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スターリンク

目次(矢印クリックで開閉)

最近、「スターリンクミニを設置したい」というご相談を多くいただいています。小型で持ち運びがしやすく、電源を接続するだけですぐ使えるという点で、非常時や移動先での利用に便利だと注目されています。

ミニはアンテナとルーターが一体型になっており、設置の手軽さでは従来型に比べて優れています。

一方で、自宅にスターリンクミニを常設設置する場合には、いくつかの技術的・実用的な注意点があります。特に都市部や住宅街での運用を想定する場合、環境に適した選択が重要です。

DFS干渉とその影響

スターリンクミニは屋外使用を前提としており、常に「屋外モード」で動作します。そのため、DFS(Dynamic Frequency Selection)による制限が常時有効になります。

DFSは気象レーダーなどとの干渉を避けるための仕組みで、干渉を検知すると該当チャンネルの通信が最大30分間停止する可能性があります。これは5GHz帯の通信に限られますが、想定外の通信断が発生する原因になります。

ただし、2.4GHz帯の通信はこの制限の影響を受けません。特に屋外設置のスターリンクミニでは、屋内の端末と通信する際に2.4GHz帯がメインで使用されることが多く、通信安定性の面では重要な要素となります。

使用帯域の制限と通信範囲の課題

日本国内では、法的な制限によりスターリンクミニの5GHz帯通信はW56帯のみに限定されていると考えられます。W52やW53といった屋内専用帯域は使用できません。

そのため、通信範囲や安定性に影響が出ることがあり、鉄筋コンクリート住宅や複数階の戸建て住宅では、屋内まで安定したWi-Fiを届けるのが難しいケースもあります。

Wi-Fiの規格差による性能の違い

スターリンクミニはWi-Fi5(802.11ac)に対応していますが、標準フラットモデルにはWi-Fi6(802.11ax)対応の専用ルーターが付属しています。

Wi-Fi6は同時接続台数が多い環境や、通信の効率化に優れており、都市部や複数端末がある家庭では体感速度に差が出ることもあります。

アップロード速度の実用差に注意

スターリンクミニでもダウンロード速度は十分に出るケースが多いですが、アップロード速度では明確な差が出やすく、ビデオ会議や大容量ファイル送信などでは性能差が体感できます。

標準フラットモデルの利点(メリット)

標準フラットモデルは、アンテナとWi-Fi6対応の屋内ルーターが別体型となっており、アンテナから専用LANケーブルを引き込むことで、屋内に安定したネットワーク環境を構築できます。

LAN配線による屋内ネットワークの自由度

スターリンクミニにも専用LANケーブルを接続することは可能ですが、屋外に設置されたアンテナから屋内への配線を行う必要があり、標準フラットと手間は変わりません。

標準フラットモデルなら、最初から屋内設置を前提としたWi-Fiルーターが同梱されており、ネットワークの構成がシンプルになります。

長距離配線時の注意点(電源・LANの干渉)

スターリンクミニの配線では、電源(DC)とLANケーブルを一緒に屋内へ引き込むケースがあります。基本的には純正ケーブルを使用するため、ノイズ対策をケーブル選定で行うことはできません。

そのため、長距離配線を行う場合は、DCとLANケーブルを物理的に分けて配線したり、保護管内で触れ合わないように通すことで、通信障害のリスクを低減することができます。

スターリンクミニは一見コンパクトで便利に思えますが、屋外に恒常的に固定設置するにはいくつかの不安点があります。

例えば、付属のパイプアダプターはあくまで仮設用であり、風雨にさらされる環境での長期利用には耐えにくいと考えられます。

ただし仮設設置ではコンパクトに

短時間の利用であれば、スターリンクミニは高出力のモバイルバッテリーでも動作可能です。踏まれにくく、人に埋もれないような設置でもコンパクトに、軽量で実現できます。周りに障害物がなければ地面や車のボンネットなどに直接置いてしまってもすぐに使い始めることができます。

当社では、山奥の現場や携帯電波が届かない環境での施工時に、スターリンクミニを活用しています。工事車両にはスターリンクミニを搭載しており、ポータブル電源と組み合わせて現場用の通信回線として運用しています。

アンテナはルーフラック(梯子などを積載する車両用ラック)に専用金具で取り付けており、高速道路での移動中も脱落などは一切ありません。

※移動中の起動および通信利用は、現在の日本国内の規定では認められていません。使用は停車中に限定されます。

ルーフラックに設置したスターリンクミニ
山奥で工事をしていてもこれでつながります
スターリンクミニをルーフラックに純正金具で固定
純正金具でルーフラック(梯子用キャリア)に固定しています

また、スターリンクミニはアンテナとルーターが一体となって屋外に設置されるため、無線式の屋外防犯カメラとの相性が非常に良いという特徴もあります。

敷地内に回線を引くことが難しい現場や、電源だけで監視体制を構築したいというニーズにおいて、スターリンクミニを防犯カメラ専用ネットワークとして活用する事例も想定されます。

高性能アンテナも選択肢。ただし用途とコストに注意

スターリンクには、さらに大型の「高性能アンテナ」も存在します。耐風性や上り速度性能に優れていますが、アンテナの重量は標準フラットの約2倍となり、工事費用も大きく変わってきます。

ビジネス用途や公共施設など、より高い信頼性が求められる場合は選択肢になりますが、一般家庭での設置にはコストパフォーマンスを慎重に判断する必要があります。当社ではこうした特殊設置にも対応可能です。

高性能ムーブ(Performance)
某商業施設の屋上に取り付けた高性能ムーブ(Performance)
フェリーに取り付けた高性能フラット(Performance2)
フェリーに取り付けた高性能フラット(FHP:のちにPerformance2に改名)

クラウンクラウンでは最適な機種選定・設置方法のカウンセリングを行っています

クラウンクラウンでは、スターリンクの設置に関して、使用目的・設置環境・今後の活用方法まで考慮した機種選定と設置方法のカウンセリングを行っています。

ご相談いただければ、スターリンクミニ・標準フラット・高性能アンテナの各機種から、お客様にとって最適な構成をプロの目線でご提案いたします。

「どれを選んでいいかわからない」「本当に自宅に向いているのか不安」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

屋外電源で使えるって本当?

はい、ミニは電源さえ確保できれば使えます。ただし、スターリンクのACアダプターは通常の家庭用コンセントを前提にしており、屋外用の防水ジャンクションボックスを介して安全に接続する必要があります。

雨水が侵入しないよう、接続部は地面から離して固定し、屋外用延長コードも使用してください。

穴をあけずに配線できるの?

スターリンクミニの専用LANケーブルを屋内に引き込む場合、壁への穴あけが必要なケースもありますが、築20年未満の住宅であれば通信配管を経由して配線できることもあります。

標準フラットも同様で、標準ムーブに比べると先端形状がコンパクトになりましたが、どちらのモデルも先端成形された専用ケーブルを使用するため、事前の配管確認が重要です。

取り外して持ち出せる?

仮設置やルーフバルコニーなどで手の届く位置に設置する場合は取り外しも可能ですが、長期利用の場合は基本的に見通しの良い場所にしっかり固定するのが前提です。

再度設置する際に固定が甘くならないよう、金具やボルトの扱いには注意が必要です。当社では着脱前提の設置にも対応しています。

企業のBCP(事業継続計画)対策として、スターリンクの導入が進む中、現在「業務用」とも言える高性能ムーブアンテナが在庫処分価格で出回っているという情報があります(※表立った公式情報ではありません)。

このアンテナは自立スタンドが付属しており、アプリを使った細かい方向調整が不要な点が特長です。臨時利用や緊急用としては非常に手軽に導入できます。しかし、建物にしっかり固定して運用するなら、標準フラット型や高性能フラット型の方が設置性・耐久性に優れています。

国内正規代理店から購入した場合でも、工事は別会社に依頼できます。当社でも実際にそのようなケースで工事だけを請け負っており、代理店経由の工事よりも半額〜3分の1程度の費用で済むケースが多くあります。

さらに当社では、どのアンテナをどう設置すべきかといった実践的なアドバイスを提供しており、スターリンクの多数の施工実績に基づいた提案が可能です。

例えば、ある現場では「少し安くなっていたから」とムーブアンテナを購入されたものの、結果としてフラット型の方が適していた、というケースもありました。ムーブタイプの方が設置に手間がかかり、工事費が高くなることもあります。

スターリンク導入においては「アンテナ本体価格+工事費」の合計が初期費用になることに注意が必要です。またメンテナンスや使い勝手なども含めた長期コストもここに見込んで検討するのが望ましいです。機種や使用環境によっては、最新の標準型や高性能フラット型の方がトータルで見て安価に導入できる場合もあるため、ぜひ事前にご相談ください。

また、設置場所によっては高性能アンテナが必要なケースもあります。例えば高層ビルの屋上など、風の影響が強い場所では、標準型では不安が残るとの声もあります。当社では現在、大手金具メーカーと連携し、スターリンク専用の強化金具の開発も検討しています。

スターリンク導入をお考えの法人様は、価格や性能だけでなく、設置環境や運用方法も含めたトータル提案を行う当社までぜひご相談ください。

目次

スターリンクとは?

スターリンクとは、地球の低軌道上に配置された数千基(将来的には数万基)の衛星を用いて、インターネット通信を実現する革新的なシステムです。従来、日本のインターネット通信は主に海底ケーブルを介して海外と繋がっていましたが、スターリンクでは宇宙空間を経由した通信が可能となります。衛星通信自体は以前から存在しましたが、スターリンクは従来の衛星通信とは「通信速度」「応答速度」「初期費用」「運用コスト」「設備のサイズ」など、多くの面で桁違いに改善されていると評価されています。
一方、日本国内は世界的にも通信インフラが優れており、光回線と比べるとスターリンクは「高額で遅い」「災害時専用」といった認識がいまだ強いのが現状です。しかし、衛星の打ち上げが頻繁に行われ、技術的な進化が加速している現在、その認識は今後変わっていくかもしれません。

・スターリンクの通信速度と工事品質の関係を解説

今週、スターリンクアプリの速度測定画面が更新されました。最新の施工事例をもとに、それぞれの速度を比較してみましょう。

事例紹介と実測データ

千葉県千葉市の戸建て住宅:Wi-Fiルーターがボトルネックに?

chibashi starlink rev2 on the roof | 【実測400Mbps超】スターリンクの速度はここまで出る!工事で変わる通信品質 | 高品質工事専門会社のクラウンクラウン(テレビアンテナ・スターリンク・防犯カメラ)
千葉県千葉市中央区の設置事例:2025年3月23日
千葉市中央区のスターリンクスピードテスト
アプリによるスピードテスト画面

スターリンクの速度としては問題ない範囲だと思いますが、この日からアプリの速度測定画面が変更されました。以前はスターリンク本体の速度とWi-Fi速度を別々に測定できましたが、この時点ではWi-Fi経由での測定結果しか表示されませんでした。そのため、実際のスターリンク本体の速度は確認できませんでした。第2世代キットが影響している可能性もありますが、現時点でははっきりとした理由は不明です。
この測定はルーターのすぐ近くで行いましたが、それでも250Mbpsという結果でした。こちらのお宅は災害時のバックアップ回線としてスターリンクを導入されており、光回線も利用されています。神戸にお住まいのご親戚からスターリンクの導入を勧められたそうです。このような用途であれば、マルチWANルーターを導入して回線の冗長化を図ることをおすすめします。

岐阜県大垣市の工場設置:第3世代キットで実測405Mbps達成

case gifuken ogakishi starlink rev3 pedestrian bridge handrail | 【実測400Mbps超】スターリンクの速度はここまで出る!工事で変わる通信品質 | 高品質工事専門会社のクラウンクラウン(テレビアンテナ・スターリンク・防犯カメラ)
岐阜県大垣市の設置事例:2025年3月24日
岐阜県大垣市のスターリンクのスピードテスト
アプリによるスピードテスト画面

岐阜県大垣市にある工場の歩道橋に設置した事例です。当初は隣接する青い屋根上への設置を予定していましたが、歩道橋が障害物となり電波状況に影響するため、設置場所を歩道橋の手すりに変更しました。45mの専用ケーブルで接続していますが、実測速度は下り405Mbpsと非常に良好な数値が得られました。
第3世代スターリンクキットは標準ルーターがWi-Fi6に対応しており、スターリンク本来の高速性能を引き出しやすくなっています。また、有線LANポートが標準装備されているため、有線接続やネットワーク構築も容易です。工場などの産業施設では、光回線が届きにくいエリアもありますが、安定した高速通信が可能なスターリンクは非常に有効な選択肢となります。ただし、高速通信を安定させるためには、アンテナの確実な固定、障害物の回避、配線経路の工夫、ケーブルや貫通穴の適切な処理が重要です。

千葉県茂原市の伝統的和風建築への設置:実測420Mbpsを実現した工夫

千葉県茂原市のスターリンク設置工事事例
千葉県茂原市の設置事例:2025年3月25日
千葉県茂原市のスターリンクのスピードテスト
アプリによるスピードテスト画面

千葉県茂原市でのスターリンク設置事例です。こちらのお客様は、以前長野県でゲストヴィラにスターリンクを設置させていただいた方からのご紹介でした。
当初は1階の屋根側面(母屋小口)への取り付けを検討されていましたが、2階部分が障害物となって通信品質が落ちる可能性がありました。そのため、通信環境がより良好な2階の母屋小口(写真位置)に設置場所を変更しています。スターリンク付属の15mケーブルがぎりぎり届く範囲でしたので、事前に慎重な長さの測定と配線計画を行いました。※実際の工事ではケーブル長の正確な測定は難しいため、余裕を持った設計が重要です。
工事は夕方に開始し、完了後の速度測定は夜になりましたが、下り速度で420Mbpsという非常に良好な通信速度を記録しました。もし当初の予定通り1階に設置していた場合、これほどの速度は得られなかった可能性があります。

スターリンク設置時に通信速度を最大化するためのチップス

スターリンクの通信品質は、アンテナの位置だけでなく、屋内のWi-Fi環境にも大きく影響を受けます。アンテナからの通信速度が速くても、Wi-Fiがボトルネックとなり、十分な性能を発揮できないケースもあります。ここでは、スターリンクの性能を最大限に活用するための簡単なポイントをご紹介します。

・ルーターの設置位置で変わるWi-Fi品質

Wi-Fiの速度と安定性を高めるには、ルーターの設置場所選びが重要です。ルーターは家の中央付近、高い位置、そして障害物が少ない場所に設置しましょう。特に壁や家具、大型家電からの距離を確保すると、Wi-Fiの電波が届きやすくなります。もし速度が不安定な場合は、ルーターの設置場所を変えるだけでも改善する可能性があります。

・有線接続のすすめ

第3世代スターリンク(標準フラット)のルーターには有線LANポートが用意されています。有線接続を利用することで、Wi-Fiによる電波干渉や速度低下を避け、安定した高速通信を確保できます。特にオンラインゲームや動画配信、ウェブ会議などの安定性が求められる場面では、有線接続の利用を積極的に検討すると良いでしょう。

スターリンク工事業者選びのポイント

スターリンクの通信品質を最大限引き出すには、工事業者選びも重要です。実際、設置場所の判断や配線処理などの技術的要素が通信速度を左右することもあります。工事業者選びで気をつけるべきポイントを紹介します。

・専門業者ならではのノウハウとメリット

スターリンクの設置には、通信品質を考慮したアンテナの設置場所選定や、正確なケーブルの取り回しが求められます。スターリンクの施工実績が豊富な専門業者なら、通信を妨げる障害物の回避や電波状況を考慮した提案が可能です。実績があり、具体的な事例やデータを提示できる業者を選ぶことが、良好な通信品質への近道となります。

・設置環境に合わせた提案力の重要性

スターリンクの通信品質は設置環境や施工方法に大きく左右されます。そのため業者選びでは、アンテナやルーターの設置位置だけでなく、メッシュWi-Fiによる通信エリアの拡張、防犯カメラや動画視聴など具体的な用途を考慮したネットワーク構築力が求められます。また、有線ネットワークの導入を見越した配線計画やケーブルの最適な長さ、貫通穴の位置決めも重要です。特に戸建住宅の場合、建物の外観を損ねず防水性や気密性を維持する工事品質が求められます。スターリンクのケーブルは屋外仕様ですが、紫外線や物理的破損から守るため、配管工法が推奨されます。配管を用いることでケーブルの耐久性向上だけでなく、電波干渉など通信障害リスクも軽減できます。公共施設やビルにおいては、通信ケーブルを配管に収める工事が基本です。これらを踏まえ、設置環境に応じた最適な提案ができる業者を選びましょう。

まとめ

・通信速度は「工事品質」と「使用環境」で決まる

スターリンクの通信速度は「工事品質」と「使用環境」によって大きく左右されます。最適な速度を得るためには、アンテナやルーターの適切な設置場所選定だけでなく、配線方法、Wi-Fi環境、有線ネットワークの活用などの総合的な検討が不可欠です。特に戸建て住宅や特殊な建物に設置する場合は、経験豊富で提案力のある専門業者を選ぶことが重要になります。

・スターリンク導入前に知っておきたい重要ポイント

スターリンク導入前には、使用目的を明確にし、実際の施工事例や速度測定データを確認した上で検討することが推奨されます。通信環境に関する不安や疑問がある場合は、事前に専門業者に相談し、納得した上で導入を進めましょう。

キャンピングカーでのスターリンク設置を検討する際のポイント

キャンピングカーやバンコンなどで、アウトドア中に高速インターネット接続を求める方々から、スターリンクの設置に関する相談が増えています。今回は、キャンピングカーにスターリンクを固定する方法や、配線の引き込みのコツについて解説します。スターリンクの設置は、車両の構造や配線の計画が重要となるため、事前にしっかりとした計画を立てることが推奨されます。

スターリンクの車両設置に関する基本情報

まずは、スターリンクの車両設置に関する基本的な現状を把握しておきましょう。スターリンクは、現時点で**海上での移動中(ボートプラン)**では利用が可能ですが、日本国内の道路上で移動中に利用することはできません。これは、スターリンクがGPSを使ってアンテナの位置を把握しており、高速で移動中に通信を遮断するためです。そのため、車両を停車した状態でのみ利用することが推奨されています。今後、移動中の利用が認められる可能性もあるため、情報がアップデートされ次第、この記事にも反映する予定です。

スターリンクを固定するべきか、しないべきか?

スターリンクを車両に固定するか、固定しないかの判断にはいくつかのポイントがあります。それぞれの利点・欠点を整理してみましょう。

固定する場合のメリット・デメリット

メリット

  1. 手間の軽減:設置のたびに準備や片付けの必要がなく、利用開始までの時間を短縮できます。
  2. 安全性の向上:スターリンクが車両にしっかりと固定されるため、盗難や落下のリスクが減ります。
  3. 配線の一体化:車体に直接配線を引き込むことで、ケーブルが外部に露出せずスッキリした見た目を保てます。

デメリット

  1. 車両への加工が必要:車両の屋根に穴を開けたり、固定マウントを取り付けたりするため、車体に傷がつく可能性があります。
  2. 設置場所の制約:ルーフラックやソーラーパネルなどが設置されている場合、スペースの確保が難しいことがあります。
  3. 再調整が困難:一度固定してしまうと、設置場所や角度の変更が難しく、最適な受信状況を得るための調整が制限されます。

固定しない場合のメリット・デメリット

メリット

  1. 車両へのダメージなし:車両に穴を開けたり加工する必要がないため、車体に対するダメージが一切ありません。
  2. 柔軟な設置場所の選択:スターリンクを使用する際に、自由に設置場所を変更できるため、状況に応じて最適な電波を受信しやすい場所を選ぶことができます。
  3. 取り外しが簡単:固定されていないため、必要に応じてスターリンクを簡単に取り外し、他の場所で利用することが可能です。

デメリット

  1. 毎回の設置作業が必要:使用するたびにスターリンクの設置と撤去を行う必要があり、準備に時間と手間がかかります。
  2. 盗難や破損のリスクが高まる:地面や車の周辺に設置する場合、スターリンクが外部に露出しているため、盗難や破損のリスクが増加します。
  3. 電波の遮蔽が増える:車両の上に設置する場合に比べ、地面や周囲の障害物によって電波が遮られやすく、通信品質が低下する可能性があります。

ケーブルの引き込み方法

スターリンクのケーブルを車内に引き込む際は、いくつかの選択肢があります。ソーラーパネルやファンユニットと一緒に引き込むことが一般的ですが、車両の構造によって異なるため、事前に確認が必要です。

  1. ルーフラックを使用して引き込む:ルーフラックがある場合、配線をルーフラックの隙間を通して車内に引き込む方法があり、ケーブルが外部に露出せずスッキリとした見た目を保てます。
  2. ケーブルホールを使って引き込む:車両の下部やルーフに設置するケーブルホールを利用することで、配線が見えず、外部からのダメージも最小限に抑えられます。
  3. 太陽光パネルのケーブルと併設:すでに太陽光パネルが設置されている場合、そのケーブルの引き込みに合わせてスターリンクのケーブルも通すことが効率的です。

まとめ:最適な方法を選ぶための検討

キャンピングカーにスターリンクを設置する際、固定するか、しないかは利用スタイルや車両の構造に応じて決める必要があります。また、ケーブルの引き込みについては、太陽光パネルやルーフラックとの兼ね合いを考え、最適な方法を選ぶことが大切です。

現在の技術では移動中の使用は制限されていますが、将来的にアップデートがあれば、この記事も改訂し、最新情報をお届けします。スターリンクの設置に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

目次

2022年10月に日本でもサービスが開始されたスターリンクですが、2024年8月8日から第3世代スターリンクキット(Starlink Gen3)が発売されました。
当社では発売日に注文したものが8月27日に到着しました。当初取り付け金具(別売り)などは同時発売されていなかったのですが、8月23日に注文できるようになっていました。
購入時に到着予定は9月5日となっていましたが、こちらは8月29日に到着しました。
発売がいつになるのかわからなかったので、社外品を中国とオーストラリアから取り寄せていたのですが、それらも併せてレヴューしていきたいと思います。
現在車や船に設置するためのモバイルアダプターも注文済みなので、これらのレポートも順次行っていく予定です。是非ブックマークし、当社のXアカウントのフォローをお願いします。
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第2世代と第3世代の比較

梱包サイズ

第2世代キットはアンテナを自立させる台座が同梱されており、第3世代と比べると梱包も大きく、重量も重いです。第3世代からデフォルトの自立方法が背面についているキックスタンド(ほかのアダプターと取り換え可能)で、本体にモーターも内蔵されていないため梱包は非常に薄くなっています。

スピードテスト

条件ができるだけ同じになるように、二つのアンテナを並べて、アプリからスピードテストを行いました。
計測当日は天候が悪かったこともあり、若干不安定だったため、順番ではなく同時にスピードテストを行っています。ところが、アンテナをすぐ隣り同士に並べた時は、片方のスピードが著しく落ちてしまいました。公式からもアンテナを複数設置する際の最低離隔距離が示されていたと思いますが、この時は3mほど離して設置しなおした結果、2台とも十分な速度で通信することができました。
計測の様子や計測結果はまた改めてこちらに更新します。

スターリンク第3世代キットの中身

段ボールの開梱

第2世代キットと大きく異なり、梱包をあけるとすぐにむき出しのアンテナがお目見えしました。角には保護剤が仕込まれており、キックスタンドは装着済みでした。

付属部品

写真の左上から時計回りに

  1. パワーサプライ(電源ユニット)
  2. 電源ユニット接続用AC100V電源ケーブル
  3. スターリンクケーブル(アンテナ-ルーター間接続)
  4. Wi-Fi6ルーター
コンパクトできれいに収められており、第2世代キットと比べて洗練されている印象があります。説明書はグラフィカルな一枚のボール紙が入っており、梱包時のアンテナ表面の保護も兼ねていると思います。

第3世代スターリンクWi-Fi6ルーター

第2世代のルーターは転倒防止用に前足のでっぱりがありましたが、第3世代のルーターは横長になり安定性が増したためか、でっぱりのないスッキリとしたデザインになりました。背面にはアンテナと接続するためのスターリンクケーブル端子とパワーサプライと接続する電源端子があり、中央のパッキンを外すと有線LAN端子が二つ出てきます。左右の端子に差し込むケーブル(すーたリンクケーブルおよび電源)はパッキン付きのケーブルになっています。

第3世代スターリンクキット用パワーサプライ

パワーサプライのスペック表記抜粋

項目 内容
型式 UTP-232L
入力 100-240V ~ 2.5A 50/60Hz
出力 57.0V 3.42A 195.0W
防水防塵 IP66 Type4
生産国 ベトナム
パワーサプライの電源ケーブル差込口は防水パッキン付きの眼鏡ケーブル用になっています。ここを見てもお分かりのように、第2世代がアース付き3P型コンセントプラグだったのに対し、通常の平行プラグに変わっています。

アンテナ背面の表記

キックスタンドを取り外すと、アンテナ背面のスペック等の表記が確認できます。右下の方には電源のスペック、つまりスターリンクケーブルのPoEスペックについて書かれています。

項目 内容
型式 UTA-232
入力 PoE 57V 1.7A(x2)
防水防塵 IP67 Type4
生産国 アメリカ合衆国

アンテナの表面積が大きくなり、内蔵された電子フェーズドアレイアンテナの数も増えています。またヒーターの面積も大きくなっていることが考えられ、その分アンテナに供給される電圧が上がっています。使われているケーブルの中身は第2世代と変わりませんが、先端は防水パッキン付きで特殊な爪付きのRJ45タイプになっています。
入力電源が57V 1.7A(x2)と表記されていますが、内蔵アンテナが2系統に分かれていてそれぞれで1.7Aを使用するのだと考えられます。

セットアップ

モーターがないということは手動で方向を調整するということ

5d2f3f9cd10d62dc92d6e379aa14c8f5 | 第3世代スターリンクキット検証(随時更新予定) | 高品質工事専門会社のクラウンクラウン(テレビアンテナ・スターリンク・防犯カメラ)

アプリには新たに「調整」メニューが追加されました。アンテナ本体の向きを変えるとほぼリアルタイムにアンテナの向いている向きがアプリ上に反映されます。
写真のように、適切な方向を向くと枠が太く光り、ちょうどいい向きだということを示してくれます。ただし、必ずしもこの方向にまっすぐ向けなくてはいけないわけではなく、諸具合物の状況によってはわざと方向を変える方が効率的な場合も考えられます。ただし注意点として、BS放送の電波干渉を防ぐため、BSアンテナと同一方向では電波が弱くなってしまう可能性が考えられます。そう考えると南西に向けて設置するのは避けたほうがよさそうです。

オプション

Xフレーム台座の発売

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8月30日に発売されたXフレーム台座(12000円)

2024年8月30日に突然日本のショップにラインナップされた新型台座です。キックスタンドで自立させるだけではなく、この台座を使うことでアンテナに少し高さを出すことができるようになりました。
雪や草などに埋もれてしまうことや、泥などでアンテナ本体が汚れることを多少防ぐことができるようになりそうです。4脚部分は第2世代の付属品と同じもののようです。
キット内容:Xフレーム台座、マストアダプター、マスト
推奨ツール:特になし
パッケージ寸法: 380 x 640 x 145 mm
パッケージ重量:2.9kg(6.4ポンド)

標準から標準ムーブマウントアダプター

スターリンク標準から標準ムーブマウントアダプター
わかりづらいネーミングですが、第2世代キット用のマウントアダプターを利用するためのアタッチメントです

これも突然発売開始になったマウントですが、実際のところ、標準フラットの下部に、第2世代キットのマストと同等のパーツがくっついてくる部品のようです。そのため、以前第2世代キットを設置したウォールマウントがある場合、そのマウントに標準フラットアンテナを差し込むことができるようになるもののようです。上のXフレーム台座と上の部品は共通だと思います。(未検証)

設置コストの違い

第3世代スターリンクキットは、標準では地面に直接置いて使用するための部品しか入っていません。そのため、建物や乗り物に固定する場合はそれに応じた金具を別途注文する必要があります。

追加部品

通常の建物への固定については、改良された純正品のパイプアダプターがおすすめです。当社では社外品の同等品を複数取り寄せ検証してみましたが、社外品を使用するメリットが考えられませんでした。中には格安の部品もありましたが、剛性や耐紫外線性能などに不安があり、手の届かない場所に長期使用のために取り付ける部材としては不適切です。他に高額の金属製のアダプターもありましたが、重量も重く、特別こちらを選ぶ理由も考えにくいです。
しかし、この標準パイプアダプターは送料、消費税込みで5900円するため、この金額も初期費用に見積もる必要があります。
※現在当社では工事の際にこちらの標準アダプターをサービスしています(2024年10月末までの工事限定)。

割安になるパターン

第3世代キットの取り付けには別売りの固定用部材が必要になりますが、第2世代キットとことなり有線LAN端子が備わっています。そのため、有線接続したい方は第2世代キットの場合はイーサネットアダプター(送料、消費税込み10400円)を購入する必要があったので、それに比べると標準パイプアダプターは安いですね。

以前、「スターリンクの設置工事はテレビアンテナ工事会社が適しているとは言えない」という記事を執筆しましたが、今回は、テレビアンテナ工事にこだわりのある当社ならではの見解を述べたいと思います。特に、形状が似ていることからBSアンテナと比較されることが多いスターリンクの耐風性について、当社が持つ専門的な視点から詳しく解説していきます。なお、本記事で取り上げる耐風性は、あくまで公表されているスペックに基づくものであることを予めご承知おきください。

目次

スターリンクの耐風性はBSアンテナより上か下か?

台風や強風が多い地域で、アンテナの耐風性は非常に重要な要素です。スペースXの衛星インターネットサービスであるスターリンクは、その先進的な技術で注目を集めていますが、耐風性に関してはどうでしょうか?意外なことに、スターリンクの耐風性は従来のテレビアンテナ、例えばBSアンテナと比べると、あまり強くないことが分かっています。

スターリンクとBSアンテナのスペック比較

当社標準仕様のBSアンテナ

BC453S

スターリンク(第2世代キット)

スターリンクに付属する標準マウント
項目 BSアンテナ スターリンク
種類 BC453S(当社標準工事利用機種) 標準ムーブタイプ(第2世代キット)
受風面積 0.2m^2 0.155m^2 ※5
耐風速 20m/s ※1
50m/s ※2
60m/s ※3
22.2m/s ※4
質量 1.4kg(アンテナ・固定金具) 2.9kg(アンテナ・付属マスト)

注1)
※1 受信可能風速 : アンテナに風圧を加えている間、電気的性能の劣化が許容範囲内であるときの最大風速。
※2 復元可能風速 : アンテナに風圧が加わった後、アンテナの方向を再調整することによって、電気的性能を満足する最大風速。
※3 破壊風速 : アンテナに風圧を加えている間、アンテナの一部または全部が飛散しない最大風速。
※4 スペック表の80km/hから計算。内容は不明。
※5 スペック表のアンテナの表面寸法から計算

スペック表が示すスターリンクとBSアンテナの違い

このスペック表から見て取れるのは、スターリンクとBSアンテナが風に対してどのように設計されているかの違いです。

まず、スターリンクの受風面積は約0.155平方メートルと、BSアンテナの0.2平方メートルに比べてやや小さいですが、耐風速は22.2m/sと、BSアンテナの20m/sと50m/s、さらには60m/sという複数の耐風速スペックに対して見劣りする部分があります。特に、BSアンテナの「破壊風速」が60m/sに設定されているのに対して、スターリンクの耐風性がこの程度であることは、台風のような極端な風速に対して不安を覚える点と言えるでしょう。

スターリンクを外に置いたままにする場合、特に台風シーズンには慎重な対策が必要です。屋外に固定している場合でも、風速の変化に注意を払い、状況に応じて適切な対応が求められます。

さらに、標準ムーブタイプ(第2世代)では、アプリからアンテナをたたむことができる機能がありますが、これは一見すると安全対策のように見える一方で、アンテナが通常よりも立った状態になるため、風の抵抗を受けやすくなるリスクがあります。このため、台風や強風が予想される場合、アンテナを収納モードにすることはおすすめできません。

このように、スターリンクの設置や使用にあたっては、特に台風や強風時には十分な注意が必要です。BSアンテナとは異なる特性を持つため、設置場所や保護対策を十分に考慮することが、長期間にわたる安定した使用に繋がります。

保守的な仕様の理由

スターリンクの耐風性が控えめに設定されている背景には、訴訟リスクの回避が考えられます。スペースXは、極端な気象条件によりアンテナが破損した場合のリスクを減らすため、耐風性の仕様を慎重に設定している可能性があります。これは、スペースXが製品の性能に対して過剰な期待を抱かせないための一環とも考えられます。

スターリンクは台風で使えるように設計されていない?

公式FAQによると、スターリンクは雪、大雨、強風、雷といったさまざまな気象条件に対応できるよう設計されていますが、台風や竜巻といった極端な自然現象に対しては、その設計範囲外とされています。具体的には、「スターリンクは、台風、竜巻、地震、隕石、恐竜、またはその他の極端な自然の力に対処するようには設計されていません」と明記されています。

この記述は、スターリンクが一般的な気象条件には耐えるよう設計されているものの、台風のような非常に強力な風やその他の極端な自然現象には対応しきれない可能性があることを示唆しています。特に、台風シーズンのある地域では、スターリンクの設置にあたって慎重な対応が求められるでしょう。

また、スターリンクは融雪機能や撥水性を備えていますが、強風や大雨の際には接続に影響が出る可能性があるとされています。これらの要素を考慮すると、スターリンクを台風時に完全に信頼できる通信手段とするには、設置場所の選定や保護対策が重要です。

風で飛んだスターリンク
強風でひっくり返ったスターリンク

天候がスターリンクのサービスに与える影響

スターリンクは多様な気象条件に耐えるよう設計されていますが、著しい天候不順によるサービスの低下や一時的な中断が発生する可能性もあります。公式FAQによると、「中程度の雨から豪雨、雪、ひょうにより、一時的なサービス中断が発生する可能性があります」とのことです。さらに、地上局周辺に台風やハリケーンがある場合も、サービスに影響が及ぶことがあるため、天候に注意し、必要な対策を講じることが重要です。

BSアンテナとの誤解を避けるために

BSアンテナが問題なく設置できているからといって、スターリンクも同様に問題ないだろうと考えるのは危険です。BSアンテナとスターリンクは形状が似ているため、同じように設置すればよいと思われがちですが、実際にはスターリンクの耐風性には注意が必要です。スターリンクはBSアンテナに比べて耐風性のスペックが控えめであり、そのため、よりしっかりとした取り付けが求められます。

スターリンクの設置には細心の注意が必要

スターリンクは、特に台風や強風の多い地域では、設置場所や固定方法に細心の注意を払う必要があります。BSアンテナと異なり、スターリンクは風に対する耐性がそれほど高くないため、しっかりとした固定や設置位置の選定が、サービスの安定性とアンテナの保護にとって非常に重要です。特に、標準ムーブタイプのアンテナでは、風の抵抗を受けやすい構造となるため、さらに注意が必要です。

設置とメンテナンスの重要性

スターリンクの設置では、強風に耐えるためのしっかりとした取り付け方が求められます。また、定期的なメンテナンスを行うことで、設置状態を確認し、問題があれば早めに対処することができます。これにより、台風や強風時にも、スターリンクを安定して使用できる環境を維持することが可能です。

結論

スターリンクの設置においては、BSアンテナと同じ感覚で設置するのではなく、風に対する耐性を考慮したしっかりとした取り付けが重要です。特に、台風や強風が予想される地域では、適切な対策を講じることで、スターリンクを安全に使用し続けることができます。スターリンクの特性を理解し、設置において十分な配慮を行うことで、より良いインターネット環境を確保することができるでしょう。

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スターリンク設置工事が増加する中で、「アンテナ工事業者こそが適している」という声が一部で聞かれますが、果たして本当にそうでしょうか? 私たちは、スターリンク設置において求められるスキルや知識は、アンテナ工事だけでは十分ではないと考えています。今回は、なぜ専門的な知識と技術が必要なのか、そして私たちが提供する高品質な工事の背景について詳しく解説します。

多古町での災害支援とスターリンクとの出会い

2019年に千葉県を襲った台風15号では、多古町が甚大な被害を受けました。この時、通信インフラが完全にダウンし、住民が情報を得られず、支援の手も届かない状況でした。私たちは、当時の経験を通じて通信インフラの重要性を痛感し、将来的にどのような方法で支援ができるかを考え続けてきました。数年後、スターリンクが登場したときに、これはまさに災害時に必要とされるソリューションだと確信しました。

日本でスターリンクサービスが開始された際、業務として導入するか迷いはありましたが、調査を重ねる中で、専門的な工事が必要であることが明確になりました。そこで、徹底的に取り付け方法や材料をリサーチした結果、いくつかのアンテナ工事業者が行っている施工事例に問題点を見出しました。これが、私たちがスターリンク工事に本格的に参入する決意をしたきっかけです。

なぜアンテナ工事だけでは不十分なのか?

スターリンク設置において重要なのは、アンテナ自体の固定だけではありません。特に以下の3つのポイントが肝要です:

これらの作業は、通常のアンテナ工事業者が行う範囲を超えた技術と経験を必要とします。例えば、私たちはエアコン工事の経験を活かし、高気密住宅向けに気密性や防水性、防虫性を考慮した工事を行っています。これにより、ただの「穴あけ」ではなく、住環境に適した施工が可能になります。

施工事例から見る当社の強み

これまでに行ったスターリンク設置工事の一部は、当社ウェブサイトで公開しています。実際の施工事例や詳細については、以下のリンクからご覧ください(別タブで開きます)。

スターリンク設置工事の施工事例はこちら

私たちは、数多くの施工を行ってきましたが、特に高所や特殊な建物への設置実績が豊富です。標高3000mを超える高所や、大使館、ゴルフ場、高層ビル、マンションなど、他の業者では難しいとされる案件でも対応しています。

適切な材料と工法へのこだわり

スターリンク設置には、アンテナ固定に必要な材料だけでなく、ケーブルの保護や外壁貫通部分の処理など、特別な材料が求められます。例えば、ケーブル保護チューブや貫通穴の保護パイプ、防雨入線カバー、パテ、気密テープ、コンセントプレートなど、通常のテレビアンテナ工事では使わない材料を使用しています。また、施工には振動ドリルや特殊工具も必要です。これにより、長期間安全に使用できる高品質な設置が可能になります。

昨日の #スターリンク工事 です。アンテナ工事が得意なら工事が簡単に思えるかもしれませんが、アンテナの固定よりもその他に重要な工程がいくつもあります。
その中でも住宅の穴あけ工事は非常に気を遣う部分の一つです。#住友林業 の住宅で、1階外壁から引き込んでいますが、… pic.twitter.com/RnHF0WfG5I

— クラウンクラウン【日本全国でスターリンク(starlink)工事中・富士山/大使館/ビル/戸建て等】 (@9696cojp) August 18, 2024

電気工事士の資格が必須である理由

スターリンクのケーブル配線には電気工事士の資格が必要ですが、テレビアンテナ専門会社の多くはこれを明言していません。しかし、法律に基づいて適切に工事を行うためには、この資格が不可欠です。当社では、経済産業省からの確認を得ており、スターリンクのケーブル工事は電気工事に該当することを確認しています。詳細は、当社の解説記事でご覧いただけます。

スターリンク設置に電気工事士資格が必要な理由について解説した記事はこちら

石綿対応の重要性

2023年10月から、石綿調査者の資格を持つ者しか石綿調査を行えなくなりました。当社では、全スタッフがこの資格を保持し、必要な場合には石綿作業主任者が指揮を取って対応します。石綿の取り扱いは、古い建物での工事では特に注意が必要です。他の業者がこうした対応を行っているかどうかはわかりませんが、当社では万全の体制を整えています。

品質と安全を追求した施工体制

私たちは、リサーチと情報発信に力を入れ、常に最新の技術や材料を取り入れています。第2世代のスターリンクキットには当社独自開発の取り付け金具を用意していますが、第3世代キットに関しても現在対応を検討中です。また、作業は必ず2名以上のチームで行い、安全性と品質を確保しています。このような体制を維持し、今後もさらに高品質な施工を提供していきます。

最後に

スターリンク設置工事は、単なるアンテナ工事ではありません。専門的な知識、経験、そして適切な資格が必要です。当社では、これらすべてを備えた体制で、お客様に安心してご利用いただける施工を提供しています。他社では対応が難しい案件もぜひご相談ください。

スターリンクにはいくつかの料金プランがあります。

レジデンシャルプラン

固定して使う(決まった場所で使う)なら月額6600円(非課税)のレジデンシャルプランになるでしょう。こちらは使用場所を登録し、アンテナのGPS情報をもとに固定場所で使われているかどうかを判断しています。登録住所と異なる場合は「登録された住所と異なります」などといったエラーが出て使うことができません。
当社でも引っ越しに伴ってスターリンクをしっかり固定したいというお客様がいらして、住所の変更をしておらずに設置後にすぐ使うことができなかった事例があります。もちろんアプリから設定を変えればほどなく使えるようになるのですが。

使用住所の設定をしなければ

当社では複数のスターリンクを所持しています。
災害時の支援や、導入を検討されている方の事前テスト、当社の独自テスト用などとして在庫を持っています。
そのうちの一つのスターリンクを本社と離れた事務所に設置しました。
特別に使用住所を設定しなければ、最初の登録住所がそのまま使用住所に割り当てられています。
なおスターリンクの設定画面上では「岩槻橋」と出ていますが、実際に本社と岩槻橋は1.8km離れています。
設置してある大宮営業所は、スターリンクの契約住所である本社と5.6kmしか離れていませんが、本社はさいたま市岩槻区、事務所はさいたま市見沼区と別の区です。

少し離れていても問題なく使える

そもそも登録住所は番地まで指定したピンポイントではなく、郵便番号で指定されています。
当社があるさいたま市岩槻区岩槻は比較的広い住所で、飛び地もあります。もしかするとそれも一因かもしれませんが、そこまで厳密に位置情報を適用しているわけではないようです。

スターリンクは地方の通信インフラの改善以外に、企業のBCP対策として注目されています。スターリンク公式ページでキットの注文画面には「個人」と「ビジネス」の選択がありますので、法人の場合は「ビジネス」を検討する方が多いかもしれません。

実はスタンダードタイプの契約の法人も多い

当社で直接的な契約数のデータを持っているわけではありませんが、公式サイトでは「個人」と書かれているアンテナキットを法人で使用している事例は数多くあります。弊社も本社と営業所にスターリンクを導入していますが、どちらも個人向けとされているスタンダードキットを使用しています。

スターリンクビジネス(ハイパフォーマンスモデル・フラットハイパフォーマンスモデル)を契約するには

国内企業もスターリンクの正規代理店として導入支援を行っているところがあります。
有名なところではKDDIですね。

Starlink.com

starlink公式サイトの表記
a8b22460781928cec7d402ce850b09ff | スターリンクの法人契約は高額? | 高品質工事専門会社のクラウンクラウン(テレビアンテナ・スターリンク・防犯カメラ)

期間限定かわかりませんが、ハイパフォーマンスタイプと思われるアンテナキットが96000円になっています。KDDIと比べると実に335750円の金額差があります。

KDDI

KDDIスターリンクビジネス初期費用

KDDIではスターリンクハイパフォーマンスモデルを431750円で販売しています。
ウェブ上の表記ではHPタイプStarlinkキットです。
KDDIは保守なども含めるため、このようなキット価格になっているのだと思いますが、工事料金や月額使用料、月額保守料金などは別料金です。

アンテナの料金や月額料金は変わることがあります

2024年9月現在、スターリンク公式、KDDIともに法人プランの月額料金を9600円~と値下げしています。またアンテナキット自体もいくつか選べるようになっており、価格帯に幅がありますので、最新情報は公式サイトで確認しましょう。

最近、スターリンク衛星に関するニュースが世間を賑わせています。特に、一度に100基ものスターリンク衛星が廃棄されたという報道は、多くの人々に衝撃を与えました。「これらの衛星が地球に落下してくるのではないか?」「その結果、私たちに危険が及ぶのではないか?」という疑問や懸念が、SNSやニュースサイト上で頻繁に見られます。さらに、現在も5000基以上のスターリンク衛星が低軌道を飛行しており、これらが互いに衝突する可能性についても、多くの憶測が飛び交っています。

そこで本コラムでは、これらの衛星が実際にどれほどの密度で低軌道に存在しているのか、そして衛星同士が衝突するリスクは本当に高いのかについて、具体的な計算を通じて考察します。

スターリンク衛星と飛行機の密度比較

この疑問に答える前に、まずはスターリンク衛星とは異なる、私たちがより馴染み深い飛行機について考えてみましょう。SkyartJapanによると、ピーク時には約16000機の飛行機が同時に空を飛んでいるとのことです。(※2021年のブログより)これらの飛行機は、スターリンク衛星と異なり、一部の空域で集中して飛行しており、有人で操縦されています(一部は自動)。

しかし、飛行機が飛んでいる高度と、衛星が飛んでいる低軌道の高度は異なります。そのため、衛星軌道の方が表面積が広く、同じ数の機体が存在しても密度は低くなります。

スターリンク衛星の密度と衛星間の距離の計算

スターリンク衛星の密度と衛星間の距離を求めるためには、まず衛星が存在する空間の体積を計算し、その中での衛星の配置を考える必要があります。衛星が低軌道に存在すると仮定し、その軌道の高度を特定の値(例えば550km)で固定して計算します。ただし、実際のスターリンク計画では、衛星は複数の軌道高度に配置されているため、この計算はあくまで一例です。またスターリンク以外の低軌道衛星もありますので、今回は衛星の数を6000として計算しました。

スターリンク衛星の密度の計算

  1. 軌道の半径の計算:
    地球の半径 R = 6371 km
    衛星の軌道高度 h = 550 km
    軌道の半径 r = R + h = 6371 + 550 = 6921 km
  2. 軌道の表面積の計算:
    表面積 A = 4πr2
    A = 4 × 3.14 × (6921)2 km2
    A ≈ 601,144,000 km2
  3. 衛星の密度の計算:
    スターリンク衛星+低軌道衛星の数 N = 6000
    密度 D = N/A
    D = 6000/601,144,000 衛星/km2
    D ≈ 0.00000998 衛星/km2

衛星間の平均距離の計算

密度から衛星間の平均距離を求めるには、密度の逆数の平方根を取ります。これは、各衛星が均等に分布していると仮定した場合の近似計算です。

  1. 衛星間の平均距離:
    距離 = √(1/D)
    距離 = √(1/0.00000998) km
    距離 ≈ √100200 km
    距離 ≈ 316.54 km

計算結果の説明

私たちが行った計算によると、低軌道衛星が6000基存在する場合、それらは約601,144,000平方キロメートルの広大な低軌道空間に分布しています。この計算から、スターリンク衛星の密度は約0.00000998衛星/平方キロメートルと非常に低いことがわかります。さらに、これらの衛星が均等に分布していると仮定した場合、衛星間の平均距離は約316.54キロメートルにもなります。

この結果は、スターリンク衛星同士が互いに非常に遠い距離にあることを示しており、衝突のリスクが極めて低いことを意味します。もちろん、実際には衛星の軌道や位置は常に変動しており、完全に均一な分布ではありませんが、スターリンクの衛星は高度な衝突回避システムを備えているため、実際の衝突リスクは計算上のものよりもさらに低いと考えられます。

まとめ

現在、スターリンクはさらに多くの衛星を打ち上げる計画を進めており、将来的には現在の数の8倍にあたる4万基以上の衛星が低軌道に存在することになるかもしれません。このような大規模な衛星ネットワークが構築されると、衝突リスクに対する懸念が高まるのは自然なことです。

しかし、今回の計算結果とスターリンク衛星が備える先進的な衝突回避技術を考慮すると、衛星同士が衝突する可能性は非常に低いことが理解できます。スターリンクのシステムは、日々の運用中に宇宙デブリや他の衛星との衝突を避けるために軌道を微調整しています。このため、衛星の数が多いからといって必ずしも衝突が起こるわけではなく、技術的な対策によって安全が確保されているのです。

結論として、スターリンク衛星プロジェクトは、その規模と技術により、宇宙空間の利用方法を再定義しています。衛星の増加がもたらす潜在的なリスクに対しても、継続的な技術革新により対応していくことで、これらの新しい挑戦を乗り越えていくことが期待されます。