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スターリンクアンテナの設置工事(第2世代)東京都内の現場でおおむね標準的な内容でした

CASE
スターリンクアンテナの設置工事
2023年1月31日
東京都内でSpaceXのスターリンクの第2世代アンテナの設置事例を紹介します。この記事では、具体的な施工手順や速度テスト結果を含め、設置前に知っておくべきポイントを詳しく解説しています。特に、第1世代と第2世代のアンテナの違いや、ケーブルの取り扱いに関する注意点、さらには電気工事に関する法的な要件など、スターリンクの設置に関わる多岐にわたる情報が網羅されています。スターリンクの設置を検討している方や、最新の技術動向に興味がある方にとって、非常に参考になる内容となっています。

スターリンクのアンテナ工事も増えてきました。12月から始めた工事も、1月だけで5件の工事を行いました。(3月3日時点で累計30台になりました)
最初の工事は特殊な事例で場合によっては返品も考慮しているということで急いで工事をしました。そのため、その後じっくり海外の事例などを研究し、もともと得意とする特殊なアンテナの設置工事などのノウハウを活かして工事を行っています。
テレビアンテナと同様、一度の訪問で無理なくあらゆる工事に対応できるように、スターリンクの工事用に特殊な材料等を十分に用意しています。テレビアンテナ工事と異なり、現段階では一車両のみの装備なのでそれほど大ごとではないことと、もともと特殊なアンテナ工事用にそろえていた材料も有効活用できるのが良かったです。

ハウスメーカー様等の敬称は記事中で省略しております。

目次

スターリンクアンテナ工事概要

スターリンクとはイーロン・マスクCEOが率いるスペースX社が提供しているサービスです。先日国会でも話題にあがった衛星コンステレーションを使ったインターネットサービスで、ウクライナへ提供されたことでも知名度が上がりましたね。日本では2022年10月からサービスが始まり、クラウンクラウンでは満を持して2022年12月から工事を受け付けています。

今回の工事はほぼ標準的なもので、多くの方の参考になると思います。

工事のポイント

  1. スターリンクは既に第2世代で取り付けに使う金具などが異なる
  2. 日本国内のサービス提供は2022年10月ですが、2022年終盤で既に第2世代へ切り替わっています。第1世代の丸いアンテナと第2世代の四角いアンテナは重量だけではなく支柱の外形寸法もことなり、スターリンクケーブルの形状も異なります。そのためどちらのアンテナを設置するのか工事の前に確認しておく必要がありそうです。弊社ではどちらの施工実績もあり、工事の材料はどちらに対しても常に用意があります。
  3. 現在注文すると届くのは第2世代(のはず)
  4. 将来的に第3世代が出てくるにしても、現時点で第1世代のものが届くなどということはないでしょう。そのためこれからアンテナキットを注文する方には今回の工事事例が参考になると思います。
  5. アンテナとルーター間のスターリンクケーブルはオリジナルの既製品
  6. これは場合によっては深刻な問題を引き起こします。原則として市販品で代替することはできないので、傷がつかないようにすることはとても大事です。またケーブルの先端形状から既設配管内に通線するのは非常に条件が厳しいです。第2世代の場合はケーブル先端の硬くて曲がらない部分が64mmもあります。第1世代はいわゆるLANケーブルですが、アンテナ側は既に固定されており、ルーター側(実際にはACアダプターへ接続)には先端近くに大きなフェライトコアがあります。(寸法未確認)
  7. 第2世代はルーター側から配線(第1世代はアンテナ側から)
  8. 第2世代のスターリンクケーブルは、ケーブル単体で独立しており、長さの違うものがオプションで用意されています。しかしアンテナ側の先端が直進なのに対して、ルーター側がL字に2度曲がっているデザインなので、配管は通りません。そのため第2世代はルーターからアンテナへ向かって配線工事を行いますが、第1世代はアンテナからケーブルが生えている状態のため、アンテナからアダプターに向かって配線工事を行います。
  9. ケーブルは屋外用(のはず)だが、傷防止のためのカバー推奨
  10. 長期間使用することを考えるとPF管などで紫外線を遮ることをお薦めします。弊社では標準的なコルゲートチューブを使った屋外配線が基本ですが、さらに高耐候性の配管を使うこともできます。ですが何よりもケーブルに傷をつけないようにカバーすることが大事だと思います。
  11. 設置金具やノウハウの多くはテレビアンテナ工事のものが役立つ
  12. スターリンクのアンテナは、原則として回りに障害物がないことが重要です。そのため一般的には広い空き地か建物の屋根より硬い位置に固定して使うのがいいでしょう。自宅で使うなら必然的に後者になりますので、アンテナを屋根より高い位置に固定することはアンテナ工事会社が得意とするところです。ただし、スターリンクのアンテナ自体が外部の金具で固定することをあまり想定していないため、それらの金具等の選定には知識や経験が必要になるだろうと思います。
  13. ※ただし電気工事なので、多くのアンテナ工事業者の工事は違法の可能性がある
  14. これは再三声を大にして伝えたいことですが、エアコン工事と同様に、スターリンクアンテナの工事は「電気工事業の許可」が必要です。DIYでやることが前提のようなキットですが、ケーブルの固定も日本では電気工事士の資格がいります。一部のアンテナ工事会社が名乗りを上げていますが、注文するときには必ず会社概要に「電気工事業の登録番号」が記載されているか確認しましょう。

工事の情報発信

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スターリンク工事の手順と内容

  1. カウンセリングと配線経路の確認および材料の確認

  2. スターリンクは特にルーターの設置場所が重要です。ルーターの場所に対して配線が適切に行え、スターリンクアンテナを強固に取り付けできる場所を確認します。今回も事前に何度も打ち合わせをしていたので、現地ではそれほど迷うことなく取り付け場所、配線ルート、穴あけ箇所、ルーターの設置場所を確認しました。 スターリンクは原則お客様支給になるため、スターリンク本体、ルーター、スターリンクケーブル、その他オプション品等のご用意があるかを確認します。
    スターリンクアンテナを自立させたところ
    一度ご自身で試されたとのことで、自立スタンドに設置された状態でお預かりしました
    スターリンクのアンテナ・スタンド・ケーブルをバラバラに
    スターリンクのアンテナ・スタンド・ケーブルをバラバラにして確認
    スターリンクケーブル(第二世代)
    陰になって見づらいかもしれませんが、右がアンテナ側の先端、左がルーター側の先端で特殊な形をしています
  3. その他の確認と最終見積提示

  4. 入線カバーの色や室内のプレートの確認と、最終的な工事の明細と料金を確認していただきました。
  5. スターリンクアンテナのベース設置

  6. 破風でも内側に垂木などの入った丈夫な部分を探し、そこにサイドベースを固定しました。破風の大きさとサイドベースの大きさのバランスから、ベースの一部は破風からはみ出ていますがビスによる固定と変成シリコーンによる防水処理はしっかりやっています。
    スターリンクのアンテナを逆さまに
    スターリンクのアンテナを逆さまにしたところ
    スターリンクのアンテナにマストジョイントを仮設置
    スターリンクのアンテナにマストジョイントを仮設置
    スターリンクアンテナを仮設置(ケーブル配線前の確認)
    金具を設置したついでに、いったんスターリンクアンテナを仮固定し、この時点でお客様に一度イメージを確認していただきました。
    スターリンクアンテナ仮設置別角度
    スターリンクアンテナ仮設置別角度の写真
  7. 2階ベランダの壁面に穴あけ

  8. ルーターを設置する部屋の角に小さな棚を置かれていたので、通線はその少し上にしました。角よりも少し内側に柱が飛び出ている構造だったため、それを加味して室内の壁を開口しています。その後壁の中の断熱材をよけて、室内側から若干下に向くように穴あけをし、外側からも穴あけをして仕上げました。エアコンの穴と異なり水が流れるわけでもなく、最終的に穴もシリコーンでふさいでしまうので、外側の取り出し場所の都合によっては逆勾配でも問題ありません。
    スターリンクケーブルを通すために穴をあける前の室内養生
    工程としてはまとめましたが、穴あけ時の養生はとても大切です。
    スターリンクケーブルを通すための穴あけ作業
    どうしても断熱材を貫通する場合もありますが、可能であれば断熱材をかわして穴をあけられた方がいいですね
  9. スターリンクケーブルの通線

  10. 第2世代のスターリンクキットはで使われているスターリンクケーブルは、オプションで長いものが選べるようにはなりましたがケーブル自体はスターリンクのオリジナルで長さを詰めることや先端を現地で加工することはできません。そのため出来合いのケーブルを使うのですが、アンテナ側、ルーター側、それぞれ形に特徴があります。一般的な通線や配線にはルーター側の形状の方が都合がいいため、室内からアンテナに向かってケーブルを通していきます。 先端はminiHDMIのような形状ですが、ゴミが入らないようにテープで養生します。べたつかないようにビニルテープではなくマスキングテープを使っています。
    スターリンクケーブル先端の養生
    スターリンクケーブル先端の養生
    スターリンクケーブル先端の養生2
    先端養生は端子部分にテープの糊がつかないように気をつけます
    外側の穴
    今回は比較的小さめの穴で通しましたが、この次から余裕を持った穴あけを行っています
    スターリンクケーブルを壁に貫通
    スターリンクケーブルを壁に貫通させたところです
  11. スターリンクアンテナへケーブルの接続とアンテナの固定

  12. 充分な長さにコルゲートチューブをかぶせた後、スターリンクアンテナにケーブルを接続してアンテナ本体を壁に固定します。 スターリンクアンテナの支柱とマストを一直線に固定し、ケーブルはそのままマストとサイドベースの中を通しています。支柱とマストを固定する金具(カップリング)の向きによってはケーブルを外に出すこともできます。今回はカップリングとアンテナの向きを調整し、外からできるだけスマートに見えて、なおかつカップリングでケーブルの突起部分を押さえるような設置をしています。
    スターリンクケーブルをサイドベースに通線
    スターリンクケーブルをサイドベースに通線
    スターリンクケーブルをマストの中に通線
    スターリンクケーブルをマストの中を通し先端に十分引き出します
    スターリンクのアンテナを固定
    スターリンクのアンテナを固定
    マストは垂直に設置します
    マストは曲がっていてもアンテナは方向を調整してくれますが、強度が変わるのでできるだけ垂直に設置します
    スターリンクアンテナの設置後配線はまだ仮固定
    スターリンクアンテナの設置後で配線はまだ仮固定状態
    スターリンクアンテナが方向を変える
    この時点でケーブル自体は接続でき、接続確認もかねてアプリの設定を行っていただきました
  13. スターリンクケーブルの固定

  14. あらかじめ十分な長さにコルゲートチューブをかぶせておいたスターリンクケーブルを固定していきます。今回はステンレスサドルとステンレスビスの組み合わせですが、コストは下げられる一方手間が大きくかかるのでこの次から改善しています。もちろん鉄のサドルやビスは使用しません。
    はしごの上から軒天に固定用の下穴
    モルタル仕上なので、ドリルで下穴をあけた方がひび割れのリスクが減ります
    スターリンク配線の固定仕上げ
    スターリンク配線の固定仕上げ
    スターリンクケーブル縦方向の固定
    垂直方向は今回50cm刻みで固定しています
    PF管など硬いチューブの場合はもっと間隔があいていても問題ありません。
    防雨入線カバーの取付
    防雨入線カバーは仕上がりをきれいにしてくれます
    ケーブル通線時のU字トラップ
    ここで最終的にケーブルの配線長さが決まります
    通線後の隙間はしっかりふさいでおきます
    通線後の隙間はしっかりふさいでおきます
    入線カバー白
    入線カバーもさまざまありますが、目につきやすい場所はかっこいいものをつけたいですね
    室内の配線と余分なコルゲートチューブをカット
    室内の配線と余分なコルゲートチューブをカット
    テレホンガイドで仕上げをきれいに
    テレホンガイドで仕上げをきれいに
    室内の配線取り出し
    テレホンガイドで仕上げた室内の配線取り出し
  15. 片付け・確認・ご精算

  16. 施工場所の後片付けと清掃を行い、工事箇所を確認していただきます。(目視や写真による確認) ご不明点などがないか確認し、ご精算を行い終了です。 ※工事の手順、内容は現場ごとに異なります。

今回の工事料金

※エリア別出張費・有料駐車場料金・任意保険料金・キャンペーン割引などがあった場合は省略しています。
この記事を公開した2023年1月の価格に基づいています。価格改定があった場合は表記が更新される場合もあります。

合計料金

今回の合計料金は42000円(税込46200円)でした。

内訳(税別表記)

スターリンクンアンテナ壁面・破風設置
22000円
スターリンクケーブル固定 5m
5000円
穴あけと通線一式
含まれるもの(木造住宅の穴あけ・通線・コルゲートチューブ仕上・防雨入線カバー・室内コンセント枠開口・室内コンセントカバー設置・テレホンガイド設置)
15000円
※消費税別料金です。 ※その他調整費用や決済手数料など根拠のない料金はかかっておりません。

今回利用した部材

現在編集中

施工時間

現地調査・カウンセリング:1時間
工事:2時間30分
後片付け・精算:40分
まだ実績が少ないため、特に丁寧に説明をしながら慎重に工事を行っており、上記の時間がかかっています。

今回の工事のポイント

最新技術ということで注目も集まりつつあります。ビジネスチャンスとみていくつかのアンテナ工事会社が参入表明をしていますが、残念ながら知識も技術もなく、電気工事業の登録が必要だということも気づいていないところが多いようです。
スターリンクは衛星と通信するアンテナの設置工事だと思われがちですが、それと同じくらい48V~56Vの電気が流れるスターリンクケーブル(つまり電線)の配線工事が重要です。アンテナ工事会社が培ってきたノウハウは非常に役に立つと実感していますが、電気工事については全く別です。ケーブルに傷がついたり、風でケーブルが揺れて将来傷がつくことで、ケーブルから火が出るリスクも感電するリスクもあります。
一般の方が知らないのはおかしなことではありませんが、こういったことを知らない、いわば電機の素人がこういった工事に手を出してしまうことに複雑な感情を抱いています。

投稿者プロフィール

松本 昭彦代表取締役
幼少期より家電設備の工事に触れていて、15年ほどさまざまな設備工事に携わり、クレーム処理責任者を経て2011年に独立。
品質重視と明朗会計をモットーに、業界改革を目標にアンテナ工事専門会社としてクラウンクラウンを立ち上げました。

東京電機大学理工学部情報科学科(中退)
事業構想大学院大学 事業構想士修士課程


主な資格
【国家資格】
1級電気工事施工管理技士
2級管工事施工管理技士
2級電気通信工事施工管理技士補
第一種電気工事士
工事担任者(2級デジタル)
給水装置工事主任技術者
運行管理者

【その他】
第2級CATV技術者
1級あと施工アンカー施工士
インテリアコーディネーター
キッチンスペシャリスト
一級リビングスタイリスト
二級福祉住環境コーディネーター
排水設備工事責任技術者
照明士
スターリンクアンテナの設置工事(第2世代)東京都内の現場でおおむね標準的な内容でした

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