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スターリンクケーブルの特徴・性能が知りたい

スターリンクケーブルにはケーブルの性能をあらわす刻印があります。
標準モデルとビジネスモデル(ハイパフォーマンスモデル)では異なるケーブルが使われています。

第二世代標準モデル

初期型

E515747-VN C(UL)US CMX OUTDOOR-CMR 75℃ FTP 4PR 26AWG

改訂型

E142890-VN C(UL)US CMX Outdoor CMR 75℃ FTP 4PR 26AWG ETL VERIFIED TO TIA-568-C 2 CAT 5E PATCH CABLE -LF-
※2024年出荷キットの一部で柔らかくなったケーブルが確認されました。

ハイパフォーマンスモデル

E204149 c** CMX OUTDOOR-CMR 105℃ 4PR 22AWG FIT HON TENG CSA LL110948 FT1
*部分は判読できず

これらの刻印から読み取れる情報

この文字列は製品の仕様に関する重要な情報を提供しています。
この情報からわかることは以下の通りです。
※スペースXの公式発表は特にありませんのでケーブルの表記から独自に読み取った情報です。
※公式サポートはケーブルの生産国や外装について非公表と回答しています。

  1. 生産国

  2. VNからベトナムで生産されたケーブルだと判明しました(善意の情報提供をいただきました)。

  3. 安全基準

  4. アメリカとカナダの安全基準(Underwriters Laboratories)に適合しています。

  5. 耐候性

  6. スターリンクケーブルは耐候性があり屋外で使用することができます。

  7. 耐火性能

  8. 最低の耐火性能を満たしています(※耐火性能がないのではない)。

  9. ケーブルの外装(ジャケット、またはシース)

  10. 屋外PVC ULタイプCMR認証済みと回答をいただきました。PVCまたはPE、他にはL-LDPE(Linear Low Density Polyethylene)の可能性があります。

  11. 強度

  12. 建物の階をまたいで配線できる強度があります。

  13. ケーブルの種類

  14. スターリンクケーブルは4組のツイストペアからなるFTP(Foiled Twisted Pair)ケーブルです。

  15. 耐熱性能

  16. スターリンクケーブルの耐熱温度は75℃です。

  17. 銅線の太さ

  18. ケーブルの中身の銅線は約0.4mmです(26AWG)

  19. ケーブルのカテゴリー

  20. ケーブル上の表記ではわかりませんが、公式の仕様書ではCAT5eとなっています。
    新しいケーブルではCAT 5Eの刻印が追加されました。

  21. ケーブルに流れる電圧

  22. 丸型のアンテナ(第一世代)の場合は最大56V、現在の標準アンテナ(第二世代・四角いアンテナ)は最大48Vの直流電気が流れます。
    ※そのためケーブルの固定は電気工事士が行う必要があります。(仕事として行う場合は電気工事業も必要)

新しいケーブルの変化

  1. 認証機関とケーブル準拠

  2. 新しいケーブルはETLであらわされる第三者認定機関によるテストが行われており、パッチケーブルのコンポーネント試験が準拠していることをあらわしています。
    (ETL VERIFIED TO TIA-568-C 2)

  3. 鉛フリー

  4. 最後に刻印された-LF-は鉛が含まれていないこと(Lead-Free)をあらわしています。

  5. 使用感

  6. E515747タイプのケーブルは表面がつるっとしていて、収納時の折り癖がつきやすいケーブルでした。それに比べてE142890タイプのケーブルは全体的に柔らかくなり、表面はさらさらとした手触りに変わりました。自宅などにスターリンクを設置した場合にケーブルが室内で余ることが多いと思いますが、前者は癖の通りにまとめやすくなっているのに対し、後者は円形にまとめやすくなったと言えます。

規格についての備考

新しいケーブルに刻印された「TIA-568-C 2」について

2024年新型スターリンクケーブルの刻印
ANSI/TIA-568-C.2はTelecommunications Industry Association (TIA) によって策定された、主にオフィスや企業環境で使用されるバランス対向型ツイストペアケーブルおよびコンポーネントの標準です。

スターリンクケーブルの特徴

第二世代スターリンクキットのケーブルについて

「E515747-VN」は、おそらく製造元の製品番号や識別コードです。「VN」は製造国または製造地域の略号として使用されることがあり、このケーブルがベトナムで製造された可能性があります。なお「E515747」という型式のケーブルが2019年にUL認証を取得したとWider Wire & Cable社のページに掲載されています。
同じページには2021年3月、ベトナムに多国籍企業を設立したとも書いてあります。
中国のこの企業のケーブルで間違いないようです。(4月28日追記)

「C(UL)US」は、このケーブルがアメリカとカナダの安全基準に準拠していることを示しています。UL(Underwriters Laboratories)は、独立した製品安全認証機関であり、C(UL)USマークは米国(US)とカナダ(C)の両方のUL基準に適合していることを示しています。

「CMX」とは、「Communications Limited Purpose」の略称で、最低限の耐火定格要件を満たしているケーブル規格です。この規格は、UL 1581 VW-1のテストによって標準化されています。通常、CMR定格のケーブルには、屋内、屋外、または直接地中埋設用のUL定格オプションが付与されます。そのため、ジャケット素材を選択する際の重要な考慮事項は、UV耐性です。CMXケーブルは、PVCやPEまたは非PVCのリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)ジャケットなどを使用しており、耐UVおよび耐候性を保証します。
このケーブルのは屋外PVC ULタイプCMR認証済みだそうです。つまり外装はPVC(ポリ塩化ビニル)です。

「OUTDOOR-CMR」は、ケーブルの耐火性能や炎上特性を示すランクです。「CMX」は、通信ケーブルの最も低い耐火ランクであり、主に屋外や住宅用途に使用されます。「CMR」は、「Communications Multipurpose Riser」の略で、建物の階をまたいで垂直に設置されるケーブルを示します。この表記は、ケーブルが屋外でも室内のライザー用途でも使用できることを示しています。

「FTP」は、「Foiled Twisted Pair」の略で、アルミニウムのシールドで覆われたツイストペアケーブルであることを示しています。「75°C」は、このケーブルの耐熱性が最大で75度であることを示します。「4PR」は、「4 Pairs」の略で、4組のツイストペアが含まれていることを示しています。「26AWG」は、「American Wire Gauge」の略で、ケーブルの銅線の太さを示しています。このケーブルの銅線の太さは約0.4mmで、AWGの値が小さいほど、ケーブルの太さが大きくなります。

また、屋外対応ケーブルのシースには、耐候性や紫外線(UV)耐性が求められます。「PVC」や「PE」などの素材が使われることがありますが、CMXケーブルであることから「L-LDEP」(Linear Low Density Polyethylene:リニアポリエチレン)ではないかと考えます。(これは後日ケーブルメーカー※

ビジネスモデル(ハイパフォーマンスモデル)のケーブルについて

スターリンクビジネス用スターリンクケーブル
元々スターリンクビジネスとも呼ばれていましたが、現在はハイパフォーマンスモデルと名称が変わっています。
しかしそれだけにケーブルも標準キットに比べてスペックが高くなっています。
生産国表記は判別できませんでしたが生産メーカー名としてFIT HON TENGと刻印が入っています。
どうやら標準モデルとは別のメーカーが生産しているようです。
その他に耐熱温度が105度、同線の太さは22AWGから0.644mmであることがわかります。

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