4K8Kにつかえるアンテナケーブルの選び方

執筆者 | 8月 8, 2018

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はじめに

以前弊社では市販のアンテナケーブルによる電波特性の違いをレポートしたことがあります。
もう5年以上前のコラムですが、いまだに人気のあるコラムで多くの方にみていただいています。
今回は2018年12月に始まる新4K8K衛星放送が始まった時でも問題ないケーブル、やや問題のあるケーブルなどケーブルの差があることを感じていただけたらと思います。

実測環境

現在はまだ新4K8K衛星放送が開始しておらず、実際の電波を測定することができません。そこで、DXアンテナが出している4K・8K信号発生器「SG1WS」を使用して疑似的に各周波数の電波信号を流しています。計測にはマスプロ電工の「LCT5」を使用しています。
これら二つの機器の間に計測用のケーブルを接続し、いくつかの周波数で設定レベルを70dBμVとして信号を発生しています。なお、設定レベルがそのまま受信レベルというわけではないため、場合により受信電波レベルが70dBμVを超えている場合があります。

実測周波数

実測した周波数及び衛星物理チャンネルは以下の通りです。

  • 1049MHz(BS1ch)
  • 1471MHz(BS23ch)
  • 1613MHz(CS2ch)
  • 1693MHz(CS6ch)
  • 2053MHz(CS24ch)
  • 2242MHz(BS左旋2ch)
  • 2587Mhz(BS左旋20ch)
  • 2664MHz(BS左旋24ch)
  • 2766MHz(CS左旋1ch)
  • 2966MHz(CS左旋11ch)
  • 3206MHz(CS左旋23ch)

まとめ

軽視されがちなアンテナケーブルですが、ケーブル一つでテレビの映りに大きな影響を及ぼすことがあります。
とはいえ、部屋の中に太いケーブルはできれば使いたくないものです。見栄えも取り廻しもわるくなってしまいます。
なお、現在4K8K新衛星放送対応ケーブルというものでも、以前は特にそう謳っていなかったケーブルも沢山あります。例えば以前から使用されているS-5CFBなどは、そのまま新4K8K衛星放送用ケーブルとして使用されています。
弊社のような工事会社は、基本的に室内以外での使用を前提としておりますので、電波特性のいいもの(電波が劣化しにくいもの)、ケーブル自体が劣化しにくいもの、曲げ耐性のあるもの、コストがかかりすぎないものなどを考慮して選定しております。弊社で使用しているケーブルの測定結果も併せて掲載しています。
また、ケーブルによって金額の差もありますので、以下のデータがケーブル選びの一助になれば幸いです。
以下計測データとなります。

各種ケーブルによる電波測定結果

細いケーブルや長いケーブルに新4K8K衛星放送で使用される高周波数を流した時の劣化を測定しました。

測定結果所見

1位 DXアンテナ 4JW2FFS(B)

DXアンテナの4JW2FFS(B)です。
測定には2mタイプを使用しました。
文句なしの結果となっています。安心して新4K8K衛星放送用のケーブルとして使用できます。
パッケージの特性上ケーブルに曲がり癖がついてしまっていますが、簡単に癖を直すことができます。
ライトグレーとなっていますが、実際はややライトベージュといった色合いです。

2位 Hanwha UMA-ATC15

Hanwha(ハンファ)のケーブルUMA-ATC15です。
今回計測したケーブルの中では短めの1.5mタイプとなりますが、実は予想していたよりも非常にいい結果となっています。

ケーブル自体の金額も今回比較したものの中で最安値となっているにもかかわらず、高い周波数でもしっかりと受信レベルを保っています。ややC/N(電波の質を表す指標の一つ)が若干落ちましたが、十分許容範囲内です。先端の接続部分が短いためすっきり設置できる反面、まれに接続の相性問題があるかもしれません。

3位 AMAZONベーシックRG6

AmazonベーシックのCL2準拠のRG6ケーブルです。
ケーブルはRG6という規格で、一般の人は耳慣れないかもしれませんがCATVなどでよく使われているものとなります。
2.4mという半端な長さですが、他のケーブルでは微妙に長さが足りない場合などにうってつけです。性能としては十分良好です。
RG6でも3重シールドタイプを使用しているようで、電波漏洩や外部からのノイズに強そうな印象です。
ケーブル先端にロゴ入りのカバーがついており、回しやすくなっていますが、邪魔な場合は取り外すことも可能です。デザインも洗練されていて、お勧めの一本です。長さと金額のバランスで言うと非常にお買い得であるとも言えます。

4位 ELECOM AV-ATLS20BK

ELECOMのAV-ATLS20BKです。
測定には2mタイプを使用しました。
ELECOMと言えばDXアンテナの親会社となりますが、製品にはそれぞれ特徴がありますね。
今回計測したケーブルの中では一番細い2.5Cタイプのケーブルとなります。
この細さでは驚くほどの結果となっているかと思います。周波数の一番高いところではややC/Nが落ちていますが許容範囲内です。
この分であれば多少長くてもそれほどの電波劣化は考えにくいので、配線モールの中に収めたい場合などに重宝するケーブルですね。テレビ裏の配線でも細くて目立ちにくいので、お勧めのケーブルです。

5位 ELECOM AVDH-ATLS48K100WH

ELECOMのDH-ATLS48K100WHです。
測定には10mタイプを使用しました。
高級感のあるケーブルらしく10mという長さにもかかわらず電波の劣化はだいぶ抑えられています。
また、4K8K用に設計されているということで、4Cケーブルですが3重シールドタイプとなっているほか、こだわりのが見られるケーブルです。今回測定には白いケーブルを使用しましたが、他にブラック、ダークブラウン、ライトブラウンなどの多色展開が特徴的です。ケーブル表面には特にロゴも入っていないシンプルなデザインとなっています。
屋内で10mケーブルを引き回す必要がある場合などはお勧めできるケーブルですが、金額がちょっと高めですね。検証のためだけに購入するのは気が引けるレベルでしたが、十分な結果を得ることができました。

6位 HORIC HAT100-057LPWH

HORIC(ホーリック)のHAT100-057LPWHです。
測定には10mタイプを使用しました。
10mという長さのわりに非常に安価に購入できるケーブルです。メーカーでは1年保証と4K対応を謳っていますが、結果はご覧の通りです。
一応最高周波数でも電波が消えてしまうということはありませんが、BS左旋2chとBS左旋20chあたりはC/Nの劣化も気になります。
なお、ELECOMのDH-ATLS48K100WHと比べるとその差は歴然ですね。ただし金額も4~6倍ほど違いますので、状況に応じて使い分けるといいでしょう。ただし、こちらのケーブルを使用する場合はそれ以外のルート(分配器、テレビ端子、分波器など)で電波があまり劣化していないことが前提となります。残念ながら安心して使用できるケーブルとは言えない内容です。
実際に2018年12月に開始されるBS左旋放送はBS左旋8chとBS左旋14chとなります。※2020年12月よりBS左旋12chも使用されます。

番外編 Hanwha UMA-ATC3FT

Hanwha(ハンファ)のフラットケーブル(隙間ケーブル)UMA-ATC3FTです。
サッシなどの隙間を通すときなどに役立つケーブルですが、長さが少々短い印象があります。
実際の測定値を見ると、他のケーブルに比べて明らかに大きな電波損失があります。また一番高い周波数では測定できないほど電波が減衰してしまっています。新4K8K衛星放送は見なくてもいいということであればギリギリ使えるかもしれないというレベルです。実際にサッシの隙間に合わせて折り曲げたり、サッシに挟まれた状態ではさらに電波が悪くなる可能性があります。十分強いレベルの電波でのみ使用できるものと考えた方がよさそうです。また、電波漏洩対策はされていないと思いますので、ブースターを併用する場合は注意が必要です。
なお、ケーブルの形状上、測定には別のケーブルを二本かませています。

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