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スターリンク新型アンテナの取付事例(屋上へマスト設置)

CASE
スターリンクのアンテナ設置事例
スターリンク(STARLINK)の衛星通信インターネットのアンテナの設置工事事例を紹介しています。日本での新型アンテナの発売が始まったばかりで、情報や資料が少ない中、一度の訪問でアンテナをきれいに取り付けることができました。万が一通信品質が悪い場合の返品も考慮し、事前に様々な材料を集めて訪問した結果、シンプルに取り付けが可能でした。

目次(矢印で開閉)

スターリンク(STARLINK)の衛星通信インターネットのアンテナの設置工事事例です。日本でも発売が開始されたばかりの新型アンテナですが、情報や資料が少なかったのですが、何とか一度の訪問できれいに取り付けることができました。万が一通信品質が悪い場合は返品を検討しているとのことから、返品までの日程を考慮し、事前にさまざまな材料を集めたうえで訪問しました。意外とシンプルに取り付けができました。

目次

工事の流れ

  1. 新型スターリンクアンテナを確認
  2. スターリンクアプリで周囲を確認
  3. パーゴラが障害になるため高さを確保する
  4. 配線を部屋に引き込む
  5. 初期設定をおこなってもらう
  6. 片づけと掃除で終了

新型スターリンクアンテナの特徴

スターリンクのアンテナ本体サイズ
https://www.starlink.com/specifications より引用

今回は下見などをせず、事前に状況をメール、お写真などで何度か確認させていただいたうえで工事に臨んでいます。特に新型アンテナの国内施工事例はほとんど公開されておらず、海外の事例なども参考にしました。
上記の図では34mm(1.3インチ)とありますが、1.3インチは約33mmです。またアンテナの支柱下端が少し細くなっていますが、ここが付属の自立用スタンドを含めさまざまなマウントを装着する部分です。今回はノギス等で調査をし忘れてしまいましたが、海外のブログなどでは、支柱の上部(メイン部分)の直径が1.5インチで、下部が34.1mmと言った情報もありました。

今回アンテナ固定用に用意した材料

サイドベース

  1. マスプロ電工 SB22S 2セット
  2. DXアンテナ MW10Z 2セット
  3. DXアンテナ MW20Z 2セット
  4. DXアンテナ MW30Z 2セット
  5. DXアンテナ MW20S 2セット
  6. サン電子 MSH-05Z 2セット
  7. 日本アンテナ BK-32ZR
固定用パーツ
  1. マスプロ電工 フェンス用マスト固定金具 BMK32A 2セット
  2. 日本アンテナ マスト垂直固定金具 MK-2532-HD 2セット
  3. NATEC アンテナ取付金具パイプブラケット F65B 2セット
  4. ノーブランド アンテナ取付金具(上記NATEC製品に類似) 2セット
  5. 6mm ステンレス 全ネジ 2m
  6. 6mm ナット・ワッシャー・スプリングワッシャー 20セット程度
  7. パイプ固定用パーツ
  8. コの字ボルト 6mm径130mm
  9. ステンレスバンド 複数
その他
  1. マスプロ電工 ZAMマスト M182Z32
  2. DXアンテナ 支線止め金具 GRK-32N
  3. 日本アンテナ ステンレスワイヤー 1.6mm
  4. DXアンテナ マスト接続金具 MCP-32N-B2
最終的に使用したのはマークされているものです。それ以外にも普段から車に積載しているコルゲートチューブ、ステンレスサドル、ステンレスビス、変成シリコーンコーキングなども使っており、屋上の柵より外側の作業もあったため命綱をつけて作業をしました。
サイドベースはもともと在庫しているものですが、固定用パーツのほとんどは今回のためだけに取り寄せており、調査の目的もあったものの工事としては赤字で終了しています。

実際の流れ

サイドベースを固定したところ
ここで使ったのは日本アンテナのBK-32ZRです。はさみ寸法が大きく、幅120mm、奥行き100mmまで使える金具です。サイドベース先端が32mmなので、今回の最終的な設置のようにマスト接続金具を用いて固定することもできると思います。

ここまで柵から外側に出しても、まだ頭上のパーゴラが少し邪魔になりそうでした。金具の安定度で言うととてもお薦めですが、今回は外して再工事を選びました。

スターリンク(starlink)のアンテナ用マストを設置
マスプロ電工のZAM処理された32mm×1.8mのマストを使いました。高さを出しても安定させるために、下方向にも伸ばし、上下二カ所で金具を固定しています。固定金具はサン電子のコンパクトサイドベースを使うことで、軽量化と安定化を目指しました。
スターリンクの新型アンテナの支柱にマストとジョイントするカップリングを固定
DXアンテナのマスト接続金具MCP-32N-B2を固定しました。初期状態ではきつくて入らないので少し広げる必要があります。この接続金具(カップリング)は中央に内部突起があって上下のマストが中央で止まるようになっています。またかしめ部分が上下で分かれているので、少しの異径マストをつなげることができます。今回用意したアンテナ用マストは32mm、スターリンクの先端は34mmですが、この金具で固定することができます。
金具を固定するために仮固定したマストは、一度引き抜き、スターリンクの配線を
  1. サイドベースの下から通し
  2. マストを通し
  3. スターリンクアンテナへ接続
しました。
スターリンクのケーブル保護
ケーブルの保護としてコルゲートチューブを使用しています。サイドベース下端のボルトを抜けばPF管を通したり、マストを下げてブッシングを取り付けることなどもできます。
スターリンクの配線先端(ルーター側)
配線の反対側は2カ所曲がりがあるので配管には通せません。
全く揺れないことはありませんが、倒れてしまうようなことはないでしょう。 ただ揺れることによって通信に悪影響が大きく出るようであれば、ステーなどによる補強もお薦めです。
スターリンクのアンテナ工事が完了。アンテナを強固に固定するためにはワイヤーではなくステーなどで補強。
パーゴラとマストを金属棒や木の棒、または山折りなどのある曲がりに対して補強された金属板などで補強できればさらに安心できますね。補強の場合は写真にあるように一本または三角形になるように二本の補強があるとなおいいでしょう。

もともとはパーゴラへの設置も検討していましたが、マンションの管理者から許可が出なかったので、柵からマストを立ち上げています。
補強としてワイヤーを二方向などから渡しているのをよく見かけますが、ワイヤーの場合は引っ張りに対してのみ効果があり、力のかかる方向によってはかえって危ない場合もあります。三方以上(理想は四方以上)からしっかり支えられない場合はワイヤーではなくステーなどの硬さのあるもので支えることをお薦めします。

スターリンクの屋内設置ルーター。新型アンテナの場合ACアダプターはなくルーターからアンテナへ専用ケーブルをつなげるようになっています。
新型のスターリンクルーターはAC/DCコンバーターを内蔵しているので、大きなACアダプターをつなげる必要がありません。ルーターから直接アンテナまで専用ケーブルが接続されます。
starlink-router-PoE-output
新しいスターリンクのルーターからLANケーブルに流される電圧は48Vに変更されていました。

まとめ

経緯

マンションへ引っ越したものの、光回線が引き込めないことを後から知り、しかたなくホームルーターを使用していたそうです。ですがオンライン会議などで通信の不具合が多く困っており、スターリンク(STARLINK)を契約。ベランダでアプリを試してみたところ、天井があるため空がほとんど確保できませんでした。
マンションの管理者に屋上への設置の許可をいただいたものの、アンテナの設置そのものや屋上から部屋への配線引き込みが難しそうだということで相談をいただきました。
また万が一通信品質が低い場合は返品も考慮していたことから、購入より30日以内に設置、検証、必要に応じて取り外しまで行えるスケジュールを確保できるようにと依頼がありました。

当社の動き

こちらの案件が当社では最初のスターリンク設置工事でした。また新型アンテナは旧型アンテナと寸法も異なるという資料を見ていたので、国内のブログなどでアップされている施工事例はほとんど参考になりませんでした。
そこでstarlink.comの公式資料や海外の施工事例、関連パーツなどの調査を行いました。公式オプションのアダプターがあれば設置の確実性は高まりますが、注文から納品のスケジュールを考えると難しそうだったので、ある程度の事態に対応できるように納期の間に合う範囲で使えそうな部品を取り寄せ、部材屋さんやホームセンターを回っていくつかの部品を用意しました。

工事について

今回の工事で気づいたことがいくつかありました。

  1. スターリンクのアンテナは動くこと
  2. セットアップ時に自動でアンテナが方向を調整してくれることは知っていましたが、スターリンクの衛星はBSやCSのように静止衛星ではないので、セットアップの時だけではなく必要に応じてアンテナは動くようです。
    当初パーゴラへBMK32Aを使って設置するのが一番だと思っていましたが、その場合アンテナが真上を向いていない場合にパーゴラと干渉してしまいます。アンテナを固定するときに、アンテナ本体についている支柱の長さ分はクリアランスを確保しておく必要がありそうです。つまり、アンテナ本体の支柱を造営物などに直接固定すると、造営物がアンテナの動きを妨げて不具合が起きる可能性があります。
  3. 32mm用サイドベースに挿しこむことはできるが、固定は難しい
  4. 一般的な32mmマスト用のサイドベース(今回使用したMSH-05ZやMW〇〇Zなど)に新型スターリンク(四角いアンテナ)の接続部分の支柱は挿しこむことができます。ですがその長さは十分ではなく、サイドベースのマスト固定ボルトは一本しか当たりません。公式オプションのPIPE ADAPTER MOUNTはボルト固定ではないので、ボルトによる変形や耐久度も心配です。海外の施工事例や関連製品を見ると、本体支柱をボルトで固定する似たようなアダプターを多く見かけますが、DIYの自己責任でやるのでなければお薦めできません。 スターリンクパイプアダプターマウント 画像はスターリンクマウントとアクセサリー資料(https://api.starlink.com/public-files/Accessories_Guide_Rectangular.pdf)より
  5. 電圧が変更になっているものの、電気工事であることは変わらない
  6. 旧型はPoE電圧が56Vでしたが、新型は48Vに変更になっていました。しかし相変わらず36Vを超えているため、付属ケーブルの取扱いは電気工事になります。造営材などへの固定などをはじめとして電気工事士ではないとやってはいけない作業があります。また工事会社(法人、個人問わず)は電気工事業の登録が必須です。
  7. ケーブルは柔らかく、先端の形状は特殊
  8. ルーターとアンテナの間のケーブルが長くて邪魔だという声をいくつか目にしました。今回も室内でだいぶ余っています。そのため、他のケーブルで代替できないだろうかと言う声も目にしましたが、いくつかの理由で難しいだろうと考えています。
    1. 先端形状が独特(miniHDMIみたいな形状)なので、両端は既存のものを使う必要がある
    2. 海外のケーブル改造事例を見るとケーブルの中身はSF/UTPのようなので、途中で接続すると品質が大幅に低下する恐れがある
    3. 流れる電圧が48Vもある(融雪機能があるためと思われる)ので、一般的なLANケーブルを用いたり、途中で接続すると発熱の可能性がある。
    4. 屋外対応のケーブルであることを忘れてはいけない

通信状況

ホームルーターでは7Mbps程度の通信速度だったようですが、スターリンクでは350Mbpsの通信速度が出たようです。スマホの画面を見せていただきましたが写真を撮っておかなかったのが残念です。

工事料金について

今回の工事は条件が特殊だったことと、スターリンク工事の初回ということで特殊料金で工事を行っています。

正式な工事料金を公開しました。

お見積もり・問い合わせ

以下よりお気軽にお問い合わせください

スターリンク新型アンテナの取付事例(屋上へマスト設置)

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投稿者プロフィール

松本 昭彦代表取締役
経歴と専門分野:
幼少期から家電設備の工事に親しみ、15年以上にわたりさまざまな設備工事の現場で経験を積みました。クレーム処理責任者としての役割を経て、2011年に独立。品質重視と明朗会計をモットーに掲げ、業界改革を目指してアンテナ工事専門の「クラウンクラウン」を設立しました。

学歴:
東京電機大学理工学部情報科学科(中退)
事業構想大学院大学 事業構想士修士課程

主な資格:
国家資格:
1級電気工事施工管理技士
2級管工事施工管理技士
2級電気通信工事施工管理技士補
第一種電気工事士
工事担任者(2級デジタル)
給水装置工事主任技術者
運行管理者

その他資格:
第2級CATV技術者
1級あと施工アンカー施工士
インテリアコーディネーター
キッチンスペシャリスト
一級リビングスタイリスト
二級福祉住環境コーディネーター
排水設備工事責任技術者
照明士