お電話によるお問い合わせは0800-080-9696(無料通話)まで

30年近くたっても忘れられない出来事

悔しい思いをしたことなどは、長い年月が経っても忘れられないことがあります。それが今の原動力になっていることもあるでしょう。
歳を重ねることで、同じ出来事でも見方が変わり、思い出すたびに新たな学びを得ることがあります。
今日は、ローデ・シュワルツ社がu-blox社の最新車載GNSSモジュールの検証に成功したというプレスリリースを見て、ふと昔の出来事を思い出しました。
ローデ・シュワルツとu-blox社が、中国の新しい車載GNSS仕様GB/T 45086.1-2024に対するモジュールの準拠を検証

プレスリリースの内容とは関係ありませんが、これは20年以上前に行ったテレビアンテナ工事の話です。
当時、私はクレーム担当責任者になる前で、家電量販店の工事を毎日忙しくこなしていました。おそらく25~27年前の出来事です。
家電量販店の依頼で、都内の戸建てにテレビアンテナ工事を行いました。まだアナログ放送の時代で、テレビの画面がフラットになり始めた頃だったと記憶しています。
(以前のテレビの画面が湾曲していたのを覚えていますか?)
倒れたアンテナの交換だったのか、CATV(ケーブルテレビ)からの入れ替えだったのかは記憶が曖昧ですが、新築ではない建物にアンテナを設置した気がします。もしかすると新築だったかもしれません。
ともかく無事にテレビアンテナを設置し、自宅にあったテレビを接続して受信確認を行い、作業を終えました。

数日後、量販店から「クレームになっているので至急対応してほしい」との連絡がありました。その日も予定が詰まっていたため、日程調整を申し出ましたが、「お客様が相当怒っているので今すぐ対応するように」と強く求められました。
当時、量販店の工事振り分け担当者は工事業者や配送業者に対して圧倒的な権力を持っており、「社長が今すぐ謝りに来い」と怒鳴られることは日常茶飯事でした。この時も理不尽で威圧的な対応でした。
しかし、クレーム処理においては正確な状況把握が最も重要です。話を聞くと、次のような流れでした。

  • お客様が新しいテレビを購入し、配送会社が設置したが映らなかった。
  • 配送会社は「アンテナ工事直後だからテレビの初期不良では?」と判断し、帰宅。
  • 量販店がメーカーのサービスマンを手配し、電波を測定したところ、電波が来ていないことが判明。
  • サービスマンは「アンテナ工事の施工不良」と店舗に報告し、帰宅。
  • 店舗担当者からお怒りの電話が入り、クレーム対応を迫られる。

工事時には電波が正常に受信できることを確認していましたが、詳細を知るためにメーカーサービス担当者に直接連絡を取りました。
すると、「リーダーの高額な計測器を使って測定したが電波は来ていなかった。工事ミスに違いない。今すぐ修理に行くべき」と強い口調で言われました。
さらに「工事業者は学歴もないから分からないだろう」とまで言われ、当時の私は悔しく感じました。

しかし、話を詳しく聞くと、「全ての部屋で測定したが、テレビが設置されている場所だけ電波が来ていなかった」とのこと。
この時点で、アンテナ工事自体には問題がない可能性が高いと考えました。
店舗には「工事ミスではなく、建物側の問題の可能性が高いが、とにかくすぐに伺う」と伝え、お客様宅へ向かいました。
現地に到着すると、お客様は「メーカーのサービスマンが数時間調べたが、工事ミスと言われた」とお怒りの様子でした。

問題の場所へ案内され、テレビ端子で電波を測定すると、確かに電波が来ていません。
壁の端子を開けると、ハウスメーカーの電気工事担当が接続ミスをしていたことが判明。
接続を修正するとすぐにテレビは映るようになり、問題は解決しました。作業時間はわずか10分程度でした。
お客様には「工事時に確認できなかった点は申し訳ありません」と謝罪し、説明を行いました。

この出来事以来、「工事後は可能な限り全てのテレビ端子を確認する」「確認できない場合はリスクを説明する」ことを徹底するようになりました。
現在でも年に1~2件は、配線ミスに遭遇します。
また、メーカーのサービスマンもお客様対応でイライラしていたのかもしれません。
しかし、責任の所在が不明確なまま理不尽な対応をされることは、施工業者にとっては大きなストレスです。

この出来事は、「自分の施工箇所だけでなく、周辺環境も含めたチェックの重要性」「他者の施工を鵜呑みにするリスク」「有名ハウスメーカーでも施工ミスがある」ことを学ぶ機会となりました。
弱電工事においては品質の差が大きく出ることもあり、当社としてはこうした課題をフォローできる存在でありたいと考えています。

著者プロフィール
| 30年近くたっても忘れられない出来事 | 高品質アンテナ工事専門会社のクラウンクラウン
松本 昭彦代表取締役
経歴と専門分野:
幼少期から家電設備の工事に親しみ、クラウンクラウンの設立の前に15年以上にわたりさまざまな設備工事の現場で経験を積みました。100名を超える下請け工事業者の取りまとめとクレーム処理責任者としての役割を経て、2011年に独立。品質重視と明朗会計をモットーに掲げ、業界改革を目指して高品質工事専門の「クラウンクラウン」を設立しました。

学歴:
東京電機大学理工学部情報科学科(中退)
事業構想大学院大学 事業構想士修士課程

主な資格:
国家資格:
1級電気工事施工管理技士
2級管工事施工管理技士
2級電気通信工事施工管理技士補
第一種電気工事士
工事担任者(2級デジタル)
給水装置工事主任技術者
一般建築物石綿含有建材調査者
石綿作業主任者
運行管理者

その他資格:
第2級CATV技術者
1級あと施工アンカー施工士
インテリアコーディネーター
キッチンスペシャリスト
一級リビングスタイリスト
二級福祉住環境コーディネーター
排水設備工事責任技術者
照明士