実際に視聴できるレベルと推奨値はことなる
一般的にアンテナの電波レベルは1年を通して天候や季節の変化により6前後数値が変化すると言われています。
また壁面のテレビ端子で計測した数値も、実際にテレビのチューナーに届くまでには弱くなっています。さらにケーブルによっては周囲の雑音を拾ってしまうこともあります。4K放送ではアンテナ線が電子レンジの近くを通っている場合、電子レンジを使用している間は視聴障害が起きてしまうといった実験データもあります。
そのため、テレビ端子で計測した際の推奨値は、実際に視聴できる数値よりも十分な余裕を加味したものとなっています。
問題なくテレビが視聴できるレベル
実際にテレビが視聴できるレベルはどのくらいかというとテレビのチューナー性能によっても異なりますが、以下の数値が確保できれば通常のチューナーでは視聴できるとされています。
チューナー入力値において
地上デジタル放送
- 電波レベル
- 34dBμV~89dBμV
- MER
- 22dB以上
- BER
- 0.0002以下(2×10^-4)
衛星放送※テレビ端子
- 電波レベル
- 48dBμV~81dBμV以下
- MER
- 11dB以上
- BER
- 0.0002以下(2×10^-4)
新4K8K衛星放送※テレビ端子
- 電波レベル
- 48dBμV~81dBμV以下
- MER
- 13dB以上
- BER
- 0.0002以下(2×10^-4)
ただし望ましい性能としては
- 電波レベル
- 47dBμV~81dBμV
- MER
- 24dB以上
- BER
- 0.0002以下(2×10^-4)
衛星放送※チューナー入力値
- 電波レベル
- 48dBμV~81dBμV以下
- MER
- 17dB以上
- BER
- 0.0002以下(2×10^-4)
新4K8K衛星放送※チューナー入力値
- 電波レベル
- 48dBμV~81dBμV以下
- MER
- 18dB以上
- BER
- 0.0002以下(2×10^-4)
参考資料:JEITA(一般社団法人 電子情報技術産業協会)|受信システム計算事例集 3224MHz対応 追補版(2019年2月版)
なお最新版に当たる上記の資料ではBERの適正値は記述が省略されています。2011年12月版の資料では要求性能値として2×10^-4(0.0002)以下と明記されています。同様に衛星放送の要求性能値ではBSが17dB以上と記載されているのに対し、CSは11dB以上とも書かれています。※2 ARIB(一般社団法人 電波産業会)標準規格デジタル放送用受信装置STD-B21(白色雑音のみ)
クラウンクラウンではこれらの適正レベルを考慮したうえで事前電波測定から工事の可否を判断したり、ブースターの調整を行っています。