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安い工事業者に工事を頼むリスク

屋根板金への直接ビス打ち

クラウンクラウンは高品質工事と適正価格を追及しています。
世の中には低価格で工事を請け負っている工事業者もあり、ついつい安い工事業者に注文したくなりますが、金額設定にはそれぞれ理由があります。
安い金額で工事を請け負う業者は、もしかしたらこんな事情があるかもしれないという話と、安さはメリットである反面別の部分にデメリットはあるかもしれないという話です。

価格の理由は、高いものでも安いものでも、通常ポジティブなものとネガティブなものがあります。
ここでは安い工事業者の理由と実情を解説します。
理由としては以下のようなものが考えられます。

安値で工事を行える理由

  1. 企業努力をしている

    できる限りコストの削減を行っている場合などです。
    大量仕入れによる原価コスト縮小や、エコカーの導入など。

  2. 薄利多売

    利益率を下げて、ボリュームによる利益回収を行う場合です。

  3. 別のサービスと提携

    アンテナ工事でよく見るのは「インターネット契約と一緒で〇円値引き」と言ったものですね。その他にも同様に「ウォーターサーバー導入初期費用無料」など、他のサービスを紹介することで手数料の利益を得るというものがあります。自動的に値引きになるなら便利でいいと思いがちですが、実際はあとから請求をする必要があるなど「後日申請すればキャッシュバック」と言うものもありますね。

  4. 安い材料を使う

    大量仕入れなどは規模が小さいと難しいこともありますので、材料自体を安くすることで仕入れコストを下げる方法です。

  5. 本業ではない

    利益を出しているのは別の事業であり、ある事業では利益を出す必要がないという場合です。
    例えば「家電量販店の配送サービスがメインで、同時に工事もできると会社の価値が高まるため、工事は利益を考えずに手数料を取らずに業者を集めて外注している」などと言った事例です。このモデル自体は価格を下げるということにはなりませんが、会社自体は工事で利益を出す必要がないと言ったことが言えます。また同時にここで集まった工事業者を使って直接工事を請け負う仕組みを作っているという場合もあります。

  6. 相場観がわからない

    異業種から参入した場合や、初めて事業を立ち上げた場合、相場観がわかっていない場合があります。
    「無駄に高値が常態化している業界をコスト削減などで安く提供し業界を改革した」と言う事例もありますが、様々なコストの見積もりが甘く、業界のライバルの金額などをもとに決定してしまう場合です。既に何らかの工夫をして安値を実現している業者価格を更に下回る価格で勝負しようとすると、コストが思った以上にかかるなど、当初の目論見通りで運営できなくなることがあります。
    時々見かけるのは「量販店の下請け会社が独立して、今まで量販店に取られていた手数料分を安くしました」と言った事例ですね。
    ですが、その手数料の中には販管費、広告費、保険料などがボリュームディスカウントで実現していたものが含まれているので、これらを自社で賄うとなるとそれなりの工夫が必要になるでしょうから、実際には同じ品質で今まで以上に安値でサービスを提供することは難しいと思います。

  7. 安さ以外に価値がない

    内容はそのままですが、やすいこと以外に選ばれる理由がないので、安くせざるを得ないといった場合です。

  8. 人件費を削減する

    スタッフ・職人の給与を安く抑える方法です。
    日給月給などにより出勤日のみ給与を支払い、残業代や通勤手当なども支払われない場合もあります。
    場合によっては各職人を個人事業主扱いにして、社会保険や厚生年金、また労災保険や傷害保険などが未加入の場合もあります。

  9. 消費税を納めていない

    前々年度の課税売上高が年間1000万円以下の場合、消費税を納める必要がありません。課税事業者は11000円の工事を行った場合、実際の売上は10000円となりますが、免税事業者の場合は11000円すべてが売上となります。ただし、売上が伸びてくると必然的に課税事業者となるのでこれだけでは安さの理由としては小さく、これは次の項目と関連してきます。

  10. 脱税をしている

    ここから先はブラックな理由となりますが、その一つに脱税をしている場合です。
    脱税の方法もいろいろありますが、個人事業主などで多い事例としては、売上の過少申告です。
    現金集金を主に扱う場合、脱税がしやすい環境と言えます。また領収書が複写でない場合はほぼ脱税をしていると考えられるのではないでしょうか。
    またもう一つは個人の報酬を少なくしてあらゆるものを経費算入する方法です。ただしこれは節税方法としてはオーソドックスなもので、ブラックと言うよりグレーなものが多いでしょう。

  11. 廃棄物の不法投棄

    事業を営んでいると思いのほかゴミが出ます。例えば郵便物や通販の梱包や、書類のシュレッダーゴミなど。これらは事業系一般廃棄物と言われるもので産業廃棄物ではありませんが、事業者が責任をもって処理をする必要があります。これはどんなに少ない量でも(極端に言えばティッシュ1枚でも)ゴミステーションに出すことは禁じられています。そのため、一般的には事業者が認可のあるごみ収集業者を呼んでゴミを回収してもらいます。もちろん費用がかかります。
    自宅兼事務所などで個人事業を営んでいる場合、家庭ごみと一緒にゴミステーションに投棄してしまっている事例は非常に多いのではないかと思います。
    また、認可を受けていないゴミ収集業者に回収依頼した場合、じつはその業者が不法投棄をしている場合がありますが、この場合でもゴミ収集業者を呼んだ事業者も不法投棄として罰せられます。

    参考リンク廃棄物の処理及び清掃に関する法律(五章第二十五条第一項第十四号)で、不法投棄を行った者は、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金(法人に対しては3億円以下の罰金)に処し、又はこれを併科するとあります。

    事業ゴミの回収
    クラウンクラウンでは自治体の指定業者にごみを分別して回収に来てもらっています。写真は段ボール(資源ゴミ)の回収の様子です。

  12. その他法令違反

    タクシー業界では白タクと呼ばれる法令違反は有名ですね。これは国から営業許可を取らず(取れず)に白ナンバーの車両でタクシー業を営むことです。同様に白トラックなどもありますが、工事業界でも同様のいわゆるモグリ業者は数多くいます。タクシーやトラックと違って表向きにはわかりづらいため蔓延していますが、例えば電気工事業の登録をしていない電気工事業者などがいます。貨物運送の無許可営業よりも罰則が緩く、気づかれにくい、取り締まり事例が少ない、法律の認知度が低いなどのことからなかなか減らない印象です。

  13. 実際は安くない

    広告上は安く見えても実際は安くないという事例です。場合によっては法律違反に当たるのですがまだまだ取り締まりが追い付いていない状況です。
    某マッチングプラットフォームでは「金額の安い順に並び変える」などの機能がありますが、例えばアンテナ工事の場合基本工事料金のみの比較であり、ブースターを含めた金額では順位が入れ替わることもあります。ネットで見かけるアンテナ工事業者も、施工事例の写真はブースター付きでも、表示されている金額はアンテナだけの基本料金と言うこともよくあります。

    景品表示法は、正式には、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)といいます。
    消費者なら、誰もがより良い商品やサービスを求めます。ところが、実際より良く見せかける表示が行われたり、過大な景品付き販売が行われると、それらにつられて消費者が実際には質の良くない商品やサービスを買ってしまい不利益を被るおそれがあります。
    景品表示法は、商品やサービスの品質、内容、価格等を偽って表示を行うことを厳しく規制するとともに、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限することなどにより、消費者のみなさんがより良い商品やサービスを自主的かつ合理的に選べる環境を守ります。

  14. 別の目的がある

    これは実際に見聞きしたものではなく、もしかしたらこうなんじゃないの?って思ってしまうくらい安かったよと言う話ですが、とあるプラットフォームで「人件費も出ないほどの金額で請け負うと言われたけれど犯罪の下見だったら怖いと思って家に来てもらうのを断った」という内容のツイートを見たことがあります。自宅の中に入っていく職業って非常に少ないので、そういう職業に成りすまして本当の目的が別のところにある、と言うこともあるかもしれません。
    アンテナ工事で呼んだのに他のセールスをされて契約してしまった、と言うものもブラックではなくてもそれに近いかもしれませんね。

安値であることは消費者を思っているからなのか

価格が安いということは、消費者にとって提供する価値の一つとしてはわかりやすくインパクトがありますね。商品の値段では多くの場合「安値は正義」であり、一番安い所で購入するというのは必然的な流れです。他には支払い方法や配送方法、発送時期、ポイント、提携サービスなども考慮されるかもしれませんが、極端な話どこで購入しても届くのは同じものなので、安いことが絶対的な価値となるのです。
これがサービスとなると話は変わります。安さが一つの正義であることは確かですが、一番大切なのは金額ではなく「サービスの品質」だと思います。
ここでいう大切な品質とは、最高品質であることではなく、使用に耐えうる(または法的に問題のない)十分な品質であるということです。
その上で更に高品質にすることや、保証を長くつけること、顧客ごとのニーズに合わせて工夫したりカスタマイズすること、しっかりとしたアフターフォローを行うこと、金額を下げること、などになると思います。
もし安易に「値段を下げれば注文が入るだろう」と考えているのは消費者のことを考えているのではなくバカにしているような気がします。

安い工事業者に工事を頼むリスク

最初に安い工事業者の理由を書きました。これら以外にも様々な工夫や事情があるかと思いますが、基本的に事として言えるのは以下の内容です。
ある程度の規模でやっている場合以外、安値であることはネガティブな理由からということです。
するとどういったリスクがあるのか考えてみましょう。

  1. 低品質工事のリスク

    これは様々な理由で引き起こされます。

    • 第一に低価格低品質の材料を使うことによる耐久力の低下がありますが、これよりも深刻なのは規格外の材料を使うことです。2010年にはJRで不適切な材料の使用による事故が起き、ニュースでも大きく取り上げられました。他にも屋外に鉄のビスを使用することで数年後に壁に錆汁による汚れがついたり、劣化による強度不足から倒壊事故が起こるなどの事例があります。また安いアンテナケーブルを使うことにより、屋外のアンテナ線が劣化しアンテナ線内部に水が入り込み、結果としてジョイント部分で断線する事例があります。
    • POINT2010年3月23日にJR目白駅付近でパラボラアンテナのケーブルが「屋内用」結束バンドで固定されていたため、短い期間で紫外線による劣化で結束バンドが切れ、ケーブルが架線に接触して停電事故が起きた。山手線内・外回り、湘南新宿ライン全線、埼京線大宮~大崎間などが運転を見合わせ、最大で1時間半程度4700人の乗客が電車内に閉じ込められたという事故が起こった。
    • 知識不足による低品質工事もあります。これは業界的にちゃんとした知識を身に着ける環境に恵まれていないことにも原因がありますが、浅い知識と経験で参入してきた業者で起こり得る事例で、多くが事故につながります。弊社でも様々な手直し工事で知識不足の施工を目にしますが、極めつけとしては屋外で防水せずにアンテナ線をジョイントしていた事例と、石膏ボード用アンカーでアンテナを設置していた事例です。(事故事例参照)またビス穴の防水については間違っている業者は多く、ビス穴ではなくビスを保護しているのをよく見かけます。錆防止の為でしょうか。
    • 間違った防水処理
      防水処理と言うより、鉄ビスが錆びないようにコーキングをしているのかもしれませんが、錆対策はステンレスビスを使い、防水の為には穴に対してコーキングをする必要があります。またこのコーキングは屋内用のもののようです。
    • 手抜き工事による低品質工事もあります。アンテナ工事は屋根の上なども含め、消費者が後から見ようと思ってもよく見えなかったり全く見えない部分でも工事が行われます。
      そのため手を抜こうと思えば様々な手抜きができます。
    • ずさんな追加工事
      大々的に安さを売りにしている工事会社のずさんな追加工事事例。アンテナ線取り出し口近くにアンテナがつけられない場合はこのような配線で1万円の追加となるとのこと。BSアンテナに付属している線を使っており、長さがギリギリだったようで無理な配線をしています。コーキングの汚れもそのままです。
      屋根板金への直接ビス打ち
      屋根の上を配線する際に、板金部分にそのままビスを打っていた事例。特に防水対策もされておらず危険です。またアンテナ線も品質が低いのか既にボロボロでした。

      ジョイント部分の手抜き工事
      ジョイント部分に防水端子を使用せず、防水テープもまいていなかったため、工事後に水が入りショートしてBSが映らなくなった事例です。

  2. アフターフォローのリスク

    保証期間は長ければ長いほど信頼できると思いがちですが、そもそも保証する気がなければ何とでも言えます。
    よくあるのが工事の際に渡された保証書をなくすと一切保証が受けられないという事例。その他領収書や伝票もセットで残していないと対応してもらえないこともあるようです。
    顧客情報の管理ができていないため、問い合わせても伝票を持っていなければ何も対応してもらえないということのようです。
    中には会社自体がなくなってしまったり、サービスが終了してアフターフォローが何も期待できないという場合もあります。

    POINT2020年3月までの契約では、瑕疵担保責任として最低1年間の保証が定められていましたが既に期間は終了しております。2020年4月以降の契約は民法改正による「契約不適合責任」と変更となっています。そのため契約の条件を満たしていない工事に対して、消費者は「解除」「損害賠償」「追完請求」「代金減額請求」ができるようになっています。しかし、アンテナ工事は高くても10数万円程度と考えられますので、相手が素直に応じない場合裁判を起こしてまで争うメリットがあるか判断は難しい所でしょう。

事故事例

  1. 知識不足による間違った部材選定によるアンテナ落下事故

    強風でアンテナが落下してきたため、補修工事を依頼された事例です。
    家の構造を詳しく知ることは大変ですが、そもそも使っている材料に対する知識が足りていない事例です。
    単純にビス止めで済ませるよりも手間はかかっていますが、強度は落ちてしまっています。

    石膏ボード用簡易アンカーでアンテナを固定
    アンテナが固定されていた破風がはがれたものですが、石膏ボード用アンカーで固定されていたようです。内側にコーキングを塗ることで強度を高めたつもりでしょうが、破風の表側の装飾部分ではそもそもアンテナを支える耐力が足りていません。

    破風にボードアンカー
    破風側を見ると金具の形に表面のボードがもぎ取られた跡が残っています。アンカーは下地に効かせておらず、先端で削られているだけでした。

    工事会社の領収書兼保証書
    平成23年の工事からよく最近までもっていたと言えますが、この会社がまだ現存することも驚きです。

    元々お客様は施工会社に連絡が取れなくなったということでご相談をいただきましたが、弊社で調べた結果住所を移して営業を続けているようでした。電話番号は変わっているようでつながらなかったのですが、伝票自体はアンテナ工事としてしっかり作られていたので、他にも多くの被害にあわれた方や潜在的に事故のリスクを抱えているところは多そうです。現存する会社なので会社名は伏せています。以前アンテナメーカーから「短いビスで固定しているアンテナの落下事例」と言うのを聞いたことがありますが、もしかしたら同じ会社かもしれません。短いビスがしっかり効かなかったので、ボード用アンカーを使って、更に心配なのでコーキングを内側に入れたということのような気がします。けが人が出なかったのは幸いですが、この事故でお隣の家にも被害が出てしまい大変な思いをされてしまったようです。履歴事項全部証明書を取り寄せたところ、2020年12月16日に解散しておりました。こちらは株式会社トライ(伝票等の表記はアルファベットでTRY)と言う会社でした。同じ会社でアンテナ工事をされた方は現在問題がないように見えても早急に点検をお勧めいたします。弊社にもお気軽にお問い合わせください。

安さはお得なのか

アンテナ工事のお客様の中には、CATV(ケーブルテレビ)から乗り換えるお客様も多くいらっしゃいます。
月々のコストがもったいないからと言うことが多いですね。
アンテナの寿命はだいぶ長いのですが、メンテナンスなどを考えると一応10年程度で元を取ると感が手計算されることが多いと思います。
アンテナ工事で例えば5万円の差があった場合、1日あたりに計算してしまうと一日あたり13.7円、1月あたり417円、1年あたり5000円の差となります。
また、品質が悪い工事だと5年も持たないことがありますが、5年の寿命と10年の寿命で比べると、単純に5年の寿命のアンテナは価値が半分となります。
例えば4万円で5年間持ったアンテナと、8万円で10年使えているアンテナでは価値は同じくらい、事故が起きた場合のことを考えると比較対象としては既に難しくなります。
アンテナは長年使う設備なので、金額だけではなく内容もよく考える必要がありますね。

会社情報は確認しましょう

ウェブサイトの表記を100%信じられるかというと難しいのですが、まずは工事会社の会社概要、資格、許認可を確認しましょう。
アンテナ工事専門会社は少なく、一般的には他の設備工事も兼業しています。
兼業が悪いということではなく、通常電気工事も扱うことが多いと思います(アンテナ工事でも電源を増設する場合などもある)ので、電気工事業の登録をしていることが一般的です。
会社の住所や電話番号、代表者の名前程度は一度検索してみましょう。自社ウェブサイトだけではわからなかった情報が出てくることもあります。

設備工事会社の課徴金納付命令事例

とある設備工事会社が2017年に措置命令、2018年に課徴金納付命令が出ています。
概要としては

  1. 自社ウェブサイト及び自社とは無関係の事業者が運営するものであるかのように装っていた
  2. 役務提供の拠点数を過大に表示していた(実際は90以下のところ1000拠点4000人以上のスタッフと表示)
  3. 年間実績件数を課題に表示していた(実際は2835件のところ、年間実績10万件以上と表示)
  4. 虚偽の取材実績(ZIP!、グッド!モーニングからの取材実績がないのに、あったと表示)
  5. 虚偽の実績(防衛省、警察庁、国税庁、全農、日本郵便、JR東日本及び関西電力のロゴマーク等に係る事業者等からの受注実績はない)
  6. 「業界No.1」の表示
  7. その他多岐にわたります。

非常に多くの虚偽表示があったために取り締まり対象となりましたが、まだまだ似たようなことをやっている業者は多くありますので消費者も注意が必要です。
他にもアンテナ工事とは別事業で措置命令および課徴金納付命令が出ている会社もあります。サービス名と会社名が異なるとわかりづらいですが、このページを見ている方のほとんどが目にしたことのある会社だと思います。

安い工事業者に工事を頼むリスク