「Starlinkを導入して、スピードテストでは数百Mbpsという驚くほどの数値が出ているのに、なぜか動画視聴がスムーズにいかない……」そんな違和感を抱えてはいませんか?実際にNetflixやYouTubeを視聴している最中に映像が止まったり、画質が急に落ちたりすると、真っ先に「衛星通信だから不安定なのかな?」とStarlink側の品質を疑いたくなるものです。
しかし、お手元のデバイスで以下のような圧倒的なスピードテストの結果が出ているのであれば、原因は空(衛星)ではなく、もっと意外な「足元」にあるかもしれません。
実は、どれだけ「入り口」であるStarlinkが高速でも、そこから先の「出口」となるデバイスや宅内配線のどこかに、速度を殺してしまうボトルネックが潜んでいるケースが非常に多いのです。次項からは、多くのユーザーが陥っている「有線接続の罠」について詳しく解説していきます。
「動画が止まるなら、もっと安定した有線接続にすればいい」
そう考えて、テレビやストリーミング端末にLANケーブルを差し込んでいる方は多いはずです。
しかし、ここに現代のネットワーク機器における最大の「盲点」が隠されています。
実は、現在市販されている多くの4Kテレビや、Amazon Fire TV Cube(第3世代)のような高性能なデバイスであっても、本体に搭載されている有線LANポートの規格は「10/100 Mbps(Fast Ethernet)」が主流です。
つまり、ハードウェアの仕様として、物理的に100Mbps以上の速度が出せない設計になっているのです。
冒頭でお見せした画像(Netflixの測定画面)でも、速度が「89.47Mbps」で頭打ちになっているのが分かります。これは通信環境が悪いのではなく、デバイス側の受け口が100Mbpsという「細い土管」になっているからに他なりません。
Starlinkが200Mbps、300Mbpsという「高速道路」を通ってデータを届けてくれても、最後の出口が1車線しかなければ、そこで渋滞(パケットロスやバッファリング)が発生し、結果として動画がカクついてしまうのです。
「有線は無線(Wi-Fi)より速くて安定している」
かつてはこれがネットワークの鉄則でした。しかし、Wi-Fi 6(802.11ax)やWi-Fi 6Eといった最新規格の登場により、その常識は完全に塗り替えられています。
Starlinkの純正ルーターや、TP-LinkのDECOシリーズのような最新のメッシュWi-Fiシステムを使っている場合、無線での実行速度は数百Mbpsに達します。
100Mbpsで頭打ちになる有線ポートと、300Mbps〜700Mbpsを軽々と叩き出す最新Wi-Fi。どちらが動画再生に有利かは明白です。
特にNetflixなどの4Kコンテンツは、瞬間的に高い帯域(ビットレート)を必要とします。有線接続で「常に100Mbpsギリギリ」の状態よりも、Wi-Fi接続で「帯域に十分な余裕がある」状態の方が、結果として読み込み待ち(バッファリング)が発生しにくく、スムーズな視聴体験につながります。
もし今、有線でつないでいるのに「カクつく」とお悩みなら、あえてLANケーブルを抜いてWi-Fi 5GHz帯(または6GHz帯)で接続し直してみてください。それだけで、今までの悩みが嘘のように解決するかもしれません。
それでは、Starlinkのポテンシャルを最大限に引き出し、ストレスなく動画を楽しむための具体的な接続ガイドをまとめます。
1. 基本は「Wi-Fi 6(5GHz帯)」での接続を優先する
最新のDECOなどのメッシュWi-Fiを使用している場合、テレビやFire TV Cubeは無線で接続するのが正解です。特に障害物が少なければ、有線の100Mbps制限を大きく上回る速度で安定した通信が可能になります。
2. どうしても有線にこだわるなら「バイパス」を検討する
「電子レンジの干渉を避けたい」「壁のLANコンセントを活用したい」という場合は、デバイス標準のLANポートを使わず、USBポートからギガビット対応のLAN変換アダプターを介して接続する方法があります。これにより、本体の100Mbps制限を突破して300Mbps以上の速度を確保できるケースがあります。
3. 宅内ネットワーク全体の「出口」を見直す
Starlinkは空から次世代の通信を届けてくれますが、それを受け取る家の中が「昭和・平成の規格」のままだともったいない結果になります。アンテナを正しく設置することはもちろん、ルーターから先の配線やデバイスの仕様までトータルで設計することが、真の「Starlink体験」への近道です。
「有線=速い」という固定観念を一度捨てて、デバイスの仕様に合わせた最適な接続方法を選んでみてください。
今回ご紹介した「有線LANポートの100Mbps制限」という落とし穴は、Starlinkに限った話ではありません。NURO光をはじめとする高速な光回線を導入している環境でも、全く同じ現象が起こり得ます。
回線自体が1Gbpsや2Gbpsという驚異的なスピードを誇っていても、最終的に動画を再生するテレビやデバイスのポートが100Mbps規格であれば、そこで全ての速度が削ぎ落とされてしまいます。せっかくの高性能なインフラが、末端の仕様ひとつで宝の持ち腐れになってしまうのは非常にもったいないことです。
「ネットがカクつく=回線が悪い」と決めつける前に、まずはデバイスの接続方法を見直してみてください。最新のWi-Fi規格を賢く利用したり、デバイスごとの特性を理解して配線を選んだりすることが、快適なネットライフを実現するための第一歩です。
私たち株式会社クラウンクラウンでは、Starlinkの設置工事はもちろん、こうした宅内のネットワーク設計やWi-Fi環境の最適化についても、プロの視点からトータルでサポートしています。次世代の通信環境を100%活かしきるために、ハードウェアの「常識」にもぜひ目を向けてみてください。