越谷市のポラスで地デジとBSアンテナ(4K8KBSCS)の設置工事事例です。
屋根裏なのにユニコーンアンテナを設置しているのはなぜか、また屋外では金具も黒い黒色BSセット工事の事例です。
黒色BSや穴あきBSアンテナは、実はクラウンクラウンが他の有名な(検索結果上位やCMで見かける)工事業者さんより1万円以上も安く工事ができたりします。
アンテナ工事概要
越谷市は電波のいい場所が多いのですが、場所によっては地デジの電波が非常に難しい場所もあります。
今回は一般チャンネルは良好に受信できるポイントがいくつもありましたが、お客様のご希望されるTOKYO MXがなかなか受信できる位置が見つからず、地デジアンテナの設置にはとても慎重になりました。
さまざまな場所でいくつものアンテナを試してみてからの工事ですが、電波調査に1時間以上の時間をかけています。
クラウンクラウンではこのしっかりと時間を取って現地調査やカウンセリングを行いますが、他社様ではなかなか見ない特徴だと思います。
テレビアンテナ工事の手順
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カウンセリングと電波の確認
受付時にTOKYO MXの受信を強くご希望されていましたので、MXが受信できることを考慮しつつ念入りに電波調査を行います。バルコニー内にアンテナ配線(引き込み線)がありましたが、バルコニーが建物の半分で建物の中央付近に配線されていました。
また正面から見てバルコニー左端の角を越えた側面にもアンテナ配線がありました。ポラスでは建物側面にCATV(ケーブルテレビ)用、バルコニー内に地デジデザインアンテナまたはBSアンテナ用と2カ所に配線を出している事例が多いです。となると、今回はバルコニーの配線を使用するのが一般的かもしれませんが今回は使用していません。
その理由は- 建物中央付近ではTOKYO MXが全く受信できなかった
- 建物中央付近ではBSアンテナが目立ちやすい
- 今回はBSアンテナが正面から左向きになるため、建物中央付近(バルコニー右側)に設置するとBSアンテナがバルコニー内側を向き邪魔になる可能性がある
そして左端の柱近辺から高くアンテナを掲げるとTOKYO MXも何とか受信できそうだったのですが、左角は電気配線や光配線などが集中しており、BSアンテナと地デジアンテナなどのバランスを考えると積極的に設置をお勧めできる場所ではありませんでした。この場合屋根裏でばっちり電波が入れば地デジアンテナは屋根裏、BSアンテナは建物左端に設置するのがお勧めですが、屋根裏でも電波受信に苦労しました。
とにかくTOKYO MXの受信が難しいのです。そこでアンテナをいろいろと変えながら試してみました。
クラウンクラウンでは一般的に小型タイプのSDA-5-1(サン電子)とUAH201(DXアンテナ)を試験アンテナとして使用します。多くの方が後者の20素子相当のフラットタイプアンテナの方が電波の受信がいいに決まっていると思われるでしょうが、実際はそうでもありません。屋根裏の頂上付近に小型アンテナを設置したほうがはるかに電波の受信がいいことも多いのです。
しかし今回はなかなかうまく電波が受信できる場所が見当たりません。
屋根裏に八木式アンテナを設置するのはあまりお勧めしておりませんが、今回に関しては受信方向と建物の方向がほぼ一緒(真正面)だったので屋根裏内で取り回しがしやすかったため八木式アンテナ(UL14:DXアンテナ)も試してみましたがいまいちよくありません。そこで試しにユニコーンアンテナ(U2CN:マスプロ電工)を試してみたところなかなかいい数値が出ました。
そこで、屋根裏内に設置することを提案しました。※バルコニー左端の設置でも受信できるが見栄えや耐久性などを考えるとあまりお勧めしないことなども含めて説明しています。
文章で読むとそれほどではありませんが、実際にはここまでで1時間かかっています。一般的なUA20に比べてコンパクトで高性能ですが、仕入れ値は少し上がってしまいます。そのため多くのアンテナ工事会社では標準アンテナとしては使われていません。 またBSアンテナの設置場所ですが、先に書いたような理由で左端に設置していますが左側面ではなく正面に設置した理由は以下の通りです。
- バルコニー外の取り付けは追加費用が掛かる(梯子の上からの設置)
- ほぼ真横に向くためバルコニー内で邪魔にならない
- 上記の理由から側面に取り付けると横に大きくはみ出る(金具を正面に設置したほうがコンパクト)
バルコニー右の引き込み線近くだとちょっと目立ちすぎてしまいますね -
その他の確認と最終見積提示
分配器の場所とブースター用電源の有無、配線の状況などを確認し、最終的な工事金額を提示します。
条件としては標準的なポラスのアンテナ工事ですが、今回は追加工事として黒色BS設置(同時黒色金具はサービス)、屋根裏内作業(脚立の上から手の届く範囲)が加わっています。 -
地デジデザインアンテナ(ユニコーンアンテナ)の屋根裏設置
※5つのポイント(i)をクリックすると解説があります。
サイドベースとしてDXアンテナのMW20Zを使っています。屋内なのでメッキされている必要はありませんが、ユニコーンはマストの先端に設置する都合上、メッキなしで塗装のみのMW17だと使用できるマストが細いので使いませんでした。
電波測定の際は屋根裏の隅々まで入っていきましたが、結局点検口そばのこのポイントが一番TOKYO MXの受信が良好だったのでここに設置しています。 -
BSアンテナの設置
今回はサン電子の黒色サイドベースHK-30Kを使用しています。この金具はしっかり溶融亜鉛メッキを施した後に粉体焼付塗装をしているので錆にも強く、金具の角でこすれても塗膜に傷がつきにくい上質の金具です。
黒いBSアンテナを設置する際には統一感があっていいのですが、その大ぶりな形状から設置面正面が受信方向だとちょっとやぼったい仕上がりになってしまいます。今回のようにほぼ真横に向ける場合は使い勝手もよく、これが通常のメッキ金具だと色の違いが目立ってしまうのでまさに使いどころと言える組み合わせです。仕入れ値が通常のメッキ金具の数倍することがネックですが、きれいな仕上がりのために黒色BSアンテナを設置する際は追加料金なしでお選びいただけるようにしています(※記事作成時、なお黒色BSアンテナは標準アンテナより追加料金がかかります)。現在しっかりとしたメッキがされたうえで黒色の塗装がされているアンテナ設置金具はこのHK-30KぐらいですがBSアンテナを横に向けるだけの大きなでっぱりと価格がネックで在庫を置いている会社は少ないかもしれません 壁から出ているアンテナ線は白系(薄灰)でした
アンテナ線はできるだけ屋外でジョイントしない方がいいです。将来アンテナ線の被覆が劣化してひび割れてしまった場合、それだけでは致命的とは言えませんが、ひび割れから入った雨水がジョイント部分までしみこみ心線まで行きつくと、心線が腐って折れてしまうのです。今回は黒で揃えたいところでしたが、もし既存のケーブルが届けばそのまま使うことが望ましかったでしょう。色が気になるようであればコルゲートチューブをかぶせて黒くすることもできますしアンテナ線の保護にもなります。
今回は長さが足りなかったのでジョイントしましたが、ジョイント部分を屋内(屋根裏)まで押し込むことにしました(クラウンクラウンではよくやる方法です)。写真にあるパナソニックの防雨入線カバー(WP9131K)は1984年発売のロングセラー商品ですが、写真のようにボルトを外さないとカバーが取れないので少し手間ですね
カバーをスライドで外せないのは手間ですが、こんなことをするのはうちぐらいなので知ったことではないですね笑。カバーを外すとPF管でアンテナ線が出ていることがわかりました。
引っ張って長さが足りればそれでもよかったのですが、引っ張ることはほとんどできませんでした。そのかわり十分な長さを押し込めることが確認できたので、ジョイントしたのちに押し込みます。アンテナ線のジョイント部分を押し込むのは見た目だけではなく先に説明したように将来の断線予防にもなります。 仕上がったアンテナを斜め後ろから見たところです。
使用しているビスは黒色ステンレス、防水は黒色変成シリコーンなので、全体的にすっきりと仕上がっていると思います。 -
ブースターの設置及びボリュームの調整・バルコニー内の配線処理(サービス)
記事作成時点ではBSアンテナを設置したお客様にはサービスで雷サージブロックフィルター(中央下の緑の部品)を無料で設置しています。
バルコニー内に残った引き込み線が気になるので処理してほしいとリクエストがありました。
そのまま放っておいていいのですが、バルコニー内で梯子も使わずに作業できる場所でしたので追加料金なしで対応しています。
PF管をコーキングで埋めてしまうと後で再利用が困難になってしまうので、ケーブルにビニルテープを巻いてPF管の隙間がないようにしました。この程度なら気にならない方もいらっしゃるかもしれませんが、中に押し戻したり切断することも可能です。 線の先端はビニルテープで保護されていました。丁寧ですね。 当たり前ですがそのまま押し込むとぶかぶかでした。 ビニルテープで調整することにより、あとから引っ張り出すこともできるようになっています。屋根裏に入ればまた新しい線を通すことも可能ですが。
線を処理し終わった後の写真は撮り忘れました。非常にすっきりした仕上がりですね -
屋内のアンテナ端子で電波確認
各部屋のアンテナ端子で電波が問題ないことを確認します。
-
片付け・確認・ご精算
施工場所の後片付けと清掃を行い、工事個所を確認していただきます。(目視や写真による確認)
ご不明点などがないか確認し、ご精算を行い終了です。
※工事の手順、内容は現場ごとに異なります。
電波測定結果
SDA-5-1(バルコニー右端) | UAH201(バルコニー右端) | UAH201(バルコニー左端) | SDA-5-1(屋根裏) | UL14(屋根裏) | U2CN(屋根裏) | テレビ端子測定 | ||||||||||||||||
チャンネル | LEVEL | MER | BER | LEVEL | MER | BER | LEVEL | MER | BER | LEVEL | MER | BER | LEVEL | MER | BER | LEVEL | MER | BER | LEVEL | MER | BER | |
(dBuV) | (dB) | (dBuV) | (dB) | (dBuV) | (dB) | (dBuV) | (dB) | (dBuV) | (dB) | (dBuV) | (dB) | (dBuV) | (dB) | |||||||||
16 | MX | 33.1 | 20.2 | 2.8E-3 | 38 | __._ | _.___ | 28.2 | __._ | _.___ | 28.3 | __._ | _.___ | 34.6 | 18.6 | 1.5E-2 | 34 | 25.9 | 0 | 55.9 | 24.4 | 0 |
21 | フジ | 58.8 | 30.8 | 0 | 63.5 | 29.6 | 0 | 57.7 | 25.4 | 0 | 53.1 | >32 | 0 | 53.8 | 30.5 | 0 | 56.6 | 31 | 0 | 79.4 | >32 | 0 |
22 | TBS | 61.9 | 31.1 | 0 | 66.6 | >32 | 0 | 57.2 | 27.5 | 0 | 50.5 | >32 | 0 | 53.5 | >32 | 0 | 55.3 | 31 | 0 | 80.8 | 31.7 | 0 |
23 | テレ東 | 56.4 | 31 | 0 | 59.2 | 31.8 | 0 | 58.7 | 30.8 | 0 | 52.3 | >32 | 0 | 54.3 | >32 | 0 | 52.3 | >32 | 0 | 76 | >32 | 0 |
24 | テレ朝 | 61.4 | >32 | 0 | 63.9 | >32 | 0 | 59.7 | 31.8 | 0 | 52 | >32 | 0 | 51.1 | 22.9 | 5.4E-4 | 52.6 | >32 | 0 | 75.9 | >32 | 0 |
25 | 日テレ | 56.3 | >32 | 0 | 58.7 | 29.6 | 0 | 56.6 | 29.6 | 0 | 52.9 | >32 | 0 | 50.9 | 29.1 | 0 | 54.1 | >32 | 0 | 78.7 | >32 | 0 |
26 | Eテレ | 56.5 | >32 | 0 | 61.8 | >32 | 0 | 59.8 | 31 | 0 | 53.3 | >32 | 0 | 52.6 | 30 | 0 | 57.1 | >32 | 0 | 76.7 | >32 | 0 |
27 | NHK | 55 | >32 | 0 | 60 | >32 | 0 | 52.9 | 27.9 | 2.3E-6 | 49 | >32 | 0 | 48.8 | 26.5 | 0 | 55.6 | 30.3 | 0 | 78.7 | >32 | 0 |
屋根裏のユニコーンで何とかTOKYO MXが反応しているといった程度ですが、他の場所ではほとんど反応もしていません。
今回の工事料金
合計料金
今回の合計料金は78000円(税込85800円)となりました。
内訳
- 地デジデザインアンテナ設置(ユニコーン追加費用含む)
- 25000円(税込27500円)
- 地デジ/4K8K対応BSCSブースター設置(黒色追加費用含む)
- 23000円(税込25300円)
- 4K8K対応黒色BS/CSアンテナ設置
- 25000円(税込27500円)
- 黒色サイドベース
- 0円(黒色BSアンテナ同時設置サービス)
- 屋根裏点検口内作業
- 3000円(税込3300円)
- 2階バルコニー外作業
- 2000円(税込2200円)※バルコニーから大きく身を乗り出す必要がある作業は梯子作業と同等の料金がかかります。
※消費税別料金です。エリア別出張費・有料駐車場料金・任意保険料金・キャンペーン割引などがあった場合は省略しています。
※その他調整費用や決済手数料など根拠のない料金はかかっておりません。
今回利用した部材
- 地デジデザインアンテナ
- U2CN(マスプロ電工)
- 地デジ/4K8K対応BSCSブースター
- EP2UBCB(マスプロ電工)
- 4K8K対応BS/CSアンテナ(黒色)
- BC45RL(BK)(マスプロ電工)
- サイドベース
- MW20Z(DXアンテナ)
- サイドベース(黒色)
- HK-30K(サン電子)
- マスト(ZAM)
- M160Z(マスプロ電工)
- アンテナケーブル
- S5CFBT(3重シールド同軸ケーブル)
弊社で取り付けた機器の説明書は工事明細、保証書、保証規定とともにお渡ししております。
施工時間
現地調査・カウンセリング:1時間10分
工事:1時間15分
後片付け・精算:40分
※ご精算時PayPayのトラブルで20分程度お待たせしてしまいました。
今回の工事のポイント
マスプロ電工のユニコーンはデザイン性が優れているだけではなく、円柱状のアンテナのわりにやや指向性が強かったり低い周波数の受信がやや得意といった特徴があります。
電波がいまいちの場所はそもそも電波が弱いのか、障害物があるのか、周りからの反射波が多いのか、身近なところから障害電波を受けているのかなど状況によって対策も異なりますし、得意なアンテナも変わってきます。
アンテナのグレードとして〇〇素子(相当)という表し方をすると、単純にその数値が高いほうがいいと思われがちですがそうとは限りません。ちなみにユニコーンは14素子相当、SDA-5-1は5素子相当です。
いろいろなアンテナを使い分けて工事ができると、よりお客様のご要望をかなえる工事ができるのではないかと思います。
電波状況の可視化は様々な手段がありますが、現実的にはできる範囲で実際に試してみることが一番効率的だと思います。もちろん電波の状況を「遅延プロファイル」や「スペクトラム」、「コンスタレーション」などから判断するのはプロとして当然ですが、業界的にはまだまだこれらは未熟だと思います。
業界がより発展していけるように努力していかなくてはいけないと日々思っています。
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投稿者プロフィール
- 代表取締役
-
幼少期より父の仕事の手伝いとして家電配送や家電工事の手伝いしていたことから、設備工事業界に興味を持つ。
学生時代は週末や長期休暇中によくアルバイトとして現場の手伝いを行い経験を積む。
20代前半からリーダーとして現場をこなしつつ、社内システムの構築など会社のIT化を行う。
20代後半から30代前半まで、父の会社のクレーム処理責任者として数多くのクレーム処理や工事の手直しを行う。自社下請け業者のみならず、競合会社のクレーム処理も多く手掛けることにより、設備工事業界改善のヒントを得る。数多くの種類の工事を監督することなどから同時に多くの資格を取得する。
2011年 36歳で株式会社クラウンクラウンを立ち上げ、丁寧な工事で顧客満足度の高いサービスに挑戦する。
39歳の時に社会人大学院にて新規事業について学ぶ。
2022年 設備工事業界とそれに関連する技術者、顧客をより幸せにするためのプロジェクト「おうちのこうじ.com」開始予定。
東京電機大学理工学部情報科学科(中退)
事業構想大学院大学 事業構想士修士課程
主な資格
【国家資格】
1級電気工事施工管理技士
2級管工事施工管理技士
2級電気通信工事施工管理技士補
第一種電気工事士
工事担任者(2級デジタル)
給水装置工事主任技術者
運行管理者
【その他】
第2級CATV技術者
1級あと施工アンカー施工士
インテリアコーディネーター
キッチンスペシャリスト
一級リビングスタイリスト
二級福祉住環境コーディネーター
排水設備工事責任技術者
照明士
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