一条工務店は一般的に2重天井構造になっており、屋根裏部分の床は一面板張りになっています。
作業者にとって、階下への落下を心配せずすむメリットや、居住者にとって断熱性能の向上などのメリットがありますが、屋根裏にアンテナ配線がない場合にあとから配線を引き込むのは、他のハウスメーカーよりもハードルが高めです。
写真のように一条工務店は片流れの屋根になっていることが多いのですが、この高い場所、具体的には最上階の天井を超える高さから線が出ている場合は、屋根裏にそのままアンテナ線が引き込まれている可能性が高いです。
なお、今回はこの写真の左側がスカイツリー方面で右側が平塚中継局方面でしたが、右は太陽光パネル方向でもあることからか平塚中継局からの電波は微弱でした。
お客様の希望は目立たないアンテナ設置で、デザインアンテナを設置したいというものでした。
今回外に出ていた引き込み線(アンテナ線)は2か所で、建物を玄関正面から見て左奥に一つ、正面左端にもう一つありました。しかし建物の左側は土地が1mほどしかなく、高く立ち上がった壁に梯子を立てかけることができません。正面からは梯子をかけることができましたが、目立たせたくないというご要望に最適とは言えません。
そこで、まずは屋根裏でアンテナ設置ができないか確認することから始めました。
屋根裏には十分な広さと高さがあり、いくつかのアンテナを使って電波測定を行いました。決して電波がよかったわけではなく、その中でピンポイントで一番電波のいい場所を探し、その周辺で改めて複数のアンテナを使って電波を比べました。
写真にあるUL14はスカイツリーや一部の電波塔に最適化されたアンテナで、一般的に標準と言われる20素子タイプの八木式アンテナよりも小ぶりながら、高性能タイプのアンテナです。そのためこのアンテナが一番結果がいいかと思ったのですが、実際には日本アンテナのUDF90と言うアンテナが一番いい結果でした。
ピンポイントで電波状況が上がる場所があったので、最終的にその場所に合うようにアンテナを吊り下げました。
ブースターをアンテナのすぐそばにつける業者も多いのですが、電波がギリギリでない限り、地デジアンテナ単体の場合は地デジブースターを屋内に設置したほうが何かとメリットがあります。一条工務店は写真のようにマルチメディアボックスがあるので、この中にブースターを収めたほうがメンテナンス性もいいですし、風雨にさらされないのは故障のリスクを多少改善することにもなります。
光回線の引き込みやLAN配線などもここが起点になります。スターリンクを設置する場合などもここに引き込める場合があります。
工事が終了したのち、原則としてすべてのアンテナ端子で電波チェックをします。ハウスメーカーの配線に不備がなければ、原則として一か所大丈夫であれば問題ないと判断できるのですが、せっかくですので最初に全て確認してしまったほうがいいですよね。
実際の計測器の画面ですが、この段階で電波が想定と大きくずれているようであれば、改めてブースターの調整を行います。
スカイツリーに向けたアンテナですが、近隣の横浜局(TVK)も良好に受信できています。TOKYO MXについては受信エリア外ですが、一応視聴可能範囲まで受信することができました。
今回は標準工事の範囲でした。別途エリア別出張料金をいただいております。