静岡県三島市の芦ノ湖高原別荘地で、第3世代スターリンク(標準フラットタイプ)の設置工事を行いました。今回の物件は数年前に建てられた積水ハウスの物件で、屋根の四方にテレビアンテナ用の支線留め金具が設置されていました。外壁は積水ハウスオリジナルの陶版外壁「ベルバーン」で、特有の美しさもさることながら、耐用年数は60年以上とのことです。
積水ハウス:陶板外壁ベルバーンの耐久性
この外壁はビスを打つことが難しく、万が一割れてしまうと保証にも影響する可能性があるため、お客様のリクエストも踏まえ、屋根上への設置を選択しました。さらに、この物件は寄棟屋根で軒が深いため、外壁へのサイドベース固定が実質不可能な構造でした。
屋根には命綱用アンカーが設置されており、作業中の安全性を確保するため親綱を固定しました。この親綱に命綱を繋いで作業を進め、万全の安全対策のもと、設置工事を実施しました。
今回使用した第3世代キットでは、アンテナ本体とマストの接続に専用のパイプアダプターが必要です。Amazonや海外の通販サイトでサードパーティ製のパイプアダプターも見かけますが、いくつか取り寄せて検証した結果、純正品の精度と信頼性が最も高いと判断しました。
現在販売されている純正パイプアダプターは、初期バージョンから改良され、パイプ差込深さが十分確保されたデザインとなっています。さらに、当社ではボルトの緩みを防ぐため、ゆるみ止め剤を使用し、定期保守の頻度を最小限に抑える工夫も施しています。
原則としてアンテナを外すシチュエーションは想定していませんが、外す必要があった際は、パイプアダプターごとマストをアンテナ本体から外すことができます。
スターリンクアンテナの設置にはテレビアンテナ工事で使用する部材をいくつか使用していますが、スターリンクは重量があり、風の抵抗も大きいため、より強固な固定が求められます。そのため、強化型の屋根馬とターンバックルを使用し、十分な強度を持たせた設置を行っています。
外壁への穴あけを避けたいというお客様のご要望に応え、ケーブルの取り込み方法にも工夫を凝らしました。光ファイバーの取り込み用配管があったものの、スターリンクのケーブルは通らないため、軒天部分に穴をあけ、そこからケーブルを屋根裏へ引き込みました。
このような取り込み方法は、建物の形状によって難しい場合もありますが、当社では2名体制で工事を行うことで、柔軟かつ丁寧な対応を可能にしています。貫通させた穴は耐火パテでしっかりと密閉し、気密性を維持しつつ、虫の侵入も防止しています。軒天の開口部には保護用の部品を設置していますが、部品と軒天の隙間は変成シリコーンで埋め、外部からの防水・防虫対策も徹底しています。
今回は屋根裏にルーターを設置し、梁の上にルーターとパワーサプライを固定しました。屋根裏にはコンセントがなかったため、電気工事を行い、新たにコンセントを設置しています。スターリンクの工事は電気工事士が対応するため、こうした電源工事もその場で安心して任せていただけます。
第3世代のスターリンクは自動で方向調整を行わないため、アプリを用いて手動で方角を設定しました。必ずしも指定された北向きでなくても通信には支障がないため、周囲の障害物の状況に応じて最適な方向に調整しています。
屋根裏のルーターから2階の部屋までLANケーブルを引き込みました。配線距離が10m程度だったため、Cat5eケーブルで十分な性能を確保でき、スターリンクの速度を考慮しても問題なく対応可能です。
当初は間仕切壁(屋外と面していない壁)の中は空洞なので、そこならケーブルを下ろせるだろうという目論見でしたが、壁の上部がふさがれていたため既存のCD管を使うことになりました。
スターリンクは地球の低軌道に打ち上げられた数千のスターリンク衛星と通信を行うサービスですが、これらの衛星は静止衛星ではなく常に動いているので、インターネットの接続スピードはその時々によって変動します。しかし、現在は非常に十分な数の衛星に対して日本国内のユーザー数が少なく、東は海で隣国からのアクセスもないという環境のためか、だいぶ安定して高速通信が可能なのかもしれません。
上はアプリで高度なスターリンクのスピードテストを行ったときのスクリーンショットです。
未利用者の方は分かりづらいかもしれませんが、左の数字はルーターから端末のスピード(つまりWi-Fiのスピード)で、右がスターリンク自身のスピードです。左の数値(Wi-Fi)が低いとそれがボトルネックになってスターリンクを活かしきれていないので、左の数字の方が大きいことが重要です。
今回のスターリンクの計測値(最終計測値)では
下り(ダウンロード速度):298Mbps
上り(アップロード速度):33Mbps
でした。
芦ノ湖高原の別荘地で工事を行った当日は天候に恵まれ、美しい富士山が見える環境でした。光回線が届かないエリアで、スターリンクがメイン回線として重要な役割を果たしており、特に快適なネット環境が求められる別荘利用者にとって有用なサービスです。
今回も積水ハウスの現場監督と打ち合わせを行い、設置内容の確認を経て工事を実施しました。積水ハウスの屋根裏作業は多くの実績があり、スムーズな作業が可能でした。また、屋根裏にはテレビアンテナ用の同軸ケーブルも事前に設置されており、屋根裏に地デジアンテナを設置する工事も当社が得意とする分野です。屋根裏への地デジアンテナ設置は当社が早くから広めたいと情報発信を行っていたものなので、ここに配線があることに少し感動しました。
※実際のアンテナは屋外のウッドデッキに設置されていました(笑)
スターリンク設置工事は、日々の技術向上と細かな工夫が求められる分野です。当社では本社と支社の屋根上に自社アンテナを設置し、日々研究を重ね、新しい設置方法を積極的に試しています。
※記事編集時点(2024年11月)の料金表に基づく価格です。
料金は変更の可能性があるため、詳細はご相談ください。
施工場所によっては同じ内容でも別途「エリア別出張料金」「有料駐車場代」がかかる場合があります。
屋根上用の設置金具やワイヤー命綱作業費用も含む
すべてのお客様に事前カウンセリングとおおよその見積もりなどを提示しています
標準で高耐候性ナイロンチューブによるケーブル保護を施しています
貫通穴の保護、開口部通線、開口部保護、出口カバー設置、パテうめなども含みます
木のささくれなどからケーブルを保護します。パイプと開口部の隙間は変成シリコーンで埋めます
取り付け可能な場合は二つ目のサイドベースの取り付けおよびそれに伴うマストの延長
今回の工事では電源の取り出しとケーブルの壁内配線をどうするかいろいろと試したために時間がかかってしまいましたが、スターリンクの取り付け工事自体は2時間程度の工事だったと思います。
静岡県の事例も多いのですが公開作業が間に合っていません。富士山の8合目にもスターリンクを設置した実績があります。
別荘地などでは大活躍のスターリンクですが、別荘の管理事務所の意向により工事業者が限定されてしまう場合もあるようです。ですが当社は多くのスターリンクの設置工事の実績があり、もともと他業者が嫌がるような特殊な工事も多く手掛けてきていることから柔軟性のある工事に自信があります。今回も事前にカウンセリングを行っていたとはいえ、現地で最終的なカウンセリングを行いながら様々な工事方法の中から今回のような工事を行っています。
是非お気軽にご相談ください。
静岡県や長野県のスターリンク設置工事も多いのですが、茨城県のように当社事務所(埼玉県さいたま市)からそれほど遠くないエリアでスターリンクの設置工事でした。
集合住宅では、事前に管理組合の許可が必要です。クラウンクラウンではこういった事前の許可申請の一部についても無料でサポートを行っています。
今回の工事は数か月前からやり取りを行っており、ようやく工事が実現した事例です。
当初は別の工事会社へ相談をし、現地調査も行っていただいたようですが、取り付け方があいまいで「不安定なので保証できない」という回答があったため、不安になって当社にご相談をいただいた事例です。
最初に来たテレビアンテナ専門会社の案では、金具を二つ使ってできるだけベランダから外に離し、通信エリアとなる空を広く確保する方法を提案されたそうです。実際の提案写真も拝見しましたが、当社では検討しない斬新な方法でした。サイドベース(取り付け金具)にさらにサイドベースを足すことで外に突き出したい気持ちはわかりますが、コンクリート用金具にBS用金具を組み合わせても、壁から飛び出すのはせいぜい30cm程度です。それならもっと大きな金具一つで済ませたほうが安全だろうと思います。
戸建てとは異なり、集合住宅は周りにも多くの方が住んでおり、取り付け場所も5階と高所だったため、不安定な取り付け方はできる限り避けるべきだろうと思います。
今回当社で行った取り付け方法は、マンションの屋上の手すりなどでも行っている方法で、上下に二つ、サイドベースを固定する方法です。
以下の画像は事前カウンセリングとしてLINEで当社から送った画像です。
当社ではこういった事前カウンセリングに力を入れており、無料で対応しております。※現地調査は有料です。
またこういった画像や資料をマンションや団地の管理組合に提出していただく際に利用していただいたりします。
一般のお客様に対して保守点検契約は行っておりませんが、今回は1年ごとの有料点検を事前にご予約をいただきました。今後1年ごとにご連絡し、日程を調整して点検にお伺いするお約束になっています。
今回ご相談をいただいたのは8月でした。手元にあるのは第2世代キットでしたが、すでに第3世代のアンテナキットが発売されていました。
今回の工事についていえば、第3世代キットの方が適していることと、UR(団地)の設置許可をいただくための時間的に猶予を考えると、無料返品期間中に一度返品していただいて、新しいものを再購入していただくことを提言しました。
返品はやや手間がかかったようですが、手元にあったスターリンクは無事無料で返品することができたそうです(送料も無料)。
スターリンクは北に向けて設置することは有名かもしれませんが、なぜ北向なのかは明言されていません。
北半球の場合は北向きで、南半球の場合は南向きなので、まず単純に考えられるのは北に向けたほうが通信エリア内に入る衛星の数が多くなることが考えられます。
また、スターリンクはいくつかの周波数帯を用いて通信を行っていますが、そのうちの一つであるKu帯(12-18Ghz)がBS放送の周波数(11.7-12.2Ghz)と干渉する可能性があります。総務省に確認したところ、このためBSと同じ方向からの電波(Ku帯に限るかどうかは未確認)送信を制限しているそうです。つまり南西方向からはスターリンクの電波が制限されているので、そちらには向けないほうがいいということだと考えられます。
第3世代のスターリンクキットでは、アプリでアンテナの向きを確認しながら方向調整を行います。今回は北向きのベランダではあったものの、正面を向けた時の表示は上記のように53度角度がずれているという判定でした。ただし、実際に53度ずれていたのかどうかは不明です。アンテナの上下角度(仰角)を変更しているため、その影響もあるかもしれません。
通信範囲にある衛星の数などによって通信速度は変わるため、速度テストを行うごとにこの数値は変わります。ただグラフの青い線を見る限り、このタイミングでは速度は安定しているようでした。
2023年の段階で、当社にはマンションベランダのスターリンク設置相談をいくつもいただいておりました。当時は第2世代キットのアンテナしかなく、自動的に北に向いてしまうため、ベランダへの設置は難しいと判断しておりました。ただしお客様ご協力により、南向きのベランダでアンテナを手で持った状態で通信するという方法を試すなど、実証実験を行っておりました。
この時も南の空が開けており、そちらにアンテナを向ければ十分な速度が出ることが確認できておりました。そこで今回モーターが内蔵されておらず方向が勝手に変わることのないアンテナであれば十分利用に耐えうるのではと考えておりました。
そこで、通常の角度よりもより広く空いたスペースにアンテナを向けることで、できるだけ広い通信エリアを確保できる設置方法として、通常のマストではなく先端が少しまがった特殊なマストを用意しました。
なお、北向きとは限らないベランダへの設置方法について、スターリンク(スペースX)では推奨ではないものの禁止されているわけではないことを事前に確認しています。
センシティブな内容を含むため内容は非公開とさせていただきます。
※記事編集時点(2024年10月)の料金表に基づく価格です。
料金は変更の可能性があるため、詳細はご相談ください。
施工場所によっては同じ内容でも別途「エリア別出張料金」「有料駐車場代」がかかる場合があります。
通常の(他種)工事では戸建て向け工事に追加費用が掛かります
管理組合へ許可申請をする際の書類作成の一部補助を含みます
現在は原則としてナイロンチューブに統一されています
木造モルタルで許可のある場合は標準の穴あけ・通線・屋外防雨入線プレート・屋内コンセントカバー工事一式工事も含む
木のささくれなどからケーブルを保護します(穴あけがあった場合)
取り付け可能な場合は二つ目のサイドベースの取り付けおよびそれに伴うマストの延長
3階から1階上がるごとに1000円
第3世代アンテナ用キット用パイプマウントアダプター(当社用意の場合)
先端を曲げてある特殊マスト
茨城県では企業様へのスターリンク導入事例などもありますので、できる限り早めに事例を公開したいと思います。
2024年10月中の申し込みで、11月末までの工事において、一部割引キャンペーンを行っています。詳しくはお気軽にお問い合わせください。
また、マンション等への取り付けについても若干のキャンペーンを行っております。マンションへ導入したい方もお気軽にご相談ください。