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仕様・性能

実際の配管との組み合わせ

スターリンクケーブルの先端は、硬質プラスチックのコネクションヘッドになっています。この幅が16mmあることから、16mmの内径の管には通りません。
スターリンク純正別売りの「石造壁配線キット」には直径19mmのドリルビットが付属されていることから、19mmの穴を通ることがわかります。
ただし、長い配管にケーブルを通すときには、ガイドワイヤーなどを使う必要があることから、内径には十分な余裕があることが好ましいでしょう。
なお、内径が17mmのPFS-16にもケーブル先端は通りませんでした(自社調べ)

実際の画像

PF16とスターリンクケーブル
見るからに入らなそうですが、ちょっと試してみましょう。

スターリンクケーブルのでっぱり
内径が17mm(PFS-16)のPF管ではギリギリ入りそうにありません。

スターリンクケーブルはPF16には入らない
無理やり押し込めば、多少入っていきますが、ケーブルの先端がすべて入ることはありませんでした。

この実験結果から、19mmの穴でも通すのはそれほど簡単なことではなさそうです。

配管内通線はガイドワイヤーを使う

まっすぐの塩ビ管などであれば柔らかいケーブルも通せるかもしれませんが、PF管やCD管にケーブルを通すときにはガイドワイヤーを使います。
最初から細い針金が挿入されている場合もありますが、そうでない場合はあとから下の写真のようなガイドワイヤーを挿入し、ケーブルに結び付けて引っ張ります。

通線用ガイドワイヤー
ガイドワイヤーにもさまざまな太さや長さ、形状があります。この写真は配管の中ではなく屋根裏にスターリンクケーブル(第一世代)を通線するときに用いたものですが、ケーブル先端をマスキングテープで養生したのち、ビニルテープでしっかりと固定しています。

スターリンクのケーブル仕様書

スターリンクケーブル図面
画像はstarlink.comより転載

実際のCD管・PF管のサイズ

古河電工のCD管、PF管のサイズは以下のようになっています。

CD管

■特長

  1. コンクリート埋設専用
  2. 経済的

■仕様
古河電工CD管サイズ図

品 番 内径(d)
(mm)
外径(D)
(mm)
長さ/把
(m)
把の大きさ(約mm) 質量/把
(約kg)
内 径 外 径

CD-14

14

19

50

420

555

180

3

CD-16

16

21

50

420

570

195

3

CD-22

22

27.5

50

420

620

245

5

CD-28

27

34

30

420

600

240

4

CD-36

35

42

30

420

650

290

5

PF管(プラフレキ1.5重管)

■概要

  1. 自己消火性がありコンクリート埋設はもちろん、いんぺい・露出箇所にも使用可能。
  2. 配管作業が容易。
  3. 14mmから54mmの7サイズを品揃え。

■仕様

古河電工PF管サイズ図

品 番 内径(d)
(mm)
外径(D)
(mm)
長さ/把
(m)
把の大きさ(約mm) 質量/把
(約kg)
内 径 外 径

PFS-14

16

21.5

50

420

575

195

4

PFS-16

17

23

50

420

590

215

4

PFS-22

24

30.5

50

420

640

270

6

PFS-28

30

36.5

30

420

620

260

4

PFS-36 38 45.5 30 420 670 320 6
PFS-42 42 52 30 420 810 250 7
PFS-54 53 64.5 30 420 900 280 10

PF管(プラフレキ2重管)

■概要

  1. 古河独自構造で凹凸が目立たず、また外観が美しく露出配管に最適。
  2. 耐候性良好。
  3. 自己消火性。

■仕様
古河電工PFD管サイズ図

品 番 内径(d)
(mm)
外径(D)
(mm)
長さ/把
(m)
把の大きさ(約mm) 質量/把
(約kg)
内 径 外 径

PFD-16

16

23.0

50

420

590

215

9

PFD-22N

22

30.5

50

420

640

270

12

PFD-28N

28

36.5

30

420

620

260

8

PFD-36N

36

45.5

20

420

660

220

8

PFD-42 40 52.0 10 420 620 210 5
PFD-54 52 64.5 10 420 670 250 6

画像および寸法表等の資料は古河電工ウェブサイト(https://www.furukawa.co.jp/)から転載しております。

第2世代スターリンク(レクタングルタイプ)のパイプアダプターは以下よりご購入可能です。
※スターリンクアカウントでログインが必要。
https://shop.starlink.com/products/jp-consumer-mount-pipeadapter-gen2

参考リンクスターリンクの取り付けに使える金具が知りたい
STARLINK(スターリンク)取り付け工事料金および注意事項

第二世代スターリンクキットのケーブルについて

「E515747-VN」は、おそらく製造元の製品番号や識別コードです。「VN」は製造国または製造地域の略号として使用されることがあり、このケーブルがベトナムで製造された可能性があります。なお「E515747」という型式のケーブルが2019年にUL認証を取得したとWider Wire & Cable社のページに掲載されています。
同じページには2021年3月、ベトナムに多国籍企業を設立したとも書いてあります。
中国のこの企業のケーブルで間違いないようです。(4月28日追記)

「C(UL)US」は、このケーブルがアメリカとカナダの安全基準に準拠していることを示しています。UL(Underwriters Laboratories)は、独立した製品安全認証機関であり、C(UL)USマークは米国(US)とカナダ(C)の両方のUL基準に適合していることを示しています。

「CMX」とは、「Communications Limited Purpose」の略称で、最低限の耐火定格要件を満たしているケーブル規格です。この規格は、UL 1581 VW-1のテストによって標準化されています。通常、CMR定格のケーブルには、屋内、屋外、または直接地中埋設用のUL定格オプションが付与されます。そのため、ジャケット素材を選択する際の重要な考慮事項は、UV耐性です。CMXケーブルは、PVCやPEまたは非PVCのリニア低密度ポリエチレン(LLDPE)ジャケットなどを使用しており、耐UVおよび耐候性を保証します。
このケーブルのは屋外PVC ULタイプCMR認証済みだそうです。つまり外装はPVC(ポリ塩化ビニル)です。

「OUTDOOR-CMR」は、ケーブルの耐火性能や炎上特性を示すランクです。「CMX」は、通信ケーブルの最も低い耐火ランクであり、主に屋外や住宅用途に使用されます。「CMR」は、「Communications Multipurpose Riser」の略で、建物の階をまたいで垂直に設置されるケーブルを示します。この表記は、ケーブルが屋外でも室内のライザー用途でも使用できることを示しています。

「FTP」は、「Foiled Twisted Pair」の略で、アルミニウムのシールドで覆われたツイストペアケーブルであることを示しています。「75°C」は、このケーブルの耐熱性が最大で75度であることを示します。「4PR」は、「4 Pairs」の略で、4組のツイストペアが含まれていることを示しています。「26AWG」は、「American Wire Gauge」の略で、ケーブルの銅線の太さを示しています。このケーブルの銅線の太さは約0.4mmで、AWGの値が小さいほど、ケーブルの太さが大きくなります。

また、屋外対応ケーブルのシースには、耐候性や紫外線(UV)耐性が求められます。「PVC」や「PE」などの素材が使われることがありますが、CMXケーブルであることから「L-LDEP」(Linear Low Density Polyethylene:リニアポリエチレン)ではないかと考えます。(これは後日ケーブルメーカー※

ビジネスモデル(ハイパフォーマンスモデル)のケーブルについて

スターリンクビジネス用スターリンクケーブル
元々スターリンクビジネスとも呼ばれていましたが、現在はハイパフォーマンスモデルと名称が変わっています。
しかしそれだけにケーブルも標準キットに比べてスペックが高くなっています。
生産国表記は判別できませんでしたが生産メーカー名としてFIT HON TENGと刻印が入っています。
どうやら標準モデルとは別のメーカーが生産しているようです。
その他に耐熱温度が105度、同線の太さは22AWGから0.644mmであることがわかります。

2023年3月8日時点で、日本でもスターリンクメッシュWi-Fiルーター(メッシュノード)が公式ショップで購入可能になりました。
メッシュノードと言っても実際は標準キットのルーターです。例えば2セットスターリンクを持っている場合、一つのキットを使っていない場合は残りのキットに同梱されたルーターをメッシュノードとして接続することもできます。発売前にはLANポートがついている別物などのうわさもありましたが、実際には有線接続するためには使えません。

メッシュノードにはLANポートがあるというのはあくまで噂だけかもしれません。当社では調査のために購入開始直後に注文しましたが、1か月半以上経った今でも発送されません。

似た方法としてLANポート付きの中継器を使う方法があります。
安いもので言うと、TP-LinkのRE330などでも有線接続ができるようになります。またこちらはTP-LinkのOneMeshに対応しているので、その他のTP-LinkのOneMesh対応ルーターを増設すると簡単にメッシュWi-Fiを構築することもできます。夜中のタイムセールでは2000円程度で購入できる場合があります。
スターリンクのLAN接続に使えるLANポート付き中継器
※アフィリエイトリンクです。

今更ですが、スターリンクを有線でつなげる比較的安い方法として、LANポート付きの中継器を使う、という方法があります。
現在TP-LinkのRE330でつないでいます。
先日2190円になっていたので買ってしまいましたが、まあまあな感じです。https://t.co/6JVjn9D2fY pic.twitter.com/QBTLO2V3l7

— アンテナ工事のクラウンクラウン(スターリンク工事割引キャンペーン中) (@9696cojp) April 20, 2023

スターリンクの工事料金一覧表はこちら

テレビ視聴に必要な電波レベル

実際に視聴できるレベルと推奨値はことなる

一般的にアンテナの電波レベルは1年を通して天候や季節の変化により6前後数値が変化すると言われています。
また壁面のテレビ端子で計測した数値も、実際にテレビのチューナーに届くまでには弱くなっています。さらにケーブルによっては周囲の雑音を拾ってしまうこともあります。4K放送ではアンテナ線が電子レンジの近くを通っている場合、電子レンジを使用している間は視聴障害が起きてしまうといった実験データもあります。
そのため、テレビ端子で計測した際の推奨値は、実際に視聴できる数値よりも十分な余裕を加味したものとなっています。

問題なくテレビが視聴できるレベル

実際にテレビが視聴できるレベルはどのくらいかというとテレビのチューナー性能によっても異なりますが、以下の数値が確保できれば通常のチューナーでは視聴できるとされています。
チューナー入力値において

地上デジタル放送

電波レベル
34dBμV~89dBμV
MER
22dB以上
BER
0.0002以下(2×10^-4)

衛星放送※テレビ端子

電波レベル
48dBμV~81dBμV以下
MER
11dB以上
BER
0.0002以下(2×10^-4)

新4K8K衛星放送※テレビ端子

電波レベル
48dBμV~81dBμV以下
MER
13dB以上
BER
0.0002以下(2×10^-4)

ただし望ましい性能としては

電波レベル
47dBμV~81dBμV
MER
24dB以上
BER
0.0002以下(2×10^-4)

衛星放送※チューナー入力値

電波レベル
48dBμV~81dBμV以下
MER
17dB以上
BER
0.0002以下(2×10^-4)

新4K8K衛星放送※チューナー入力値

電波レベル
48dBμV~81dBμV以下
MER
18dB以上
BER
0.0002以下(2×10^-4)

参考資料:JEITA(一般社団法人 電子情報技術産業協会)|受信システム計算事例集 3224MHz対応 追補版(2019年2月版)
なお最新版に当たる上記の資料ではBERの適正値は記述が省略されています。2011年12月版の資料では要求性能値として2×10^-4(0.0002)以下と明記されています。同様に衛星放送の要求性能値ではBSが17dB以上と記載されているのに対し、CSは11dB以上とも書かれています。※2 ARIB(一般社団法人 電波産業会)標準規格デジタル放送用受信装置STD-B21(白色雑音のみ)

クラウンクラウンではこれらの適正レベルを考慮したうえで事前電波測定から工事の可否を判断したり、ブースターの調整を行っています。

S-5C-FBの紫外線劣化

多くのメーカーがアンテナ線の外装に採用しているPVC(ポリ塩化ビニル)はそもそも紫外線に強い素材ですが、紫外線や熱による酸化反応により分子結合破壊が起きるのは事実です。
黒いケーブルに含まれるカーボンが紫外線を多少吸着することによって、PVCの分子結合破壊を和らげることになりますが、ケーブルメーカーとして公式にどの程度差があるのかのデータは発表されていないと思います。
原則として日光に当たりにくいところで使用するころを推奨していますが、目立ちにくい白色のアンテナケーブルの使用も場所によってはありうると考えます。
クラウンクラウンでは上記のリスクをご説明したうえでアンテナケーブルの色をお選びいただいています。

耐紫外線ケーブルとは

屋外での対紫外線耐性が気になる場合は、S-5C-FBではなく、JIS規格で屋外用として定められたS-5C-HFLを使用するのもいいでしょう。
S-5C-HFLは外装がPEとなっています。
その他配管やモールなどを使ってケーブルに紫外線が当たらないようにする方法もおすすめです。
他にアメリカのMIL規格で屋外用と定められているRG6ケーブルを使う方法もあります。CATVなどはこのRG6を屋外用ケーブルとして使用していることが多いようです。

実際のケーブル劣化について

ブログなどで「白いケーブルは1年でボロボロになる」などと書かれているのを見ることもありますが、ケーブルによるものと思われます。
写真は撮影時築7年のセキスイハイムで屋根の上に配線されていたケーブルです。
常に日光に曝され、金属屋根の熱にも直接触れていたにも関わらず、表面上の劣化は全く見られませんでした。
価格の安いケーブルの場合は色に関わらず、耐久性、性能などが落ちてしまうと考えられます。

7年経った白いアンテナケーブル
ケーブルの品質は、色ではなくメーカーやグレードの方が大きく影響します。

すぐにボロボロになる、と言っているのは使っているケーブルが低品質のものだからと考えられます。
弊社ではいくつかのケーブルの曝露試験を行っています。
実際に日光に曝したケーブルが数年単位でどのような変化を起こすか、自社施設内で検証しています。
またクラウンクラウンではご希望に応じてS-5C-HFLでの配線工事も承っております。

S-5C-FBケーブルの規格など

以下内容は日本産業標準調査会事務局に問い合わせた結果をもとに構成しています。

  1. JIS C 3502にてS-□C-FBの仕様が定められています。
  2. S-□C-FBの外装について以下のように定められています。
    JIS C 3502の附属書Aに「塩化ビニル樹脂を主体としたコンパウンド」とあります。
  3. S-□C-FBの使用用途について
    JIS C 3502の附属書Aに「これらの同軸ケーブルは主に屋内で使用し」とあります。
  4. JCS5423(日本電線工業会規格)で耐燃性ポリエチレンシース同軸ケーブルを規定しており、アンテナから建物内の数m程度の環境(雨風に当たる程度)での使用を想定しています。
    ※S-5C-FBという名前のケーブルでもPVC外装ではなくPEのものがあるという意味。
  5. JIS C 3502のなかでS-□C-HFL(アルミラミネート)タイプのものが規定されており、これが屋外使用となります。
  6. JIS C 3502の附属書AのA.2d)に「シースの色は,通常,灰色とする。」とあります。一般的に屋内で使用することを前提に目立たない色として灰色を基本としています。ただ、対候性を上げる為に黒色にするとかその他デザイン性でのカラーシースもあるということです。
  7. JISでは特に規定されてはいませんが、一般的に屋外で使用される場合は対候性の良い黒色のシースが推奨されています。
参考JISとは
JCSとは

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