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はじめに

スターリンクとメッシュルーター:自宅での最適なインターネット体験への鍵

スターリンクは、革新的な衛星インターネットサービスとして急速に注目を集めています。このサービスは、低軌道衛星を利用して、従来のブロードバンド接続が届かない地域にも高速インターネットアクセスを提供します。しかし、スターリンクの真のポテンシャルを最大限に引き出すためには、ただ単に衛星からの信号を受信するだけでは不十分です。ここで重要な役割を果たすのが、メッシュルーターの導入です。

メッシュルーターは、複数のルーター単位を使用して、家の隅々までWi-Fi信号を届けることができます。これにより、家のどの部屋にいても、スターリンク経由でのインターネット接続が途切れることなく、高速で安定した通信を享受できるのです。特に、大きな家や複数の階がある家庭では、メッシュルーターは通信の「デッドゾーン」を解消し、どこにいても快適なインターネット体験を実現します。

さらに、スターリンクの第二世代キット(国内現行製品)では、LANケーブルを介した接続をするために、別途イーサネットアダプターが必要となります。メッシュルーターを組み合わせることで、この接続を最大限に活用し、家中どこでもスムーズなインターネット接続を実現できるのです。

この記事では、スターリンクとメッシュルーターの組み合わせがなぜ最適なのか、どのようにしてあなたの家庭でこれを実現できるのかを詳しく解説します。快適なホームネットワーク環境を求めるあなたにとって、この情報は必読です。スターリンクを通じて、家中どこでも高速で安定したインターネット接続を享受するための第一歩を、一緒に踏み出しましょう。

スターリンクとメッシュルーターの相性

スターリンクとメッシュルーターの相乗効果

メッシュルーターの導入は、スターリンクのインターネット接続を家全体で最大限に活用するための鍵となります。メッシュルーターは、複数のアクセスポイントを利用して、家の隅々までWi-Fi信号を届けることができます。これにより、家のどこにいても、Wi-Fiの接続が途切れることなく、インターネットを快適に利用できます。

また、メッシュルーターは、一般的なWi-Fiルーターと比較して、より広範囲のカバレッジ(網羅率)を提供します。これは、特に大きな家や複数の階がある家庭において、Wi-Fiの「デッドゾーン」を解消し、どこにいても快適なインターネット体験を実現するために重要です。

さらに、メッシュルーターは、設定が簡単で、ネットワークの管理が容易であるという利点もあります。多くのメッシュWi-Fiルーターには、アプリを通じてネットワーク設定の切り替えや速度の確認、保護者による制限などが簡単に行える機能が備わっています。これにより、ユーザーは自宅のインターネット環境をより簡単にコントロールできます。

このように、メッシュルーターの導入は、スターリンクを通じて、家中どこでも高速で安定したインターネット接続を享受するための効果的な手段です。

第二世代スターリンクキットとイーサネットアダプター

スターリンクの第二世代キットでは、イーサネットアダプターを使用することで、サードパーティ製のメッシュルーターを有線接続で利用できるようになります。このアダプターは、スターリンクの公式サイトで税込10400円で販売されており、第二世代キットのユーザーにとって重要なアクセサリーです。

イーサネットアダプターの導入により、メッシュルーターを直接スターリンクのシステムに接続できます(※無線で完結できるメッシュルーターセットもあります)。これにより、Wi-Fi接続のみに頼ることなく、より安定した有線接続を通じて高速インターネットを家全体に供給できるようになります。特に、大規模なファイルのダウンロードやオンラインゲーム、ビデオストリーミングなど、高速で安定した接続を必要とする用途において、このセットアップは大きな利点をもたらします。

第一世代および今後販売される第三世代のスターリンクキットにはLAN端子が元々内蔵されているため、イーサネットアダプターは不要ですが、第二世代キットを使用するユーザーにとっては、このアダプターを通じてサードパーティ製のメッシュルーターを活用することが、スターリンクのサービスを最大限に活かす鍵となります。

このように、イーサネットアダプターを使用することで、第二世代スターリンクキットのユーザーは、メッシュルーターを介して、家中どこでも高速で安定したインターネット接続を享受できるようになります。これにより、スターリンクの高速衛星インターネットを、より効果的に利用できるようになるのです。

メッシュルーターの選び方

メッシュルーターを選ぶ際には、いくつかの重要な要素を考慮する必要があります。これらの要素は、スターリンクのインターネットサービスとの互換性、カバレッジ、設定の容易さ、および価格に関連しています。

  1. 互換性: スターリンクとの互換性のあるメッシュルーターを選ぶことが重要です。特に、第二世代スターリンクキットを使用している場合、イーサネットアダプターを介してメッシュルーターを接続できるかどうかを確認してください。また、無線で完結できるメッシュルーターセットも存在するため、その選択肢も検討する価値があります。
  2. カバレッジ: メッシュルーターのカバレッジとは速度低下や接続障害などの問題がなくインターネットにアクセスできるエリアのことです。このカバレッジは、家全体に安定したWi-Fi信号を提供するために重要です。大きな家や複数階建ての家庭では、より広範囲のカバレッジを提供するモデルを選ぶことが望ましいです。
  3. 設定の容易さ: ユーザーフレンドリーな設定プロセスを持つメッシュルーターを選ぶことは、特に技術的な知識が限られている場合に重要です。多くのメッシュルーターはアプリを通じて簡単に設定でき、ネットワークの管理やトラブルシューティングを容易にします。
  4. 価格: 最後に、予算に合わせたメッシュルーターを選ぶことも重要です。高価なモデルはより多くの機能や高い性能を提供することがありますが、基本的なニーズに合わせてコストパフォーマンスの良いモデルを選ぶことも大切です。

おすすめのメッシュルーターメーカーと商品

メッシュルーターを選ぶ際には、多くの選択肢がありますが、ここでは特にスターリンクユーザーに適したいくつかのモデルを紹介します。これらのメッシュルーターは、スターリンクのインターネットサービスとの互換性、広範囲のカバレッジ、使いやすさ、およびコストパフォーマンスを考慮して選ばれています。

メッシュルーターの推奨メーカー一覧

  1. バッファロー: 日本国内で広く認知されているバッファローは、使いやすさと信頼性で知られています。初心者でも簡単に設定できるメッシュルーターを提供しており、日本の家庭環境に適した製品が多いです。
  2. TP-Link: 安定した性能と手頃な価格で知られるTP-Linkは、幅広いメッシュルーターの選択肢を提供します。
  3. Netgear: 高性能なメッシュルーターを提供するNetgearは、特に大規模な家庭や複雑なネットワークニーズに適しています。
  4. Asus: ゲームや高帯域幅のアプリケーションに最適な高性能ルーターを提供するAsusは、要求の厳しいユーザーに適しています。

以下に、Amazonで入手できるおすすめのメッシュルーターのモデルとそのリンクを紹介します。これらのモデルは、上記の基準を満たすとともに、スターリンクユーザーからの評価も高いものを選んでいます。これにより、スターリンクを通じて家中どこでも高速で安定したインターネット接続を享受するための最適な選択が可能になります。

おすすめ商品リンク

※アフィリエイトリンクを含みます

バッファロー

WNR-5400XE6
amazonオリジナル

1.5万円前後/台

WNR-3000AX4/2SN
amazonオリジナル

1万円前後/台

TP-Link

BE22000
(BE85 2セット)

5.5万円前後/台

AXE11000
(XE200 2セット)

3.7万円前後/台

AXE5400
(XE75 2セット)

1.8万円前後/台

AXE3000
(X50 2-3セット)

1万円前後/台

メッシュルーターの導入タイミング

メッシュルーターの導入タイミングは、スターリンクの設置状況や個々のネットワークニーズによって異なります。一般的には、スターリンクを設置してから実際に使用してみて、Wi-Fiのカバレッジや性能を評価した後にメッシュルーターを導入することが推奨されます。これにより、どのエリアでWi-Fiの強度が不足しているか、または通信速度が遅いかを把握し、必要な改善策を講じることができます。

スターリンクアプリを使用してWi-Fiの強度をテストすることで、メッシュルーターの必要性をより正確に判断できます。アプリを通じて、家の各部屋でのWi-Fiの品質を確認し、メッシュルーターが必要なエリアを特定できます。

一方で、メッシュルーターを確実に構築するために全てのアクセスポイント(子機)を有線で接続する場合、LAN配線工事もスターリンクの取付工事と一緒に行うことが効率的です。特に、新築やリノベーションの際には、このような一括工事が推奨されます。有線接続は、Wi-Fi接続よりも安定性と速度が高いため、特に大規模な家庭や複数階建ての家庭での使用に適しています。

最終的に、メッシュルーターの導入タイミングは、個々の状況とニーズに応じて柔軟に決定することが重要です。スターリンクの設置後にWi-Fiの品質を評価することで、必要に応じてメッシュルーターを導入するか、または既存のネットワーク設備と一緒に工事を行うかを決定できます。

スターリンクアプリの活用方法

スターリンクのアプリには、「Wi-Fiの有効範囲を確認する」という便利な機能が備わっています。この機能を活用することで、スターリンクルーターとのWi-Fi接続の強度を可視化できます。家の中でWi-Fiを頻繁に使用する場所を中心に、この機能を試してみることで、メッシュルーターを設置する最適な場所を見つける手助けになります。

また、メッシュルーターを導入する前に、スターリンクルーターの設置場所や向きを変更して、接続の改善が可能かどうかを試すことも推奨します。これにより、最小限の設備変更で最大の効果を得ることができるかもしれません。

アプリの使用方法は簡単です。トップ画面から「ネットワーク」に進み、「Wi-Fiの有効範囲を確認する」を選択します。スマートフォンがスターリンクのWi-Fiに接続されていない場合は、「このツールを使用するには、Starlink Wi-Fiに接続してください」というメッセージが表示されますので、接続を確認してください。

準備が整ったら「準備できました」ボタンを押し、家の中を歩き回ります。十分に探索した後、「結果を表示」ボタンを押すと、平均信号強度が表示されます。この情報をもとに、Wi-Fiのカバレッジを改善するための最適な対策を講じることができます。

まとめ:スターリンクとメッシュルーターの最適な活用

スターリンクの設置とメッシュルーターの導入は、家(建物)全体で快適なインターネット体験を実現するための重要なステップです。以下のポイントをまとめます

  1. メッシュルーターの重要性: スターリンクのWi-Fi信号を家全体に均等に分配するために、メッシュルーターの導入が推奨されます。これにより、Wi-Fiの「デッドゾーン」を解消し、どこにいても快適なインターネット接続を享受できます。
  2. 第二世代スターリンクキットとイーサネットアダプター: 第二世代スターリンクキットでは、イーサネットアダプターを使用してメッシュルーターを有線接続できます。これにより、より安定したインターネット接続を実現できます。
  3. メッシュルーターの選び方: メッシュルーターを選ぶ際には、スターリンクとの互換性、カバレッジ、設定の容易さ、価格を考慮してください。バッファロー、TP-Link、Netgear、Asusなどがおすすめのメーカーです。
  4. 導入タイミング: スターリンクを設置してからWi-Fiのカバレッジを評価し、必要に応じてメッシュルーターを導入します。また、全てのアクセスポイントを有線で接続する場合は、スターリンクの取付工事と同時にLAN配線工事を行うことが効率的です。
  5. スターリンクアプリの活用: スターリンクアプリを使用してWi-Fiの強度をテストし、メッシュルーターの設置場所を決定します。これにより、Wi-Fiのカバレッジを最適化できます。

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目次

スターリンクの工事はどこに頼むべき?

スターリンクの人気が高まる中、多くの人が興味を持っていますが、正式な取り付け業者はどこなのでしょうか?ネット上では様々な情報が出回っており、正しい情報を見つけるのは難しいかもしれません。

まずとても大切なことですが、スターリンクの設置工事は電気工事にあたります。

以前はエアコン工事も電気工事だと認識されずに、DIYの延長で工事を行う業者が多発していました。経済産業省はこれを見かねて公式資料として「エアコン工事は電気工事」と発表するに至りました。

スターリンクの工事については、スターリンクケーブルを壁に固定するなど、一部の作業は電気工事士以外はできません。
参照:Starlinkの無資格工事は違法?36Vを超える電線(PoEケーブル)の取り扱いの注意

では実際にはどこに工事を頼めばいいのでしょうか

DIY

スターリンクの取付けは原則DIYが前提に考えられています。広い庭においてケーブルを室内まで引っ張るか、屋外用コンセントを使って屋外に全て置けばそれでいいでしょう。

ですが、日本では通信が問題ないほど視界が開けた庭はなかなかありませんし、スターリンクルーターを屋外で使用するのは、現時点では日本の電波法に違反します。

スターリンクケーブルを壁に固定するためのサドルが同梱されていますが、これを使って壁に固定するには電気工事士の資格が必要です。なぜ必要なのかは電気工事士の勉強をすることで身につけられるかもしれません。ここでポイントなのは、DIYの場合は電気工事士の資格は必要ですが、電気工事業の登録は必要ありません。

アンテナ工事会社

スターリンクの設置の肝はアンテナを通信状態のいい場所にしっかりと固定することですので、アンテナ工事会社が適切、と思いがちです。
しかし前述のように配線工事は電気工事にあたりますので、電気工事会社に頼まなくてはいけない場合がほとんどでしょう。
一部のアンテナ工事会社が「スターリンクはアンテナ工事会社が工事を請け負います」と発言していますが、多くのアンテナ工事専門会社は電気工事のプロフェッショナルではありませんので気をつけましょう。

電気工事会社

原則としては電気工事会社が配線部分は工事を行わなくてはいけません。ただしアンテナ本体の固定も電気工事にあたる可能性がありますので、やはり電気工事士が設置を行うのがいいでしょう。
しかしいくら電気工事のプロフェッショナルでも、屋根の上における作業が不慣れだったり、アンテナを固定するための材料の取扱いや知識が不足していることもあります。

アンテナ工事に造詣の深い電気工事会社
またはスターリンク工事の実績の多い電気工事会社

アンテナ工事をやることもある電気工事会社でもいいかもしれませんが、スターリンクの設置は少し特殊なので、さまざまなアンテナ工事の経験がある工事会社が適当でしょう。
勉強熱心であったり、探求心が強い、言い方を変えると工事オタクのような会社の方が新しい製品の取付けには適していると思います。
ただし、工事料金が高額になっているかもしれませんので事前に詳細カウンセリングと概算見積もり、また見積もりの根拠を確認しましょう。

クラウンクラウンはアンテナ工事専門会社として設立された会社ですが、前身はさまざまな設備工事を行っている会社のクレーム処理責任者の経験やノウハウがベースになっています。クレーム処理とは営業ではなく、工事の手直しまでのことであり、代表自身も第一種電気工事士をはじめさまざまな国家資格を取得しております。是非お気軽にご相談ください。

Starlinkの工事を依頼するには?信頼できる業者の選び方とは

まず何といっても、電気工事業の登録が確認できない業者に依頼することは絶対に避けるべきです。
違法工事の可能性があるばかりではなく、違法工事を行っている会社が適正品質であること、良心的な価格であるとは考えにくく、もし安価で工事を行っている場合もどんなトラブルに巻き込まれるかわかりません。
昨今では安価なサービスをうたって家に入り込み、その時の情報が後日犯罪に使われる事例もありました。

電気工事業の登録を確認するには

電気工事業の登録には4種類ありますが、それぞれ各自治体(都道府県)が管轄になる事例と経済産業省が管轄になる事例があります。自治体が管轄になるのは事業所や営業所が一つの自治体にのみある場合で、複数の自治体に営業所がある場合は経済産業省の管轄になります。
弊社のように営業所が埼玉県内にしかない場合は、埼玉県知事の許可を持って登録になり、多くの場合自治体に問い合わせれば登録業者かどうかの照会が可能です。ですが経済産業省管轄の場合、登録業者は公開されておらず、直接問い合わせても紹介することができません。
ですが、電気工事業者は営業所や2日間以上にわたり電気工事を行う施工場所には標識を掲示する義務があるように、一般的に公式サイトの会社概要には登録番号を掲示しています。特に業を請け負うために会社概要のページを作っているなら、そこに許認可について表記するのは至極当然のことでしょうから、会社概要ページに電気工事業登録番号の表記が無い会社は電気工事業者ではないと思った方がいいでしょう。

料金表が公開されている

明確な料金表が掲示されていることは信頼できる証の一つです。
設備工事業界ではよくあることですが、担当者ごと、お客さまごとで工事料金が変わることがあります。特におとなしい人、知識のない人には高額請求を行う事例が多くあります。
「工事一式 〇〇円」と書かれた伝票しか発行せず、領収書も複写ではなくお客さま控えしかない場合もありますが、それで後日適切なアフターフォローができるのかも疑問です。
料金表が公開されていることで、おおよその工事料金が事前に予測できたり、実際の工事の際にも料金表と見比べることでおかしな点がないか確認できます。
ここで注意するのは、料金表も一般的ではない最安値のみ掲示していて、〇〇円~と言った表記になっている場合です。こういった場合も担当者やお客さまごとに料金が異なる可能性があります。

施工事例が公開されている

施工事例を公開するのは手間がかかります。お客様から写真の使用許可が得られない場合もあります。特にウェブサイトを自社で運用・管理していないと、コンテンツを一つ作るだけでも高額費用がかかることもあります。ですが最近では無料でSNSやブログサービスを活用している会社も多くあります。

施工事例を公開することは施工の品質を公開することでもあります。
もちろん掲載する写真は工事会社が選びますから、多少の演出はあると思います。下手な工事写真を載せる会社はないでしょうから、施工写真を見る時は以下のポイントに注目してみてください。

  1. 写真の枚数
  2. 細かい作業場所の写真があるか

もう一つ施工事例に重要なのは、その工事の価格がいくらなのか、また工事で請求した明細(工事項目)が公開されているかどうかです。
あいまいな料金表と、工事価格が非公開の施工事例を結び付けて、そこから想像した工事料金が実際の料金とはかけ離れている事例は珍しくありません。お客様をだますつもりがなければ、工事にかかった料金や明細は公開できると思います。

施工事例が公開されている会社であれば、自身の環境と照らし合わせて事前に工事の内容や料金が予測しやすいだけでなく、公開されている施工事例をもとに電話やメールで打ち合わせがしやすくなるでしょう。

スターリンクはまだ新しいサービスなので、施工事例が公開されていることでしっかりと経験があるのかどうかの判断がしやすくなるのではないかと思います。

Starlinkの工事を安心して任せるために押さえておきたいポイント

無資格工事業者に工事を依頼した場合のリスク

  • 工事が不適切で不具合が起きるリスクが高くなる
  • もし違法工事だという認識がないのであれば、それは知識不足であり、技術不足にもつながります。
  • 万が一の漏電火災で火災保険が適用されない可能性がある
  • 違法工事が原因で起きた災害(人災)は通常の火災保険では適用されない可能性があります。
  • 工事料金がぼったくりの可能性がある
  • そもそも違法工事を行っている会社が適正価格で工事を行っているとは思えません。

Starlinkの工事に必要な知識をまとめたガイド:デマに騙されないために知っておくべきこと

まずはクラウンクラウンにご相談

クラウンクラウンはスターリンク工事の実績が30件以上になりました。
さまざまな設備工事業界に30年以上関わってきたノウハウと、アンテナ工事専業で間もなく12年になる経験を活かし、丁寧な仕事を心がけています。
料金や明細もわかりやすく、明朗会計に努めています。工事の仕様も細かく説明しておりますので、他社さまで見積もりを取っている場合でも是非合い見積もりをお試しください。
2023年3月末までは最大10%の割引キャンペーンと、従来からの子育て割引10%オフがあります。

お問い合わせはこちらからどうぞ

Starlinkのアンテナの種類(旧型・新型・高性能型)などもお知らせください。

当社では本記事の執筆にあたり、2022年末に経済産業省と数日間にわたる協議を行い、スターリンクの専用ケーブルにPoEで流れる電圧・電流の観点から、スターリンクの固定配線工事は「電気工事士の資格が必要であり、電気工事業の登録も必要な工事に該当する」との見解をいただいております。
この見解は、スターリンクが公表している技術仕様や例外規定を当社側から共有した上で、慎重に検討いただいた結果です。単なる断片的な情報提供ではなく、工事内容の具体的な実態を踏まえた総合的判断として確認を行っています。

しかしその後、X(旧Twitter)にてあるユーザーが経済産業省に確認したところ「無資格で工事できる」との回答を得たと発信し、大きな反響を呼びました。
当社でもこの発信内容を受け、同様の問い合わせ内容をもとに改めて経済産業省電力安全課に確認を行った結果、「スターリンクの固定配線工事は電気工事に該当する」との見解に変更はないとの明確な回答を、2023年12月27日付で再度いただいております。
この際、当社ウェブサイトに掲載している本ページの内容も経済産業省側でご確認いただいたうえでの回答です。

なお当社では、誤解を招く表現や答えを誘導するような問い合わせは一切行っておらず、事実と意見を明確に区別して情報提供を行っています。判断を下すのはあくまで、法令の解釈に責任を持つ省庁であり、私たちはその公式見解に基づいた正確な情報発信に努めております。
この記事では、スターリンクの一般的な設置工事において求められる資格・届出に関する事実を、中立的かつ客観的にお伝えすることを目的としています。

  • 2023年1月15日 軽微な作業と軽微な工事を混同するような記述の訂正、電気工事士法の追加引用、引用の順番の整理など一部加筆・訂正を行いました。
  • 2023年12月27日 こちらの記事の背景情報を冒頭に追記しました。
  • 2023年12月27日 スターリンクケーブルが弱電流電線なのかの見解を追記しました。
  • 2023年12月29日 経済産業省の細心の見解を確認しました。合わせて冒頭の文章の一部を変更しました。総務省の見解を追記しました。
  • 2023年12月31日 トレーラーハウスへの設置事例を追記しました。

2022年10月11日に日本でもサービスが開始されたSpaceXの衛星インターネットサービスのStarlinkですが、工事の際には注意が必要です。
工事の内容と資格・許認可の有無によっては違法工事になります。

無資格業者へ依頼して工事を行ってしまった場合、ただちに何かしらの罰則があるとは限りませんが、知識や技術がある人であれば資格は持っているでしょうし、法令順守で丁寧な工事を行う会社なら許認可は取得しているだろうと考えています。

目次(矢印クリックで開閉)

Starlinkの導入に熱心なファンがSNSで導入報告を競う中、複数の工事会社がStarlink設置工事の受付を開始しています。
衛星アンテナの確実な固定が重要であるため、アンテナ工事を専門とする会社への問い合わせが増えています。
アンテナ工事の経験がこの工事にも大いに役立つと思われますが、実際にStarlinkの設置工事を行う際には、特別な資格や許認可が必要なのでしょうか。

STARLINKの設置工事は多くの場合電気工事になります

Starlinkのインストールにおいて、アンテナの設置・据え付け自体は電気工事には当たりません。ルーターの設置、および付属のLANケーブルの接続も問題ありません。
では何が電気工事になるのでしょうか。

アンテナ工事と電気工事業法、電気工事士法、施行令第一条(軽微な工事)

ここでまず、当社でもよく訊かれる「アンテナ工事は電気工事士ではなくても工事ができる理由」について説明します。
家庭用のブースターは主にセパレートタイプと呼ばれるものが使われており、ブースター電源ユニットとブースター本体間のアンテナ線には15V~20V(現在の主流は15V)前後の電気が重畳(ちょうじょう:電気信号以外に機械の動作電流が重ねて流されること)されています。またBSアンテナは15Vの電気を使うため、BSアンテナに直接繋がっているアンテナ線にも電気は流れています。
電気の流れている線、つまり電線の取扱いにおいて、電気工事士の資格や電気工事業の許認可は不可欠ですが、電気工事士法施行令第一条では、小型変圧器の二次側の配線が36V以下の場合は、この配線の工事についてはそもそも電気工事ではないとされています
そのため、電気工事士以外が配線工事を行うことも問題はなく、会社が電気工事業の許可を取得していなくても問題ありません。
※ブースター用も含めコンセントの作成など電気工事に携わる場合やエアコン工事については許認可が必須です。

販売に伴う工事

また経済産業省のよくある質問(電気工事)のQuestion1には以下のように記述されています。

Question1:電気工事業法における、「電気工事」とは何か。
Answer:・・・家庭用電気機械器具(ラジオ、テレビ、扇風機、冷蔵庫、ストーブ、こたつ、電灯等で、主として家庭で使用されるもの)の販売に付随して行う工事も、この中に含まれません。

引用:https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/electric/files/kouzi-gyo-QA201803.pdf

これはエアコンの販売に伴う取り付けや、アンテナやブースターを販売に伴う取り付けの場合は電気工事にあたらない、とも解釈できます。
ただし、販売店の下請け業者が行う取り付けはこの例外に含まれません。

電気工事業の業務の適正化に関する法律(電気工事業法) 第二条より、電気工事業の定義

電気工事業の業務の適正化に関する法律
(定義)
第二条
この法律において「電気工事」とは、電気工事士法(昭和三十五年法律第百三十九号)第二条第三項に規定する電気工事をいう。ただし、家庭用電気機械器具の販売に付随して行う工事を除く。
  1. この法律において「電気工事業」とは、電気工事を行なう事業をいう。
  2. この法律において「登録電気工事業者」とは次条第一項又は第三項の登録を受けた者を、「通知電気工事業者」とは第十七条の二第一項の規定による通知をした者を、「電気工事業者」とは登録電気工事業者及び通知電気工事業者をいう。
  3. この法律において「第一種電気工事士」とは電気工事士法第三条第一項に規定する第一種電気工事士を、「第二種電気工事士」とは同条第二項に規定する第二種電気工事士をいう。
  4. この法律において「一般用電気工作物」とは電気工事士法第二条第一項に規定する一般用電気工作物を、「自家用電気工作物」とは同条第二項に規定する自家用電気工作物をいう。
引用:e-GOV:電気工事業の業務の適正化に関する法律(昭和四十五年法律第九十六号)

電気工事士法 第二条より、電気工事業法における電気工事の定義

電気工事士法
(用語の定義)
第二条
この法律において「一般用電気工作物」とは、電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第三十八条第一項に規定する一般用電気工作物をいう。
  1. この法律において「自家用電気工作物」とは、電気事業法第三十八条第三項に規定する自家用電気工作物(発電所、変電所、最大電力五百キロワット以上の需要設備(電気を使用するために、その使用の場所と同一の構内(発電所又は変電所の構内を除く。)に設置する電気工作物(同法第二条第一項第十八号に規定する電気工作物をいう。)の総合体をいう。)その他の経済産業省令で定めるものを除く。)をいう。
  2. この法律において「電気工事」とは、一般用電気工作物又は自家用電気工作物を設置し、又は変更する工事をいう。ただし、政令で定める軽微な工事を除く
  3. この法律において「電気工事士」とは、次条第一項に規定する第一種電気工事士及び同条第二項に規定する第二種電気工事士をいう。
引用:e-GOV:電気工事士法(昭和三十五年法律第百三十九号)

電気工事士法施行令 第一条より、政令で定める軽微な工事の定義

電気工事士法施行令
第一条 電気工事士法(以下「法」という。)第二条第三項ただし書の政令で定める軽微な工事は、次のとおりとする。
  1. 電圧六百ボルト以下で使用する差込み接続器、ねじ込み接続器、ソケット、ローゼットその他の接続器又は電圧六百ボルト以下で使用するナイフスイッチ、カットアウトスイッチ、スナップスイッチその他の開閉器にコード又はキャブタイヤケーブルを接続する工事
  2. 電圧六百ボルト以下で使用する電気機器(配線器具を除く。以下同じ。)又は電圧六百ボルト以下で使用する蓄電池の端子に電線(コード、キャブタイヤケーブル及びケーブルを含む。以下同じ。)をねじ止めする工事
  3. 電圧六百ボルト以下で使用する電力量計若しくは電流制限器又はヒューズを取り付け、又は取り外す工事
  4. 電鈴、インターホーン、火災感知器、豆電球その他これらに類する施設に使用する小型変圧器(二次電圧が三十六ボルト以下のものに限る。)の二次側の配線工事
  5. 電線を支持する柱、腕木その他これらに類する工作物を設置し、又は変更する工事
  6. 地中電線用の暗(きよ)又は管を設置し、又は変更する工事
引用:e-GOV:電気工事士法施行令(昭和三十五年政令第二百六十号)

Starlinkの工事に関係するのは電気工事士法施行規則第二条第一項(軽微な作業)

前述した電気工事士法施行令によると、36V以下の二次側電線の工事はそもそも電気工事ではない、ということがわかりました。
Starlinkもテレビ放送のBSアンテナのように電気を使って動いています。ではStarlinkのアンテナにつながる配線には何ボルトの電線がつながっているのでしょうか。
※BSアンテナは15Vで動いています。たったの15Vですが電気の流れてるアンテナ線をショートさせると火花が出ます。

第一世代キット

SNSなどでStarlinkのACアダプターの画像やスペック表が公開されていますが、それをみるとPoE(Power over Ethernet)電圧は(最大)56Vのようです。 アンテナに雪が積もるのを防ぐ融雪機能も付いているようなので、そのせいかもしれません。
なおフェーズドアレイアンテナなので、それ自体の消費電力もそこそこあるようです。

第一世代のスターリンク
第一世代のスターリンクの梱包
スターリンク起動直後
スターリンク第一世代キットの取り付け事例(クリックで施工事例へ)

第二世代キット

starlink-router-PoE-output
2022年12月ではすでに新型アンテナ(長方形のアンテナ)セットに切り替わっていますが、こちらはPoE電圧が48Vに改変されていました。
スターリンクアンテナマスト底面の表記
アンテナマスト底面にも電圧電流の表記があります。あたりまえですがこちらはInputになっていますね。
グランピング施設へのスターリンクインストール
グランピング施設へ第二世代スターリンクキットの取付

第二世代のアンテナキットはACアダプターを使っておらず、ケーブルも独自形状の専用ケーブルをルーターからアンテナに接続する仕様に変わっています。

ハイパフォーマンスモデル(ビジネスモデル)

富士山の山小屋から撤去したハイパフォーマンスモデル(ビジネスモデル)のスターリンクアンテナ
富士山の山小屋から撤去したハイパフォーマンスモデル(ビジネスモデル)のスターリンクアンテナ
ハイパフォーマンスモデルの電源ユニット
こちらの電源ユニットにも出力等が記載されています

2023年の山開き前に設置し、閉山後に撤去したスターリンクのアンテナです。消費電力が大きいこともあり、スターリンクケーブルは標準タイプより太いものが使われています。

第三世代キット

12月11日から米国で通常販売され始めたモデルで、アンテナの自動調整機能(アクチュエーター)のないモデルです。ですがアンテナの面積が大きくなっており、フェーズドアレイアンテナの特性上、それなりに電力を消費します。
海外バージョンの電源ユニット(power supply)の表記を見ると、57.0V、3.42Aとなっていますのでさらに取り扱いに注意が必要になりそうです。

ここで電気工事士法施行規則第二条第一項を見てみましょう。 この条項では、電気工事の中でも軽微な作業(施工者本人に電気工事士の資格を求めないもの)について記述があります。

電気工事士法施行規則 第二条

電気工事士法施行規則
第二条 (軽微な作業)法第三条第一項の自家用電気工作物の保安上支障がないと認められる作業であつて、経済産業省令で定めるものは、次のとおりとする。
  1. 次に掲げる作業以外の作業
    1. 電線相互を接続する作業(電気さく(定格一次電圧三百ボルト以下であつて感電により人体に危害を及ぼすおそれがないように出力電流を制限することができる電気さく用電源装置から電気を供給されるものに限る。以下同じ。)の電線を接続するものを除く。)
    2. がいしに電線(電気さくの電線及びそれに接続する電線を除く。ハ、ニ及びチにおいて同じ。)を取り付け、又はこれを取り外す作業
    3. 電線を直接造営材その他の物件(がいしを除く。)に取り付け、又はこれを取り外す作業
    4. 電線管、線樋ぴ、ダクトその他これらに類する物に電線を収める作業
    5. 配線器具を造営材その他の物件に取り付け、若しくはこれを取り外し、又はこれに電線を接続する作業(露出型点滅器又は露出型コンセントを取り換える作業を除く。)
    6. 電線管を曲げ、若しくはねじ切りし、又は電線管相互若しくは電線管とボックスその他の附属品とを接続する作業
    7. 金属製のボックスを造営材その他の物件に取り付け、又はこれを取り外す作業
    8. 電線、電線管、線樋ぴ、ダクトその他これらに類する物が造営材を貫通する部分に金属製の防護装置を取り付け、又はこれを取り外す作業
    9. 金属製の電線管、線樋ぴ、ダクトその他これらに類する物又はこれらの附属品を、建造物のメタルラス張り、ワイヤラス張り又は金属板張りの部分に取り付け、又はこれらを取り外す作業
    10. 配電盤を造営材に取り付け、又はこれを取り外す作業
    11. 接地線(電気さくを使用するためのものを除く。以下この条において同じ。)を自家用電気工作物(自家用電気工作物のうち最大電力五百キロワット未満の需要設備において設置される電気機器であつて電圧六百ボルト以下で使用するものを除く。)に取り付け、若しくはこれを取り外し、接地線相互若しくは接地線と接地極(電気さくを使用するためのものを除く。以下この条において同じ。)とを接続し、又は接地極を地面に埋設する作業
    12. 電圧六百ボルトを超えて使用する電気機器に電線を接続する作業
  2. 第一種電気工事士が従事する前号イからヲまでに掲げる作業を補助する作業
引用:e-GOV:電気工事士法施行規則(昭和三十五年通商産業省令第九十七号)

上記に書いてある作業は電気工事の中でも軽微な作業ではないということになり、電気工事士の免許が必要になるという意味です。 すると、上記ハ、ニにあたるような作業は電気工事士ではないとできないことになります。 Starlinkのルーターからアンテナ本体までのLANケーブルを投げっぱなし(転がし配線)にするのであれば問題ありませんが、多くの方がきれいに配線したいと思うのではないでしょうか。これは電気工事士の作業になるので、個人的な使用(DIY)の場合でも資格は必要です。自宅の電気コンセントを無資格で勝手にいじってはいけないのと同様です。 また業として行う場合(つまり、仕事として請け負う場合)は個人(個人事業主)か法人かにかかわらず、電気工事業の登録が必要になります。 一般の方にはわかりにくいルールなので、実は電気工事業の登録のない(電気工事においては素人の)アンテナ工事会社などもStarlinkの工事を請け負います、などと言っている場合があります。※本人が無自覚でも違法工事です

弱電流電線について

富士電線株式会社さんの公開している資料(https://www.tokyo-fuji.co.jp/pdf/products/faq/trt-4-2.pdf)では以下のような解説があります。

弱電流電線とは

電芯線、電話線に用いる銅線、ケーブルをさしており次のようなものが考えられる。

  1. インターホン、拡声器等の音声の伝送回路
  2. 高周波またはパルスによる信号の伝送回路
  3. 最大使用電圧が10V以下で、試用電流が5Aを超えない電気回路
  4. 短絡電流が1mA程度以下の電気回路
  5. 電圧の最大値が60V以下の直流電気回路で、第237条第1項に規定する小勢力回路に準じたもの

小勢力回路とは

電磁開閉器の操作回路又は呼鈴、警報ベル等に接続する電路であって、最大使用電圧が60V以下のもの(最大使用電流が、最大使用電圧が15V以下のものにあっては5A以下、最大使用電圧が15Vを超え30V以下のものにあっては3A以下、最大使用電圧が30Vを超えるものにあっては1.5A以下のものに限る)で、かつ、対地電圧が300V以下の強電流電気の伝送に使用する電路と変圧器で結合されるもの。

スターリンクケーブルは弱電流電線なのか?

第2世代(国内現行型)スターリンクはPoE Output 48V 2.0Aと書かれていますので、この定義に照らし合わせると小勢力回路ではなく、つまり弱電流電線にはあたらないと考えられます。

電気工事にあたらない取り付け事例

車両にスターリンクを設置する場合は、電気工事士法の範疇ではなくなります。この場合管轄は国土交通省になります。
実際に行動を走行する車両に取り付ける場合は、電気工事よりも固定方法や寸法などの制限が出てくると思われますが、今回は調査していません。私有地に置かれたトレーラーハウスの場合はそれらの制限もありませんが、トレーラーハウスを移動する際には事前に確認を行い、状況によっては一時的に取外しが必要になるかもしれません。

トレーラーハウスへのスターリンク取付
トレーラーハウスは建築物ではありませんので、電気工事にはあたりません。ただし、元がトレーラーハウスであったとしても、土地に固定して使う場合などは電気工事士の資格が必要になると考えられます。

こちらは電気事業法第二条にて示されています。

電気事業法 第二条

電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号
(定義)
第二条
  1. 電気工作物 発電、蓄電、変電、送電若しくは配電又は電気の使用のために設置する機械、器具、ダム、水路、貯水池、電線路その他の工作物(船舶、車両又は航空機に設置されるものその他の政令で定めるものを除く。)をいう。
引用:e-GOV:電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)

総務省の見解

今回再確認のきっかけとなった一連のポストですが、その中に以下のようなものがありました。

ツイート引用
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表現にあいまいな部分がありますが、この文章だけでは「総務省の権限によってスターリンクケーブル(スターリンクアンテナ線と表記されたものがこれを指していると当社で判断)およびLAN配線について、電気工事士の資格や電気工事業の登録が必要ない」とも読み取れます。そのため当社では念のため総務省に以下の質問を行っております。

  1. 総務省がスターリンクケーブルを造営材へ固定する工事について、例外として電気工事士の資格が必要ないと言うことはあるのか
  2. 本来電気工事関連は経済産業省が管轄になると思うが、総務省と経済産業省の間に特別な取り決めや例外規定があり、電気工事士の資格が必要ないということはあるのか
  3. スターリンクケーブルの加工は工事担任者の資格が必要か

電気通信事業課の見解

1について「こちらで判断することはない。電気工事に関連する法律は経済産業省が管轄です。」
2について「省をまたぐ取り決めなどは本庁に確認してください。」
3について「スターリンクケーブルの加工には工事担任者の資格が必要です。」

衛星通信事業部の見解

大代表の受付の方からの代弁として「もろもろ管轄外だと思うので別のところへ」

電気通信事業部電気通信技術システム課の見解

1について「管轄は経済産業省なのでこちらで何か言うことはありません。」
2について「この件について特別な取り決めなどはありません。」
3については既に明らかだったため質問しませんでした。

総務省の見解まとめ

  1. 電気工事関連の法律の適用を受けるかどうかについては総務省では判断していない
  2. スターリンクケーブルの加工には工事担任者の資格が必要

補足

この工事担任者と言う国家資格ですが、LANケーブルや電話線等の加工をする際に必要な国家資格です。当社では防犯カメラやLAN配線工事を本格的に始めるにあたり、以前このあたりの必要資格について確認したことがあります。その際に言われたことはISP(インターネットサービスプロバイダ―)が設置するルーターの一次側(ルーターよりも上流)のケーブルの加工には工事担任者の資格が必要だが、二次側は必要ないと言われていました。今回はこのISPの一次側のケーブルということになるからではないかと考えています。
余談ですがこの件に関しては工事担任者の資格を管理する一般財団法人日本データ通信協会では見解が異なります。こちらでは総務省の見解を伝えたうえでもルーターの二次側も工事担任者の資格が必要だと言っています。当社では安全を考慮し、二次側であってもLANケーブルの加工は工事担任者が行うことを原則としています。

トラブルを避けるためには

違法工事にならないためには、その会社概要に電気工事業の登録が明記されているか確認しましょう。
電気工事業の登録業者はその表記を会社のよく見える場所に掲示する義務があります。
古物商許可等と異なり、自社のウェブサイト上で表示する義務はありませんが、登録業者が自社のホームページに登録番号を明示しないメリットはなく不自然ですので、明示されていない会社はほぼ電気工事業の登録がされていない会社だと思っていいでしょう。
多くのアンテナ工事専門会社は電気工事業の登録がなく、電気工事について知識が足りていないように思います。
スターリンクの工事について電気工事だと一切触れない会社はNGです。
くれぐれも無免許・無許可営業の業者への工事依頼を行ってトラブルに巻き込まれないようにお気を付けください

どんなトラブルが考えられるのか

  1. 知識のない人の施工による事故
  2. 電気工事士の免許がないまま電気工事を行うのは、無免許のタクシーに乗るようなものです。免許を持っていれば無事故だとは言いませんが、何のための免許なのか考えてみましょう。
  3. 万が一の事故の際に保険が適用されないリスク
  4. 工事会社が損害賠償保険に加入していたとしても、無免許や無許可で行った工事(不法行為)にまつわる事故に対して保険金を支払ってくれるとは思えません。電気火災が起きてしまった際に、工事会社が保険を使えないために損害賠償を行えないという事態も起こりえます。そもそも素人の工事なので事故のリスクも上がっていると考えられるでしょう。

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