台風15号の手直しとしてさいたま市北区でアンテナ工事を行いました。
ハウスメーカーのオプション工事で行った工事とのことでしたが、単純にアンテナの固定金具の締め忘れが原因だったように思います。
おそらく手でしっかり締めた後、最後に工具を使って増し締めするつもりが忘れてしまったのではないでしょうか。
それでも握力がある人が締めた場合、めったなことで外れることはないのですが、今回はあまりにも強い風だったために近隣のアンテナと比べて真逆に向いてしまっていました。
アンテナ自体はしっかり立っていたので、電波を測定しながら方向調整を行い、ブースターの調整を行うことで終了することができました。
※現在は法律が変わり屋根上の作業は命綱とハーネス装着の作業となっており、命綱設置料金5000円~10000円が追加として必要になります。
アンテナ工事概要
アンテナが台風により回転してしまっていたため、適切な方向に調整しました。
一緒に設置されたBSアンテナには問題がなかったことから、マストや屋根馬がずれたのではなく、地デジアンテナ本体だけがずれてしまっていたようです。
実際に手で触ると簡単に回転してしまうほどまで金具が緩んでしまっていました。
アンテナ工事の手順
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目視でアンテナの異常を確認
事前に電話でも伺っていましたが、実際に目視をして配線の抜けやワイヤーの断線、アンテナの傾きなどを確認しました。
アンテナ本体がほぼ真逆に向いていましたが、地上からの目視では他に異常は見られませんでした。 -
状況の聞き取り調査
以前はアンテナの向きがおかしいと気付いたことはなかったか、テレビが映らなくなった(視聴障害が出始めた)のは台風がきっかけか、視聴障害が出ているのはどのチャンネルかなどを確認しました。これも電話で事前に伺っていましたが、地デジだけが障害が出ていて一緒に屋根の上に設置されているBSアンテナの受信には問題がないということから、問題は地デジアンテナのみに絞られそうだと考えられます。まれにブースターの異常ということもありますが、アンテナの向きが大きくずれてしまっているのでまずは方向調整が必要になると案内しました。
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屋根上でアンテナの倒壊リスクの確認
実際に屋根に上り、ステンレスワイヤー(支線)のたるみがないか、屋根馬がずれていないか、屋根馬の脚が曲がったり広がってしまっていないか、また錆びていないかなどを確認しました。
結果的にアンテナ本体以外は良好でしたので、アンテナの方向調整のみで直るだろうと判断しました。 -
電波測定をしながら方向調整
ブースター本体が屋根の上にアンテナと同様設置されていたため、ブースターのモニター出力(試験用端子)を使用して電波を測定しながらアンテナの方向調整を行いました。
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ブースターの微調整
電波自体は比較的強かったのですが品質は少し悪い部分がありました。
周りからの反射波などを拾ってしまっているようで、いくつかのチャンネルで電波に乱れが確認できました。
ブースターが最大ボリュームで調整されていたため、少しボリュームを落としてノイズ対策を行いました。 -
屋内で電波確認
屋内で電波が問題ないことを確認します。
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片付け・ご精算
施工場所の後片付けとご精算を行い終了です。
※工事の手順、内容は現場ごとに異なります。
電波測定結果
手直し前と手直し後の、テレビ端子での測定結果となります。
スカイツリーから受信 | 補修前 | 補修後 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
物理チャンネル | 放送局 | LEVEL | MER | BER | LEVEL | MER | BER |
16 | MX | 41.2 | x | NG | 45.6 | 12.1 | NG |
21 | フジ | 62.9 | 14.7 | NG | 75.4 | 32 | 0 |
22 | TBS | 62.3 | 14.7 | NG | 67.2 | 29.7 | 0 |
23 | テレ東 | 63.0 | 15.7 | NG | 70.9 | 31.8 | 0 |
24 | 朝日 | 66.7 | 19.7 | 7E-4 | 66.3 | 28.0 | 0 |
25 | 日テレ | 62.7 | 15.5 | NG | 69.6 | 31.2 | 0 |
26 | ETV | 64.3 | 16.7 | NG | 72.8 | 32 | 0 |
27 | NHK | 60.4 | 14.6 | NG | 72.3 | 32 | 0 |
32 | テレ玉 | 74.9 | 25.4 | 1E-4 | 68.8 | 30.1 | 0 |
チャンネルによって電波の状況に大きく差が出ています。
さいたま市北区のテレ玉受信状況
さいたま市北区ではスカイツリーと平野原送信所(テレ玉の電波)が15度~20度程度しか離れていませんので、屋根の上のアンテナであればスカイツリーに向けたアンテナ一つでテレ玉も良好に受信できるケースが多いと思います。今回もテレ玉は強すぎることも弱すぎることもなく良好に受信できました。
今回の工事料金
合計料金
今回の合計料金は10000円となりました。
※現在は命綱を設置した工事が必須となるため、5000円~10000円の追加工事料金がかかります。この事例ではアンテナマストに命綱を固定できるので、5000円の追加となります。
内訳
- 基本点検・簡易補修(おおむね1時間以内)
- 10000円
税別価格となります。
その他調整費用や決済手数料などはかかっておりません。
今回使われていた部材
方向調整のみであったため新たに使用した部材はありません。
設置されていた部材は以下のようになります。
- 地デジアンテナ
- UA20(DXアンテナ)
- BSアンテナ(右旋専用)
- BC453(DXアンテナ)
- 地デジ/BS(右旋専用)ブースター
- GCU433(DXアンテナ)
- 屋根馬
- MH35PT(DXアンテナ)
※弊社の工事の場合2017年1月1日より4K8K対応(左旋対応)の部材に切り替わっておりますので上記の組み合わせのアンテナの建て替えの場合も4K8K対応のアンテナやブースターを用いた工事となります。
施工時間
現地調査・カウンセリング:15分
工事:30分
後片付け・精算:15分
今回の工事のポイント
チェック項目(工事の手順)にあるように細かい症状などと目視により、アンテナの方向ずれが問題でありその原因は金具の締め忘れにあると判断しました。アンテナがずれながら落ちてきており、ビニールテープ部分で止まっていました。
アンテナが元の位置から落ちてきていたために、アンテナを一度倒すことなくそのまま方向調整を行うことができました。
アンテナ本体に手が届かない場合はいったんアンテナを倒すなどの作業が必要になり、工事費用が大幅に上がってしまいます。
今回は不幸中の幸いと言ったところでしょうか。
アンテナ配線を雨どいの上ではなく中に通していたのが少し気になりましたが、しっかりと固定されており倒壊の危険性は少ないと感じました。
このままアンテナ固定金具が緩むと本体がマストから落下し、アンテナ本体の破損などが起きたかもしれません。
- 松本 昭彦
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経歴と専門分野:
幼少期から家電設備の工事に親しみ、クラウンクラウンの設立の前に15年以上にわたりさまざまな設備工事の現場で経験を積みました。100名を超える下請け工事業者の取りまとめとクレーム処理責任者としての役割を経て、2011年に独立。品質重視と明朗会計をモットーに掲げ、業界改革を目指して高品質工事専門の「クラウンクラウン」を設立しました。
学歴:
東京電機大学理工学部情報科学科(中退)
事業構想大学院大学 事業構想士修士課程
主な資格:
国家資格:
1級電気工事施工管理技士
2級管工事施工管理技士
2級電気通信工事施工管理技士補
第一種電気工事士
工事担任者(2級デジタル)
給水装置工事主任技術者
一般建築物石綿含有建材調査者
石綿作業主任者
運行管理者
その他資格:
第2級CATV技術者
1級あと施工アンカー施工士
インテリアコーディネーター
キッチンスペシャリスト
一級リビングスタイリスト
二級福祉住環境コーディネーター
排水設備工事責任技術者
照明士
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