海外で先行導入されていた、通信の優先順位が下がる「レジデンシャルライトプラン(Residential Lite)」が、日本でも利用可能になりました。
アメリカでは、月額120ドルの「レジデンシャルプラン(Residential)」に対し、80ドルの低優先度プランとしてスタートしましたが、日本でも迅速に導入された形です。
もともとスターリンクの月額料金は日本では比較的安価に設定されていますが、さらに安価なプランが登場したことで、本格的に既存のインフラと競争を仕掛けてきた印象を受けます。
アメリカでは 50Mbps~100Mbps を想定したプランとされていますが、通信が混雑しにくい日本では、どの程度の速度が期待できるのか注目されます。
当社ではすでにスターリンクを契約している回線のうち、通信量と速度の要求が比較的低いものをレジデンシャルライトプランに切り替えました。
月額費用が下がるものの、日割りの返金はなく、翌月から適用 されるとの説明を受けました。
そして新たにROAM10GBプランも開始されました。こちらはROAMプランなので日本国内のあらゆるところで使うことができますが、月額1,500円で10GBまで使うことができます。


これでスターリンクの日本国内プランは現状以下の通りです。
※2025年6月12日現在
プラン名 | 月額料金 | 対象 | エリア | データ容量 |
---|---|---|---|---|
レジデンシャルLite (ホームLite) |
4,600円 | 個人 | 固定 | 無制限(優先度低) |
レジデンシャル | 6,600円 | 個人 | 固定 | 無制限 |
ROAM10GB | 1,500円 | 個人 ビジネス |
国内陸地 どこでも |
10GB制限 オプトイン260円/GB |
ROAM50GB | 6,500円 | 個人 ビジネス |
国内陸地 どこでも |
50GB制限 オプトイン130円/GB |
ROAM無制限 | 14,400円 | 個人 ビジネス |
国内陸地 どこでも |
無制限 |
グローバルROAM | 60,000円 | 個人 ビジネス |
世界中 陸地 |
無制限 (優先データ・海上通信オプトイン可能) |
ローカル優先 | 5,400円 基本料金 |
個人 ビジネス |
国内陸地 | 容量確認中 オプトインモバイル優先データ 3,400円/50GB 17,000円/500GB |
グローバル優先 | 基本料金 24,000円 +オプトインデータ料金 50GB/40,000円 500GB/104,000円 |
個人 ビジネス |
世界中 陸地 海上 |
容量確認中 オプトインモバイル優先データ 16,000円/50GB 80,000円/500GB |
ビジネスプランは原則移動先で使えるプランに統一されました。
またローカル優先(ローカル優先サブスクリプション)、グローバル優先(グローバル優先サブスクリプション)は基本料金とデータ通信料金の合計金額と明記され、使用量に対する料金が分かりやすくなりました。
※ROAM50GBプランでオプトインデータを追加購入した場合超過データに対するオプトイン料金に上限は設定されていません。オプトインを「オフ」に設定するまで、またはアカウントの請求サイクルが終了するまでは、使用を続ける限りオプトインされたままとなります。
50GBを超過し、オプトイン料金が発生している状態で、月の途中でROAM無制限に変更した場合の料金の計算は以下の通りです。
この場合3回に分けて引き落としが行われます。「ROAM 50GB」の月額6,500円は請求サイクルの初日に引き落とされ、月の途中でROAM無制限に変更された場合は、日割り換算された「ROAM無制限」の月額料金が変更された日に引き落とされます。翌月の請求サイクル日に、オプトインされた超過分とその月の「ROAM無制限」11,500円が併せて請求されます。
36GBのオプトインで合計すると無制限プランの金額を越えますが、現段階では、36GBオプトインされた段階で自動で「ROAM無制限」に変更される措置は行っていないそうです。そのためROAM50GBプランで契約している場合でオプトインが35GB超(合計85GB超)のデータ通信の可能性がある月は早めに(オプトインする前に)無制限プランに変更したほうがいいかもしれません。
ROAM10GBプランができたために、ROAM10GBで契約し容量を使い切ったらオプトインせずに50GB、無制限と段階を追ってプランを変更すると無制限料金を節約することができます。
グローバル優先(マリタイム)プランのデータ容量について
グローバル優先プラン(旧モバイル優先)では海上で使える容量が決められておりますが、陸上では無制限で利用できます。ただし、どこで使っているかにかかわらず海上でも使えるデータ容量を消費します。そのためサブスクリプション期間の最初に陸上で使っていると、海上に出た時にはすでに海上用データ容量が使い切っている場合がありますので注意が必要です。
回避策としてはサブスクリプション期間の最初はROAM無制限でスタートし、海上に出るタイミングでモバイル優先へ切り替えることで海上データを先に使い切る心配がありません。
グローバルROAMとグローバル優先サブスクリプションの違いについて
グローバルROAMの場合、海上で利用するにはグローバル優先プランのオプトインを追加する必要があります。
グローバル優先プランでは「一回限りのオプトイン」としてその都度データ容量を購入できます。ここで言う一回限りとは、その後追加できないということではなく、自動的に繰り返し購入することはないという意味です。
基本料金は24,000円+オプトイン料金となっており、50GBであれば24,000+16,000=40,000円、500GBであれば24,000+80,000=104,000円になります。
船舶でローカル(グローバル)優先サブスクリプションの節約方法
現時点で日本国内では移動しながら使えるのは船舶または飛行機の場合に限られます。特にフェリーや漁船などへのスターリンクの導入も進んでいますが、常に優先サブスクリプションを使うとなると、そのデータブロック料金は大きくなります。
沿岸でLTE回線(ポケットWi-Fiなど)の通信が可能なエリアの航海も多い場合などは、可能な限りそういった回線を使うことでスターリンクの通信料金を節約することができます。具体的にはWi-Fiルーターなどを設置し、その手前をLTE回線、スターリンクと切り替えることなどで行います。場所によって手動でLANケーブルを抜き替えることなどでも運用できますが、LTE優先フェイルオーバー機能を持ったpeplinkのマルチWANルーターを導入することで自動的に切り替えることもできます。peplink製品の導入支援も行っておりますのでお気軽にご相談ください。

関連記事はありません。