、黒い金具がどういったものか気になるという方は必見です。
アンテナ工事の内容や受信電波状況詳細、実際にかかった工事費用について解説します。

ハウスメーカー様等の敬称は記事中では省略いたしております。

アンテナ工事概要

川崎市で3階建てのご新築です。
地デジアンテナの屋根裏設置にもご興味があり、建物が黒に近い青系の外壁となっていたため黒いテレビアンテナの設置をご希望されていました。
川崎市は場所にもよりますが一般的に東京スカイツリーからの電波を受信するため、地デジの受信方向とBSアンテナの受信方向がほぼ逆になります。
地デジの電波は受信方向のバルコニーで測定するとあまり良くありませんでした。
裏のバルコニーから屋根を超える高さでは受信可能でした。また屋根裏でもいくつかの場所でいいポイントがありました。
BSアンテナの設置を考えると玄関のある正面から屋根越しに設置するよりも、裏のバルコニーに設置することの方がメリットも多く、バルコニーへの設置となりました。
最終的には屋根裏からBSアンテナ用の配線をし、ついでに地デジアンテナとブースターは屋根裏に設置という方法に収まりました。

テレビアンテナ工事の手順

  1. カウンセリングと電波の確認

    受付時に聞いていたお客様のご希望を再確認し、設置希望位置での電波調査をします。
    冒頭で書いたように電波が良好ではなかったため、入念に測定をしています。また特殊工事で行うか、一般的な工法で行うかなどのカウンセリングをしっかり行っております。もちろんこちらとしてもお勧めの方法を理由とともにご提案いたしております。

    アンテナ引き込み線の位置
    アンテナの引き込み線(外に出ている線)は一般的な位置である、道路から見た側面2階の天井高付近にありました。一般的にはここから配線を延長して工事をしますが、今回はやめています。

    アンテナの設置場所としては

    1. 写真にある建物正面から見た右上
    2. 正面左にあるバルコニーの右端
    3. 同バルコニーの左端
    4. 写真に写っていない裏側のバルコニー

    等が考えられましたが、地デジアンテナの受信方向は正面に向かって左後ろ、BSアンテナの受信方向は右奥となっています。
    上記1~3の場合、まず右にある雨樋にワイヤー等でアンテナ線を固定して上までもっていきます(壁面にビス固定もできますが、弊社ではむやみにビスを打たない工法を推奨しています)。1の場合はそのまますぐにアンテナに接続できますが、2、3の場合は左に配線を延ばす必要があり、正面であることから目立ちやすくなります。またバルコニーの電波自体あまり良くなかったのでそういった意味でもお勧めしにくい工事です。なお、BSは右奥方面に向かせるため屋根を超える高さに設置する必要があります。
    結果としては4になるわけですが、この場合も配線を雨どいに沿って垂直に持ち上げた後、水平方向奥へ雨どいの上を通すのが一般的な方法です。ですが3階の屋根上作業が必要になることから追加費用が高額になってしまいます。それよりもいい方法として今回の屋根裏作業をご提案しています。
    ※現在弊社では全車に3階屋根まで上れる11mタイプの梯子を載せており、必ず2名以上の作業ですので、標準的な3階建てはそのまま作業することが可能です。

  2. その他の確認と最終見積提示

    分配器の場所とブースター用電源の有無、配線の状況などを確認し、最終的な工事金額を提示します。
    分配器は標準的な一階にある浴室天井点検口の中に設置されており、ブースター用の電源も用意されていました。

  3. 屋根裏の配線工事

    多くのアンテナ工事会社では行わない工事ですが、今回は既存のアンテナ配線を組み替える工事をしています。
    屋外に出ている引き込み線(アンテナの大元の線・幹線)は屋根裏を経由していなかったため、別の線を使いました。
    弊社では多くある事例ですが、最上階(今回は3階)のアンテナ端子につながっているアンテナ線を幹線として使います。方法としては二つあり

    1. 部屋につながる配線を切り分け、ブースターから出る配線を分岐、本線は分配器方面へ、分岐線(枝線)は部屋方面に接続し、分配器で配線を組み替える
    2. 2部屋につながる配線を切り分け、1部屋分の配線を2分配して2部屋へつなげる。残った分配器方面の配線をブースターの出力につなげ、分配器で配線を組み替える

    1は条件によってはできないのですが、今回はどちらでも可能でした。ですが将来的に融通の利く2の方法で工事をしています。

    屋根裏内の2分配器
    こうすることで、すべての部屋は浴室天井点検口の分配器に繋がります。分岐器を用いる方法では1カ所は分配器を経由しないので将来アンテナから別のサービスに入れ替える必要があった場合は再度屋根裏で工事が必要になります。

    またBSアンテナを接続するための配線を屋根裏から取り出します。
    アンテナ線取り出し予定位置
    できるだけ配線が目立たないように隅の方に取り出したいのですがどこなら穴を開けられるのか慎重に調べる必要があります。

    屋根裏穴あけ前の石膏ボード撤去
    屋根裏の一番奥まで行くと外壁の手前に石膏せっこうボードが張ってありました。たたいた感触では木の位置がわかりづらかったため、一度石膏ボードを外してから穴をあけることにしました。

    屋根が下りてきている端の部分なので、非常に狭く作業は大変でしたがこれをやるかどうかで仕上がりが大きく変わってしまう場合があります。
    屋根裏から穴あけ
    ドリルを使ってギリギリの位置へ穴をあけていきます。念のため外にいるスタッフに穴の位置を確認してもらいながらの作業です。

    ドリルの下穴が貫通
    いきなり大きな穴をあけるのではなく、細いドリルで下穴を開けました。無事いい位置に貫通したのを確認する写真が手元のスマートフォンに送られてきて、作業を続けます。

    通線穴の勾配について
    エアコンの配管穴は水が通るのでくだり勾配にすることが望ましいのですが、通線については基本的に関係ありません。配管を通す場合などは屋外から万が一水が室内に入ってこないように勾配を付けることも考えられますが、ケーブル用に外壁を一枚抜く(筒などを入れるわけではないため仕上がり後に隙間がない)場合は水の侵入よりも配線の都合が優先されます。いずれにしても防水は非常に大切だということに変わりはありません。

    細いドリルで下穴をあけることで、その後若干の位置の調整ができますが、今回は特に必要ありませんでした。
    穴からの光
    通線用の穴をあけ終わり、外からの光が見えるとホッとします。

    通線の様子
    開けた穴にさっそくアンテナ線を通していきます。もしこの時アンテナ線の片方を切っていない(長いまま)の場合は事前に石膏ボードに通しておく必要があります。

    アンテナ線通線(外から)
    今回は壁と石膏ボードをそれぞれ通しているので問題なく外まで配線が出ています。

    石膏ボードを戻す
    石膏ボードにも穴をあけてアンテナ線を通します。それから元通りに石膏ボードを固定します。建物によってはここに断熱材が入っていることがあるので、その場合は断熱材をうまくよけるか断熱材にも穴をあけるなどの作業が必要です。

    屋根裏の様子(アンテナ設置前)
    穴あけと配線の際ははりの上にいつくばって作業をしますが、通線まで無事に終わったのでいったん外まで出ます。
    防雨カバー(WP9671)
    防雨カバーはWP9671を使いました。コンパクトでスタイリッシュですでに線が通っている場所に後付けも可能です。防雨カバーを付けなくても防水処理はできますが、つけた方がより長持ちします。
    穴をコーキングでふさぐ
    線を動かす必要がなければ隙間は埋めてしまうことをお勧めします。動かす必要が想定される場合はパテなどで埋めるのもいいかもしれません。防雨対策としては隙間が少ない方がいいですね。

    防雨カバー設置イメージ
    外観が濃い色の家はこういった配線カバーも黒などにすると仕上がりが綺麗になりますね。

  4. 地デジアンテナおよびブースターの設置

    最初に電波測定をさまざまな場所で行っておりますが、お見積もり段階では屋根裏の奥まで入って調査をしない場合もあります。屋根裏以外で十分な電波が受信できており、お客様が屋根裏設置をご希望されていない場合や、屋根裏の入り口でも十分な電波が受信できることが確認できた場合などです。
    今回も入り口付近で電波が受信できるのを確認できておりましたので、調査段階では奥の電波は測定しておりません。
    ですが、作業上屋根裏の奥まで入る(その分の料金が発生する)必要があるため、あらためて屋根裏の隅から隅まで作業が可能な範囲でさらに電波のいい場所がないかを調査します。今回は3カ所電波のいい場所があったのですが、その差はほとんどなかったため、後日点検しやすい点検口近くにアンテナを設置しています。

    地デジアンテナとブースター
    最終的に地デジアンテナとブースターは点検口から見える位置に設置しています。

    地デジアンテナ
    クラウンクラウンでは写真にあるようなサイドベースを複数取りそろえています。写真にあるのはサン電子の10cmタイプですが他にDXアンテナの10cm、20cm、30cm、伸縮タイプなどを車内に取り揃えています。

    地デジの位置とブースターの位置、点検口下からのぞいた写真
    ブースターは屋根裏に設置し、分配数と受信電波の強さのバランスを見てボリュームを調整します。今回は少し強めの設定です。
    ブースターの調整
    マスプロ電工とDXアンテナのブースターは同じように35dbと45dBの切り替えがありますが、マスプロ電工は文字通り切り替えなのに対し、DXアンテナはアッテネーター(電波を弱くするスイッチ)を使って疑似的に切り替えています。そのためマスプロ電工の方が状況に応じて最適な調整ができます。

    ブースター電源
    ブースター電源は浴室天井点検口に設置します。テレビが映らなくなったときにお客様で点検できるポイントの一つです。※インジケーターによる判断

  5. BSアンテナの設置

    HK-30K
    今回BSアンテナの設置に使用したサン電子の新型金具です。溶融亜鉛メッキの上から粉体焼付塗装をしているため、塗装も強く、錆にも強い仕上がりになっています。

    2021年6月より細かい部分で工事料金が変更となりました。
    黒いBSアンテナが3000円(税込3300円)追加でいただくようになりましたが、その場合この金具は標準料金で使うことが可能です。
    BSではなく地デジのみの工事でこの金具を使用する場合は追加3000円(税込3300円)いただくこととなっております。
    長らくさまざまなメーカーに掛け合ってきましたが、とうとうサン電子が黒い金具(サイドベース・突き出し金具)を出してくれました。
    DXアンテナから出ている黒色サイドベースはメッキがされていない塗装のみの金具であるため錆びやすいのが難点でした。こちらは溶融亜鉛メッキのあとに更に粉体焼付塗装で黒くしているので非常に強い耐褪色と防錆ぼうせい力があります。金額が高いのが玉に瑕ですがクラウンクラウンでは標準在庫としております。

    タイトルの写真で少し写っていますが、実はお隣の壁が若干受信方向にかぶっていました。
    ほとんど影響はないと思いましたが念のためアンテナは高い位置に設置しています。
    この高さにあげることで全くお隣の影響もなく受信できています。
    とは言え一般的にもバルコニーで邪魔にならないように高い位置につけることが普通ですね。

    ケーブルの始末
    BSアンテナの設置に使った金具に固定バンドでアンテナ線を留めています。必ずしも壁にビス固定することがいいとも言えませんので、このように配線時にビスを使う必要がない時は極力使わないようにしています。

    BSアンテナ仕上がり
    濃い壁に黒いBSアンテナと黒い金具は引き締まって見えますね。

  6. 屋内のアンテナ端子で電波を確認

    各部屋のアンテナ端子で電波が問題ないことを確認します。
    浴室テレビも設置されていたので、浴室テレビでも受信できていることを確認しました。

  7. 片付け・確認・ご精算

    施工場所の後片付けと清掃をし、工事個所を確認していただきます。(目視や写真による確認)
    ご不明点などがないか確認し、ご精算となり終了です。

  8. ※工事の手順、内容は現場ごとに異なります。

電波測定結果

今回は調査段階で測定したバルコニー(東京スカイツリー方面)の電波と、実際に屋根裏に設置した際の電波の比較です。
左がバルコニーにおける工事前テスト測定、右が屋根裏に設置したアンテナから直接図った電波です。屋根裏の方が電波の品質が高いことがわかると思います。
両方ともSDA-5-1という小型アンテナを使っていますが、他にもDXアンテナのUAH201でも測定しています。数値としてはそちらの方が劣っていたので今回は割愛しています。
バルコニーの電波でも工事ができないことはありませんが、テレビ東京の電波品質に余裕がないのでできれば避けたいところです。反対に屋根裏だとTVK(テレビ神奈川)の電波がだいぶ弱く受信できないレベルに落ちてしまっていますが、元々方向が異なる局であることと、TVKの電波がいい場所では他の局が悪くなってしまうため、お客様には説明して諦めていただきました。※TVKを受信したい場合は別のアンテナを追加する、または屋根の上にアンテナを立てるなどの方法があります。

バルコニー(試験) 屋根裏(実際の設置)
物理チャンネル 放送局 LEVEL MER BER LEVEL MER BER
16 MX 37.3 24.8 1.1E-5 37.4 27.6 0
18 TVK 36.9 20.5 2.2E-4 23.2 9.0
21 フジ 52.6 32 0 53.3 32 0
22 TBS 50.7 32 0 55.1 32 0
23 テレ東 47.9 24.3 9.1E-5 52.6 32 0
24 朝日 51.3 29.6 0 54.7 32 0
25 日テレ 50.2 28.1 0 49.8 32 0
26 ETV 51.0 30.6 0 48.8 32 0
27 NHK 52.0 32 0 49.6 32 0

今回の工事料金

合計料金

今回の合計料金は 95000円(税込104500円)となりました。

内訳

地デジデザインアンテナ設置
22000円(税込24200円)
黒色BSアンテナ設置
25000円(税込27500円)
地デジ/4K8Kブースター設置
23000円(税込25300円)
点検口内作業
3000円(税込3300円)
屋根裏内作業(全身)
8000円(税込8800円)
穴あけ通線工事
6000円(税込6600円)
通線防雨カバー
2000円(税込2200円)
2分配器設置
3000円(税込3300円)
既存分配器配線組み換え
3000円(税込3300円)

※エリア別出張費・季節別料金(屋根裏作業は夏季2200円追加など)・有料駐車場料金・任意保険料金・キャンペーン割引などがあった場合は省略しています。
※その他調整費用や決済手数料など根拠のない料金はかかっておりません。

今回利用した部材

地デジデザインアンテナ
SDA-5-1サン電子
4K8K対応BS/110度CSアンテナ
BC45RL(BK)マスプロ電工
地デジ/4K8Kブースター
EP2UBCBマスプロ電工
サイドベース
HK-30Kサン電子
アンテナケーブル
S5CFBT(3重シールド同軸ケーブル)

弊社で取り付けた機器の説明書は工事明細、保証書、保証規定とともにお渡ししております。

施工時間

現地調査・カウンセリング:30分
工事:1時間45分
後片付け・精算:45分

今回の工事のポイント

アンテナ工事をするにもさまざまな方法やアプローチがあります。
今回特に気を付けたのはお客様のご自宅が道路の突き当りにあり、その道を通る方の目に入りやすい環境であったことと、地デジの電波が入りづらかった点です。
高い位置にアンテナを付けることなども検討しましたが、できるだけ目立ちにくく、災害に強く、綺麗に設置できる方法でのご提案となりました。
お客様自身ご希望されていませんでしたが、万が一屋根の上に設置した場合、実は今回よりも高額になります。
3階屋根に上るための大型梯子の使用、屋根上の命綱作業、屋根上の設置料金などがかかるからです。
まだ多くの工事会社が屋根上のアンテナ工事の方が安いこともありますが、実際には屋根上の作業の方が時間がかかり(命綱をしっかり設置する場合)、危険作業であり、材料費もトータルでは高くなっています。クラウンクラウンは適正価格をモットーに、工事をしております。
新製品の発売、商品の金額変更などとあわせ数年ごとに工事料金の見直しをしております。どうぞよろしくお願いいたします。

屋根裏の360度画像(コントロール可能)

お問い合わせ・共有

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投稿者プロフィール

松本 昭彦代表取締役
幼少期より家電設備の工事に触れていて、15年ほどさまざまな設備工事に携わり、クレーム処理責任者を経て2011年に独立。
品質重視と明朗会計をモットーに、業界改革を目標にアンテナ工事専門会社としてクラウンクラウンを立ち上げました。

東京電機大学理工学部情報科学科(中退)
事業構想大学院大学 事業構想士修士課程


主な資格
【国家資格】
1級電気工事施工管理技士
2級管工事施工管理技士
2級電気通信工事施工管理技士補
第一種電気工事士
工事担任者(2級デジタル)
給水装置工事主任技術者
運行管理者

【その他】
第2級CATV技術者
1級あと施工アンカー施工士
インテリアコーディネーター
キッチンスペシャリスト
一級リビングスタイリスト
二級福祉住環境コーディネーター
排水設備工事責任技術者
照明士
川崎市多摩区でアンテナ配線屋根裏通過の4K8K黒色フルセット工事

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