雨が降った後にテレビが映らなくなる原因とは?
ケーブル内部への浸水とショート
雨天後に発生するテレビの受信障害の多くは、アンテナ配線の内部に水分が侵入することによって引き起こされます。具体的には、屋外に露出している同軸ケーブルのシース(外装・外皮)にわずかな隙間や経年劣化による亀裂があると、そこから雨水が浸透し、芯線(ケーブルの中心にある導線)と編組線(ケーブルの外側のほうにある網状の導体)の間でショートが発生することがあります。
このショートが原因で内部の腐食が急激に進行し、最終的に電波の減衰や断線を引き起こしてしまいます。特にF型接栓や分配器周辺、接続ジョイント部などは浸水しやすいポイントです。
屋根裏や壁内のケーブルも油断できません
一見、雨が直接当たらない場所に配線されているケーブルでも、外部から浸入した水が毛細管現象によって内部まで到達するケースがあります。そのため、屋根裏や壁内に引き込んだアンテナ線であっても安心はできません。
雨でブースターが壊れる事例も
昔のブースターは劣化してくると風邪でふたが開いてしまうことがあり、そのタイミングで雨にさらされるとブースター自体が故障してしまうことがあります。その時すぐではなくても内部に錆が出るなども故障の原因になります。
自己判断による修理は注意が必要です
目視で判断しづらい内部腐食が進行しているケースも多く、表面的な接続のし直しでは症状が改善されないこともあります。また、防水処理が適切でないまま再接続してしまうと、再び同じ症状を繰り返すリスクも高まります。
そもそも一般的なアンテナケーブルは屋外用に作られていません。
特別に紫外線対策を行ったケーブルでなければ数年でこのようになってしまうことも珍しくありません。

こういったケーブル表面(外装・シース)がはがれてしまうと雨の日には水が入ってしまい、低い方へと水は流れていきます。

このようなケーブルを切ってみると、ケーブルの中から水が大量に流れてきました。
見た目では分からない内部腐食

アンテナケーブルの接続場所まで水が到達したとき、ケーブルに電気が流れているとあっという間に中が腐ってしまいます。

先ほどの腐ったケーブルはこのブースターにつながっていました。
クラウンクラウンでは耐候性のあるアンテナ線を使っていますが、屋根の上の配線については現在保護用にコルゲートチューブをかぶせた施工をしています。アンテナは長く使う設備なので10年以上先のことを考えた工事が必要だと思います。
保険は使えるのか
雨による被害は火災保険が使える場合があります。しかしケーブルの経年劣化によるものは、災害級ではない小雨などでも被害が出てしまうため保険対応はできないと思います。ただし、暴風雨によりブースターのふたが開き雨が入り込んだことによる故障の場合は火災保険が適用された事例がありました。
当社の点検・修理対応について
クラウンクラウンでは、原因調査からケーブルの交換、防水処理の再施工まで一貫した対応が可能です。使用する部材も耐候性の高い製品を選定し、将来的なトラブルを未然に防ぐ設計を行っています。
雨が降ってるときは映らなくなるが、雨が上がってしばらくすると映るようになるのは浸水が始まっている可能性があります。そのようなときは早めにご相談ください。
火災保険を使う場合、使えるかどうかの判断はできませんが保険対応用の書類を出すことも可能です。(※内容によっては別料金をいただきます)
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