「10Gbps対応のCat6AでLAN配線をしてほしい」「端子はパナソニックのぐっとすシリーズを使いたい」
当社には、このようなご要望が数多く寄せられます。しかし、最新のCat6A配線工事において、ケーブルの種類と接続する機器の「規格の一致」を無視すると、本来の速度が出ないばかりか、かえって通信が不安定になるリスクがあることをご存知でしょうか。
本記事では、通信工事のプロの目線から、Cat6A配線における「ノイズ対策」と「機器選定の注意点」を分かりやすく解説します。
Cat6Aのような超高速通信では、周囲の家電や配線から発生する「電磁ノイズ」が通信不良の大きな原因となります。これを防ぐため、LANケーブルには大きく分けて以下の2種類が存在します。
UTPケーブルは柔らかく扱いやすい反面、金属シールドを持たないため、配線環境によっては以下のような外部ノイズの干渉を受けやすくなります。
「ノイズに強いなら、すべてシールド付きケーブルで配線すればいいのでは?」と思われるかもしれません。しかし、ここが最大の落とし穴です。
シールド付きケーブルは外部ノイズに極めて強い反面、必ず「アース(接地)」を取る必要があります。
アースが取れていない(金属シールドが最終的に大地に繋がっていない)状態で配線を行うと、シールド自体が巨大なアンテナの役割を果たしてしまいます。空間を飛び交うノイズをかえって拾い集め、内部の通信線に干渉させてしまう「アンテナ効果」を引き起こし、通信品質が著しく悪化します。
壁の配線をシールド付きケーブルで施工した場合、最終的なアースはお客様が接続されるルーターやスイッチ(Hub)を経由して取ることになります。そのため、お手持ちの機器の「LANポート(差込口)」を必ずご確認ください。
お客様の通信環境や建物の構造、使用する機器に合わせて、当社では以下のいずれかの施工をプロの目線からご提案しております。
LAN配線は一度壁の中に埋め込むと、簡単にやり直しができません。お客様が将来的にどのような機器をお使いになるかによって、最適な部材は変わります。
Cat6AのLAN配線工事をご検討中の方は、ぜひお気軽に当社までご相談ください。環境に合わせた最適なプランを設計いたします。
A. その通りです。内部の通信線同士の干渉(NEXT)を防ぐためのものです。
UTP(非シールド)ケーブルは、内部にある4対の通信線同士が干渉し合う「NEXT(近端漏話)」というノイズが発生しやすくなります。十字介在は、これらを物理的に分離してノイズを防ぐセパレーターの役割を果たしています。
なお、当社が標準採用しているU/FTP(シールド付き)ケーブルは、4対の芯線がそれぞれ個別にアルミ箔でシールドされているため、十字介在がなくてもNEXTを強力に防ぐことができます。
A. はい、規格上は可能です。
LANケーブル(銅線)で通信できる距離の限界は100mです。トータルの長さが100mを超える場合でも、途中にスイッチングハブを挟むことで電気信号がリフレッシュされ、そこからさらに100m延長させることができます。
ただし、間に機器を挟むと「電源の確保」が必要になり、「スイッチの故障」という通信トラブルのリスク地点が一つ増えることになります。そのため、建物間をまたぐような極端な長距離の場合は、経路上にスイッチを置かなくて済む光ファイバー配線への変換をご提案するケースもございます。
A. 一般的なご家庭の環境であれば、基本的には不要です。
フルークテストとは、専用の精密測定器を使い、ケーブル配線がCat6Aの規格(10Gbpsの通信性能)を100%満たしているか、ノイズ(PS ANEXTなど)の影響がないかを厳密に証明する世界標準のテストです。
ご家庭の配管内に個別に配線したり、数本を束ねて通す程度の施工であれば、テストなしでも十分な性能が発揮されるため必須ではありません。大規模なオフィスなど、どうしても品質証明が必要な法人様向けには当社でも測定可能ですが、基本料金20万円程度に加え、1ポートごとの測定費用が発生する非常に専門的な検査となります。
※最新の金額は料金表を確認、またはお問い合わせください。
A. もちろんです。ただし、プロの基準として「配管工事」をあわせて実施します。
当社が標準で使用している高品質なLANケーブルは「屋内用」のため、屋外でむき出しのまま配線すると、紫外線や雨風によって被覆が劣化し、通信障害の原因となります。そのため、屋外配線の際は高耐候性のPFD管(2層構造の丈夫な樹脂管)などを用いた配管工事を確実に行い、ケーブルを保護する安全で長持ちする施工を行っております。
A. 影響はほぼありません。むしろご家庭向けとしては最もスマートな大正解の構成です。
大元のスイッチ側(情報分電盤など)で正しくアースが取れていれば、壁の中の長距離配線はアンテナ効果を防ぎつつノイズから守られます。室内に露出する数メートル程度であれば、ノイズの影響は極めて小さいため、細くて取り回しが良いUTPケーブルでメッシュWi-Fiルーターなどに接続するのが現実的でおすすめです。