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【プロが解説】Cat6A LAN配線工事の罠。UTP(非シールド)とU/FTP(シールド付き)の正しい選び方

「10Gbps対応のCat6AでLAN配線をしてほしい」「端子はパナソニックのぐっとすシリーズを使いたい」
当社には、このようなご要望が数多く寄せられます。しかし、最新のCat6A配線工事において、ケーブルの種類と接続する機器の「規格の一致」を無視すると、本来の速度が出ないばかりか、かえって通信が不安定になるリスクがあることをご存知でしょうか。

本記事では、通信工事のプロの目線から、Cat6A配線における「ノイズ対策」と「機器選定の注意点」を分かりやすく解説します。

目次

高速通信の最大の敵「ノイズ」とケーブルの種類

Cat6Aのような超高速通信では、周囲の家電や配線から発生する「電磁ノイズ」が通信不良の大きな原因となります。これを防ぐため、LANケーブルには大きく分けて以下の2種類が存在します。

  • UTP(非シールド)ケーブル: 一般的な家庭用ケーブルです。ノイズ対策は、ケーブル内部の芯線の「撚り(より)」の構造のみで行います。
  • U/FTPなどのシールド付きケーブル: 内部の通信線がアルミ箔などの金属で覆われており、物理的に外部ノイズを強力に遮断する高品位なケーブルです 。
LANケーブルの違い
LANケーブルの比較 U/UTPとU/FTP
  1. UTPケーブル(十字介在なし)
    主にCat5eなどで採用される標準的な構造です。ノイズ対策は芯線の「撚り(より)」のみで行います。非常に柔らかく、取り回しが良いのが特徴です。
  2. UTPケーブル(十字介在あり)
    一般的なCat6やCat6Aで採用される構造です。内部の通信線同士が干渉するノイズ(NEXT)を防ぐため、中心にプラスチックの「十字介在(セパレーター)」が入っています。ケーブル自体が少し太く、硬くなります。
  3. U/FTPケーブル(当社Cat6A標準仕様)
    当社が10Gbps通信のために採用しているシールド付き構造です。4つのペア線がそれぞれ個別に「アルミ箔」で包まれているため、十字介在がなくても内部干渉を強力に防ぎ、さらに外部からのノイズも完全に遮断します(※性能を発揮するには確実なアース接続が必要です)。

UTP(非シールド)ケーブルの弱点

UTPケーブルは柔らかく扱いやすい反面、金属シールドを持たないため、配線環境によっては以下のような外部ノイズの干渉を受けやすくなります。

  • EMI(電磁誘導ノイズ): エアコンや電子レンジなどの強い電源線(AC100V/200V)とLANケーブルが密着している場合に受ける干渉です。
  • エイリアンクロストーク(ANEXT): 隣り合う別のLANケーブルから受けるノイズです。複数のLANケーブルを同じ配管内で束ねて長距離配線する場合、Cat6A通信において致命的な速度低下の原因になり得ます 。

シールド付きケーブルの罠「アンテナ効果」

「ノイズに強いなら、すべてシールド付きケーブルで配線すればいいのでは?」と思われるかもしれません。しかし、ここが最大の落とし穴です。

シールド付きケーブルは外部ノイズに極めて強い反面、必ず「アース(接地)」を取る必要があります。
アースが取れていない(金属シールドが最終的に大地に繋がっていない)状態で配線を行うと、シールド自体が巨大なアンテナの役割を果たしてしまいます。空間を飛び交うノイズをかえって拾い集め、内部の通信線に干渉させてしまう「アンテナ効果」を引き起こし、通信品質が著しく悪化します。

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Cat6A(U/FTP)ケーブルで起こるアンテナ効果の図解

お客様のルーター・スイッチを確認しましょう

壁の配線をシールド付きケーブルで施工した場合、最終的なアースはお客様が接続されるルーターやスイッチ(Hub)を経由して取ることになります。そのため、お手持ちの機器の「LANポート(差込口)」を必ずご確認ください。

  • アースが取れない機器(要注意): 差込口が「プラスチック製」のもの。一般的な家庭用ルーターや安価なスイッチの多くはこれに該当します。ここにシールド付きケーブルを繋いでもアースが取れず、速度低下の原因となります。
  • アースが取れる機器: 差込口が「金属」で覆われており、かつ機器の電源プラグにアース線(3ピンプラグなど)がついているもの。
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当社からの最適な施工プランのご提案

お客様の通信環境や建物の構造、使用する機器に合わせて、当社では以下のいずれかの施工をプロの目線からご提案しております。

  • 【プランA】一般的なご家庭向け機器をお使いの場合
    「パナソニック製ぐっとすシリーズ」などの端子をご希望の場合や、一般的な家庭用ルーターをお使いの場合は、アース不良によるノイズ増大リスクをなくすため、壁の中の配線も端子もすべて「UTP(非シールド)」で統一して施工します。
  • 【プランB】シールド対応の本格的な機器をお使いの場合
    最高品質の「シールド付き配線」と「金属製モジュラージャック」を使用し、ノイズを極限まで抑えた業務用レベルの施工を行います(※対応機器のご用意が必要です)。

LAN配線は一度壁の中に埋め込むと、簡単にやり直しができません。お客様が将来的にどのような機器をお使いになるかによって、最適な部材は変わります。

Cat6AのLAN配線工事をご検討中の方は、ぜひお気軽に当社までご相談ください。環境に合わせた最適なプランを設計いたします。

【よくあるご質問(FAQ)】プロが答えるCat6A配線の疑問

Q1. UTPのCat6Aケーブルに入っている「十字介在(プラスチックの芯)」は何のためですか?NEXT対策ですか?

A. その通りです。内部の通信線同士の干渉(NEXT)を防ぐためのものです。 UTP(非シールド)ケーブルは、内部にある4対の通信線同士が干渉し合う「NEXT(近端漏話)」というノイズが発生しやすくなります。十字介在は、これらを物理的に分離してノイズを防ぐセパレーターの役割を果たしています。
なお、当社が標準採用しているU/FTP(シールド付き)ケーブルは、4対の芯線がそれぞれ個別にアルミ箔でシールドされているため、十字介在がなくてもNEXTを強力に防ぐことができます。

A. はい、規格上は可能です。
LANケーブル(銅線)で通信できる距離の限界は100mです。トータルの長さが100mを超える場合でも、途中にスイッチングハブを挟むことで電気信号がリフレッシュされ、そこからさらに100m延長させることができます。
ただし、間に機器を挟むと「電源の確保」が必要になり、「スイッチの故障」という通信トラブルのリスク地点が一つ増えることになります。そのため、建物間をまたぐような極端な長距離の場合は、経路上にスイッチを置かなくて済む光ファイバー配線への変換をご提案するケースもございます。

A. 一般的なご家庭の環境であれば、基本的には不要です。
フルークテストとは、専用の精密測定器を使い、ケーブル配線がCat6Aの規格(10Gbpsの通信性能)を100%満たしているか、ノイズ(PS ANEXTなど)の影響がないかを厳密に証明する世界標準のテストです。
ご家庭の配管内に個別に配線したり、数本を束ねて通す程度の施工であれば、テストなしでも十分な性能が発揮されるため必須ではありません。大規模なオフィスなど、どうしても品質証明が必要な法人様向けには当社でも測定可能ですが、基本料金20万円程度に加え、1ポートごとの測定費用が発生する非常に専門的な検査となります。
※最新の金額は料金表を確認、またはお問い合わせください。

A. もちろんです。ただし、プロの基準として「配管工事」をあわせて実施します。
当社が標準で使用している高品質なLANケーブルは「屋内用」のため、屋外でむき出しのまま配線すると、紫外線や雨風によって被覆が劣化し、通信障害の原因となります。そのため、屋外配線の際は高耐候性のPFD管(2層構造の丈夫な樹脂管)などを用いた配管工事を確実に行い、ケーブルを保護する安全で長持ちする施工を行っております。

A. 影響はほぼありません。むしろご家庭向けとしては最もスマートな大正解の構成です。
大元のスイッチ側(情報分電盤など)で正しくアースが取れていれば、壁の中の長距離配線はアンテナ効果を防ぎつつノイズから守られます。室内に露出する数メートル程度であれば、ノイズの影響は極めて小さいため、細くて取り回しが良いUTPケーブルでメッシュWi-Fiルーターなどに接続するのが現実的でおすすめです。