BC45ASとの違いを確認したい方は以下のリンクからどうぞ
2020年10月20日にDXアンテナより、強風対策を施した高性能BSアンテナ(4K8K対応BS/110度CSアンテナ)が発売されました。
サイズは従来の45型(BC453S)とほぼ変わらず反射鏡の幅が467mm、高さが532mmとなっています。
アンテナに穴があいている?
このアンテナの最大の特徴は反射鏡に多数のパンチ穴があいていることです。そのため風がアンテナを通り抜けることで、強風の影響を抑えています。
BC453SGとBC453Sのスペック比較
従来品であるBC453SとBC453SGのスペックを表にまとめました。基本的にはほとんど変わりませんが、大きさは若干BC453SGの方が大きく、重量もやや重くなっています。これは少し意外な結果でしたが、強度を増すために反射鏡の厚みが増しているようです。
なお工事の方が気を付けなくてはいけないポイントとして、対応マスト径が太くなっている(細いマストが非対応になった)ことです。昔よく使われていた直径25mmタイプのマストは穴あきアンテナで使用できなくなっています。
これはマストを挟み込む金具がよりしっかり固定できるように改良されたことにも関係あると思いますが、そもそも強風でアンテナが無事でもマストが細ければマストが折れてしまう可能性があります。
品名 | 45形BS・110度CSアンテナ(耐風速70m/s) | 45形BS・110度CSアンテナ(標準) | ||
型番 | BC453SG | BC453S | ||
アンテナ有効径(cm) | 45 | |||
受診周波数(GHz) | 11.71~12.75 | 11.73~12.73 | 11.71~12.75 | 11.73~12.73 |
局部発振周波数(GHz) | 10.678 | 9.505 | 10.678 | 9.505 |
コンバーター出力周波数(MHz) | 1032~2072 | 2224~3224 | 1032~2072 | 2224~3224 |
受信偏波 | 右旋円偏波 | 左旋円偏波 | 右旋円偏波 | 左旋円偏波 |
アンテナ利得(dB) | BS(右旋・左旋):33.9(標準)CS(右旋・左旋):34.3(標準) | |||
コンバーター利得(dB) | 53(標準) | |||
性能指数(G/T)(dB/K) | BS(右旋・左旋):14.8(標準)CS(右旋・左旋):15.2(標準) | |||
コンバーター雑音指数(dB) | 0.45(標準) | |||
コンバーター局部発振位相雑音(dB/Hz) | -55以下(1kHzオフセット) -73以下(5kHzオフセット) -83以下(10kHzオフセット) |
|||
コンバーター出力VSWR | 2.5以下 | |||
コンバーター電源(V) | DC13.2~16.5(ケーブル重畳) | |||
コンバーター消費電力(W) | 2.4以下(DC15V入力時) | |||
コンバーター出力インピーダンス(Ω) | 75(F形) | |||
受風面積(平方メートル) | 0.19 | 0.2 | ||
耐風速(m/s) | 受信可能風速50 復元可能風速60 破壊風速70 |
受信可能風速20 復元可能風速50 破壊風速60 |
||
上下角調整範囲(度) | 23~68(中間取付時23~56) | |||
適合マスト径(㎜) | φ32~49 | φ25~49 | ||
質量(kg) | 1.7 | 1.4 | ||
反射鏡寸法WxH(mm) | 467 x 532 | |||
仰角40度、マストφ48.6mmの場合最外形寸法DxH(mm) | 506 × 560 | 496 × 559 | ||
受風面積(m^2) | 0.19 | 0.2 | ||
反射鏡 | アルミ合金・塗装(白) | |||
マウント本体 ポール押さえ金具 |
鋼板・溶融亜鉛メッキ(HDZT49) | 鋼板・溶融亜鉛メッキ(HDZ35) | ||
コンバータアーム | アルミ管・塗装(白) | |||
コンバーター | アルミダイカスト・合成樹脂 | |||
出力端子 | 亜鉛ダイカスト・ニッケルメッキ | |||
ネジ類 | ステンレス | |||
ブラケット | 合成樹脂 | - |
解説
受信可能風速と破壊風速
BC453SGは耐強風型BSアンテナ(4K8K対応BS/110度CSアンテナ)などと言われ注目されています。
まず肝心の耐風速部分を確認してみましょう。当社で標準的に使っているBC453Sとの比較表を載せていますが、特徴的なのは受信可能風速が50m/sであることです。※標準アンテナのBC453Sは20m/s。
風速50m/sとは屋外での行動が危険とみなされ、電話ボックスや自動販売機が倒れたり移動してしまう程度、電柱や街灯が倒れたり、ブロック塀も倒壊する危険のある強さとも言われます。
その強風下でさえ十分に電波を受信できるとうたっているのがこのBC453SGです。もちろんこの最大スペックを実現するには専用金具でしっかりとした躯体 に固定する必要があるのは言うまでもありません。ですが、標準的な取り付け方でもアンテナを取り替えることで非常に強力な受信環境が期待できるとも言えます。
注意するのは破壊風速が70m/sとあること。標準的なBC453Sも破壊風速については60m/sなので、受信可能風速ほどの差がないということです。
適合マスト径
もう一つ特徴的なのは適合マスト径です。標準的なアンテナはBC453Sに限らず直径25mm~49mmと幅広く使うことができますが、このBC453SGは25mm径のマストに取付ができません。実際25mm程度のマストでは強風の際にマストが先に折れてしまうでしょう。
アンテナ重量
反射鏡に無数の穴がありますが、実はBC453SGの方が少し重くなっています。その差はBC453Sに比べると1.2倍程度です。固定金具はとてもしっかりしており、ここだけでも重量が増えているのだろうと思いますが、受風面積が減っているのに重量が増えているということはもしかすると反射鏡の厚みも違うのかもしれません。(※メーカーに確認したところ、強度を持たせるために反射鏡の厚みがましているそうです)
サイズ
反射鏡の大きさは一緒です。仰角40度で取り付けた場合のコンバーター編む先端までのでっぱりが1mm小さくなるように設計されていますが、固定金具側(アンテナ背面のでっぱり)は11mm厚くなっていることに注意が必要です。※初期の記述で反射鏡の大きさが異なるような表現がありましたので訂正いたしました。
クラウンクラウンの取扱い
クラウンクラウンでは様々なニーズにお応えできるようにBC453SGも標準在庫として取り扱っています。常時在庫数は少数ですが、ご注文から平日中一日程度でご用意が可能です。
BC453SGの工事価格
工事料金はブースターと同時設置の場合で標準価格が27000円(税込29700円)となります。アンテナのみ単体設置の場合は3000円(税込3300円)追加になります。なお取付方法や場所などにより追加工事費用がかかる場合があります。
※上記金額は2023年1月のものです。当初は25000円(税込27500円)で提供しておりましたが、2023年1月より値上げになりました。仕入れ額等の値上げにより工事価格が変わる場合がありますので、最新の金額はお見積り等をご確認ください。
このアンテナの使いどころ
BC453SGは強風地域での活躍が期待できます。破壊風速は70m/sと標準アンテナに比べて10m/sの差ですが、注目すべきは受信可能風速が50m/sと言うことでしょう。
標準アンテナは20m/s以上の風が吹いている日は正常に受信できない可能性があります。つまり台風の日は受信できない可能性も十分にあります。
アンテナの設置方法も要因の一つではありますが、建物が少ない地域や山からの吹きおろしがある地域、またはビルなどに囲まれてビル風のような風が吹き込む場所や高い建物の屋上などで効果を発揮することでしょう。
強風に強いポイントはコンバーターアームが反射鏡の下部で支持されるようになったことと、マストをつかむ爪が増えたことでしょう。また反射鏡に穴が開いてBSアンテナ自体が風で揺れにくくなっていることも耐久性の向上に寄与しています。
取り付け時の注意
先にも触れましたが、いくらアンテナが強くなってもアンテナを支えるマストやサイドベースが不安定では元も子もありません。DXアンテナとしてはMV30ZMまたはMV24ZMという補強付きの金具を推奨していますが、MW10Z、MW20Z、MW30Zなどの金具もしっかり支えることができます。なおこれらの金具を設置する場所は建物の柱部分などに十分な長さと太さの防錆効果のあるビスで固定することが肝心かと思います。
屋根上の設置はあまり推奨されていないようですが、BSアンテナの設置がやむを得ず屋根の上になってしまう場合に、アンテナ全体への風から受ける負荷を軽減するという目的での利用もわずかながら効果が期待できると思います。
クラウンクラウンでもすでに多くの設置実績があり、とてもおすすめできるアンテナです。
BC453SGレヴュー
組み立てで従来品と比べてひと手間あるものの、基本的にはほぼ変わらずに使いづらいということがない。穴があいているため軽いのかと思いきや若干重量が増していることが驚き。ただし強風に強く受信障害が起きにくいという点では非常に優れたアンテナだと思える。
アンテナが風を逃すという特徴から、取り付け面に対するダメージ軽減も期待できる。
その他
ベランダ手すりへの取り付け
備考
2021年末に溶融亜鉛めっきのJIS規格「JIS H 8641」の内容変更により、アンテナマウント本体やポール押え金具の処理表記が改定されています。以前は確かHDZ35だったと思いますが、現在はHDZT49の表記に改められています。
- 松本 昭彦
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経歴と専門分野:
幼少期から家電設備の工事に親しみ、クラウンクラウンの設立の前に15年以上にわたりさまざまな設備工事の現場で経験を積みました。100名を超える下請け工事業者の取りまとめとクレーム処理責任者としての役割を経て、2011年に独立。品質重視と明朗会計をモットーに掲げ、業界改革を目指して高品質工事専門の「クラウンクラウン」を設立しました。
学歴:
東京電機大学理工学部情報科学科(中退)
事業構想大学院大学 事業構想士修士課程
主な資格:
国家資格:
1級電気工事施工管理技士
2級管工事施工管理技士
2級電気通信工事施工管理技士補
第一種電気工事士
工事担任者(2級デジタル)
給水装置工事主任技術者
一般建築物石綿含有建材調査者
石綿作業主任者
運行管理者
その他資格:
第2級CATV技術者
1級あと施工アンカー施工士
インテリアコーディネーター
キッチンスペシャリスト
一級リビングスタイリスト
二級福祉住環境コーディネーター
排水設備工事責任技術者
照明士
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