概要
これまで山間地域では、都市部に比べて高速インターネット環境の整備が遅れがちでした。しかしながら、スターリンクの導入により、かつて恵まれなかった地方部でも高速通信を享受できる新しい時代が到来しつつあります。
今回スターリンクを設置した南牧村ですが、この地域では光回線が引かれておらず、お客様が以前NTTに相談したところ30万円程度の費用がかかると言われたものの、その後のレスポンスもいまいちで積極的に工事を進めてもらえる様子がなかったようです。
周りに生えている木々の影響を考慮し、高い位置にスターリンクのアンテナを設置したいところでしたが、八ヶ岳からの吹きおろしが強い場所ということでしたので、金具を2段構成にして強固に設置することになりました。
設置後の通信速度テストでは250Mbps程度、その後お客様が再測定した画像を送っていただきましたが、374Mbpsものスピードが出ていました。
長野県のスターリンク工事は多く手掛けています
当社クラウンクラウンでは、長野県のスターリンク工事も多く手掛けています。特に軽井沢町や佐久市エリアでの実績が豊富です。
施工事例の更新が遅れがちで申し訳ございませんが、今後積極的にご紹介させていただく所存です。この日は佐久市のまた少し先の南牧村での設置工事でした。
GW中の移動
GW期間中の長野県佐久市への出張では、高速道路で渋滞に遭遇するかもしれないと心配しましたが、一部で故障車渋滞があったものの、大きな渋滞には巻き込まれずにスムーズに現場入りできました。
佐久市を通過した際、気球の準備風景が目に入りました。その中に漫画「北斗の拳」の主人公ケンシロウとラオウのイラストが描かれた気球があり、偶然にも車内で「佐久出身の原作者ゆかりで、駅に主要キャラクターの胸像がある」という話をしていたところだったので、大変興味深く眺めることができました。
仕事を忘れてしまいそうな道のり
運転をしている側は仕事モードで間違いありませんが、助手席に乗ってこう言った道を進んでいると仕事なのかプライベートなのかわからなくなりそうですね。僕は運転手側でしたが。
現地到着後、現状を調査しカウンセリングを行いました
事前に場所の地図を共有していただいていたので、迷わずに到着することができました。あらかじめ建物や周辺の写真もいただいていましたので、おおよその見当はついていたものの、実際の方角などを確かめながら設置場所を検討します。実は今回はついでということで電源工事もご依頼いただいており、電気工事についても細かく検討することになりました。
スターリンクアプリを使った障害物テストの結果
建物の周りの何か所かで、スターリンクの公式アプリを使って障害物テストを行いました。実際にアンテナのサイズで確認するわけでもありませんが、非常によくできたアプリでおおよその通信範囲を視認することができます。この通信範囲にどんな障害物があるのか、将来的に木々の成長などで影響がありそうか、どちら方面に障害物があると良くないのかなどを確認できます。
上の動画は最終的にシミュレーションされた障害物と、予測される通信障害です。この情報をもとに、最終的な設置場所を決定します。
またメインで通信する場所などからルーターの置き場所、穴の開口位置、配線経路をカウンセリングしていきます。
工事開始
いくら事前に写真などをいただいていたとしても、電波状況によってはアンテナを設置できる場所が限られてしまいます。これはテレビアンテナでは常識で、スターリンクのアンテナも似ているところがあります。ただテレビアンテナよりは目視だけでおおよその見当はつくのですが。
現地に行ってみたものの部品が足りなくて再訪問、何ということの内容に様々な材料を用意しています。これはお客様に見ていただいた取り付け用の金具で4種類出ていますが、実はこの時車にはさらに4種類以上の取り付け金具が複数セット載っていました。
最初に行うのは穴あけ工事
スターリンク工事より先に電源工事を行っているのですが、今回は割愛します。
スターリンクケーブルを通すために穴をあけるのですが、スウェーデンハウスということで、数十年前の物件でも十分分厚い断熱材が入っています。また外壁側にコンセントがなかったので、何もないところに新しく穴をあけることになりました。
柱鬼値をセンサーと針で探り、柱を少し交わした位置に穴をあけました。柱正面にしっかりとシートが固定されていたので、断熱材をよけるのではなく貫通させることにしました。表面のシートに切り込みを入れ、断熱材に切り込みを入れます。その後室内から穴の中心を部分だけを貫通させ、ドリルコアと呼ばれるドリルは外から使うことで断熱材を巻き込まないようにします。
現在はオプションにしていますが、貫通した穴には保護パイプを通しました。パイプを通す際に隙間にシリコーンを入れることで屋外と壁の中を絶縁します。(空気や雨水、虫などが入ってこないようにします)
パイプは穴に通したら、室内と室外で押さえながらナットを固定します。
スターリンクケーブルを穴に通す
シリコーンの表面が固まる少し時間をとったほうが工事がやりやすくなります。今回の工事でいえば、このタイミングで電源工事などを行うのが良かったのですが、荷物などの関係もあり、お客様に促されいったんここで休憩することにしました。
仕事で来ている私どもを気遣っていただき、甘んじてテラスで休憩させていただくことにしました。
ケーブルの先端にシリコーンが入ってしまうとケーブルが使えなくなってしまいますし、ほこりや土が入ってしまうのも危険なのでしっかりと、それでいてきれいにはがせるように養生を施します。
ケーブルを通すために穴をあけたくないので、既存の穴や配管を使いたいというご相談もよくいただくのですが、このケーブルは頭が大きいので原則として既存の配管で使えるサイズのものが敷設されているケースはほとんどありません。エアコン用の穴や換気用の穴を使うこともできる場合がありますが、本来の役目として使えなくなってしまうので、特別な場合を除いてこのように穴をあけるか、新築の場合は建築時に準備をしておくかになります。
スターリンクケーブルが通る配管サイズの検証
この工事とは関係ありませんが、実際にスターリンクケーブルがどの大きさの配管なら通るのか検証しています。
これに限らず少しずつ検証動画なども公開予定なので、ぜひチャンネル登録をお願いします。
アンテナ本体の取り付け
今回作業途中の写真を撮り忘れてしまいましたが、このタイミングでアンテナを設置します。アンテナ設置用の金具はシリコーンを固めるタイミングで先に行っています。今回は高さを出すことと強度を出すことを両立させるため、上下二段で金具を取り付けています。必要な金具の長さが上下で異なりますが、下段で伸縮タイプの金具を使っています。
なお、冗談の金具は破風に、下段の金具は窓横の飾りの木の部分に固定していますが、下段の金具については弊社標準の65mmのステンレス以外に150mmの名がビスも併用して柱に固定しています。
屋外配線の処理
スターリンクケーブルは耐候性のある仕様になっているので、海外ではそのままむき出しで固定している事例を多く見ます。国内でもそのようにしている事例を見ますが、長く使うことを考えると何かしら配管に通すなどがおすすめです。今回はオプションのナイロン製チューブを使っています。メーカーでは10年以上の暴露試験のデータを公開していますが、ひびや割れが見られないしっかりとしたものです。
配線の固定が終わると隙間にパテを充填して、屋外用入線カバーを設置して仕上げます。
室内側壁内の処理
貫通しているパイプは内側もパテで隙間を埋めておきます。そのうえでカットした断熱材については気密テープで補修をしておきます。見た目は梱包用の布テープにも見えますが、専用の気密テープを使います。ちょっと手間のかかる作業ですがここはしっかりやっておきたいところです。
室内側はコンセントプレートを使ってきれいに仕上げます(標準工事)
画像にある防気カバーはオプションです。壁の中を風が通る場合、コンセントプレートの隙間から風が出てきにくくなります。
室内仕上げ
ルーターと接続し、接続テスト、速度テストを行います。今回は工事直後で250Mbps程度でしたが、翌日お客様から再度速度テストをした時の画像を送っていただきました。
スピードテストは左右で分かれていますが、左がルーターからスマホまでのWi-Fi速度、右がスターリンクと衛星間の速度です。左の数字のほうが大きくないとスターリンクの性能を活かしきれていませんが、スターリンク純正ルーターのWi-Fiはそれほど強くないので、必要に応じて有線やほかのWi-Fiルーターを接続するなど方法がおすすめです。そういった場合もお気軽にご相談ください。
今回の工事費用(記事執筆時)
※記事編集時点(2024年6月)の料金表に基づく価格です。
ご依頼時には工事料金が変更になっている場合もありますので、お気軽にご相談ください。
施工場所によっては同じ内容でも別途「エリア別出張料金」「有料駐車場代」がかかる場合があります。
長野県別荘地のスターリンク工事
八ヶ岳からの吹きおろしと周りの木々を考慮した設置-
スターリンクアンテナ設置
標準工事(税込み89,650円)
-
スターリンクアンテナ基本設置
基本料金は地上高7mまで
-
ナイロンチューブによるケーブル配線
標準ケーブル内
-
穴あけ・ケーブル通線・屋内外カバー
標準の穴あけ・通線・屋外防雨入線プレート大・屋内コンセントカバー工事一式工事
-
ケーブル穴防護パイプ
木のささくれなどからケーブルを保護します
-
コンセントプレート内防気カバー
コンセントプレートの隙間風を低減します
追加工事(税込み16,500円)
-
サイドベース追加 6000円
強度を増すために上下二段設置
-
大型サイドベース差額 5000円
一つのサイドベースを伸縮型に変更
-
マスト延長 4000円
1.8mのマストを使用(標準は0.9mまで)
-
追加工事消費税 1,500円
- 松本 昭彦
-
経歴と専門分野:
幼少期から家電設備の工事に親しみ、クラウンクラウンの設立の前に15年以上にわたりさまざまな設備工事の現場で経験を積みました。100名を超える下請け工事業者の取りまとめとクレーム処理責任者としての役割を経て、2011年に独立。品質重視と明朗会計をモットーに掲げ、業界改革を目指して高品質工事専門の「クラウンクラウン」を設立しました。
学歴:
東京電機大学理工学部情報科学科(中退)
事業構想大学院大学 事業構想士修士課程
主な資格:
国家資格:
1級電気工事施工管理技士
2級管工事施工管理技士
2級電気通信工事施工管理技士補
第一種電気工事士
工事担任者(2級デジタル)
給水装置工事主任技術者
一般建築物石綿含有建材調査者
石綿作業主任者
運行管理者
その他資格:
第2級CATV技術者
1級あと施工アンカー施工士
インテリアコーディネーター
キッチンスペシャリスト
一級リビングスタイリスト
二級福祉住環境コーディネーター
排水設備工事責任技術者
照明士
- STARLINK2024年11月14日静岡県三島市にて富士山を眺めるスターリンクの設置:陶器の外壁に傷をつけずに施工した事例
- スターリンク2024年10月25日福岡県久留米市でスターリンク設置工事を実施
- STARLINK2024年10月8日茨城県龍ケ崎市UR団地でのスターリンク設置工事:管理組合対応もサポート
- スターリンク2024年9月15日静岡県裾野市でスターリンク設置とアンテナ工事の手直しを行いました