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東京都内のガルバリウム鋼板外壁の戸建てにスターリンクアンテナを取り付ける工事の事例と施工手順

CASE
ガルバリウム鋼板にスターリンク設置
東京都内の戸建てでスターリンクアンテナをガルバリウム鋼板の外壁に取り付ける工事を行いました。特にガルバリウム鋼板の特性を考慮し、アンテナの固定や配線の取り回しには細心の注意を払いました。強風の中での作業となりましたが、安全と品質を最優先に、お客様に満足いただける仕上がりとなりました。ガルバリウム鋼板の特性や施工のポイントを詳しく解説していますので、スターリンクの取り付けを検討中の方には大変参考になる内容です。

目次(矢印で開閉)

都内でスターリンクアンテナの取付けを行いました。当日は強風に悩まされ、工事時間は通常よりもかかりましたが綺麗に工事を終えることができたと思います。
今回のポイントは以下の通りです。

  1. ガルバリウム鋼板部分にアンテナを固定するとへこむので、設置場所を破風へ
  2. アンテナ設置位置は配線ルートを考えたうえで決定
  3. ガルバリウム鋼板に梯子を直接かけると、壁がへこむので当て板を使用
  4. ガルバリウム鋼板の貫通穴には保護パイプを設置
  5. 耐候性チューブを使って配線
  6. あとは若干高所になりましたが基本的なスターリンク工事になっています。

    ハウスメーカー様等の敬称は記事中で省略しております。

目次(クリックで開閉)

スターリンクアンテナ工事概要

スターリンクとはイーロン・マスクCEOが率いるスペースX社が提供しているサービスです。低軌道に飛ぶ何千もの小型衛星を用いたインターネットサービスです。
日本では2022年10月にサービスを開始しました。なお通信に利用される低軌道衛星は日々増え続けています。

スターリンク工事の共通ポイント

  1. スターリンクは既に第2世代で取り付けに使う金具などが異なる
  2. 日本国内のサービス提供は2022年10月ですが、2022年終盤で既に第2世代へ切り替わっています。第1世代の丸いアンテナと第2世代の四角いアンテナは重量だけではなく支柱の外形寸法もことなり、スターリンクケーブルの形状も異なります。そのためどちらのアンテナを設置するのか工事の前に確認しておく必要がありそうです。弊社ではどちらの施工実績もあり、工事の材料はどちらに対しても常に用意があります。
    ただし今回の事例のように、第一世代のアンテナキットの場合は、スターリンク純正のポールアダプターマウントをご用意いただくことをおすすめしています。
  3. 現在注文すると届くのは第2世代(のはず)
  4. 将来的に第3世代が出てくるにしても、現時点で第1世代のものが届くなどということはないでしょう。そのためこれからアンテナキットを注文する方には今回の工事事例が参考になると思います。
  5. アンテナとルーター間のスターリンクケーブルはオリジナルの既製品
  6. これは場合によっては深刻な問題を引き起こします。原則として市販品で代替することはできないので、傷がつかないようにすることはとても大事です。またケーブルの先端形状から既設配管内に通線するのは非常に条件が厳しいです。第2世代の場合はケーブル先端の硬くて曲がらない部分が64mmもあります。第1世代はいわゆるLANケーブルですが、アンテナ側は既に固定されており、ルーター側(実際にはACアダプターへ接続)には先端近くに大きなフェライトコアがあります。(寸法未確認)
    今回はこのフェライトコアのやっかいさも写真から感じ取れるかもしれません。
  7. 第1世代はアンテナ側から配線(第2世代はルーター側から)
  8. 第2世代のスターリンクケーブルはケーブル単体で独立していますが、今回取り付けた第一世代のスターリンクアンテナキットの場合、スターリンクケーブルはアンテナ本体に繋がっています。(取り外し不可)
    そのため、アンテナからアダプターに向かって配線工事を行います。
    取付の順番としてはこちらの方がスムースに思います。
  9. ケーブルは屋外用(のはず)だが、傷防止のためのカバー推奨
  10. 長期間使用することを考えるとPF管などで紫外線を遮ることをお薦めします。当社では標準的なコルゲートチューブを使った屋外配線が基本ですが、さらに高耐候性の配管を使うこともできます。ですが何よりもケーブルに傷をつけないようにカバーすることが大事だと思います。
  11. 設置金具やノウハウの多くはテレビアンテナ工事のものが役立つ
  12. スターリンクのアンテナは、原則として回りに障害物がないことが重要です。そのため一般的には広い空き地か建物の屋根より硬い位置に固定して使うのがいいでしょう。自宅で使うなら必然的に後者になりますので、アンテナを屋根より高い位置に固定することはアンテナ工事会社が得意とするところです。ただし、スターリンクのアンテナ自体が外部の金具で固定することをあまり想定していないため、それらの金具等の選定には知識や経験が必要になるだろうと思います。
    当社では一条工務店からテレビアンテナ工事を請け負っている関係から、一条工務店の営業担当者や工事技術部門などにも連絡を取ることができ、事前にいくつか確認を行ってから工事を行うことができました。ただし個別物件について確認したわけではなかったため、配線経路選定に時間がかかりました。
  13. ※ただし電気工事なので、多くのアンテナ工事業者の工事は違法の可能性がある
  14. これは再三声を大にして伝えたいことですが、エアコン工事と同様に、スターリンクアンテナの工事は「電気工事業の許可」が必要です。DIYでやることが前提のようなキットですが、ケーブルの固定も日本では電気工事士の資格がいります。一部のアンテナ工事会社が名乗りを上げていますが、注文するときには必ず会社概要に「電気工事業の登録番号」が記載されているか確認しましょう。

工事の情報発信

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スターリンク工事の手順と内容

  1. 確認とカウンセリング及び見積もり

  2. お客さまとのカウンセリング
    アンテナの設置場所やルートなどを、その場で撮影した写真に書き込むことでイメージを共有することもあります
    今回のルーター設置場所はロフトでした。取り込み位置が高かったのですが、近くに水平の切り返しがあったためそれに沿わせて配線することを提案しました。最終的に穴あけの位置は変わっていますが、提案イメージを見ていただき、ご要望などを確認しています。
  3. 室内から穴あけ

コンセントプレート用に穴あけ
壁の中の構造が完全に把握できるわけではありませんが、さまざまな方法で壁の中を検証し穴をあけます。
壁の中の断熱材
柱のすぐ隣に穴をあけたので、断熱材の切れ目が見えています
断熱材をどかす
できるだけ断熱材を傷つけずに穴あけができるようにどかします
通線用の穴あけ
室内から慎重に配管を通すための穴をあけます。壁の材質によっては内側と外側の両方から穴をあける場合もあります。
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スターリンクのケーブル取り出し(室内側)
スターリンクケーブルの室内側の取り出し処理
最終的にはこのような材料を使って室内の処理をします。
  1. 貫通穴にケーブル保護管の設置

  2. ガルバリウム鋼板の穴
    バリの有無に係わらず、電線を通す場合は何かしらの保護管の設置が必要です。
    外側から穴をあけると外向きにはバリが出ませんが、結局内向きにバリが出ることが多く、そのまま電線を通すのは危険です。バリで傷つけずに通線できた場合でも、ちょっとした振動などでケーブルが傷つき、鋼板でショートして火花が出る可能性があります。
    ガルバリウム貫通穴のスリーブ
    開口した穴には通線用の配管(スリーブ)を通します。
    保護管の設置はさまざまな方法があります。電気工事士の試験ではメタルラス貫通を想定した電線管の固定が出題されますが、今回のように造営材に直接樹脂製のスリーブが設置できればその方が融通もきいてきれいにできますね。
    貫通パイプのシール1
    保護管とガルバリウム鋼板の隙間には十分なコーキングを打ちます。
    あらかじめ壁の厚みを測っておき、十分な長さの保護管を室内から挿入しています。
    前の写真にあるように、抜けてしまわないように固定用ナットをあらかじめ装着しておきます。
    貫通穴にはしっかりシール
    引き続き変成シリコーンで隙間を埋めます。
    この後入線カバーで隠れるので、見た目よりもとにかくしっかり隙間を埋めることを優先します。
    ガルバリウムの保護管外側仕上がり
    ジーキングを打ち終わったら外側から保護管を押し込みます。
    このあと変に動かすとシリコーンと壁に隙間ができてしまうので、この状態で押さえながら、もう一人が室内からナットを締めます。
    ガルバリウムの貫通穴パイプ室内側
    室内側に保護管を引き込むようにしっかりナットを締めれば貫通穴の下準備は完了です。
    今回の重要ポイントの一つが無事終了しました。保護管は内側に飛び出しても極端な長さでなければ壁の厚みで吸収できます。足場が危険でなければ外に引き出して、余分な長さをのこぎりで断つ場合もあります。
  3. 通線とアンテナ設置

  4. スターリンクケーブルに養生をして室内から外に送り出します。風が強く危険な作業だったため途中の写真はありません。
    配線ルートを考えたアンテナの設置場所
    アンテナの設置位置は最初に考えたとしても、最終的な判断はほぼ最後になります
    アンテナの設置場所は最初にカウンセリングでご案内した場所になりますが、ここにした理由は以下の通りです。
    • 高さが十分であるためこれ以上高い位置に持っていく必要がない
    • 屋根の頂点付近には障害物があったため、頂点への取付けはできなかった
    • 穴あけ位置と配線のバランスを考えると、この位置から配線するのがきれい
    ガルバリウム鋼板の外壁の場合のアンテナ設置のポイント
    スターリンクケーブルの固定より先に、スターリンクアンテナをしっかり固定することが重要です。
    写真でケーブルが黒く見えるのは、保護用にコルゲートチューブをかぶせているからです。スターリンクケーブルの表面は傷つきやすいのでこのように養生して工事を行うと安心できます。
    ガルバリウムの外壁はそのまま梯子を立てかけるとへこみます。クラウンクラウンではアンテナ工事の際もガルバリウムの外壁の場合は、梯子を立てるとへこんでしまう場合があることを事前にお断りしていますが、可能な限り今回のように当て板などを使って外壁がへこみづらいように気を付けています。ただし、これをやるには十分なはしごスペースが必要なので、どんな状況でもできるわけではありません。
  5. 室内のルーターと接続

  6. 屋内のルーター
    二人体制でやっているとこのあたりの順番はあいまいになりますが、アンテナが固定されればルーターまで配線してしまった方が時間は短縮できます。
    アンテナは通電してからまずは真上に向き、しばらく情報を収集したのちに自動的に最適な方向へ向きを変えます。そのため工事時間の短縮と言う意味では、アンテナが固定されればさっさとつなげて電源を入れてしまった方がいいのです。
    とは言え、アンテナが動いていく様をみると工事の達成感もあるので、全て終わった後に電源を投入したい気持ちもあったりします。
  7. スターリンクケーブルの固定

  8. 耐候性チューブの配管工事
    今回はすぐ隣に建物もなく、日光にさらされやすいことから耐候性チューブを使っています。
    アンテナが無事固定できた後は、ケーブルを固定していきます。
    ガルバリウム鋼板作業の注意
    梯子のアタッチメントの先端に当て板を固定しています
    壁への圧力は当て板で分散し、梯子の先端は壁にあたらないようにしています。
  9. 防雨入線カバーの取り付けと防水・防虫

  10. 隙間をパテで埋めて防虫も
    ただの穴の場合は変成シリコーンで埋めてしまいますが、配管の場合は再利用しやすいようにパテで埋めるのもおススメです
    配管の周りの隙間が埋まっていれば、配管の内側の隙間はパテで十分です。この隙間を埋めるのは防水・防虫・そして断熱の意味もあります。
    大型防雨入線カバー
    耐候性チューブの場合は、チューブの太さも硬さも変わるので、コンパクトタイプではなく大型タイプの入線カバーを使います。
    複数のカラーバリエーションの中から、外壁に合わせてシルバーの入線カバーを使用しています。入線カバーが選べるのもクラウンクラウンの特徴です。
  11. アンテナ設置完了後室内の仕上げ

  12. アンテナ設置完了
    いつの間にかアンテナも方向が変わって、ほとんど工事は終了です。
    室内の仕上げ
    室内はちゃんとコンセントプレートを使って仕上げることで、自然な仕上がりになります。
    標準工事でもこのようにコンセントプレートを使って仕上げます。ただし、スターリンクケーブルの屋外固定が終わらないと、どれだけ室内に引き込む(戻す)のかが決まりません。ケーブルの固定が終わったのちはこのようにコンセントプレートをはめ込んで仕上げますが、先にケーブルを通しておかないといったんルーターからケーブルを抜く必要があります。
  13. 動作・アプリチェック

  14. この時点で既にアンテナは通信方向に向いていましたので、お客様にアプリで設定を行っていただきます。もちろんアプリの設定はアンテナの接続前でもできるので、先に一度基本設定だけはやってもらってもいいのかもしれません。
    通信速度
    この時点でスターリンクは188Mbpsのスピードが出ていましたが、Wi-Fiがボトルネックになっていました。
    最終的にアプリで速度チェックをお願いしています。
    スターリンクは188Mbpsの下り(ダウンロード)スピードが出ていましたが、Wi-Fi速度の下りが75Mbpsになっていてこれがボトルネックになっています。
    iPhoneでつなげると2.4GHzに繋がって速度が出ない場合があるので、スターリンクのアプリから2.4GHzと5GHzををわけて、接続するWi-Fiを選び直すといいのかもしれません。
  15. 片付け・清掃・清算

  16. 強風だったため工事の延期も考えつつ、安全に十分な配慮を行いながら工事を行いました。作業中も物が飛ばないようにできるだけ荷物の展開をコンパクトにしながら行っていたので、片付けや掃除はそれほど時間がかかっていません。ただし工事全体の時間は長くかかってしまいました。

今回の工事料金

※エリア別出張費・有料駐車場料金・任意保険料金・キャンペーン割引などがあった場合は省略しています。
この記事を公開した2023年3月の価格に基づいています。価格改定があった場合は表記が更新される場合もあります。

合計料金

今回の合計料金は48000円(税込52800円)でした。

内訳(税別表記)

【基本料金】
スターリンクンアンテナ壁面・破風設置
22000円
スターリンクケーブル固定 4m
4000円
穴あけと通線一式
含まれるもの(屋根裏から小屋裏収納への穴あけ・通線・コルゲートチューブ仕上・室内コンセント枠開口・室内コンセントカバー設置・テレホンガイド設置)
15000円
【追加工事】
ガルバリウム穴あけ・保護管設置
2000円
【オプション】
耐候性チューブ
4000円
大型入線カバー差額
1000円
※明細は消費税別表記です。
※その他調整費用や決済手数料など根拠のない料金はかかっておりません。

今回利用した部材

無資格者のDIY防止の観点から現在は一部非公開にしています。
工事発注の判断のために知りたい方はお気軽にご相談ください。適切な品質の材料を使っていますので、複数相見積もりの際にはぜひ判断材料の一つとしていただきたいです。
※ビスはステンレスビス、シリコーンコーキングは屋外用変成シリコーンを使っています。

施工時間

現地調査・カウンセリング:1時間30分
工事:5時間
後片付け・精算:30分

今回の工事のポイント

とにかく工事の途中で強風が断続的に吹き、梯子を外構に固定したうえでなお助手が梯子を抑えながら作業を行ったり、風がやむのを待つ時間があり、想定の倍以上の時間がかかりました。
工事自体は丁寧に行うことができ、アンテナ設置後も強風の影響がないことをその場で確認できたので、お客様にとっては安心していただけたかもしれません。
ガルバリウム鋼板の貫通とケーブル通線工事は難易度が高いわけではありませんが、電気工事の知識がないと適切な保護ができないかもしれません。ケーブルにビニルテープを巻いて保護をして、数年後ビニルテープを超えてケーブルに傷が入って漏電した事故事例もありました。無資格、許認可未取得の会社や個人に工事を発注しないことが大切です。

東京都内のガルバリウム鋼板外壁の戸建てにスターリンクアンテナを取り付ける工事の事例と施工手順

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投稿者プロフィール

松本 昭彦代表取締役
経歴と専門分野:
幼少期から家電設備の工事に親しみ、15年以上にわたりさまざまな設備工事の現場で経験を積みました。クレーム処理責任者としての役割を経て、2011年に独立。品質重視と明朗会計をモットーに掲げ、業界改革を目指してアンテナ工事専門の「クラウンクラウン」を設立しました。

学歴:
東京電機大学理工学部情報科学科(中退)
事業構想大学院大学 事業構想士修士課程

主な資格:
国家資格:
1級電気工事施工管理技士
2級管工事施工管理技士
2級電気通信工事施工管理技士補
第一種電気工事士
工事担任者(2級デジタル)
給水装置工事主任技術者
運行管理者

その他資格:
第2級CATV技術者
1級あと施工アンカー施工士
インテリアコーディネーター
キッチンスペシャリスト
一級リビングスタイリスト
二級福祉住環境コーディネーター
排水設備工事責任技術者
照明士