【原因と対処】中古物件に引っ越したらテレビが映らない!

E202

集合住宅から戸建てに移り住むときに、アンテナのことはあまり考えない方が多いかとは思います。
特に屋根の上にアンテナが立っていればそのままテレビが映るものと考えがちですが、実際には映らなくて困ったというご相談をたびたび受けます。
このコラムでは、ご自身でできる確認方法と対策・対処方法、どういった場合にプロを呼ぶ必要があるのかなどを解説します。とりあえず相談したいという場合でも弊社では無料のご相談(電話またはメール)を受け付けておりますのでお気軽にご相談ください。
さまざまな問題解決に役立つよう、ボリュームのあるものとなっております。目次から必要そうな項目を探し出し、そこから読み進めていっていただいても大丈夫です。

目次 開く

引っ越し先が戸建てか集合住宅かによって対応は変わる

引っ越し先でテレビをつなげて、いざテレビを見ようと思ったら映らない!なんて時は引っ越しの疲れが一気に襲ってきますね。
そこでここから先は自分でできるチェック項目や、直し方などを紹介しますが、戸建てへの引っ越しと集合住宅への引っ越しでは内容が全く変わってくる部分があります。
戸建ての場合は自分自身でやることのできる範囲に加え、プロじゃないとどうしようもない部分も多くありますが、集合住宅の場合大体は自分で簡単に直すことができるかと思います。

集合住宅の場合

特殊な状況でない限り、集合住宅では地上デジタル放送の受信環境は整備されていると思います。
背の高いマンションでは目視で確認するのは難しいですが、てっぺんにアンテナが立っていることがよくあります。
背の低いアパートなども含め、アンテナが見当たらない場合はケーブルテレビなどがひかれていることが考えられます。いずれにしてもテレビを設置してしかるべき設定をすればテレビが映ると考えることが自然です。
それにもかかわらずテレビが映らないという場合は多くの場合テレビの設置方法や設定に何か問題があります。
道具や材料が必要になる場合もありますが、比較的簡単に直せることが多いと思います。

マンションの屋上にあるアンテナ
マンションやビルの屋上にはアンテナがついていることが多いです

多くの場合は自分で解決する必要がある

地上デジタル放送の電波はアンテナの差込口まで来ていると前提して、残りは引越しとともに持ち込んだテレビ本体とテレビまでの配線に何かしら原因があると考えるのが一般的です。
焦らずにこの先にチェック項目などを確認してみましょう。
念のためマンションの管理会社・管理人や不動産会などへの連絡先や、連絡できる時間帯の確認などは先に済ませておきましょう。

戸建ての場合

戸建てでテレビが映らない場合は非常に多くの原因が考えられます。
まず簡単に確認すべきは、以前住んでいた方はどのくらい前までいらっしゃったのか、その方はテレビをご覧になっていたのか。その場合はアンテナで視聴していたのか、ケーブルテレビだったのか、などの確認もできた方がいいのですが、まずは簡単に確認できることからやっていきましょう。

引っ越し先に最初からついていたアンテナ
引っ越し先にこのようなアンテナがついていることもよくあります

戸建ての場合はプロに依頼する必要があるかも

上記で書いた通り、戸建ての場合は原因が複雑であったり工事が必要になることも多々あります。
そのためいくらかの出費が必要になることも覚悟しておきましょう。

テレビが映らないその症状は

テレビが映らないと一言で言ってもその症状によって原因はだいぶ絞ることができます。
ご自身で原因を探る場合に限らず、プロにお願いする場合でも、どういった症状なのか事前に整理しておくことはとても役に立つでしょう。

エラーコードE201,E202,E203と表示される

基本的なエラー画面ですが、これら三つのエラーコードはそれほど違いがないと思って構いません。
見るタイミングによってE201だったものがE202になっていた、ということもあります。
細かい違いはありますが、まずはエラーコードの種類よりもエラー画面が表示されていることが重要です。

電源が入らない

そもそもの電源が入らないということは、アンテナ以前の問題です。
テレビの電源ケーブルの挿し忘れということもありますが、ごくまれにコンセントに電気が流れていない場合やテレビが故障してしまったということもあるでしょう。
リモコンの電池が切れていた、リモコンが壊れていたなんてこともあります。

一部のチャンネルだけ映らない(映る)

一部のチャンネルだけ映る、映らない、という場合はアンテナが設置されている場合が多いです。
ですが電波が弱い、または悪いかのうせいがあります。
なおそれとは別に電波塔が異なるエリアに引っ越したことにより、テレビのチャンネル設定が適切に行われていないという場合もあります。
まず最初にチャンネルスキャン(初期スキャン)を行ってみるといいでしょう。
電波が弱い場合はアンテナに原因がある以外に、配線に問題がある場合もよくあります。(壁からテレビまでのアンテナケーブルなど)

一部の部屋だけ映らない(映る)

テレビが映る部屋と映らない部屋がある場合、もし屋根の上などにアンテナがあればそれは問題なく設置されている可能性が高いです。
増築や改築した形跡のある建物の場合、見た目には普通のアンテナ端子でも実際には線がつながっていないものもあります。
また一台だけ映らない場合はテレビの故障も考えられますから、テレビの場所を交換して試してみるのも確認としてはいい方法です。

考えられる原因と対処方法

上記でも少し触れましたが、こちらでは考えられる原因と解決方法(対処方法)を簡単に解説します。

B-CASカードがささっていない

意外と多くあるのがこのパターンです。B-CASカードとは地デジ化の際に導入された各種契約情報などを記録するためのICカードですが、これが引っ越しの際に抜けてしまったり抜けかかっている場合があります。
場合によってはこのICチップやテレビ側のICチップ読み取り機器が壊れてしまっている場合もあります。
通常B-CASカードを挿入してください、などの案内が画面に表示されます。
もともとテレビに付属しているものですが、同じ大きさのものであればテレビやレコーダーなど機種やメーカーを問わず使いまわすことが可能です。
うまく読み取れない場合は他のテレビなどと交換して試してみるといいでしょう。

一般向けB-CASカード
一般向けB-CASカード(画像はビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ社ウェブサイトより)

B-CASカードはお店で売っていない

B-CASカードが破損してしまった場合は、新しいものを入手する必要があります。
しかしB-CASカードは家電量販店などでは売っていません。
B-CASカードの再発行はB-CAS社(ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ社)へ再発行手続きを行う必要があります。
B-CASカードには赤い【地デジ+衛星放送用】と青い【地デジ専用】のカードがあり、それぞれ標準タイプとminiタイプの合計4種類があります。
2019年10月よりカード再発行費用は1枚につき2160円と改定されました。
なお、改造されたB-CASカードを使用することは犯罪です。必ず純正のものを使用しましょう。

電源コードがささっていない

まさかと思うかもしれませんが、弊社で依頼を受けて点検にお伺いした際に実際にあった事例です。
引っ越しでばたばたしていると、こんな単純でささいなことも気づけないことがあります。
「おかしいな、確認したつもりなんだけど」
と思われると思うのですが、念のためもう一度確認しましょう。もしかするとレコーダーやゲームなどの電源コードはささっていても、テレビの電源コードだけさし忘れていたなんてことも考えられます。
最近のテレビの電源コードはテレビ本体から抜くことができるものも多いため、テレビ自体から抜いてしまうと案外気づかないかもしれません。
またテレビの電源コードを紛失してしまったり、重いものの下敷きになって断線してしまった場合、同じ形の電源コードなら別のものでも利用できます。
一般的にはメガネケーブルというものが使われますが、差込が8の字のタイプと片方が直線になっているものがあります。
また耐用電流が低いと熱を持ったり発火の原因になりますので、買い替える場合は容量も確認して手配しましょう。

ブレーカーが落ちている

全体のブレーカーが落ちていれば照明がつかないので気づきやすいですが、一カ所だけブレーカーが落ちていたら気づきにくいですね。
それもテレビの電源につながっているブレーカーに限った話ではなく、アンテナの電波レベル(アンテナレベル)を強くするブースターのブレーカーが落ちていたら、他に影響はなくてもテレビだけ映らないということが起こりえます。
分電盤を確認して、落ちているブレーカーがないか確認しましょう。
多くの場合は大丈夫ですが、落ちているブレーカーを上げることで、全体の電気が落ちてしまうことがあります。
漏電している場合などが特にそうですが、ブレーカーを上げる場合は【いきなり電源が落ちるとまずいもの】がないか確認し、あれば事前に電源を落としましょう。できることならコンセントを抜いてしまっている方が安全です。
また全体(大元)のブレーカーが落ちると家全体に影響があります。そのため屋外の(コンセントを使って作業している)人も含め、ブレーカーを操作することを周知してからブレーカーを上げましょう。思わぬ事故が起きないようにするための基本的なルールです。
万が一ブレーカーを上げてもすぐに落ちてしまう場合などは、電気工事店や不動産会社などに速やかに連絡しましょう。
電気の事故は命に関わることもありますし、電気事故による火災も起こりえます。また火災保険の種類によっては漏電火災は保険の対象外となっている場合もあります。

ブースター電源が持ち去られている

2000年以前頃に建てられた一戸建ての場合、ブースター(アンテナで受信した電波を強くする機械)の電源が居間のテレビ裏に設置されていることがよくありました。すると前の住人が引っ越しの際にテレビの部品か何かと思って一緒に持っていってしまうことがよくあります。
ブースター電源は、アンテナ線を通じて屋根の上などにあるブースター本体に電源を送るための機械です。
今でいうとスマートフォンの充電をするためのバッテリーがどのメーカーのものでもいいように、このブースター電源もセットのものでなくても大丈夫です。
ただし気を付けなくてはいけないのは、ブースターによっては電圧が異なることと、地デジ専用と地デジ+BS用のブースターでは電流が異なることです。
今のブースターはほとんど15Vなのですが、以前は20Vのブースターもありました。例えば今はない八木アンテナ株式会社のEZDU35という機種などは20Vです。また地デジ+BS用のブースターはBSアンテナにも電気を送るため、地デジ専用ブースターよりも電気を使いますので、地デジブースター用の電源ユニットでは電気が足りない場合があります。
2.1AのUSB充電器だとiPadが充電できないのと同じというとイメージしやすいでしょうか。
そのため、ブースター電源がない時は電源を設置してあげればいいとはいえ、対応できるものを設置することが重要です。

アンテナケーブルが抜けている

アンテナ線がどこかで抜けてしまえば、電波はそこで止まってしまいます。
アンテナ線が抜けてしまう可能性がある場所は結構いくつもあります。
基本的にはアンテナ線を接続しているところであればどこでもその可能性はあるわけですが、特に抜けやすいのが屋外のブースターの接続部分です。
アンテナ線の引き回し方によっては、風や雪で引っ張られてしまって抜けてしまうのです。
視力が良ければ地上からアンテナを見上げて判断できるかもしれませんが、なかなか一般の方が判断するのは難しいですね。
他にアンテナ本体から線が抜けてしまったり、屋外のアンテナ線同士の接続部分が抜けてしまったり、接続部分に水が入って腐って断線してしまっていることもよくあります。
後は単純にテレビの後ろの配線が抜けてしまっていたり、テレビ側はささっていても壁のアンテナ端子から線が抜けてしまっている場合もあります。
ラックの中にレコーダーなどを設置している場合、線が短いとちょっと引っ張られたときにラックの中で抜けてしまっていることもあります。
ラックの中がよく見えない場合は、壁からテレビまで直接一本のアンテナ線でつなげてみるというのもいいでしょう。
アンテナ線の先端がコネクタ(先端部品)内で抜けかかってショートしてしまっていることなどもあります。

地デジのチャンネル設定が別の地域のまま

横浜にあるみなとみらい中継局は横浜市を中心に地デジの電波を発信していますが、その電波の帯域(物理チャンネルともいう)とスカイツリーから出ている電波の帯域は異なります。
横浜市の一部はスカイツリーの電波もみなとみらい中継局の電波も両方受信できる場合があり、混信してノイズにならないようにわざと周波数をずらしています。
そのため、みなとみらい中継局の電波を受信していたところから、スカイツリーの電波を受信している場所(戸建てに限らず集合住宅の場合も)に引っ越した際は、テレビやレコーダーのチャンネル設定をやり直す必要があります。
テレビのリモコンでメニュー画面を開き、初期設定や設置設定などのさらに先に、チャンネル設置、チャンネルスキャンなどと続きます。そこでチャンネルスキャン(初期スキャン)を行うと受信できるようになる場合があります。
これは電波の放送塔の違いだけではなく、CATV(ケーブルテレビ)で受信している環境の場合も、チャンネル設定をやり直さなくてはいけない場合があります。

テレビ本体の故障

なかなか信じがたいことですが、引っ越しをきっかけにテレビなどの家電製品が壊れてしまうことはまあまああります。
見てすぐわかるような破損であればすぐ気づきますし、引っ越しサービスを頼んだ結果であれば補償をしてもらえる場合もあると思います。
見た目にはわからないのに結局壊れてしまっている場合は、きっかけが引っ越しだったとしても、引っ越しサービスに責任があるとは言い切れません。ですから特段引っ越しサービスが家電などの引っ越し前後の故障について補償をするとうたっている場合を除き、完全に引っ越しが原因で故障したと言えないものは泣き寝入りになってしまうでしょう。もちろん引っ越しサービスに全く非がないかもしれませんので、引っ越しサービス側も対応が難しいでしょう。
テレビが複数台あれば、同じ状況で片方のテレビは映らない、電源が入らない、などと比べて故障かどうかの判断をすることができると思います。
一台しかない場合は症状によっては故障かどうかの判断が難しいので、その場合は他の原因がないかまず試し見てみましょう。
メーカーさんの出張修理も、故障していなかった場合も作業料はかかってしまいますので。

アンテナケーブルの接続間違い

アンテナ線はどこに接続すればいいのか。
簡単なようで知らない人にとっては非常に分かりづらいものです。
そのため意外とここで間違えていてテレビが映らない、もしくは映るには映るけれど視聴中にはノイズが出てしまう、なんてことがよくあります。
接続方法に自信がなければ一度説明書をよく読んでみましょう。
テレビのアンテナ端子(差込口)には「地デジ(UHF)」「BS/CS」などと表記がありますが、どこの端子の説明なのかわかりづらい場合もあります。
よく確かめて接続しましょう。
また一部の集合住宅では壁に二つのアンテナ端子があり、片方は地デジ+BS/CS+CSで、もう片方はCS(スカパー)専用端子という建物があります。
二つのうちどちらにさしでもテレビが映るわけでもなく、また片方が地デジで片方がBSというわけでもないちょっと特殊な端子の組み合わせの場合もあります。
地デジとBS/CSを視聴するためには、一つの端子から分波器や分配器を使ってアンテナ線を二股にして接続する必要があります。

ケーブルテレビ(CATV)や光回線でテレビを見ていた

一戸建ての中古物件の場合、アンテナが屋根に残っていても実際に直前の家主はケーブルテレビや光回線でテレビを視聴していたかもしれません。
そういった場合、屋根の上のアンテナは以前から使っておらず、アンテナケーブルもつながっていないと考えられます。
その場合はアンテナケーブルを接続する工事を行うか、アンテナを撤去して新しいアンテナを設置する工事が必要になります。
またこういった場合に屋根に残っているアンテナがアナログ時代のVHFと呼ばれるアンテナで地デジに対応していなかったり、東京タワーや地方局に向いていて、スカイツリーなど現在電波を受けるべき方向に向いていない場合もあります。
その場合はアンテナの方向調整か新設も必要になります。

立っているアンテナ地デジ用ではない

前項で触れましたが、VHFアンテナの場合は地デジの受信には使えません。
地デジの受信はUHFアンテナが必要です。UHFアンテナには昔からある八木式というもの以外にデザインアンテナというものもあります。
なかにはFMアンテナだけが立っているという場合もあります。
実際にあった例ですが、以前の家主はケーブルテレビで地デジを受信し、屋根の上にはラジオ受信用にFMアンテナだけを設置していたという事例です。
ケーブルテレビは有料契約しないと受信できませんので、屋根の上のFMアンテナを撤去し地デジアンテナを設置する必要がありました。

アンテナケーブルが劣化している

長年屋外で雨風や紫外線にさらされ続けたアンテナケーブルは劣化してしまっている場合があります。
シース(外装)と呼ばれるアンテナケーブルの外側の被覆部分がボロボロとはがれてしまったり、ひびが入ることがあります。
そのくらいでは電波の受信に大きな影響はないのですが、そういった隙間から入った雨水がケーブルのジョイント部分までしみこんでいくと、ジョイント部分でケーブルの心線(中心の導体)が腐り、断線してしまうことがあります。
断線しても、風でケーブルが揺れた際に接触したり離れたりを繰り返し、映るときと映らない時がある、という症状を引き起こす場合があります。
また雨が降ってしばらくの間は映らないという場合も、ケーブルのジョイント部分に水が入り、ブースターの電源がショートすることによってブースターが停止してしまうことによる視聴不可現象と考えられます。

ケーブルテレビ(CATV)の場合、テレビが対応していないことも

これは一戸建てではなくマンションなどの集合住宅に引っ越した場合の方が起きやすい事例ですが、一戸建てでも起きうる現象です。
ケーブルテレビや町内の共同アンテナ(協調アンテナ)などで受信した電波をケーブルテレビが利用する電波帯域(物理チャンネルのC13~C63チャンネル)で送信している場合があります。
ほとんどのテレビでチャンネル設定を行えば視聴できるのですが、海外製などを中心に一部のテレビやPC用のチューナーの一部、浴室用テレビの一部ではそういったチャンネルの受信に対応していないテレビがあります。
ミッドバンド、スーパーハイバンドに対応しているものであれば大丈夫で、ほとんどのテレビが対応しているのと、ミッドバンド、スーパーハイバンドで受信するケースが非常に少ないため、これらが起こることはなかなかありません。

自分でも確認できること

ここまでで解説した内容にも確認すべき点や対策などを書いてきましたが、まず何からやればいいのかわからない人はここから読んでいただいてもいいと思います。

アンテナが設置されているか確認

一番基本ではありますが、アンテナが設置されているか確認しましょう。
ただし、アンテナと言っても今はいろいろな見た目、取り付け方があります。

屋根の上

一番オーソドックスなパターンです。
屋根の上にワイヤーで支えられたアンテナがあるかどうかを下から見上げてみましょう。
この時に確認するポイントとしては

  1. 地デジ用のアンテナ(UHFアンテナ)が設置されている
  2. アンテナの向きがあっている
  3. アンテナケーブルが抜けていない
  4. ワイヤーが切れていたり大きくたるんでいない(倒れる危険性の確認)

などがあります。

放送塔方面の壁

近年は壁に取り付けるタイプのデザインアンテナと呼ばれるものが多く設置されるようになりました。
壁面に設置する場合は、電波の到来方向に向ける都合上どの壁でもいいわけではありません。
例えばさいたま市であれば南東方向のスカイツリーから電波を受信するため、南もしくは東の壁に設置されていることが多いです。
デザインアンテナという言葉もだいぶ定着した感がありますが、テレビで最初にこのデザインアンテナを紹介したのはおそらく弊社代表の松本だと思います。
地デジ移行時のアンテナ工事事情ということでテレビ東京のモーニングサテライトで取材していただきました(※この会社設立前で別の会社のCTOとしてちょっとだけ出演させていただきました)。

ブースターの電源の確認

ブースターの電源については少し前でも触れましたが、ブースターの電源の確認は大きなポイントです。
場所によっては一般の人が確認するには難しい場合もあるので、無理のない範囲で行うにとどめておきましょう。

お風呂の上

ユニットバスの場合はここに設置されていることが非常に多いです。
台の上に載ってみる場合は、二人一組で台を支えてもらって作業をしてください。
スマートフォンのライトでも構いませんが、明かりは必要になります。
意外とホコリもたまっていることが多いのでマスクやタオルでホコリ対策をしましょう。

天井裏

ユニットバスの上にない場合やそもそもユニットバスではない場合は、天井裏に設置されていることがあります。
押入れの天井の板に切れ目がある場合は、そこを持ち上げると屋根裏に入れます。
屋根裏に設置されている場合はほとんどが屋根裏の入口(点検口)そばなので、入り口付近で見当たらなければ無理に中に入ることはお勧めしません。
釘が出ていたり、足を踏み外すと下に落ちますが、落ちた場所が階段だったりすると命に関わります。
慣れていない人が屋根裏の中に入るのは非常に危険なので、入り口を覗く程度にとどめましょう。

マルチメディアボックス(情報分電盤)

マルチメディアボックスや情報ボックス、情報分電盤などと呼ばれるブースターや分配器を収めておくケースが設置されている場合があります。
その場合は、そのボックスの中に設置されていると思います。
一般的には屋内ですが、セキスイハウスなどハウスメーカーによっては屋外に設置されている場合もあります。

屋外のマルチメディアボックス
セキスイハウスはこのように屋外にマルチメディアボックスが設置されていることが多かったです
セキスイハウスのマルチメディアボックスの中身
このブースター電源のコンセントが抜かれていることもあります
屋内用MB
オープンハウス・ディベロップメントのマルチメディアボックス

部屋の中にあったかも

少し築年数の経った家では、ブースター電源が居間に置かれていることも多くあります。
昔ながらの畳の居間の角にテレビの設置場所があり、そこに電源ユニットが置かれていることが多くありました。
ですが、こういう場所に設置されていた電源ユニットの多くは前の家主が間違えて持って行ってしまうようです。

ケーブルテレビ(CATV)がつながっている

アンテナが立っているかどうかに限らず、ケーブルテレビの線が建物につながっている場合は、以前お住まいだった方はケーブルテレビでテレビを視聴していた可能性が高いです。その場合は有料契約をして今のケーブルテレビの線をそのまま使うか、別途アンテナ工事を行う必要があるでしょう。

ケーブルテレビの保安器です
この事例では地中ケーブルだったため足元のボックスに収納されていました

地デジを見るための方法は大きく3つ

地デジ放送を視聴するには主に以下の三つの方法があります。

地デジアンテナを設置

オーソドックスな方法としては、地デジ用のアンテナを設置することです。
一戸建てでも賃貸の場合は管理会社に確認する必要がありますが、長く使えて月々の固定費もかからずに済むため今でも標準的な視聴方法だと言えるでしょう。
屋根の上につけたくない、アンテナをワイヤーで固定するのは台風の時に心配という声も多く聞きますが、今は壁面に設置するデザインアンテナや屋根裏内に隠して設置してしまう方法などもあります。

今の主流はデザインアンテナ

デザインアンテナ自体はずいぶん前から出ていたのですが、多くの工事業者が使うようになったのはここ数年の間ではないでしょうか。
アンテナもエクステリアの一部として設置できることや、ワイヤーで支えるわけではないため台風などの風災に強いこともメリットです。
メーカーによるデザインの違いや外壁に合わせた色の違いを選ぶことができますが、工事業者によっては設置するアンテナが限られていることもあります。
他にも注意点としては、屋根の上に建てるアンテナと比較すると高さが4m程度低くなり、周りの住宅も電波の障害になることなどから、一般的な電波の視聴エリアよりも狭い範囲の受信になる可能性があります。また地域によっては電波が垂直偏波と呼ばれる方式で、一般的なデザインアンテナでは電波が受信できないことがあります。
弊社では小型のデザインアンテナや、円柱状のユニコーンアンテナなどもお選びいただけます。

選べるアンテナ一覧
クラウンクラウンで主に取り扱っているデザインアンテナです

屋根裏にも設置できる

金属屋根や太陽光パネル越しには電波を受信するのは難しいのですが、そのほか多くの屋根越し、壁越しであれば地デジの電波はそれほど問題なく受信できます。
屋根裏に設置することで、アンテナの設置高さが壁面よりも高くなり、近隣の住宅の影響を受けづらくなります。
雨風の影響も受けず、設置個所からの雨漏りなどの心配もいりません。
注意点としては、工事金額がやや高額になりがちだということと、高品質の設置には高レベルの技術と知識が必要になってくることが挙げられます。

屋根裏に設置されたフラットタイプのデザインアンテナ
屋根裏では柱が多い場合も少ない場合も八木式アンテナは設置条件が厳しくなります

昔ながらの八木式のメリット・デメリット

昔から長く使われている八木式のアンテナですが、長く使われていることにはやはりそれなりの理由があります。
一番はアンテナを高く上げることで周囲の障害物の影響を抑えることができる点です。
実際には八木式アンテナにもたくさんの種類やメーカーごとの見た目の差もあるのですが、多くの場合同じアンテナで様々な現場に対応することができるため工事業者にとって在庫リスクが抑えることができます。また一度設置しても場所を少し移動したり、高さを調整することなどにより受信状況を改善できます。
現在は高所作業に命綱などの利用と特別教育が法律で義務付けられていますが、いまだに命綱なしで作業をしている業者を多く見かけます。
工事料金を安く抑えるためかもしれませんが、工事を依頼する際は法令遵守ができている業者選びをおすすめします。
また八木式アンテナをワイヤーで固定する従来の方法では、風災や雪害に弱いこと、鳥などによる糞の被害、倒壊した際に近所に迷惑をかける可能性があるなどのデメリットがあります。

ケーブルテレビ(CATV)を契約

ケーブルテレビは住宅の外観を損なわず、倒壊の心配などもありません。
また多チャンネル放送を見ることができたり、インターネットや電話サービスもまとめて契約できる場合があり便利です。
デメリットとしては

  1. インターネットの回線の速度が早くない(J:COMの場合、下り1Mbpsコース~320Mbpsコースに対して携帯電話の5Gは4.1Gbpsとなるためその差は最速でも10分の1以下)
  2. テレビの視聴だけでも毎月固定費がかかる
  3. 災害で被害を受けた場合の復旧に時間がかかる(大型台風で被害を受けた際にケーブルテレビの復旧には数ヵ月かかった事例があります)
  4. 契約時、解約時それぞれ費用がかかる
  5. テレビを2台以上契約すると料金があがる場合がある


などがあげられます。
災害時の復旧には時間がかかりますが、そもそも屋根上のアンテナよりも被害を受けにくいというメリットもあります。

光回線でテレビを見る

ひかりTVやフレッツ・テレビ、またビッグローブ光テレビ、ソフトバンク光テレビ、ドコモ光テレビなどがあります。
注意点としては

  1. インターネットのプロバイダーによって利用できるものとできないものがある
  2. 初期費用がかかる
  3. 月額固定費がかかる
  4. お住まいの地域によっては利用できない
  5. 解約やサービス変更が手間(タイミングによっては解約金が必要)
  6. ひかりTVのサービスは、テレビ1台ごとにSTB(セットトップボックス)と呼ばれるチューナーのようなものが必要になる


などがあります。
メリットとしては、

  1. 森に囲まれたような電波の届きにくい場所でも受信できる
  2. ひかりTVは無線で受信できるSTBがある(ケーブルを引き回す必要がない)
  3. 組み合わせによっては既存の支払いに月々750円程度の追加で視聴できる


などがあります。

引っ越しの際に気を付けること

テレビの視聴について引っ越しの際に気を付けることをまとめました

テレビの梱包はしっかり

引っ越しサービスを頼む場合はお任せすることができますが、格安のプランでサービスを利用したりご自身で引っ越しを行う場合は十分に養生をしておきましょう。
エアパッキンなどを最低2重巻きすること、液晶の前面には液晶よりも大きいサイズの段ボールなどをあてておくことなどが重要です。
なお、テレビは基本自立もしくは自立した状態で箱詰めしましょう。そのため足の下にまでエアパッキンなどを巻いてしまうと不安定になり、運送中に倒れて壊れてしまう場合もありますので注意が必要です。
また外したケーブルなどは袋に入れてテレビの梱包に貼り付けておくとなくしにくいです。
特にリモコンが引っ越しの後に見当たらなくて困るという話を聞きます。
説明書はテレビと一緒に梱包するか、すべての説明書を一カ所にまとめておくと困りませんね。

テレビ配線に印をつける

引っ越しの準備の際に、テレビ裏の配線には印をつけておきましょう。
マスキングテープなどで印をつけるとわかりやすく、はずした後もべたつきにくいのでおすすめです。
またその状態で写真を撮っておくのもいいですね。

実際にあった事例

引っ越して来たらアンテナは屋根の上についているのに、テレビが全く映らないという相談が入りました。

原因はブースターの電源ユニットがなくなっていたこと

結論から言うとブースターの電源がなくなってしまっていました。
前述したようにブースター電源がユニットバス上(分配器設置場所)になかった時点でほぼ決まりなのですが、以前の住人はブースター電源を部屋の中に置いていたと考えられます。そうすると、引越しの時にテレビの部品だと勘違いして一緒に持っていってしまうということがたびたび起こります。
それであれば、現在設置されているブースターに対応する電源を設置してあげれば解決です。
一般的には15Vなのですが、以前の八木アンテナ株式会社(現在の株式会社HYSエンジニアリングサービス)が販売していた地デジブースターは20Vのタイプがあるので注意が必要です。
どこかのアンテナ端子(もしくは直接引き込まれている線の場合もあります)から電気が送れるようになっているはずなので、一カ所ずつ電源をつなげて、テレビが映るかを確認すれば解決です。

ちょっとした裏技

すぐに解決したいが、ブースターの電源は手に入りにくい、という場合に裏技があります。
それは、テレビの「BSコンバーター用電源」を利用するやり方です。
電源が流せる端子から、通常はテレビ(もしくはレコーダー)の地デジ入力にアンテナ配線を差し込みますが、この配線を分波器(もしくは分配器)を使用して二股に分けます。その二本を地デジ入力、BS入力に差し込みます(※分配器の場合BS側が電流通貨端子になっていること)。そして、テレビまたはレコーダーの設定メニューから「BSコンバーター電源」をONにすればいいのです。
ただし注意点が二つあります。
一つは、ブースターが15Vタイプであること、もう一つはテレビの場合に「連動」ではなく「常時ON」が選べることです。テレビの場合はBSチャンネルを選択している時だけ、もしくはテレビの電源が入っている時だけ電源がONになるというものがあります。その場合はこの裏技は使えませんのでご注意ください。
なお、この方法を推奨するわけではなく、本来はブースターを丸ごと入れ替えることをおすすめします。

現場での考察

その他のパターン

ほとんどここまでで触れていることですが、今回のようにブースター電源が撤去されていた、ということ以外では以下のようなことが考えられます。

  1. 引越し前と放送局が違っているため、チャンネルを設定し直す必要がある
  2. アンテナに配線がつながっていない・断線している
  3. ブースターが故障している
  4. アンテナがアナログの時のもの
  5. 関東圏の場合、アンテナが東京タワーに向いている(適切な方向に向いていない)
  6. そもそもアンテナが設置されていない
  7. テレビの配線がうまくいっていない

例えば県外などから引っ越しをした場合、電波塔が変わり、設定チャンネルが違う場合があります。その場合はテレビの設定メニューからチャンネルスキャンをすれば直ります。中にはNHKだけ映らない、なんてこともあります。例えば平塚中継局と東京スカイツリーでは民放キー局とEテレは同じチャンネルなのですが、NHK総合が別チャンネルとなっています。ほかにTVKとTOKYO MXがトレードオフの関係にあります。

アンテナケーブルの断線の場合、下から見上げてもわからないことも多いのですが、屋根からアンテナ配線がぶら下がっているなど目視で確認できる場合もあります。
また、ブースターが故障していた李、ブースター電源がつながっていないなどの場合は、テレビで電波状況を見てみると全く電波を受信していない表示になりますが、アンテナの方向がずれていたり、接触不良などの場合は、わずかながらでも電波を受信している表示になることが多いです。

おおよそ以上となりますが、この場合は原則として専門業者に見てもらうのが一番です。なお、長年人が住んでいなかった場合や、引越し直前にリフォーム、リノベーションを行った場合は配線がうまくつながっていないなどのトラブルもわずかながらに考えられます。
仲介業者、前の住人、リフォーム会社などと連絡が取れる場合は、以前の状況を聞いてみると解決の糸口になるばかりか、無料で対応してもらえる可能性もありますので、まずはそちらに連絡を取ってみましょう。
なかなか答えが返ってこなかったり、対応がいまいちだと感じた場合はお気軽に弊社までご相談ください。
中には、テレビの電源は挿したものの、アンテナ線を挿していなかったなんてこともあります。ご自身でつなげたことがない方は意外と気づかないこともありますね。

今回の工事料金

工事のポイント

今回はすぐに原因が判明し、工事もあっという間だったのですが、前述したようにブースター本体から交換するのが最善の工事となります。ですが、ブースターが故障してしまった場合はアンテナ本体から工事をやり直すことをご検討いただき、今回はブースター電源の設置のみで終了しています。

施工時間

状況確認~カウンセリング:20分
施工時間:5分
となっています。

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