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白いアンテナケーブルはボロボロになるのか

アンテナケーブルにはいろいろな種類があります。
一般的によく使われているS-5C-FBの場合、メーカーにより外装(被覆:シース:ジャケット)に使われるPVC(ポリ塩化ビニル)の添加物などの種類に違いがありますが、白と黒での違いは大きいとは言えません。
※黒いケーブルも品質の悪いものはすぐにボロボロになります。
ただし、黒色にカーボンを使っている場合、カーボンが紫外線を吸着することによりPVCの劣化を妨げる効果もあるようです。
なおJIS規格ではS-□C-FB(□はケーブルの太さが入る)は耐候性については定められておらず、S-□C-HFLでは耐候性について定めがあり、屋外用として使えることになっています。

S-5C-FBの紫外線劣化

多くのメーカーがアンテナ線の外装に採用しているPVC(ポリ塩化ビニル)はそもそも紫外線に強い素材ですが、紫外線や熱による酸化反応により分子結合破壊が起きるのは事実です。
黒いケーブルに含まれるカーボンが紫外線を多少吸着することによって、PVCの分子結合破壊を和らげることになりますが、ケーブルメーカーとして公式にどの程度差があるのかのデータは発表されていないと思います。
原則として日光に当たりにくいところで使用するころを推奨していますが、目立ちにくい白色のアンテナケーブルの使用も場所によってはありうると考えます。
クラウンクラウンでは上記のリスクをご説明したうえでアンテナケーブルの色をお選びいただいています。

耐紫外線ケーブルとは

屋外での対紫外線耐性が気になる場合は、S-5C-FBではなく、JIS規格で屋外用として定められたS-5C-HFLを使用するのもいいでしょう。
S-5C-HFLは外装がPEとなっています。
その他配管やモールなどを使ってケーブルに紫外線が当たらないようにする方法もおすすめです。
他にアメリカのMIL規格で屋外用と定められているRG6ケーブルを使う方法もあります。CATVなどはこのRG6を屋外用ケーブルとして使用していることが多いようです。

実際のケーブル劣化について

ブログなどで「白いケーブルは1年でボロボロになる」などと書かれているのを見ることもありますが、ケーブルによるものと思われます。
写真は撮影時築7年のセキスイハイムで屋根の上に配線されていたケーブルです。
常に日光に曝され、金属屋根の熱にも直接触れていたにも関わらず、表面上の劣化は全く見られませんでした。
価格の安いケーブルの場合は色に関わらず、耐久性、性能などが落ちてしまうと考えられます。

7年経った白いアンテナケーブル
ケーブルの品質は、色ではなくメーカーやグレードの方が大きく影響します。

すぐにボロボロになる、と言っているのは使っているケーブルが低品質のものだからと考えられます。
弊社ではいくつかのケーブルの曝露試験を行っています。
実際に日光に曝したケーブルが数年単位でどのような変化を起こすか、自社施設内で検証しています。
またクラウンクラウンではご希望に応じてS-5C-HFLでの配線工事も承っております。

S-5C-FBケーブルの規格など

以下内容は日本産業標準調査会事務局に問い合わせた結果をもとに構成しています。

  1. JIS C 3502にてS-□C-FBの仕様が定められています。
  2. S-□C-FBの外装について以下のように定められています。
    JIS C 3502の附属書Aに「塩化ビニル樹脂を主体としたコンパウンド」とあります。
  3. S-□C-FBの使用用途について
    JIS C 3502の附属書Aに「これらの同軸ケーブルは主に屋内で使用し」とあります。
  4. JCS5423(日本電線工業会規格)で耐燃性ポリエチレンシース同軸ケーブルを規定しており、アンテナから建物内の数m程度の環境(雨風に当たる程度)での使用を想定しています。
    ※S-5C-FBという名前のケーブルでもPVC外装ではなくPEのものがあるという意味。
  5. JIS C 3502のなかでS-□C-HFL(アルミラミネート)タイプのものが規定されており、これが屋外使用となります。
  6. JIS C 3502の附属書AのA.2d)に「シースの色は,通常,灰色とする。」とあります。一般的に屋内で使用することを前提に目立たない色として灰色を基本としています。ただ、対候性を上げる為に黒色にするとかその他デザイン性でのカラーシースもあるということです。
  7. JISでは特に規定されてはいませんが、一般的に屋外で使用される場合は対候性の良い黒色のシースが推奨されています。

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白いアンテナケーブルはボロボロになるのか